2008年01月26日

「YEN漂流 私はこう見る 鴻上尚史」

以前、「創造」と「空気を読む」は、時に相反することでもあるはず、と書いたけれど、鴻上尚史が似かよったことを言っていたのでメモ。もう随分前(1月8日)の日経連載「YEN漂流 私はこう見る 鴻上尚史」から。

「社会の閉塞感が強まっている。『空気を読めない』という言葉が典型だ。空気を読むという行為は自分で自分に制約を課すこと。『世間体』の復活ということか、日本全体に内向きの傾向がみられる。……
 もう一つの閉塞感は、日本人が結果平等への思いを忘れられないことからくる。……まじめに働いても格差は広がるという重苦しさに包まれている。そうした二重の閉塞感を和らげ、生きて行くことを楽にするのが文化の力であり使命だ。」

 こうした閉塞感を多くの人が感じていて、それを分析することから脱出する手段を模索したり(たとえば、鈴木謙介『ウェブ社会の思想』)、直接的なサバイバル法?を提示したり(たとえば、梅田望夫『ウェブ時代をゆく』)と、さまざまな方向から論じられるようになっているが、その閉塞感はますます大きくなるばかり、というところか・・。

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2007年05月20日

●外岡秀俊『情報のさばき方』

 最近、朝日に目を通してないので知らなかったのだが、外岡氏は本社の編集局長になっていたんだね・・。

 情報の収集、分析・加工、発信といったプロセスでの総合力=情報力をいかに高めるか、自らの経験を元に、丁寧に説いてくれる。長年の記者生活の自慢しようとすれば、いくらでもその手の話はあるだろうに、そうした話はまったく出さず、自らが若手の頃、先輩に言われ、そして自分で確認してみた具体的なノウハウが記されている。
 以前に比べれば、世間の評価も、営業的にも厳しくなっている「新聞」だが、こうした優れた記者が長年、しっかりとノウハウと経験を積み重ねてきた様を見てみると、改めて、その潜在的な力を感じることができる。確かに、ある種の特権を持った者としての奢りも、知らず知らず厚く見にまとっている、ということもあると思うが、まぁ、問題は、営業的なバランスということになるのでしょうか・・。
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「伝達装置」に裏打ちされていたかつてのようなマス・メディアの権威や影響力は、これからはどんどん低くなっていくでしょう。権威を重んじる人はいまだに、「ウェッブ上の意見や感想は、ゴミのようなものだ」といいます。たしかに経験や学殖を重ねた批評家や評論家にくらべれば、一人一人の「素人」の意見は、他愛ない独り言が多いように見えるかもしれません。しかし、専門家の「玉」と、素人の「石」を比べるのは公平とはいえません。素人の中にも「玉」はたくさんありますし、全体の「集合知」の総量を比べれば、ウェッブ上の方がはるかに豊かで可能性がある、といわねばなりません。
 それではメディアに将来はないのか。私はそうは思いません。ただし、これからは「権威」ではなく「信頼」が、メディアの影響力のバロメーターになるでしょう。
 人間の持ち時間は、どれほど便利になっても1日の24時間しかありません。人間の情報吸収度や咀嚼度も、技術の進展に比して飛躍的に高まるというわけでもありません。情報の量が増えるほど、メディアの種類が増えるほど、人は逆に厳しく情報の選択を迫られるという皮肉な現象が起きてしまいます。
 実はここに、情報力をもつ職業集団が今後も生き残る余地がある、と私は思います。かつてマス・メディアが果たしていた情報提供の役割は、IT革命時代にはどんどん比重が低下していくのですが、逆に膨大な情報の中から本当に必要な情報を選別し、検証したうえで、わかりやすく伝える、という役回りがそれです。」

 う〜ん、途中までひじょうに納得するんだけれど、最後の「本当に必要な情報を選別し」の部分はどうなんだろう。各個人にとっての「本当に必要な情報」を、これからもメディアは選別できる、と言えるんだろうか・・。

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2007年03月29日

「LIFE」、また廃刊

 27日、時事に「ライフ」来月廃刊へ、という記事。2004年にエントリーしたように、2000年にいったん廃刊になり、04年に復刊したが、この間の動きはめまぐるしい。2000年に、タイムワーナーとAOLが合併し、社名はAOL Time Warnerに。そして、「LIFE」廃刊。さらに03年にAOL業績不振で、社名から「AOL」が取れて、またTime Warnerに。そして04年に「LIFE」復刊と、ネット企業AOLとオールドメディアTime Warnerの力関係の変化が「LIFE」の刊行に如実に?現れていた。それだけTime Warnerにとって、思い入れのある媒体だったのだろうと推測できる。

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 04年の復刊以降は、書店売りではなくて、主要紙の金曜日版に差し込まれる形だったはず(その形態になった後は、見たことないので知らないんだけれど・・)で、それでも結局、ハイクオリティの写真を集める制作費をまかなうだけの広告が集められなかった、ということだろう。ウェブのほうも、とりたてて積極的に展開していないし。写真の再現性とインパクトでは、現状ではウェブは紙にかなわないので、ビジュアルをメインにした雑誌は、ウェブに切り替える、というわけにもいかずなかなか厳しい時代と言える。

 そろそろ、ビジュアルやデザインを活かしたデジタル版が活性化しつつあるので(「デザインの力」「Olive software社の電子雑誌ビューワー」)、もう少しで状況も変わると思うのだけれど……。

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2007年03月15日

活性化するバイラルCMのビジネス環境

「編集の行方」のほうに、「活性化するバイラルCMのビジネス環境」をアップしました。バイラルCMまわりは活性化しているけれど、日本で生まれる新しいサービスは、アフィリエイトのような"新しい広告スタイル"的なものが多い。バイアウトするモデルが現実的でない以上、当面の収益が確保できる"広告"絡みにならざるをえないのだろうけれど。


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2007年02月26日

ついに日本に登場したブログネットワーク

もうひとつのブログ「編集の行方」のほう、ちょっと更新ペースが落ちてますが・・、昨日「ついに日本に登場したブログネットワーク」をアップしました。アメブロのブログシステムが少しずつバージョンアップしてて、マカーにはかなり使いにくくなっていてメゲます。僕のsafari1.3の問題なんでしょうが・・。

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2006年12月27日

2006年のネット・メディア界を振り返る

編集の行方」のほうに「2006年のネット・メディア界を振り返る」をアップしています。

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2006年11月20日

FedEX ネットワーク

 データをWebならではの方法でビジュアル化することで、エンターテイメントしても楽しめる表現、をときどき考えているのだが・・そんなところで見つけたもの。FedEXの飛行機運行データをビジュアル化したものだが・・。アリですね。

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2006年11月16日

Metacafeとアドウェイズ

 economist.comで、動画共有サイトの「Metacafe」の記事がアップされていた。
YouTubeフォロワーの動画共有サイトは大量に生まれているが、ビジター数のシェアは、YouTube/Google Videoで圧倒的(調査資料もいろいろあって、微妙に違うけれど)で、動画共有サイトにまつわる話題は、シェアよりも、ビデオ投稿者への報酬や広告配信のシステムに移っている。

 イスラエルで生まれたMetacafeの特徴は、フィルタリング(同じものを自動的に除去し、ユーザーが動画を最後まで見たかをチェック)と10万人のボランティアによる格付けシステム(IT pro にインタビューがあった)。これにより、大量の投稿動画の中から、面白いものをピックアップする。

 さらに、先日、Metacafeが始めたのが、Producer rewardsと呼ばれる動画投稿者への報酬システム。閲覧数1,000毎に5ドルで、閲覧数2万を超えたところから支払われる。ただし、動画に対するレイティングが3.0以上である必要がある。Metacafeは、これを広告モデルではなく、こうして集めたユニークな動画をパッケージ化して、放送局などに販売しようとしている。

 今、24000ドルを得ている投稿者がいるが、気に入ったビデオはそれとは別のこれ。

Trick Airplane Indoor Competition - video powered by Metacafe

 広告収入を動画投稿者をシェアするというモデルは、Revver.comが先駆けているが、メントス+ダイエットコーク(以前のエントリー)以来、意外にアクセスを集めていないようだ。このあたり、サイトの微妙なインターフェイスなどがユーザー動向に反映していると思われ、難しいところ。

 また、日本でもアドウェイズが、来年1月から動画共有サイト向けの広告映像を配信するという(参考:プレスリリース)。フリップ・クリップなど8つの動画共有サイトを広告媒体として利用して、総計7万程度の動画に広告を挿入できる。料金は1回の配信で、0.1円程度。動画サイトが6割、アドウェイズが4割を得る。広告は動画サイト別、動画の分野別に配信でき、さらに将来は閲覧時間別に配信できるようにする。

 ここでも、アメリカと日本の広告料金→報酬の差に驚く・・。Metacafeは、1000view=5ドルに対し、アドウェイズ、1000view=100円(内、動画サイトが60円、アドウェイズ40円)。仮に、日本のサイトで投稿者に報酬が支払われることになったとしても、60円の半分、30円ぐらいか? Metacafeの1/20。この違いをどう考えればいいんだろう・・。

 日米の広告料金の差の問題はあるけれど、この動画サイトによる投稿者への報酬と広告システムは、Google+YouTubeの動向(以前のエントリー)を中心にしばらく活性化しそう。

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2006年11月09日

小説のPRもYouTubeで

 クリント・イーストウッドが映画化した「Blood Work」や「ラスト・コヨーテ」で知られるミステリー作家マイクル・コナリーの新作プロモーションが、YouTubeで行なわれている。(参考:LA Times)

 これまでCDや映画などのRPとしてYouTubeは利用されてきたが、ついに小説も、というところ。ビデオへのアクセスは、9日現在1万ほど。LA Timesによると、発売後の結果は良好らしい。目新しい試みということで新聞にも紹介され、いいPRとなっているんだろうけれど、これからもこうした手法が続くんだろうか? 結局、「メントス+ダイエットコーク」のような映像そのものの面白さが勝負になってくるんだろうな。当たり前だけど。


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2006年11月08日

ジャーナリスト向けニューメディアスクール

スペイン滞在については、またおって書こうと思う。
編集の行方」のほうに、「ジャーナリスト向けニューメディアスクール」をエントリー。

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2006年10月23日

ビデオブログに転身した有名ブロガーの悩み

編集の行方」に、「ビデオブログに転身した有名ブロガーの悩み」をアップしました。Robert Scobleが、自分のブログで、ビデオブログの採算性について語ってます。

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2006年10月21日

GoogleがYouTubeを買った本当の理由

 GoogleによるYouTube買収に関して、これまで多くの人が様々語っているが、なにかあまりピンと来るものがなかったんだけれど、FORTUNEの「The real reason that Google bought YouTube?」という記事は面白かった。おおよそ、こんなところ。

「Googleは、YouTubeのビデオストリーミングの隣にビデオ広告を載せて、収益を上げるかもしれないが、買収のために16.5億ドルもの資金を投入したのは、他に理由がある。Googleは、以前から、オークションによる広告売上高モデルをネット以外の"古いメディア"=印刷媒体、ラジオ、テレビ に拡大したいと言っている。Googleにとって、YouTubeの買収金額は最大で、2番目に大きいのは、ラジオに自動的に広告を載せるシステムを作った dMarc Broadcasting Servicesだ。

 テレビの広告は、ネットに比べるとまだとてつもなく大きい。去年のアメリカでネット80億ドルに対し、テレビの広告は610億ドル。Googleは、従来のテレビ広告を売るビジネスを始めるために、よりよいポジションを獲得するためにYouTubeを買った。

 CEOのエリック・シュミットは、これまでも、そうした野心を公言していた。今のテレビ広告はしっかりターゲッティングがされておらず、見ていても時間の無駄。しっかりとターゲット化された広告システムを作ると。

 YouTubeを買うことは、広告主が、テレビ広告とは違った形の広告を経験するプラットフォームを与える。もしGoogleが、オフライン広告の効果をテストするツールを広告主に提供することができたら、テレビ、ラジオ、印刷媒体、すべての広告を取り仕切るためのいいポジションを得られる。

 ウェブが他のすべてのメディアをしっかりリンクした時、 Googleははるか先にいる。」

 テレビ視聴者の対象を絞り込み、効果の計測可能にする・・その手始めにYouTubeを使う、というのはわかったのだが問題はその具体的な方法だ。このあたり、エリック・シュミットの以前の発言としてリンクされていた、ZDnetのブログ「Google CEO wants $74 billion TV ad market」をたどっていくと資料があった。ZDnet japanでは翻訳されていなかったが、CNETの坂和敏さんのコラム「グーグル「740億ドルテレビ広告市場征服」の野望」でまとめている。

 う〜む、技術的には、まだ曖昧なところが多いが、YouTubeの買収の真意は、このあたりにありそう。

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2006年10月19日

積極的にオンラインに進出するBusinessWeek編集長インタビュー

 もうひとつのブログ「編集の行方」に、「積極的にオンラインに進出するBusinessWeek編集長インタビュー」をアップしました。いろいろあって・・これから、メディア関連のエントリーは、あちらにアップしていこうと思います。

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2006年10月18日

クリティカルマスを越える「Second Life」

 昨日、「ロイターが「Second Life」の中に、ニュース支局を設立」とエントリーしたのだが、「Second Life」内にブースを作るのは、今、ちょっとしたブームになっているようだ。WIREDも「Second Life Travel Guide」の記事を作る(バーチャル・セックスや危ないのばっかです・・ww)一方で、ブースを設立。9月にはCNETもすでに作っていて、このあたりの動向をBusinessWeekが記事にしている。

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WIREDオフィスの向こうに、Cnetビルが見える。が、時間帯が悪かったのか、そのエリアに人影なし・・。

 企業のプロモーションとしての利用例が紹介されているのは、 Adidas、Sun Microsystems、Toyota。Toyotaは、SIONのギャラリーをしていて、「Scion indeoendent film series」を流しているようだ。

 Suzanne Vegaも、こんなことやってた。

 メールマガジン、RSS配信、ブログ、podcast、動画配信……ときて、ついにヴァーチャルワールドでのパブリシティが、当たり前になってきそう。使えるメディアはすべて使う。一時のattentionを引きつける力はエッジのメディアほど強い、ということか。

先日も、ハーバード・ロースクールの講座がスタートしたとエントリーしたが、登録ユーザー数も、ここ2ヶ月で倍増しているらしい(:Techcrunch)。「Second Life」そのものは、ずいぶん前からあったのに、こうしたムーブメントの波は不思議なものだ。一時的なブームをも越えた存在になりうるのか・・?

 WIREDのクリス・ベイカーがこう言っている。
「Second lifeは ほとんどYouTubeのような現象だ。クリティカル・マスに到った。」

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2006年10月17日

『Business2.0』、スタッフ全員ブログ開始

 先週、もうひとつのブログ「編集の行方」のほうで、「『Business2.0』とブログの行方」というエントリーをした。『Business2.0』の編集長が、所属するジャーナリストすべてにブログ執筆を義務づける、とあるカンファレンスで口を滑らせ、それが、マスコミ関係者で話題になっていたのだ。そのブログが、今週、徐々に始まっている。まだ全員ではないが、ジャーナリスト、編集者から、アートディレクターや写真担当編集者までも、ブログを始めている。このあたりの経過は、「Business2.0」ウェブ内スタッフブログや、I Want Mediaでの編集長へのインタビューで語られた。

今、始まっているのは、7つ。
Dawn Patrol (Michael Copeland on venture capital, startups, and surfing)
Green Wombat (Todd Woody on green tech and business)
The Key (Paul Sloan on Internet media, music, and advertising)
The Real Estate Economy (Paul Kaihla on real estate and the economy)
Waterlog (Jeff Davis on ocean and sailing tech).
Seen and Not Seen (Art Director Eric Siry on design)
128 Hours (assistant photo editor Ben Smith on overclocked cars, cameras, and other toys).

 ここで特徴的なのは、このブログの報酬システムだ。それぞれのブログのページビューに応じて、担当ブロガーに報酬が支払われる、という。このあたりは、Nick Denton の Gawker Media などで行なわれているスタイルを踏襲したものだろう。このPVに応じて報酬が支払われるというシステムが、ジャーナリストにふさわしいものなのか、個人のブログ執筆の強要が、雑誌の質の低下を招かないか、また、ブログ内の記事が、雑誌のブランドを低下させることにならないか、というあたりが懸念されている。

 CNNMoneyから、直リンクも貼られ、多くのアクセス(=多くのボーナス)が期待されることもあって、スタッフは大喜びだというが、反応を見ていると、意外に周囲のマスコミ関係者が、ジャーナリストのブログについて、懐疑的な意見が強いことに驚かされる。また、親会社のTime社としても、かつてない冒険的な方針転換だとして、かなりの大事扱いだ。

 Om Malik が 『Business2.0』から独立し、自身のブログ「GigaOm」を商用ブログとして成功させたことから始まる騒動。かつての同僚が、商用ブロガーとして大きな成功を納めていることに、心穏やかではいられなかったのかもしれない。先月は、大きな収入を得られるようになった商用ブログ事情について「Blogging for Dollars」という特集を組んだところ。このスタッフブログから、第二のOm Malikが生まれる、彼らがまた独立していくことにでもなれば、なにか、ブログを利用しての、積極的な改革というよりも、これを機に『Business2.0』が、月刊誌というビジネスモデル的にも、内部の求心力からも、徐々に崩壊し始める気もするが・・杞憂だろうか.

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 最終的には、それぞれのブログが成功するかどうかは、枠を作ったかどうかでなく、ブログの内容による。ジャーナリストは、所属する組織のブランドや信頼と共存する形から、「個」の存在が、強調される時代にますます突入しそうだ。

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2006年10月16日

「編集の行方」3回目

もうひとつのブログ「編集の行方」のほうで、「マスメディアと"市民ジャーナリズム"」、アップしました。

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2006年10月12日

マイケル・アーリントン(TechCrunch) vs NY times

 The Online News Association conferenceで、TechCrunchのMichael Arringtonが「Diggのようなユーザー参加型のニュースサイトは、ジャーナリストの仕事を変化させるだろう」と講演した、と昨日エントリーしたが、これには後日談があった。

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 Michael Arringtonの自身のブログ Crunchnotesで、そのカンファレンスに参加した模様を書いているのだが、これがかなり荒れたものになったようだ。そこでの Arringtonの発言は、Digg的フィルターによって、ジャーナリストの役割が変わる、というものだけでなく、こんな感じ。
・ニュースが遅く、ほとんどのメインストリーム・ジャーナリズムは面白くない。NY Timesを見ても、ブログより1日遅れている。
・ブログで行なわれているような議論がないし、競合の引用もしない。
・NY Timesが、最近発表したオフライン・リーダーは、読者が望んでいることに対応できないことを示している。
・NY Timesのテクノロジー・セクションは、製品へのゴマスリ記事に違いない、さもなければ製品のことがわかってない。

 この最後の発言にNY Times関係者が噛み付いて、証拠を出せ、そうでなければ謝罪せよ、と反論し、Arringtonは集中砲火を浴びることに。結局、Arringtonは、先の発言について謝罪させられることになった。
 
 今回のカンファレンス主催者が、「Online News Association」というメインストリーム・ジャーナリストによる組織だったとはいえ、アメリカでさえ、ブロガーとメインストリームのジャーナリストとの間に、これほどの大きな溝、カルチャーの違いが横たわっていることに驚く。それでも、こうしたカンファレンスでプロ・ブロガーを招待し、話しを聞こうというだけでも、日本の状況とは大違いとは言えるが。

 このカンファレンスが行なわれたのは、先週土曜日7日。ちょうどGoogleによるYouTube買収報道騒ぎの最中だ。メディアパブで書かれているように、この報道は、Michael ArringtonによるTechCrunchでの記事に端を発して、マスメディアが追随する形で、この話題を取り上げ、ブログをマスメディアが補完し協調しあう関係が生まれたところだった。

 Michael Arringtonも、ここまで言うとは・・これからが楽しみw。

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2006年10月11日

Digg型フィルターは、ジャーナリズムを変える

The Online News Association conference」で、TechCrunchのMichael Arringtonが講演し、Diggのようなユーザー参加型のニュースサイトは、ジャーナリストの仕事を変化させるだろう、述べたという。「人々は最も重要なニュースをセレクトするために、編集者は必要ないとますます感じている」。そして、NY Timesやロイターのような実情報を集める取材記者と、Diggのようなフィルター的役割と別れて行くだろうと予測。その結果、ジャーナリストの仕事は、取材に特化していくだろう、という。

 ディープリンクが一般的になって以降、こうした流れはすでにはじまっていたわけだが、ここへきて、様々なニュースアグリゲーターが生まれ、さらにパーソナライズ化が進んだことで、ニュースサイトの「編集」的役割の必要性がますます弱くなっている。"編集"というと、文字どおり"集めて" "編む" わけだが、"編む"部分は、個々人が自分の嗜好にあわせて(また自動的に)行なうので、あとはジャーナリズム業は、"集める"部分だけ行なえばいい、というわけだ。
 
 また、欧米で盛んになっているフリーニュースペーパーも、主に、通信社から記事を買っているようだから、ここでも"集める"と"編む"は、別組織化している。ニュースを安価に集めるポータルサイトのあり方も、ひとつの転換点だったのかもしれない。こうした流れに、NY Timesなどは、サイト内にパーソナルページを作るなどの手をうって、サイトの独自性とさらなるブランド化を図って、必死にあらがっているわけだが、この流れを押しとどめることはできないように思う。

 そこで、心配されるのは、"サイバーカスケード"の問題、さらには、ビジネスから見た"ジャーナリズム業"の行方か・・。

投稿者 esaka : 16:22 | コメント (0) | トラックバック

2006年10月09日

WindowsLiveジャーナル

 先週から、「編集の行方」という別のブログをはじめている。WindowsLiveのパブリシティとしてはじまったWindowsLiveJournalの一環。僕のほかには、山形浩生さん歌田明弘さん船田戦闘機さん渡辺保史さん向山昌子さんで、計6人。それぞれ別のブログサービスでブログを書きつつ、WindowsLiveのパブリシティページでアグリゲーションする、というもの。プロデュースは、スタイルの竹田茂さん。僕も編集で参加してます。まだ、WindowsLiveのほうのアグリゲーションは11月スタートとのことです。

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2006年10月04日

「Second life」を使ったハーバードロースクールの講座スタート

 ハーバードロースクールの講座「CyberOne: Law in the Court of Public Opinion」が、Second lifeを使って開かれている。ロースクールやエクスティンションスクールの学生の他にも、インターネット経由で誰でも参加できる。担当教授は、例のミッキーマウス保護法でレッシグとともに闘ったCharles Nesson。案内ビデオがYoutubeにあげられている。

 シラバスにある参考資料は、イラクに派遣された兵士自身が兵士を撮影したドキュメンタリー映画「The War Tapes」や、ヨハイ・ベンクラーの「The Wealth of Networks」で、講義内容も期待されるところ。Second life内の指定のポイントに行ってみたが、馴れないせいもあって、そこでの講義がどんな形になるのかよくわからなかった・・w。

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 Second lifeの他にもwikiやpodcastなどできるだけ最先端のメディアを実際に使いつつ、そこで起きる問題を含めて最前線の情報法を論議しよう、ということだろう。アメリカでも、こうしたスタイルが、どういう受け入れられ方をされているのか、よくわからないところだけれど・・。
 Second lifeも日本語化間近だというし、白田秀彰氏がSecond life内で講義してくれると面白いな〜。

投稿者 esaka : 16:50 | コメント (0) | トラックバック

2006年09月29日

ハイパーテキストからハイパービデオへ

 ネットは一気に動画の時代に入ったが、動画を配信するシステムがこれだけ充実してくると、あとは、そこに広告をどう入れ込むか、ということが大きな課題になってくる。これまでどおり、映像の前後や途中にCMを流すか、別ウィンドウで表示するしかないのかな〜? そう考えていたところに「Economist.com」でハイパーテキストならぬハイパービデオと呼べる技術が紹介されていた。

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 記事中で紹介されていたeline TechnologiesのVideoClixでは、映画の画面中の物体(例えば自動車)をクリックすると、関連情報や広告が隣のウィンドウに表示される。Flashのデモで、この技術を見るできたなかなか面白い。まさに新しい映像体験。映画を見る、という完全受け身の態勢と、積極的にクリックするというアクションを同時に行うことが、なんとも忙しなく感じたりもするのだが、このあたりは、元の映像次第、というところもあるだろう。
 また、広告やeコマースへの適応が、先ず利用されそうな技術ではあるけれど、そうした使い方以外にも、この"ハイパービデオ"は、映像の見方を大きく変える大きなインパクトを持つ気がする。

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2006年09月26日

Techmeme の新しい広告モデル

 昨日エントリーした"ミームトラッカー"の代表的サイト「Techmeme」が、新しい広告モデルを開始した。これまでビジネスモデルが明らかでなく、アドセンス入れず、ブログネットワークにも参加せずバナーもいなかった。また、あえてPVを稼ぐ形でサイトをデザインしていないので、これからどうするんだろうと心配?していた。

 詳細は、TechCrunchメディアパブでも紹介されている。新しい広告システムそのものは単純だけれど、これまでにはない形だ。今のところ、3つの広告枠に常にクライアントの最新ブログ記事が表示されるようにしている。広告料金は、1ヶ月、上段が4500ドル、中段が3500ドル、下段が3000ドル。CPMは5-8ドル。1年に換算すると132,000ドル。以前、Paidcontent.orgが年100万ドル以上の広告収入とBusiness2.0が推計していた。Alexaを見ると、Paidcontent.orgとTechmemeのアクセス数はほとんど同じなんだけど、かなりの差だ。う〜む。Techmemeには、memeorandumやBallbug、WeSmirchといったIT以外の政治、野球、芸能、といったサイトがあるので、徐々にそちらにもこのシステムを展開していくから、もっと増えることは間違いないのだけれど・・。

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 それにしても、こうして独自性の強いサービスを生み出し、さらに新たな広告モデルを作り出す、というのは凄い。やはり、アメリカのブログ界でもかなりの評判のようで、Buzzmachine.comの提案で、MTやword pressなどのプラグインを作って、他のブログでもこのシステム活用しようともしている。このスタイルの広告、徐々に広がりそうな予感。背景には、企業のブログの増加、という状況があるので、この点でもやや遅れている日本では、広まるにはもう少し時間が必要か?

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2006年09月25日

ミームディガーとミームトラッカー

 バズワードが氾濫するIT業界。web2.0以降、その傾向は加速しているけれど、これまで使っていた言葉ではなかなか表現しにくいサービスがこれだけ続々と出現してくると、そうしたバズワードを使うことで、ひとつの傾向の輪郭がはっきりするということもあって、まぁ、仕方ないところ。

 で、このところ気になっているのは、ミームディガーとミームトラッカー。それぞれの定義は、p2pfoundationの辞典で紹介されている(MemediggersMemetrackers)。(話しはそれるが、このp2pfoundationの辞典は、重要なキーワードが集められていて凄い!)

 それぞれ、一種のニュースアグリゲーターで、ミームディガーは、ユーザーが参加してランキングするDigg型のサイトをいう。日本ではソーシャルニュース、と言われることが多いか。Diggの大成功で、netscapeをはじめとして大量にクローンサイトが出てきているが、日本でも、このタイプのサイトはいくつも作られているが、アメリカほど盛り上がらないのはなぜなのだろう・・。

 ミームトラッカーは、自動的にブログを巡回して、話題が集まっているサイトをランク付けするもの。代表的なところで、Techmeme(Memeorandumから改名。去年のWIRED NEWS)がある。こちらも、Techmemeクローンがいくつか現れている。eHubによるTailRanKのインタビューが、Cnetに掲載されていて、ここで"ミームトラッカー"として紹介されている。

 ミームディガーとミームトラッカー・・有名ブロガーたちが、今春に使い始めたようだが、これから日本でも広がる・・?

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2006年09月15日

ネット広告収入を増加させるオールドメディア

 インターネットの広告市場は急成長している中、既存マスメディアの広告市場は頭打ち状態が続いていて、これらの"オールドメディア"も、徐々にネットにシフトしてきている(参考:FT.com)。オンライン、モバイル広告市場、220億ドルのうち、オールドメディア・グループのシェアは、2000年の23%から37%に上昇している、という。

 ルパート・マードック率いるNews Corp.は、昨年MySpace.comを買収した後にも、一気にネット路線を拡大していて今後の展開から目が離せないが、The New York Times やDow Jonesといった大手メディア企業も、ネットで力を注入していて、徐々にネット広告収益を拡大させている。

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 アメリカでは、既存メディアのビジネスモデルの限界は、すでに関係者の間で周知の事実となっていて、あとはいかにネットでのビジネスモデルを確立しつつ、これまでの体制からいちはやくシフトしていくか、という転換期に来ている、というところか。だが難しいのは、ネットの広告市場が拡大し、オールドメディアもネットでの展開に力を注いでいるといっても、既存のビジネスモデルのような効率で収益が見込めず、その具体的な展開も見いだせていない、というところだろう。とはいっても、今のまま立ちすくんでいても市場は縮小していくばかりで、前に進むしかないのだ。

 いっぽう、ネットの状況を見てみると、ユーザージェネレイテッド型メディアは急成長しているが、既存のメディアが得意にしてきたコンテンツをパッケージ化することで、ブランドと信頼を高める手法は、ユーザージェネレイテッド型ネットは不得手にしている。そこで、ふたたびネット内で"ブランドと信頼"の需要が高まっても不思議ではない。そこに既存メディアがネットで生き残る道があるかもしれない・・。

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2006年09月12日

Knight New Media Center

 今年4月、ジャーナリストが、これからのメディア状況に適応するために教育・訓練するための学校「Knight New Media Center」が設立されている。プログラムは、取材、編集の仕方などとともに、ビデオ、音声、写真、ウェブデザインなど、マルチメディア形式の記事を手元のPCでの制作編集技術の習得を目的としたプラクティカルなもの。ちょうど今、案内しているセミナーの内容は「Decision-making for the Online Editor」。

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 どれほど実効性のあるものかわからないが、市民ジャーナリズムが盛んになり、市民記者とジャーナリストの境界がどんどん曖昧なものになっている(とされている)いっぽうで、こんな学校が作られることに驚く。欧米の大学のジャーナリスト・コースの充実度は、素晴らしいものがあるというが、こうした新しいメディア環境への対応もそうした幅広い"ジャーナリスト教育"の一環なのだろう。

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2006年09月10日

Magnum Photos - In Motion

 画像の力を見せるサイトを!とエントリーしたところなので、最近、Magnumはどうなっているんだろう、と思ってサイトを見てみると、なかなか面白いことになっていた。写真をスライドショーとエッセイの語りで見せる「Magnum Photos - In Motion」が出来ていた。ちょうど、「September11」がアップされている。このシリーズは、写真集も凄かったが、音声付きで、スライドショーで見るのもまた別のインパクトがある。さらに、ビデオ・ポッドキャストにも対応していて、毎週新しいシリーズがアップされるようだ。どの写真も、圧倒的に力が強いから、ビデオ・ポッドキャスト用の小さな画面でも意外に楽しめる。

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 以前から、写真を大胆に見せるサイトはあったのだが、ウェブではなかなか写真の力が伝わらないし、回線スピードの制限もあって、あまり興味をもてなかった。やっぱり写真は写真集や雑誌で、という感覚がどこかに強くあったんだろう。だが、これだけ情報収集がほとんどウェブと依存するようになると、テキスト中心のウェブの現状が不満に思えるし、モニターで見る写真も、それはそれで楽しめる。テキストとビジュアルのバランスをそろそろ考え直してもよさそうだ。
 ..Magnumでは、ジョセフ・クーデルカの写真が好きなんだが、最近どうしているんだろう・・。

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2006年09月07日

動画もいいけど、画像は・・?

 appleやamazonやMTVが、映画のオンデマンド配信を始める(参考:latimes)ということで、一気に動画配信が普及しそう。今年に入ってからのYouTubeの爆発は、ネットの世界を一気に"動画"にしたというところか。

 インターネットが最初に話題になった95年頃、コンテンツのデジタル化で、一気に"マルチメディア"がやってくると騒がれたものだが、いざふたを開けてみると、ネットは"テキスト"が中心だった。マルチメディア気運が盛り上がった95年頃に比べても、画像などを排して、テキストだけでサイトを構成することが、逆に"シンプル"として、より受け入れられるという状況が続いていた。世界的にはGoogleが、日本では2ちゃんが、こうした流れを牽引したと言えるだろう。

 ところが、今、こうした流れが一気に動画へ向かおうとしている。背景には世界的なブロードバンドの普及の高まりがあるが、やはり、YouTubeなどを通して、気軽に動画を楽しむという経験が日常化したことが大きいだろう。日本でも、もちろんGyaoを筆頭にこうした流れにあって、ネットの世界は、テキストから一気に動画に塗り替えられるのかもしれない。

 これはこれで楽しみなのだが、個人的に気になっているのは"画像"だ。
動画が一般化するほどインフラ整備が整った今、動画よりも回線負担の少ない"画像やデザイン"で、ユーザーの注意を喚起するコンテンツがもっとあってしかるべきだと思うのだ。特に日本では、ネットで優れた画像を扱おうという意識が低い。日常的に報道で扱われる写真でも、NY Timesguardianと日本の新聞サイトを見比べるとそのレベルの差に驚くし、また、Yahoo.comとYahoo.co.jpを比べても優れた写真を扱おうという意識の違いの差を感じる(Yahoo.co.jpのニュース・トップで、韓国、中国の写真が頻繁に表示される意図は、ほんと不明。余談だけど)。

NYT060907.jpg

 確かに、小さく表示されるだけの写真に、手間をかけるのは無駄と考える理屈もわかるのだが、そろそろこうした流れとは一線を画して、ビジュアル重視のネットコンテンツが現れてもいい頃だろう。先日から、電子雑誌のフォーマットに注目しているのも、こうした理由からだ。とりあえずは、ファッションなどのビジュアル雑誌の電子版が一般化することで、徐々に変わっていくだろうか・・。

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2006年08月29日

The Economist「Who killed the newspaper? 」

「The Economist」に「Who killed the newspaper? 」という記事。新聞販売の低迷は世界的な動向で、無料新聞、ネットへの移行、と新聞のビジネスモデルは急激な変化に直面している・・。これまでもよく言われている内容で、取り立てて面白いわけではないのだけれど、記事内にあったオープンソース・ジャーナリズムを志向する非営利の「NewAssignment.Net」が気になった。

economist060829.jpg

 NYUでジャーナリズムを教えるJay Rosenが「NewAssignment.Net」を立ち上げたもの。正式スタートは来年4月の予定。市民記者とプロの記者、編集者をネット上で結びつけて新たなジャーナリズムのスタイルを作り上げよう、ということなのだが、"オープンソース・ジャーナリズム"という概念が、まだ固定したものではないし、このプロジェクトもまだまだあやふやなところが多い。
 『We the Media』のダン・ギルモアも、昨年秋に「Bayosphere」をスタートしてオープンソース・ジャーナリズムを試みたが、すでにサイトは閉鎖されている。「NewAssignment.Net」はどうなるだろう・・。
 いっぽう、CNN exchange(以前のエントリー)は市民記者を取り込みはじめ、washingtonpost.comは、ブログ広告ネットワーク"BlogRoll"を始めるなど、既存メディアも、記者、読者、広告といった様々な方向から新しい手を打っている。
 その意味では、6月に始まったInternational Herald TribuneohmyNews Internationalの提携は、相互補完の形として、これからの一つの流れとなるかもしれない。日本では、「オーマイニュース日本版」がスタートしたところだが、こちらもどうなるんでしょう・・。

※International Herald Tribuneのサイトをチェックしたら、以前はあったohmyNews Internationalへのリンクが消えている・・。一時的なものなのか?

投稿者 esaka : 23:12 | コメント (0) | トラックバック

2006年08月25日

メインストリーム・ブロガーズ

 アメリカでは、一部のブログが広告収入を急増させて、その存在を確固としたものにしている。なかでも、先週、サンフランシスコでパーティを開いた(その模様はこちらTechCrunchは、24日、フランス版、日本語版に続いて、イギリス版もスタートさせて、まさに急成長を遂げている。

crunch060825.jpg

 Business2.0によると、主なブログの広告収益予想は、以下のとおり。

  TechCrunch:720万ドル/年、
  Gawker Media:300万ドル/年、
  Boing Boing:100万ドル/年、
  Paidcontent.org100万ドル以上/年、
  Fark:700万ドル

 いやぁ、なかなかです。Business2.0のブログでは、これらをメインストリームメディアのような影響力を持つMainstream bloggers (MSB)と呼んでいる。それぞれが、個人の余暇で執筆されたブログの域を越えて、専門スタッフを擁しつつも、適度に効率化された新しいメディア業だ。先日も、そのBusiness2.0の編集者OM Malikが、ベンチャーキャピタルからの出資を得て、自身のブログGigaOMをより拡大させて、ブログ業に専念し始めたところ。こうして既存のメディア業内からも、"個人"が自身のメディアを専業にする流れもあれば、多くのブログをまとめがあげてメディアレップ業を行うジョン・バッテル(『ザ・サーチ』の著者で、『WIRED』や『Industry Standard』を立ち上げた)のようなパターンもあって、メディアビジネスとしてのブログも、ますます活性化している。

 ただ、TechCrunchのパーティの様子を見ていても、何か2000年あたりのITバブルの風景を思い出させるところもあり、Web2.0界隈の過剰な盛り上がりが、こうしたところに反映されている気もする。そのあたりの反動が心配だが、それでも当面は、ブログへの広告費が拡大することは確実で、MSBと呼ばれるブログもますます増えていきそうだ。
 

投稿者 esaka : 01:48 | コメント (0) | トラックバック

2006年08月24日

雑誌の一部分が読めるサイト「magabon」

 電通とタグボートが、雑誌の一部を閲覧できる「magabon」というサイトをスタートした。(参考:Cnet)このところ、何度か電子雑誌についてエントリーしていたところで、ついに日本でも電子雑誌ポータルがスタートしたか! とサイトを見に行ったのだが・・やや期待はずれか。

 閲覧できるのは一部のみ、検索も見出しだけ、閲覧できる部分もスキャン画像?で、あまり綺麗に反映されていない。来年の1月には、雑誌毎のSNSも始まるというから、徐々にさまざまなサービスが改良はされていくのだろうけれど。現状では、出版社などからの広告料で運営されるというが、ただでさえ苦しい雑誌業界に広告料を期待する、というのはなかなか想像しにくいけれど、どうなんだろう。

 雑誌販売、広告が停滞している中、「雑誌」というパッケージを壊さず、かつ余計な手間をかけず、ネットに進出を試みたいと考える出版社は多いと思う。かといって、何十年も安定してきた雑誌のビジネスモデルを壊してまで、ネットに進出するのは勇気が必要だ。しかし、雑誌を電子化して、ネットで販売するという形はこれから一般的なものになるはず。電子化した雑誌を印刷された雑誌のPRとして考えていては限界があるので、やはり、電子化し、ネット流通することの利点、利益が、出版社に還元されるモデルを作る必要がある。

 読者が購入したいと思うような電子雑誌にするためには、全文検索やリッチメディア化といった工夫も必要だし、さらに電子雑誌ならではの広告を入れるて、ネット流通のメリットをクライアントに理解してもらう努力も必要になるだろう。フォーマット的には、制作の手間がわからないが、Olive software社のOlive ActiveMagazineなどはよくできているように思えるのだが・・。

○関連エントリー
ネコ・パブリッシング、電子版雑誌ネット販売
Olive software社の電子雑誌ビューワー
ジニオ社ソフトを使ったデジタル雑誌

投稿者 esaka : 00:49 | コメント (0) | トラックバック

2006年08月17日

盛り上がる「草の根ビデオ広告」

 先日、「メントス+コーク噴水 コンテスト」をエントリーしたところだが、"草の根ビデオ広告"の盛り上がりは、予想以上だ。(参考:New York Times)

 New York Timesで紹介されているVonegeのパロディ広告は、YouTubeをのぞいてみると、大量にアップされている。MTVの「Jackass」のようなおバカなテイストが、いまどきのアメリカの10代のノリなんだろう。音楽は、最近、速水もこみち+伊東美咲のANAのCMでも使われていた日本のTHE 5.6.7.8'S。

 こうした"バイラル・マーケティング"はますます増えそうだが、予定どおりムーブメントを起こせるか、また、万一"祭り"になったとしても、そのムーブメントの行方をどこまで管理できるのかはひじょうに難しい。コントロールしようという姿勢が少しでも見えると、一気に反感を買うことにもなりかねない。

 それにしても、こうした"草の根広告パロディ"が大量に作られるには、背景に映像作品を気軽に作ってアップする土壌があるわけで、日本ではなかなかこうはいかないかもしれない。Macに iMovieやGarageBand といったクリエイティブ系のソフトがバンドルされているのもアメリカのこうした"誰でもお気軽クリエイター""Do it yourself"といったカルチャーの背景を感じるし、レッシグのクリエイティブ・コモンズも、この広く大きなクリエイター層の利便を守るためのアクションで、日本との文化的な背景の違いを感じていた。

 こうした背景の違いがあるので、アメリカの広告手法のすべてが、そのまま日本で通用するようには思えないが、ドラスティックな変化を遂げつつある広告市場のありようにはしばらく注目しよう。ビジネス面から見ると、 新しいスタイルの広告の誕生は、新しいメディアの誕生と同じだと言えて、個人的な関心事はそちらにあるわけだが。

 ここでは、Vonageではなく、NYTに紹介されていたVolkswagen PoloのフェイクCMを貼っておこう。この時期、シャレにならないけど。


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2006年08月12日

メディアの業態を変える"ジェネレーションN"

 Ofcomの調査によると、イギリスの若い世代(16〜24歳まで)のメディア環境が急激に変化している、という。(参考:BBC news) 
・1週間に平均3時間ネットにアクセス
・70%が、SNSに登録するか、自分のブログを持つ
・半数が、ゲームやMP3プレイヤーを持つ
・他の世代よりも、テレビ視聴時間が7時間短い
・伝統的なメディアから離れ、ニューメディアに移行している

generationn.gif

 2005年、家庭へのブロードバンド普及率は、63%まで高まっていて、この世代は、直観的にネット環境に馴染むことができるのだ。これを、paid Content.orgは、「ジェネレーションN」(NetworkのN)と名付けている。

 こうした事態は、世界各地で同様だろう。先週のマッキンゼーのレポートでは、テレビ広告は、2010年には1990年の3分の1になると予想。ここでも10代の既存マスメディアからの乖離が指摘されている。ブロードバンドの一般化がもたらした若者のライフスタイルの変化は、WEB2.0騒動を越えて、確実にマスメディアの業態を激変させそうだ。

投稿者 esaka : 00:13 | コメント (0) | トラックバック

2006年08月11日

ヨーロッパで急増する無料新聞

 「R25」の成功から、列車通勤者を対象にしたフリーペーパーが急増したが、ヨーロッパでも急成長しているようだ。(参考: International Herald Tribune ) 日本では雑誌スタイルなのに対し、ヨーロッパではタブロイド紙スタイルで、毎日発行の"無料新聞"。

 特に注目したいのが、「Metro」。95年にストックホルムで創刊し、徐々にヨーロッパ各国、南米アメリカ、アジアへと進出。今では、21カ国、93都市で発行されている。読者合計1850万人という。2002年、パリに進出した際には、出版労働組合などの反対を受けて、クルセンブルクで印刷されパリに持ち込まれたにも関わらず、配布しようとすると組合員にまき散らされたり、セーヌ川に捨てられたりして騒動になっている。ちなみに、日本の「メトロミニッツ」とは関係ない・・はず。

metro.jpg

 パリで既存の新聞を読まない若者を読者に取り込んで大成功した「Metro」は、徐々に各地へと拡大していった。内容は、日本のフリーペーパーと違い、記事の内容が通常の新聞と同様の報道記事主体となっている。

 こうしたフリーペーパーの成功を当初は排斥に動いていた既存の新聞社も、徐々に、対抗的なフリーペーパーの発行、さらに共同経営や、また自らフリーペーパーへと転換するなど、新聞業界はかなりドラスティックな変化が起きている。ニューズ・コーポレーションは来月イギリスで無料の新聞を始動する計画で、ルモンドとフィガロも無料新聞プロジェクトがある。アメリカでは、家庭の玄関に直接置いていくフリーペーパーもあるというから、ビジネスモデルの変化も急だ。

 フリーペーパーとなると、広告中心、制作コスト削減、となるのは、やはり必然で、通常の新聞の編集コストが20〜40%に対し、フリーペーパーは、10%ほどだという。「Metro」も通信社の記事をそのまま掲載、という構成が多い。さらに、若者に気軽に手に取ってもらうために、重い内容を避けて、写真やグラフィックを付けたエンターテイメント性の強い記事が増える傾向にある、という。日本のフリーペーパーは、そのスタイルを先駆けていると言えるだろうか。アジアでは、ソウル、釜山でも発行されているのに、日本でどうして「Metro」が発行されないのか・・そろそろ、東京にも無料新聞があらわれてもいい頃だ。

 新聞はなくならないが、これまでの新聞社は、大きく変わらざるを得ない。すべてのきっかけは、インターネットがもたらした「情報はタダ」という感覚の一般化だろうか。

投稿者 esaka : 11:19 | コメント (0) | トラックバック

2006年08月04日

"ニューメディア"の主要人物

wall street journal で、ポッドキャスト、Flickr、Youtubeなどの新しいメディアによって、大きな影響力を持つようになった(かつては)名も無き個人を紹介している。"web2.0が生んだスター"と言ってもいいだろう。
wsj060804.jpg

 元記事にリンクが貼ってなかったので、こちらにまとめてみる。

(ポッドキャスト)
it's jerry time
Keith and the Girl
Tiki bar TV
Amanda Congdon
Ask a Ninja
muggle cast

(アマチュアビデオ)
Evolution of Dance
Brook "Brookers" Brodack
Extream Diet Coke & Mentos Experiments
Matt Harding

(ソーシャルネットワーク)
Christian Dolce
Lustra

(音楽)
David Nevue
Scot Lapatine

(ブログ)
Boing Boing

(写真、TV、映画)
Rebekka Gudleifsdutir
Four eyed monsters
Rooster Teeth
Homestar Runner

日本でも以前から知られているもの、まったく知られていないものいろいろだが、さすがに、どれもとても魅力的なコンテンツだ。映像が凝っているもの、コメディタッチでひねりの効いたものも多い。中でも、印象に残る3つをあげておこう。

「Extream Diet Coke & Mentos Experiments」
ダイエット・コークにメントスを入れて、コーラの噴水アートを作り出すこのユニークはビデオ
は日本でも話題になっていたが、すでに500万回視聴され、3万ドル収入があったという。ビデオの最後に広告を付けるRevver.comで、映像を流しているためだ。さらにYoutubeやgoogle videoで海賊版が流されているため、それを換算すると3万ドルは損失だという・・。Revver.comの手法は、注目に値すると思うが、それについてはまた別の機会に。(参考:business week/ Whose Video Is It, Anyway?)

Christian Dolce
Myspaceで、100万人の友だちリストを持つもっとも有名な一人。モールのメークアップ・カウンターで働いていた彼女は、ネットでのネームバリューによって、今や、新しく始まったジーンズの会社を持ち、マネージャーもいるて、化粧品などのPRも担う。

Rebekka Gudleifsdutir
2005年のFlicky awardを獲得したアイスランドの女性写真家。すんだ透明感のある美しい写真群。ここでの写真が目に留まり、トヨタの広告を撮影することになったという。


 誰にも知られていなかった優れたクリエイター達が、こうして一気に大きな評価を獲得できる機会が生まれたことは素晴らしい。また、これまでクリエイティビティに目覚めていなかった多くの人たちを、気軽に作品を作り発表する場を作り出している。

 ただ、やはりwebはあくまで作品の発表、流通の場で、そこから直接報酬を得られるケースは稀だ。今のところ、ネットで大きな評価、人気を獲得し、金銭的対価の"出口"として既存の産業がある。これは、あくまで現段階の状況ということで、これからさらに変化していくことになりそう。

投稿者 esaka : 23:41 | コメント (0) | トラックバック

2006年08月03日

SONY BRAVIAのCMブログ

 Sony-Europeが、テレビシリーズBRAVIAのCMのためのブログを立ち上げている。BRAVIAそのものではなくて、そのCMがテーマというところがユニーク。映画などでは、公開前から公式ブログを立ち上げて、期待感を煽るという手法はよくあるが、CMのPRブログというのはあまり聞いたことがない。

 この背景には、昨年放映されたCMが、ネットコミュニティで大きな話題になり、そのパロディ版までいくつも作られてYoutubeなどに投稿されたため、その流れを継続する形で、次に放映されるCMの制作過程をサイトで紹介しているのだ。今回も、新しいCMを公開された後には、パロディ版の制作をこのサイトで促すようだ。

 とんでもなく美しい去年のCMを貼っておこう。

 先日、新しいCMがグラスゴーで撮影されたようだが、さっそく、Youtubeには一般人が撮ったCM撮影風景が投稿されている。ちなみに、CMの監督は、ジャミロクワイなどのPVで知られるジョナサン・グレーザー。

 HDDレコーダーによるCMスキップが問題になっているが、CMによっては、ネットコミュニティとの相乗効果で、CMそのものが大きな話題になり、多くの一般人の制作意欲と遊び心をくすぐる
ことがある、といういい例だろう。

投稿者 esaka : 16:29 | コメント (0) | トラックバック

Olive software社の電子雑誌ビューワー

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 先のエントリ−で、「Business2.0」の紙版が、http://digital.business2.comで読めることに驚いたわけだが、そのビューワーのフォ−マットを確認してみた。これは、Olive software社のOlive ActiveMagazine。インターフェイスデザインもスマート。音声、動画のリッチメディアも対応していて、雑誌の写真が動きだしたり、背景で音が鳴る。デモは、「Manchester United Review 」がいい。

 以前からこうした雑誌をめくるインターフェイスをもったビューワーはあったが、ダウンロードに手間が掛かったりで、あまり実用性、必要性を感じなかった。先日も、ジニオ社ソフトを使ったデジタル雑誌についてエントリーしたけれど、ここへきて気運が変わってきているように感じる。

 こうして、デジタルビューワーで雑誌をめくってみると、改めて感じるのは、誌面全体の面積に対しての、広告面積の広さ。ウェブ雑誌などでの記事とバナーの面積比率と比べると、その大きさに驚く。一つの広告スペースが巨大なことも大きな特徴だ。(当たり前なんだけれど、こうしてブラウザに載せると、改めてウェブとの違いを感覚として感じることができる。)

 また、ビジュアルの大きさとデザインされた誌面構成は、やはり今のウェブにはない"力"がある。大きな広告スペース、ビジュアルインパクト・・ウェブであまり成功例のないファッション誌などは、このフォーマットにぴったりだろう。外部リンクもあり、ネット通販に直接つなげることも容易だ。

 あとは、既存の紙の雑誌とのバランスをどう考えるか…共存させるのか? 販売価格はどうするか? 広告の価値をどう見積もるのか? 既存の雑誌のブランド力を活かしつつ、ネット流通を使って、より多くの部数を、紙よりも安価に販売。動画、音声、外部リンクに広告表現の新たな価値を見いだして、広告単価設定をする…というのはどうだろう。このあたり評価が一定のものになるまでしばらく、いろいろな組み合わせが試されるだろうが、徐々にデジタルフォーマットの雑誌流通が広がりそうだ。
 
 他にも、日本ではイーブック・システムズのFlipBookや、(株)ヤッパの「YAPPA ONLINE PAPER」も、フラッシュベースで似た機能を持っている模様。Olive ActiveMagazineは、あらかじめビューワーをダウンロードしなくても、ブラウザで見れるのがいい。ジニオ社、Olive software社を含めて、ビューワーのほうもこれから競争が激しくなるのだろう。ユーザーが使う際のインターフェイスよりも、出版側にとっての扱いやすさ、コストで決まるんだろうな。

投稿者 esaka : 01:18 | コメント (0) | トラックバック

2006年08月01日

市民ジャーナリズムを導入する CNN exchange

cnn060801.jpg 昨年のハリケーン「カトリーナ」やロンドン爆弾テロ事件の際には、市民がケータイなどで撮影した写真、動画が、大手ニュースメディアなどに採用されて、市民が集める映像の力が改めて認識されていたけれど、CNNがCNN exchangeを立ち上げて、積極的にユーザーの参加を促そうとしている。

 "I-Reports"と名付けられているが、"市民ジャーナリズム"といっても、ある程度の慣れと習熟が必要なテキスト原稿と違い、音声、映像を中心としたところがミソか。画質や映像処理の拙さを越えて、報道的価値がある(場合もある)、と見なされたのだろう。

 基本的には、ひじょうに今後が楽しみな試みだと思うが、著作権はクリアされているのか(他サイトなどから転用したデータではないのか)、映像の改竄は行われていないかなどのチェックはどうするのだろう..と余計な心配をしてしまう。

 大手ニュースサイトが、記事の最後に外部ブログ枠を設けるなど、ブログとの連動は当たり前になってきているが、映像を中心にした市民ジャーナリズムの活用も、さらに広がりそう。

投稿者 esaka : 14:20 | コメント (0) | トラックバック

2006年07月25日

ジニオ社ソフトを使ったデジタル雑誌

 小学館が10月から電子雑誌に参入、という日経の記事。定期購読契約をした電子版の読者だけを対象にして、紙版と同じ料金、同じ日程で配信するという。配信は、Fujisan.co.jpに委託して販売する。デジタル版雑誌を閲覧するには、米ジニオ社製ソフトを使用。

 先日、Fujisan.co.jpで、このジニオ社製ソフトを見る機会があったのだが、これがなかなかよくできている。DTPで制作したデータをそのまま加工できるところは、追加コストを
抑えたい出版社の要求にあっているし、紙の雑誌と同じデザインで、紙をめくるように読めるのは、雑誌をめくる感覚に似て、読者にある種の"安心感"を与えることができる。また、テキストデータが検索できる利便性はデジタルならではで、さらに、広告ページのURLをクリックするとそのまま広告主のサイトへ飛ぶこともできる。

 いくら雑誌市場が急激に縮小しているからといって、ただそのコンテンツをネットに移行すればいい、というわけではないだろう。ネットには無料で優れたコンテンツが溢れている。しかし、ウェブが、テキスト中心で構成されている現状を考えると、既存の雑誌で作り込まれる写真とデザインに限っては、まだ雑誌(すべての、とは言わないが)に力がある、と言えると思う。

 情報の量や質や早さでなく、イメージやブランドといった感覚的なことが、これからネットに持ち込まれるようになると、よりビジュアルの力は重要になるに違いないのだ。ビジュアルの力は、広告の訴求力という意味でも重要だし、このフォーマットでは、サイトへのリンクが直結しているということでも、広告手法も変化してくる可能性もある。
 
 というわけで、ジニオ社ソフトを使ったデジタル版の雑誌は、将来を憂いてネットにそろそろと足を踏み込み始めた雑誌社にとって、現段階でのひとつの解決策、となるのだろう。ただ、"紙をめくる"というようなインターフェイスが、デジタル版雑誌にほんとうに必要なのか、という根本的な疑問もあり、よりネットにあったインターフェイス、パッケージモデルが出るまでのあくまで暫定的解決策、という気もするが。

投稿者 esaka : 01:49 | コメント (0) | トラックバック

2006年07月24日

Hotwiredから書籍化

 白田秀彰さんの『インターネットの法と慣習』が出版されたのを機に、Hotwiredの連載原稿などから書籍に納められたものをまとめてみた。

田口ランディ『ぐるぐる日記』(筑摩書房)
山本直樹『テレビを消しなさい』(平凡社)
山形浩生『山形道場』(イーストプレス)
川崎和哉『オープンソース・ワールド』(翔泳社)
駒沢敏器『地球を抱いて眠る』(NTT出版)
稲葉振一郎『経済学という教養』(東洋経済)
池田信夫『ネットワーク社会の神話と現実』(東洋経済)
いとうせいこう&みうらじゅん『見仏記 親孝行篇』(角川書店)
宮内勝典『裸の王様、アメリカ』(岩波書店)
土屋大洋『ネット・ポリティックス』(岩波書店)
小林雅一『隠すマスコミ、騙されるマスコミ』(文春新書)
星川淳『非戦という希望』(七つ森書館)
野口旭『エコノミストの歪んだ水晶玉』(東洋経済)
高橋靖子『表参道のヤッコさん』(アスペクト)
白田秀彰『インターネットの法と慣習』(ソフトバンク)
佐々木俊尚『ITジャーナル』(予定/宝島新書)

 今でこそ、ブログから書籍化、といった流れは一般的になったが、少し前までウェブに掲載された原稿を書籍化することの可否について、出版社側もかなり迷いがあったように思う。ウェブでまだ読める原稿を書籍化する意味があるのか? ウェブを読む層と書籍を購入する層は別なのか? 初出がウェブであることを出そうとしなかったり・・そのあたりの反応は、出版社によってさまざま。

 ウェブやブログが、売れるコンテンツの青田買いの場としてはっきり認知されたのは、『電車男』のヒット以来だろうか。また新書などの出版点数の増加も、手っ取り早くコンテンツを確保できる場としてウェブが再認識された、ということはあるだろう。

 また、いっぽうで、書き手にとっても、ウェブ業界の原稿料の現状を考えると、書籍化を前提にせざるをえないところもあって、コンテンツ製造装置としてのウェブ、「出口」としての出版 、という関係はしばらく続きそう。

投稿者 esaka : 14:06 | コメント (0) | トラックバック

2006年07月14日

ROCKETBOOM 2.0 ベータ

rb_06_jul_12.jpg 先週、人気ビデオブログ「RocketBoom」の人気司会者 Amanda Congdonが降板するというニュースは、アメリカブ