2010年03月01日
Twitter機能付きベネトンのケータイサイト

こちらについては、こっちのブログに書きました。そろそろブログも一つにしようかとも思ってるけど。
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2009年11月14日
Newsweek日本版のiPhoneアプリ発売中。
Newsweek日本版のiPhoneアプリ版を出す。マガストア内で。今週で3号目。

ビューワーは、まだ改良の余地がある思うけれど、テキストオンリーがあるのはなかなかいいのでは。その制作に余計な手間がかかるけれど。
今のところ、定価を紙版より100円下げて350円。広告面以外はすべて掲載。
この展開は、これに止まらず、あんなことになったり、こんなことになったりするはず・・笑。いっぽう、あっちやこっちのバランスも考えないといけなかったりと、ビジネスとしての出版のトライ&エラーは大きく動き出したばかり、というところか。
そちらは、また別に機会に、ということで。
こちらで、お買い求めを〜。宣伝失礼。
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2009年05月17日
ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
5/11日に、ニューズウィークの新サイトをなんとかオープン。

これで、去年から、フィガロジャポン、e-daysにつづいて3つ目のサイト。
それぞれウェブサイトとしての基本的なコンセプトがまったく異なっている。読者対象やウェブの構成といった表面的な違いというよりも、紙媒体との連携の仕方、広告取得の方向といったビジネス面でのことだけれど・・。まぁ、始まったばかり。
・・11日の朝、ぎっくり腰に。連休中に久々に山に登った時から、腰に違和感を感じてはいたのだが、テーブルで新聞を読んでいる途中、突然、ピキピキ!!!! 奇声を発して、椅子から崩れ落ちて、床に仰向けに。まったく動けない。異変を感じたネコさんが、顔のまわりを歩きまわる・・笑。
仰向けのまま、30分ほどかかって1メートル移動。ケータイとPCは上の階。仰向けのまま階段をずりあがり、なんとかケータイまで。会社に連絡。10時からオープンなんだよ〜。
それからは、ベッドに横になりながら、iPhoneでメールとウェブをチェック。昼前にはiPhoneのバッテリーが切れるが、ベッドからまったく身動きできない。トイレをどうするか焦る・・。
そんなこんなでしたが(笑)、翌日は、なんとか社会復帰。
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2008年11月02日
●濱野智史『アーキテクチャの生態系』
「WIRED VISION」で、ブログを連載していただき、その連載がもととなって書籍化されたから、というわけではないが、近年刊行されたITに関わる評論の中では、傑作と言える
のではないだろうか。

ブログ連載が元となっているのは、6、7章だけで、書籍の全体像は存じ上げず、最初に手に取った時には、予想以上のボリュームに、やや心配になったのだが、読み進めると、その分量の多さは、濱野さんの初の書籍という力の入れようがわかり、納得する出来上がり。そして、その分量の多さにも関わらず、とても読み進めやすいのは、濱野さんの論理的思考が明快で、その展開がスムーズだからだろう。
「アーキテクチャ」と「日本」に着目し、具体的には、2ちゃん、Mixi、ニコニコ動画、といった日本独特のソーシャルウェアに関する分析が行われているわけだが、ここに至る背景には、レッシグ、東浩紀、北田暁大、佐藤俊樹・・といった、情報社会に関する最前線の思想をしっかりと汲み取った上で、まさに「今」と「日本」が考えられていて、目の配り方のバランスが、まさに絶妙と言える。
そのために、濱野さんが「はじめての書籍」にかけたエネルギーも感じて、これだけのボリュームになったことも納得できる。ITに関しては、批評の分野でもアメリカからの輸入超過だが、この本は、十分、英訳され、英語圏で読まれる価値のある内容だと思えた。
書籍を編集された、NTT出版の小船井さんも、お疲れさまでした〜。言及されるウェブサービスの写真などが入っていると、より取っ付きやすかったと思いましたが、どうでしょうね・・。
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2008年09月28日
madame FIGARO.jp
長らく、ご無沙汰してしまった・・。
ようやく秋の気配だけれど・・、夏から準備していた企画がようやくプレ公開。

グリグリ動いたり、パタパタめくれたりします・・。
・「フィガロジャポン」のウェブサイトmadamefigaro.jp/
落ち着いたら、また次かな〜。は〜。
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2008年05月20日
●兼元謙任+佐々木俊尚『「みんなの知識」をビジネスにする』
はぁ〜。いろいろあって、途絶えてしまった・・。久しぶりに、また本などの備忘録を再開。
あとがきに、この本の目的と内容がよくまとめられている。
「本書に収録した6つの対話でわれわれが考えようと思ったのは、集合知という漠然とした概念と、実際の「ものづくり」がどこでつながるかということだ。
もし集合知とモノがつながるのであれば、そのつながりの部分はどんな接着面になるのか。接着させるのはアーキテクチャーなのか、それとも人なのか。企業なのか、それともブロゴスフィアのような個人の集合体なのか。」
「今後期待される大きな流れとして、集合知ビジネスがコンテンツからプロダクトへと進むという、そういう方向性があるのではないかと考えているからである。そのあたりは2007年に日本語版が刊行された書籍『ウィキノミクス』にも詳しく書かれている。
われわれが考えているのは、こうしたビジネスを日本で実現していくためには、どのようなハードルが存在し、どのような可能性があるかということを浮き彫りにすることだ。」
「集合知はボランタリーな世界ではあるけれども、しかしそれをビジネス化することは決して否定されるべきではない。
……Web2.0の登場によってインターネットには巨大なデータベースが出現しつつある。このデータベースをどのようにして上手く有効利用できるような仕組みを作っていくのかということが、大げさに言えば今後の人類にとっての大きなテーマだろう。」

近年出された書籍の中では、ドン・タプスコットの『ウィキノミクス』は、ネット界の今後に、かなり重要な示唆を含んでいると思っている(以前のエントリー)。社会全体として進んでいる、オープン性、情報共有、という方向が、ビジネスにどう影響をもたらすかを描いたものだ。それはひじょうに面白いのだが、まだ、あやふやなところも多い。
今回の本も、まだ、はっきりとした結論を出すまでには至っていないが、『ウィキノミクス』から一歩踏み出し、日本ならではの『ウィキノミクス』を考えようということだろう。佐々木さんのブログの今後の展開に期待したいな。
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2008年01月08日
●鈴木謙介『ウェブ社会の思想』
ひじょうに楽しませてもらった。特に、個人的には、第二部へ入ってからの、展開のうねりは、心地いい。最後のまとめ部分は、背景として意識されているだろう知的バックグラウンドを共有できていないためか、やや唐突に感じられたけれど、それは、僕の個人的なことなのだろう。
今、日本の若者にの内面に何が起きているのか。その内面と、情報社会とはどう関わっているのか。そしてこれからどうなるのか、どうすべきなのか。
この点を語らせたら、当代随一だろう。そして、それが単なる批評に終わらず、人生論にも読めるのは、鈴木氏が、時代と並走しているからなのだろう。
「今回は、……、その未来像にいくばくかの「希望」を見出すことをひとつの目標に据えて執筆された。」
去年始めたウェブ雑誌のテーマを「アカルイ未来の創造力」としたけれど、マスメディアで流れる情報に右往左往したり、将来を過剰に絶望したりすることなく、現実の構造を見据えて、確実に一歩先に足を踏み出そう、というようなことを考えている人たちが、徐々に増えてきている気がする・・。

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2007年07月22日
●西垣通『ウェブ社会をどう生きるか』
「ウェブ2.0は確かに一般ユーザーがウェブ上での活動に参加する道をひらきました。生産消費活動への一般人の参加がIT革命の眼目とすれば、大きな一歩といえるかもしれません。しかし、これがただちに皆でつくりあげる集合知を可能にし、民主的で平等な社会のベースとなる、というウェブ礼賛論には首をかしげる点が多々見られます。むしろウェブ情報検索が人々の思考能力を衰退させ、一過性的な主張に人々を同調させてしまう恐れもあることはすでに述べたとおりです。
それだけではありません。声高に語られるウェブ礼賛論のなかには、善意や平等主義というキャッチフレーズとはうらはらに、実は多様な次元での社会的格差をひろげる危険がひそんでいると考えられるのです。
まず言えるのは、中高年を押しのけようという排除意識・年齢差別意識です。……
これは元気のない日本の若者へのエールととることもできるかもしれません。……
しかし、率直に言って、この呼びかけは欺瞞です。……
日本のウェブ礼賛論者たちの本音は、巨利を得ている彼らのお仲間に入れてもらうこと、できればお裾分けにあずかることではないのでしょうか。
つまり、ウェブ礼賛論者たちは、中高年を排除するだけでなく、普通の若者たちを煽りたてながらも、裏ではひそかに、新たなアメリカ流の格差を日本社会に持ち込もうとしているわけです。その議論からは純粋な幼稚さも感じられますが、隠された意図は、中高年のかわりに自分たちが権力を握ることだという気がしてなりません。」

タイトルは、「ウェブ社会をどう生きるか」だが、一冊まるごとウェブ礼賛論批判。まぁ、普通に考えて、梅田望夫氏への強烈な批判と捉えていいだろう。確かに、梅田氏の一連の発言には、あまりのアメリカ テクノロジー礼賛ぶりと、若者への煽りに違和感を感じることもあった(『フューチャリスト宣言』については、こっちに書いています。)が、ここまで言うか〜、と。笑 確かに、こういう意見がしっかり表面されてこそ、バランスはとれる、という意味ではよかった。こういうことばかり言っているからこそ、日本のITは大した者を生み出さないんだ、というような反論があるのは、普通に予想されるところだけれど。
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2007年07月21日
●ロバート・スコーブル+シェル・イスラエル『ブログスフィア』
ロバート・スコーブルの本の存在をすっかり忘れていた。表紙とタイトルで、また柔なブログライフ礼賛かとしっかり手にしなかったのもいけなかった。実際にブログを執筆した当事者への豊富な取材を元に、企業とブログの関わりがしっかり書かれている。表紙の印象と違って、ビジネスブログのあり方を考えた本だ。

「結局、文化こそビジネス・ブログにまつわる判断の核だ。制限の多い文化を持つ企業は、ブログをすべきではない。抑圧的な体制下ではブログは難しい。……
例えばアップルやグーグルはもともと評判の高い企業だが、良き社員ブログに向いていない社風を持っているようだ。一方、マイクロソフトやサンのように非難を浴びながら企業で社員ブログが盛んであるために、社員への信用や彼らのやる気がうかがえるところもある。これまでの数年に、私たちはある潮目の変化を感じてきた。グーグルやアップルの企業文化に首を傾け、彼らのカリスマ的な経営者は同時に抑圧的でもあるもではないかとの疑問の声が、IT業界で高まっているように思うのだ。」
「本書の原タイトル『ネイキッド・カンバセーションズ(裸の会話)』としたのは、正当性こそがブログの本質であり、それが企業にとってこれまでにないコニュニケーションを実現すると信じているからだ。正当性がブログの決定的な特徴なら、信頼性はそのメリットだ。」
アップルやグーグルには、まったく同様のことを感じているのだが、スコーブルが元MSの社員だったことを考えると、その評価を鵜呑みにする受け取るわけにいかないのが残念。あと、共著となっているが、スコーブルともう一人のシェル・イスラエルの役割分担がどうなっているのかわかりにくくて、「ネイキッド・カンバセーションズ」という割に、筆者の顔をイメージしにくい。
しかし、去年の7月に出されたこの本も、表紙のデザインと打ち出し方が違えば、別の評価を受けていたんじゃないかな。
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2007年07月16日
●ドン・タプスコット『ウィキノミクス』
「ビジネスの世界に、新しい力が台頭しつつある。我々は、これをマスコラボレーションと呼ぶ。リナックス、マイスペース、ウィキペディアなどが頭に浮かぶだろうが、マスコラボレーションとはもっと遠くまで続く道である。人々が社会的なつき合いやエンターテイメント、革新、取引などをする新しい方法、自分が選んだピアツーピアのコミュニティ、自発的参加によるコミュニティで行う新しい方法なのだ。企業にとっては、顧客と協力して製品を設計し、組み立てる方法でもあり、また、ユーザー自身が価値創造の大半をしてしまえる場合もある方法である。……
経営者にとって最大の教訓となるのは、一体型で閉鎖的、社内にばかり目を向ける企業は死にゆく運命にあるということだ。どのような業界であれ、また、大企業であれ小企業であれ、社内の能力と小規模なビジネスウェブ・パートナーシップだけでは、もう、成長と革新に対する市場の要求に応えることは不可能な時代となった。……
企業経営者は、成功を手にするためには、ウィキノミクスを手本とし、その原理原則を自分のものとしなければならない。マスコラボレーションという新しい時代は複雑で不確実に見えるはずだし、コラボレーションやオープン性とは、科学技術というよりも芸術の世界に近い。リーダーは、コラボレーションの精神を培う必要がある。企業は、コラボレーション環境で生きていくために、いままでにない能力を身につけなければならない。……この能力が、今後、富の形成や成功の前提条件となる。」

IT業界のムーブメントに限られていた"web2.0"や"オープンソース"の前提、オープン性や情報共有が、ビジネス全体にどんな影響をもたらしているのかを、巨額をかけた調査によって、具体的事例とともに明らかにする。一部は以前から、モジュール化などで、現実化していたことではあるけれど、P&G、ボーイング、BMW、レゴ、IBMなど具体的な事例は面白い。まだまだ抽象的で、わかりにくい言葉も多いが、IT業界の枠を超えた視点、というところが重要だろう。これから数年間は、話題になりそう。
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2007年07月08日
●岡嶋裕史『iPhone 衝撃のビジネスモデル』
先週、こっちに「iPhone は、鎖国状態で、繁栄を謳歌していた日本のケータイ業界にとって、通信事業者の縛りを最小限にするオープン化へ向けた”黒船”となる予感。」と書いたところだったけれど、この本の中にも同じ表現があってビックリ。

「最初に市場に投入される第一世代のiPhone は、GSM方式をサポートするので、すぐに国内で使えるわけではない。・・しかし、これが投入されたときの国内市場への影響は計り知れない。
iPhone のインターフェイスがあれば、そこで展開できるサービスの種類は飛躍的に増大し、キャリア間の機能差異も端末側で吸収できるようになる。……
iPhone のタッチパネルはどんなキー配列も模倣することができる。ハードウェア的な問題さえ解決してしまえば、各キャリアが要求するソフトウェアを組み込んで切り替えるのは、楽ではないにしろ、ハードルの低い作業である。
つまり高度な機能を持つハイエンド機でありながら、キャリア依存性が低い製品にできるのだ。携帯電話がキャリアに従属するのではなく、より個人に帰属せしめる嚆矢となる。……
iPhone は、世界と隔絶した通信方式という鎖国状態で、各キャリア、各メーカーが比較的仲良くやってきた日本の携帯電話市場にとっての黒船である。もはや鎖国はありえないし、ユーザもそれを望んでいない。」
「携帯電話網にもオープン化の波は押し寄せている。MVNOに代表される新規通信事業者の参入障壁に低減と、オフィシャルでない携帯サイトの爆発的な増大などがそれだ。
キャリアの世界に競争原理が導入されるのはいいことだと思う。そうであればこそ、販売奨励金などのビジネスモデルも変わるし、利用者はより低価格なサービスを享受することができる。」
iPhone 発売前に出された本、ということもあって、インターフェイスとweb2.0的な話が多いが、携帯電話の今後に関する限り、木暮祐一『電話代、払いすぎていませんか?』と視点は重なるところが多い、と言っていいだろう。MVNOも増えてくる気配だし、日本でiPhoneが発売されるこの1年の間で、キャリアがどう動くかみもの。
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2007年05月28日
WIRED VISION

そんなこんなで24日から始まってます。
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2007年05月02日
●松田美佐、岡部大介、伊藤瑞子編『ケータイのある風景』
2005年に英語版「Personal,portable,pedestrian ──Mobile phones in Japanese Life」がMIT pressから出され、WIRED NEWSで紹介されていて、翻訳が読みたいと思っていた。小檜山賢二『ケータイ進化論』のエントリーでも少し書いたことがあったのだが、昨年10月に出されていたのを見つけて手に取る。

が・・う〜む、調査されたのが2001年あたりということもあって、やはりすでに視点が古いという感じもあり、あまり楽しめなかった。
最近目にしたケータイと社会事象にまつわる面白い話では、4月17日の日経「ネットと文明」特集。ほぼケータイだけでネットを使いこなす「ケータイ族」が増えていて、携帯だけで済ます人の比率は、2002年末の15%から05年には22%に上昇。特に若い世代ではその傾向が強い。ある学生は、「千文字程度のリポートなら携帯メールで提出する」という。砂原秀樹教授が講師を務める女子大でも1割ぐらいは携帯でリポートを出す。ヤフーのオークションユーザーの反応では、パソコン族はケータイ族の礼儀のなさに憤り、ケータイ族はパソコン族に問い合わせしても「一時間たっても返事がこない」と怒る、という。
いやぁ、ケータイの先端状況は、感覚的にわからなくなっているだけに面白い。
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2007年04月26日
●アレック・クライン『虚妄の帝国の終焉』
AOLとタイムワーナーの合併に関しては、一度、ちゃんと押さえておかないと、と思っていたので、手に取る。AOLのスティーブ・ケースを中心に、その突発的な栄光と凋落を追ったノンフィクション。昨日の『ビル・ゲイツ、北京に立つ』に比べれば、読み物としては面白いのだが・・。

ここでは、その事柄のほとんどが、スティーブ・ケースやタイムワーナーのジェリー・レビン、さらにはCNNのテッド・ターナーといった関係者たちの強烈な栄光と挫折の物語になっている。もしくは、合併後の内紛劇とでもいうか。その軋轢を生み出したのが、新旧の会社が持つ特質とも読めるが、ここでは個人の性格によるものといったトーンが強く、どこでも起こりえた確執、軋轢、に見えてしまうのはどうなんだろ・・。
新旧メディアの合併は、99、2000年を頂点にしたネットバブルを象徴する事件でもあったわけだが、2003年に書かれたものだから、当時としては内幕モノとして面白かったのだろうが、今となっては、もう少し冷静な分析が欲しいところ。邦訳は06年の4月に出されていて、出版側の意図は、ライブドアの熱狂が視野にあってのことだろう。
99年には、ピークを迎えていたAOLは、合併後、急激に株価が下がっていったとはいえ、メッセンジャーなどそれなりの技術力と世界一のインターネットプロバイダーでもあったわけで、合併後2年で、ほとんど消滅してしまったのは、これも異常な事態とも言える。合併後の社内での抗争ばかりにエネルギーを取られ、新たなウェブサービスの波に対応するというような外向けの対応ができなかった、ということか・・。そういう意味では、AOLの最大の敵としてここでも何度も登場するビル・ゲイツのマネージメント力は、やはり凄い、ということなんだろう。
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2007年04月24日
●ロバート・デーブリ『ビル・ゲイツ、北京に立つ』
MSと中国というマッチングは、何かを期待させる組み合わせなのだが、もうひとつ楽しめなかったのはどうしてだろう。MSについても、中国についても、そしてIT業界の動向についてもこちらが期待したほどの深みのある情報が得られなかった・・ということかな。

「ビル・ゲイツは、中国人を地球上でもっとも賢い民族のひとつにあげたと言われる。しかしそれは、彼らがほかの誰よりも賢いということではない。中国はどこより必死なのだ。すでに三億人を越え、早いペースで教育、資本、機会を手にしている中産階級の台頭とともに、この国の成長欲はとどまるところを知らない。……だからマイクロソフトのような一見無敵の企業であろうと、アメリカのような経済大国であろうと、たんに一個人であろうと、今やイノベーションの中心となった中国を受け入れるしかないし、願わくば中国にも自分たちを受け容れてもらいたい。」
MS中国研究所所長、後にグーグルに引き抜かれた李開復の『中国で成功するために』からメモ。
・難題1 独特の儀礼と人間関係
解決策1 儀礼を学び、信頼関係を築け
・難題2 まず貢献、報酬はそのあとで
解決策2 長期的な関係を作る戦略を立てよ
・難題3 経験豊富な管理者を雇い、中国内の人材を育てること
解決策3 中国内の人材とリーダーシップを育てよ
・難題4 中国式の市場原理にしたがうこと
解決策4 中国のニーズと慣例に柔軟かつオープンに対応する
・難題5 中国経済が最優先事項
解決策5 中国の経済エコシステム構築を助けよ
・難題6 イメージ戦略のむずかしさ
解決策6 一貫した、慎ましい組織としての信頼を築け
いろいろテーマの絞り方はあっただろうMSと中国のマッチングという素材を、ここでは"人材"と"研究"にフォーカスしている。参考資料として挙げられている『フラット化する世界』の影響が強かったのだろう。
アメリカ、中国、人材、研究、IT、ビジネスというテーマで書かれているわけだが、ほとんどまったく日本のことは出てこない。経産省は、近頃、アニメやゲームのコンテンツビジネス、クリエイター育成に力を入れ始めているが、大丈夫なんでしょうか・・。
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2007年03月20日
●木暮祐一『電話代、払いすぎていませんか?』
去年、これからのケータイビジネスについてまとめた『Mobile2.0』が出されたが、その中で、唯一? 閉鎖的な日本のケータイ通信業界の現状を憂いていた携帯電話研究家・木暮氏が、同様の主張を新書にまとめている。

「垂直統合型の業界構造は、サービス普及期には申し分ないスタイルだ。だが成熟期の市場になると、必ずしも良いことばかりではなくなってくるのである。……電話料金が高いというデメリットもさることながら、成熟したマーケットでコンテンツサービスなどの周辺サービスが広がりを見せるためには、いずれ「オープン化」が必要になってくると思われるのだ。」
「端末メーカーの顧客は一般ユーザーではなく通信事業者なのであるから、差別化は「いかに安く納入できるか」に重きが置かれてしまうのである。結論として、ご承知のとおりケータイ販売店を賑わす端末は、プラスチック製のオモチャ化してしまった。海外で見かけるケータイ端末と明らかに質感が異なるのはこういった理由によるのである」
これまで、日本のみならず世界各地で、自ら大量のケータイを購入してきた木暮氏の立場は、ユーザー本位に貫かれている。日本のケータイは、香港や韓国とどう違って、いつまで同じだったか、どういう施策が誤っていたのか・・。まさに"島国"であったがために、独自のサービス開発に邁進できた日本のケータイだが、この"孤立"は、端末メーカーにとっても、キャリアにとっても、すでに手遅れの感。ここではあまり触れられていない4Gの時代には、日本のモバイル界も様相一変している可能性が高い。
それにしても、アスキーも新書出すとは・・。新書といっても、近頃の新書は、以前のようにバックナンバーを長期間、在庫に抱えるということはしないようだし、ほとんど雑誌のような扱いだ。新書にも、広告スペースを入れてもいいのかも・・。もちろん取次の規制はありますが。
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2007年03月15日
活性化するバイラルCMのビジネス環境
「編集の行方」のほうに、「活性化するバイラルCMのビジネス環境」をアップしました。バイラルCMまわりは活性化しているけれど、日本で生まれる新しいサービスは、アフィリエイトのような"新しい広告スタイル"的なものが多い。バイアウトするモデルが現実的でない以上、当面の収益が確保できる"広告"絡みにならざるをえないのだろうけれど。
投稿者 esaka : 02:05 | コメント (0) | トラックバック
2007年02月26日
ついに日本に登場したブログネットワーク
もうひとつのブログ「編集の行方」のほう、ちょっと更新ペースが落ちてますが・・、昨日「ついに日本に登場したブログネットワーク」をアップしました。アメブロのブログシステムが少しずつバージョンアップしてて、マカーにはかなり使いにくくなっていてメゲます。僕のsafari1.3の問題なんでしょうが・・。
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2007年02月14日
●日経コミュニケーション『2010年NTT解体』
日本のネット産業の未来を考える時、その大きな部分は、"NTTの今後のあり方"に行き着く。さらに、ここ数年は、ソフトバンクの孫氏という、話題に事欠かないキャラクターも参入して、日本の通信業界レポートは、ネタとしてはひじょうに面白く、これまでもたびたび書かれてきている。規制緩和をめぐっても、藤井耕一郎『通信崩壊』、町田徹『巨大独占』など立場もさまざまだ。

この本は、ソフトバンクのヤフーBB発表までの激動を追った『知られざる通信戦争の真実』の続編にあたる。激動はその後も続いていて、怒ったり、拳をにぎったりする関係者の多いこと・・(笑)。
今回は、2006年に竹中平蔵総務大臣が指揮を執った「竹中懇談会」が出した、「2010年に、NTTのあり方を再度考える」という方針案発表に至る混乱とNTTの抵抗、「次世代ネットワーク構想」の思惑と混乱、が中心。
「今後インターネット上に新しいビジネスが誕生しても、通信インフラが「土管」として使われるだけでは、通信事業者は何も得られない。だからこそ通信事業者は、光ファイバーの敷設と次世代ネットワークに構築に躍起になっている、高速なアクセス回線の上に従来のインターネットにはない機能を提供することで、利益の分配を受けようというものだ。」
政治家が暗躍したり、関係者が怒りまくったりで、演劇としては楽しめるのだが、ブロードバンド大国と言われて数年経つにも関わらず、ほとんど世界的なネットサービスを生み出せていない現状を考えると、なにか暗くなる。道路ばかり太く新しくなっても仕方ないという気がするが・・。次世代ネットワーク構想の危うさは、ふと第二東名を思い起こさせる。
投稿者 esaka : 00:36 | コメント (0) | トラックバック
2007年02月06日
●古川健介『ドロップシッピング成功術』
ソフトバンクパブリッシングの上杉さんに送っていただく。「在庫リスクがなく、発送を自分でする必要がない、新しい形のインターネット上のショップ」=ドロップシッピング。近頃、よく聞くが、ちゃんと理解していなかったので読む。

ドロップシッピングのメリットは、
・在庫のリスクがない
・発送の手間がいらない
デメリットは、
・ASPによっては、商品が手元にないので問い合わせ対応がたいへん
・大量に仕入れるより粗利率が低くなる(大量販売には向いていない)
・ASPによっては、顧客の個人情報がもらえない
・発送時の工夫(手紙を入れたり)できないアフィリエイトに比べてのリスク
・ASPによっては、問い合わせ対応をしなくてはならない
・ASPによっては、決済をしなくてはならない
・ASPによっては、自分の名前を明かす必要がある
・ASPによっては、返品されたものを買い取る義務があるおすすめASPは、
・卸売り型「もしもドロップシッピング」
・オリジナル商品型「ClubT」
(単価がやすく、デザインがしやすいマグカップかTシャツがおすすめ)
売れるかどうかはともかく、Tシャツをデザインして、試してみるのも楽しいかなと思ったり・・。
投稿者 esaka : 12:23 | コメント (0) | トラックバック
2007年01月31日
●加藤智明・中谷有紀『CGMマーケティング』

備忘メモ。
・WOMMA(Word of Mouth Marketing Association クチコミマーケティング協会)
・NIKE iD のバイラルCM youtube
・米ニコン「Stunning Nikon」
flickrユーザーで、NikonD100の利用者を探し、彼らにNikonD80を無償提供。D80で撮影した写真を送ってもらって公開。
・アメリカでは、MS、IBM、HPなどで、ガイドラインを定めた上で、自社ビジネスの価値向上につなげるために、従業員によるブログでの対話を奨励。
・ソフトバンクテレコム「ワーク/ライフバランス Blog」
投稿者 esaka : 22:36 | コメント (0) | トラックバック
2007年01月30日
●早稲田大学IT戦略研究所『mixiと第二世代ネット革命』
2005年10月にmixiユーザーを対象にしておこなわれたアンケートをもとに、さまざまな分析が行なわれている。個人的には、その分析よりも、付録としてつけられたアンケートのまとめそのもののほうが楽しめた。

ググってみたら、早稲田大学IT戦略研究所のウェブにアップされていた。(『mixi参加者の属性と行動』pdf)
・女性47.8% 男性52.2%
・mixi公式資料では、学生26.7%。アンケート回答者では、学生46%。
・実名公開 55.6%
・100人以上のネットワークを持つ人は全体の4%。50人未満は全体の8割。
・4〜7月の参加が多く、新年度、新学期の参加が多くなる傾向?
・マイミクシィ登録招待行動は、どちらかと言えば「受け身」が多い。
・回答者のほとんどは、mixi日記機能を利用。外部ブログは1割強。
・マイミクシィ登録とそれ以前の友だちへの信頼度は、登録後に上がることはあっても、下がることはない。mixiには、信頼増幅効果がある。
投稿者 esaka : 14:45 | コメント (0) | トラックバック
2007年01月26日
●佐々木俊尚『ネット vs. リアルの衝突』
前半は、裁判傍聴などの取材を重ねて書かれた「Winny事件」、後半は、日本IT企業の敗北、中国とインターネットガバナンス、国産検索エンジンと続き、本のタイトルのように"インターネット世界とリアル社会の対立"をテーマに構成されている。中国の世界戦略とインターネットなど、後半にも面白いテーマが確かにあるのだが、前半の"Winny問題"は、取材の手間もかけられた力作だし、こちらだけに絞ってもよかったのではないかな〜、という気がする。「だれがウェブ2.0を制するか」というサブタイトルを含めて、このあたりは、新書化にあたっての版元の判断も入ったのかも。

近頃、日本のソフトウェアやウェブサービスに創造性がやや欠けるのではないか、と憂いているわけだが、技術者のちょっとした遊び心や実験精神から独自の画期的なソフトやサービスが生まれることままある。近頃の日本に、そうした"やってしまえ"的遊び心や、チャレンジ精神が欠けているとすれば、このWinny開発者の金子勇さん逮捕が、大きな影を落としているような気がするのだけれど、杞憂だろうか・・。そうしたWinny事件の影響の大きさをあらためて感じさせられる。
投稿者 esaka : 02:21 | コメント (0) | トラックバック
2007年01月25日
日本産のユニークなウェブサービスに出会いたい
「編集の行方」のほうに「日本産のユニークなウェブサービスに出会いたい」をアップしました。
投稿者 esaka : 02:34 | コメント (0) | トラックバック
2007年01月18日
●森健『グーグル・アマゾン化する社会』
以前、著者の『インターネットは「僕ら」を幸せにしたか?』についてエントリーしたが、今回も、近年の最重要論文を引用しながらのweb2.0社会の危険性を問うもの。

主に、参照されるのはフリードマン『フラット化する世界』、ダンカン・ワッツ『スモール・ワールド』、ダン・ギルモア『ブログ 世界を変える個人メディア』、バラバシ『ネットワーク思考』、レッシグ『コード』、キャス・サンスティーン「サイバーカスケード」・・。
ここで特に問題にしているのは、"情報化が広がる中でおきた一極集中という現象"。
「ウェブページが増え、リンクが増え、情報が多様化していくごとに、ハブはハブとしての力を増していく。だが、ハブでないページはますます埋もれていく──。
とりわけ膨大な量的スケールのタギング(タグ化)が進むWeb2.0下では、タグに採り入れられる、キャッチーで直観的に理解可能な最大公約数的概念だけが共感を厚め、多様性を象徴する少数意見は、ますます小さく分散化される可能性がある。」
個人的には、オプティミスティックなシリコンバレー礼讃、Web2.0礼讃にはとても違和感を感じるところもあり、特にキャス・サンスティーンが言う"サイバーカスケード"の動向はひじょうに憂いていて、著者の問題意識には共感するところが多い。ただ、一極集中の事例と情報化の趨勢との兼ね合いの分析がややラフに感じられる気もするのだけれど、どうでしょうか・・。
投稿者 esaka : 20:43 | コメント (0) | トラックバック
2006年12月27日
2006年のネット・メディア界を振り返る
「編集の行方」のほうに「2006年のネット・メディア界を振り返る」をアップしています。
投稿者 esaka : 14:16 | コメント (0) | トラックバック
2006年12月13日
増大するコンテンツとニュースアグリゲーター
もうひとつのブログ「編集の行方」のほうに「『フラット化する世界』時代のクリエイティビティ」と「増大するコンテンツとニュースアグリゲーター」をアップしました。
投稿者 esaka : 21:49 | コメント (0) | トラックバック
2006年11月28日
ネットユーザーによって作られる写真雑誌「JPG Magazine」
もうひとつのブログ「編集の行方」のほうに「ネットユーザーによって作られる写真雑誌「JPG Magazine」」をアップしました。
投稿者 esaka : 23:00 | コメント (0) | トラックバック
2006年11月21日
オンラインコミュニティと国民性
もうひとつのブログ「編集の行方」のほうに「オンラインコミュニティと国民性」をアップしました。
投稿者 esaka : 15:51 | コメント (0) | トラックバック
2006年11月20日
FedEX ネットワーク
データをWebならではの方法でビジュアル化することで、エンターテイメントしても楽しめる表現、をときどき考えているのだが・・そんなところで見つけたもの。FedEXの飛行機運行データをビジュアル化したものだが・・。アリですね。
投稿者 esaka : 21:10 | コメント (0) | トラックバック
2006年11月16日
Metacafeとアドウェイズ
economist.comで、動画共有サイトの「Metacafe」の記事がアップされていた。
YouTubeフォロワーの動画共有サイトは大量に生まれているが、ビジター数のシェアは、YouTube/Google Videoで圧倒的(調査資料もいろいろあって、微妙に違うけれど)で、動画共有サイトにまつわる話題は、シェアよりも、ビデオ投稿者への報酬や広告配信のシステムに移っている。
イスラエルで生まれたMetacafeの特徴は、フィルタリング(同じものを自動的に除去し、ユーザーが動画を最後まで見たかをチェック)と10万人のボランティアによる格付けシステム(IT pro にインタビューがあった)。これにより、大量の投稿動画の中から、面白いものをピックアップする。
さらに、先日、Metacafeが始めたのが、Producer rewardsと呼ばれる動画投稿者への報酬システム。閲覧数1,000毎に5ドルで、閲覧数2万を超えたところから支払われる。ただし、動画に対するレイティングが3.0以上である必要がある。Metacafeは、これを広告モデルではなく、こうして集めたユニークな動画をパッケージ化して、放送局などに販売しようとしている。
今、24000ドルを得ている投稿者がいるが、気に入ったビデオはそれとは別のこれ。
Trick Airplane Indoor Competition - video powered by Metacafe
広告収入を動画投稿者をシェアするというモデルは、Revver.comが先駆けているが、メントス+ダイエットコーク(以前のエントリー)以来、意外にアクセスを集めていないようだ。このあたり、サイトの微妙なインターフェイスなどがユーザー動向に反映していると思われ、難しいところ。
また、日本でもアドウェイズが、来年1月から動画共有サイト向けの広告映像を配信するという(参考:プレスリリース)。フリップ・クリップなど8つの動画共有サイトを広告媒体として利用して、総計7万程度の動画に広告を挿入できる。料金は1回の配信で、0.1円程度。動画サイトが6割、アドウェイズが4割を得る。広告は動画サイト別、動画の分野別に配信でき、さらに将来は閲覧時間別に配信できるようにする。
ここでも、アメリカと日本の広告料金→報酬の差に驚く・・。Metacafeは、1000view=5ドルに対し、アドウェイズ、1000view=100円(内、動画サイトが60円、アドウェイズ40円)。仮に、日本のサイトで投稿者に報酬が支払われることになったとしても、60円の半分、30円ぐらいか? Metacafeの1/20。この違いをどう考えればいいんだろう・・。
日米の広告料金の差の問題はあるけれど、この動画サイトによる投稿者への報酬と広告システムは、Google+YouTubeの動向(以前のエントリー)を中心にしばらく活性化しそう。
投稿者 esaka : 15:19 | コメント (0) | トラックバック
2006年11月14日
サンダンス映画祭、携帯向け映画を制作
もうひとつのブログ「編集の行方」に「サンダンス映画祭、携帯向け映画を制作」をアップしました。
投稿者 esaka : 11:56 | コメント (0) | トラックバック
2006年11月09日
小説のPRもYouTubeで
クリント・イーストウッドが映画化した「Blood Work」や「ラスト・コヨーテ」で知られるミステリー作家マイクル・コナリーの新作プロモーションが、YouTubeで行なわれている。(参考:LA Times)
これまでCDや映画などのRPとしてYouTubeは利用されてきたが、ついに小説も、というところ。ビデオへのアクセスは、9日現在1万ほど。LA Timesによると、発売後の結果は良好らしい。目新しい試みということで新聞にも紹介され、いいPRとなっているんだろうけれど、これからもこうした手法が続くんだろうか? 結局、「メントス+ダイエットコーク」のような映像そのものの面白さが勝負になってくるんだろうな。当たり前だけど。
投稿者 esaka : 01:57 | コメント (0) | トラックバック
2006年11月08日
ジャーナリスト向けニューメディアスクール
スペイン滞在については、またおって書こうと思う。
「編集の行方」のほうに、「ジャーナリスト向けニューメディアスクール」をエントリー。
投稿者 esaka : 15:31 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月31日
バルセロナ のイベントなど
更新が止まっていてすみません。ただいまバルセロナ滞在中。もうひとつのブログ「編集の行方」に、バルセロナで行なわれていたイベント「ArtFutura2006」と「SALON DEL MANGA」について少し書いてます。

※YouTubeに「SALON DEL MANGA」の様子がアップされていた。凄いですw。
投稿者 esaka : 10:01 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月23日
ビデオブログに転身した有名ブロガーの悩み
「編集の行方」に、「ビデオブログに転身した有名ブロガーの悩み」をアップしました。Robert Scobleが、自分のブログで、ビデオブログの採算性について語ってます。
投稿者 esaka : 11:15 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月21日
GoogleがYouTubeを買った本当の理由
GoogleによるYouTube買収に関して、これまで多くの人が様々語っているが、なにかあまりピンと来るものがなかったんだけれど、FORTUNEの「The real reason that Google bought YouTube?」という記事は面白かった。おおよそ、こんなところ。
「Googleは、YouTubeのビデオストリーミングの隣にビデオ広告を載せて、収益を上げるかもしれないが、買収のために16.5億ドルもの資金を投入したのは、他に理由がある。Googleは、以前から、オークションによる広告売上高モデルをネット以外の"古いメディア"=印刷媒体、ラジオ、テレビ に拡大したいと言っている。Googleにとって、YouTubeの買収金額は最大で、2番目に大きいのは、ラジオに自動的に広告を載せるシステムを作った dMarc Broadcasting Servicesだ。テレビの広告は、ネットに比べるとまだとてつもなく大きい。去年のアメリカでネット80億ドルに対し、テレビの広告は610億ドル。Googleは、従来のテレビ広告を売るビジネスを始めるために、よりよいポジションを獲得するためにYouTubeを買った。
CEOのエリック・シュミットは、これまでも、そうした野心を公言していた。今のテレビ広告はしっかりターゲッティングがされておらず、見ていても時間の無駄。しっかりとターゲット化された広告システムを作ると。
YouTubeを買うことは、広告主が、テレビ広告とは違った形の広告を経験するプラットフォームを与える。もしGoogleが、オフライン広告の効果をテストするツールを広告主に提供することができたら、テレビ、ラジオ、印刷媒体、すべての広告を取り仕切るためのいいポジションを得られる。
ウェブが他のすべてのメディアをしっかりリンクした時、 Googleははるか先にいる。」
テレビ視聴者の対象を絞り込み、効果の計測可能にする・・その手始めにYouTubeを使う、というのはわかったのだが問題はその具体的な方法だ。このあたり、エリック・シュミットの以前の発言としてリンクされていた、ZDnetのブログ「Google CEO wants $74 billion TV ad market」をたどっていくと資料があった。ZDnet japanでは翻訳されていなかったが、CNETの坂和敏さんのコラム「グーグル「740億ドルテレビ広告市場征服」の野望」でまとめている。
う〜む、技術的には、まだ曖昧なところが多いが、YouTubeの買収の真意は、このあたりにありそう。
投稿者 esaka : 23:17 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月20日
YouTubeの次は……?
nypostの記事。やはり注目は、Diggだが、Gawker Maidiaのようなブログネットワークの動向は、これからのメディアの行方に大きな影響を及ぼしそう。それにしても、この価格はどうなんだろう。……バブルに間に合った者の勝ち?

投稿者 esaka : 22:50 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月19日
Google+YouTube → 韓国ブロードバンド
先週は、googleのYouTube買収で大騒ぎになったが、googleがもうひとつ発表したのが、韓国にR&Dセンターを設立する、というもの。なぜ、韓国だったのか? MYCOMジャーナルやCNETでは、韓国政府の積極的な誘致活動、韓国ネット市場の切り崩し、モバイル検索、モバイル広告などの研究、がその理由として上げられている。
GigaOMでは、韓国の進んだブロードバンド環境に注目している。韓国では、何年も前から、iTunesやGoogle Videoなしで、無料でテレビ映像がダウンロードできストリーミングされてきた。ブロードバンドがユビキタス化した時、アメリカのユーザーの行動がどうなるのか。そのブロードバンド・カルチャーを知るための投資ではないか、という・・。YouTubeを買収し、韓国に目を向けるのもうなずける、というわけだ。
う〜む、日本は・・。韓国ほどでなないにせよ、日本のブロードバンド環境はかなり進んでいたはずだが、ブロードバンド以後=web2.0的ウェブサービスという点では、圧倒的に遅れをとってしまった。大きな理由のひとつは、著作権に対する意識だろう。韓国のテレビ番組ストリーミングも、YouTubeも日本発では成功できなかっただろう。各国の国柄なりの一長一短あるわけだが・・コンテンツ共有が、大きなムーブメントになるなか、著作権に対するあまりにかっちりした意識が、国内でのサービス拡大を邪魔している。
さらに気になるのはワイヤレス・ブロードバンド。日本のキャリアと端末メーカーが国内市場で激しい争いをしている間に、4Gに向けたオープンな規格とサービスが、海の向こうから押し寄せそうだ。
投稿者 esaka : 21:26 | コメント (0) | トラックバック
積極的にオンラインに進出するBusinessWeek編集長インタビュー
もうひとつのブログ「編集の行方」に、「積極的にオンラインに進出するBusinessWeek編集長インタビュー」をアップしました。いろいろあって・・これから、メディア関連のエントリーは、あちらにアップしていこうと思います。
投稿者 esaka : 16:11 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月18日
クリティカルマスを越える「Second Life」
昨日、「ロイターが「Second Life」の中に、ニュース支局を設立」とエントリーしたのだが、「Second Life」内にブースを作るのは、今、ちょっとしたブームになっているようだ。WIREDも「Second Life Travel Guide」の記事を作る(バーチャル・セックスや危ないのばっかです・・ww)一方で、ブースを設立。9月にはCNETもすでに作っていて、このあたりの動向をBusinessWeekが記事にしている。

WIREDオフィスの向こうに、Cnetビルが見える。が、時間帯が悪かったのか、そのエリアに人影なし・・。
企業のプロモーションとしての利用例が紹介されているのは、 Adidas、Sun Microsystems、Toyota。Toyotaは、SIONのギャラリーをしていて、「Scion indeoendent film series」を流しているようだ。
Suzanne Vegaも、こんなことやってた。
メールマガジン、RSS配信、ブログ、podcast、動画配信……ときて、ついにヴァーチャルワールドでのパブリシティが、当たり前になってきそう。使えるメディアはすべて使う。一時のattentionを引きつける力はエッジのメディアほど強い、ということか。
先日も、ハーバード・ロースクールの講座がスタートしたとエントリーしたが、登録ユーザー数も、ここ2ヶ月で倍増しているらしい(:Techcrunch)。「Second Life」そのものは、ずいぶん前からあったのに、こうしたムーブメントの波は不思議なものだ。一時的なブームをも越えた存在になりうるのか・・?
WIREDのクリス・ベイカーがこう言っている。
「Second lifeは ほとんどYouTubeのような現象だ。クリティカル・マスに到った。」
投稿者 esaka : 20:38 | コメント (0) | トラックバック
ロイターが「Second Life」の中に、ニュース支局を設立
コンテンツの制作者と配信者(社)が、これからますます分離してくることになると、通信社の存在が大きくなっていくだろうと思っていたところに、15日の日経で、ロイターCEOのトーマス・グローサーがインタビューを受けていた。まとめると、こんなところ。
「このところ、ニュース配信受注ではなく、無料のニュースサイト事業での広告収入が、5千ドルに拡大。テキスト、写真、動画も豊富で、マルチメディアに対応できる。また、ブログジャーナリストが集まれる場所も作っている。無料サイトによって、コンテンツの認知度が高まり、新興国で急増しているメディアからのニュース配信受注が増えている。グーグル経由で来る利用者が非常に多いので、サイトの広告媒体としての競争力につながっている。メディア業界全体を眺めていると、一つのビジネスモデルに集中して成功してきた企業は、新しいモデルへの移行に伴う苦痛が大きい。」
さらに、このインタビューにはなかったが、ちょうど、ロイターが「Second Life」の中に、ニュース支局を作ったという記事が出されていたCnet、NY times)。「Second Life」内のReuters Atriumを覗いてみたが、担当記者アバターのAdam Reutersが、チャットをしていた。見たところでは、ニュース映像は配信されていなかったが、こちらの設定も問題かもしれない・・。

新しいユーザーを取り込むための試み、ということだが、どれほどの効果があるだろう・・。ただ、老舗通信社が、新しい試みをしている、ということは評価できる。なにか若い記者が、自分の趣味を延長して会社のプロジェクトにしたというような勢いを感じる。それだけ今、ロイターも好調だということだろう。
「Second Life」内には、TOYOTAやSun、Sony BMGも、スペースを設けているというが、これから日本語化が進んだら、日本からの利用も爆発的に増えそうな気がする。
投稿者 esaka : 01:40 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月17日
『Business2.0』、スタッフ全員ブログ開始
先週、もうひとつのブログ「編集の行方」のほうで、「『Business2.0』とブログの行方」というエントリーをした。『Business2.0』の編集長が、所属するジャーナリストすべてにブログ執筆を義務づける、とあるカンファレンスで口を滑らせ、それが、マスコミ関係者で話題になっていたのだ。そのブログが、今週、徐々に始まっている。まだ全員ではないが、ジャーナリスト、編集者から、アートディレクターや写真担当編集者までも、ブログを始めている。このあたりの経過は、「Business2.0」ウェブ内スタッフブログや、I Want Mediaでの編集長へのインタビューで語られた。
今、始まっているのは、7つ。
Dawn Patrol (Michael Copeland on venture capital, startups, and surfing)
Green Wombat (Todd Woody on green tech and business)
The Key (Paul Sloan on Internet media, music, and advertising)
The Real Estate Economy (Paul Kaihla on real estate and the economy)
Waterlog (Jeff Davis on ocean and sailing tech).
Seen and Not Seen (Art Director Eric Siry on design)
128 Hours (assistant photo editor Ben Smith on overclocked cars, cameras, and other toys).
ここで特徴的なのは、このブログの報酬システムだ。それぞれのブログのページビューに応じて、担当ブロガーに報酬が支払われる、という。このあたりは、Nick Denton の Gawker Media などで行なわれているスタイルを踏襲したものだろう。このPVに応じて報酬が支払われるというシステムが、ジャーナリストにふさわしいものなのか、個人のブログ執筆の強要が、雑誌の質の低下を招かないか、また、ブログ内の記事が、雑誌のブランドを低下させることにならないか、というあたりが懸念されている。
CNNMoneyから、直リンクも貼られ、多くのアクセス(=多くのボーナス)が期待されることもあって、スタッフは大喜びだというが、反応を見ていると、意外に周囲のマスコミ関係者が、ジャーナリストのブログについて、懐疑的な意見が強いことに驚かされる。また、親会社のTime社としても、かつてない冒険的な方針転換だとして、かなりの大事扱いだ。
Om Malik が 『Business2.0』から独立し、自身のブログ「GigaOm」を商用ブログとして成功させたことから始まる騒動。かつての同僚が、商用ブロガーとして大きな成功を納めていることに、心穏やかではいられなかったのかもしれない。先月は、大きな収入を得られるようになった商用ブログ事情について「Blogging for Dollars」という特集を組んだところ。このスタッフブログから、第二のOm Malikが生まれる、彼らがまた独立していくことにでもなれば、なにか、ブログを利用しての、積極的な改革というよりも、これを機に『Business2.0』が、月刊誌というビジネスモデル的にも、内部の求心力からも、徐々に崩壊し始める気もするが・・杞憂だろうか.

最終的には、それぞれのブログが成功するかどうかは、枠を作ったかどうかでなく、ブログの内容による。ジャーナリストは、所属する組織のブランドや信頼と共存する形から、「個」の存在が、強調される時代にますます突入しそうだ。
投稿者 esaka : 17:03 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月16日
「編集の行方」3回目
もうひとつのブログ「編集の行方」のほうで、「マスメディアと"市民ジャーナリズム"」、アップしました。
投稿者 esaka : 21:29 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月12日
マイケル・アーリントン(TechCrunch) vs NY times
The Online News Association conferenceで、TechCrunchのMichael Arringtonが「Diggのようなユーザー参加型のニュースサイトは、ジャーナリストの仕事を変化させるだろう」と講演した、と昨日エントリーしたが、これには後日談があった。

Michael Arringtonの自身のブログ Crunchnotesで、そのカンファレンスに参加した模様を書いているのだが、これがかなり荒れたものになったようだ。そこでの Arringtonの発言は、Digg的フィルターによって、ジャーナリストの役割が変わる、というものだけでなく、こんな感じ。
・ニュースが遅く、ほとんどのメインストリーム・ジャーナリズムは面白くない。NY Timesを見ても、ブログより1日遅れている。
・ブログで行なわれているような議論がないし、競合の引用もしない。
・NY Timesが、最近発表したオフライン・リーダーは、読者が望んでいることに対応できないことを示している。
・NY Timesのテクノロジー・セクションは、製品へのゴマスリ記事に違いない、さもなければ製品のことがわかってない。
この最後の発言にNY Times関係者が噛み付いて、証拠を出せ、そうでなければ謝罪せよ、と反論し、Arringtonは集中砲火を浴びることに。結局、Arringtonは、先の発言について謝罪させられることになった。
今回のカンファレンス主催者が、「Online News Association」というメインストリーム・ジャーナリストによる組織だったとはいえ、アメリカでさえ、ブロガーとメインストリームのジャーナリストとの間に、これほどの大きな溝、カルチャーの違いが横たわっていることに驚く。それでも、こうしたカンファレンスでプロ・ブロガーを招待し、話しを聞こうというだけでも、日本の状況とは大違いとは言えるが。
このカンファレンスが行なわれたのは、先週土曜日7日。ちょうどGoogleによるYouTube買収報道騒ぎの最中だ。メディアパブで書かれているように、この報道は、Michael ArringtonによるTechCrunchでの記事に端を発して、マスメディアが追随する形で、この話題を取り上げ、ブログをマスメディアが補完し協調しあう関係が生まれたところだった。
Michael Arringtonも、ここまで言うとは・・これからが楽しみw。
投稿者 esaka : 21:33 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月11日
Digg型フィルターは、ジャーナリズムを変える
「The Online News Association conference」で、TechCrunchのMichael Arringtonが講演し、Diggのようなユーザー参加型のニュースサイトは、ジャーナリストの仕事を変化させるだろう、述べたという。「人々は最も重要なニュースをセレクトするために、編集者は必要ないとますます感じている」。そして、NY Timesやロイターのような実情報を集める取材記者と、Diggのようなフィルター的役割と別れて行くだろうと予測。その結果、ジャーナリストの仕事は、取材に特化していくだろう、という。
ディープリンクが一般的になって以降、こうした流れはすでにはじまっていたわけだが、ここへきて、様々なニュースアグリゲーターが生まれ、さらにパーソナライズ化が進んだことで、ニュースサイトの「編集」的役割の必要性がますます弱くなっている。"編集"というと、文字どおり"集めて" "編む" わけだが、"編む"部分は、個々人が自分の嗜好にあわせて(また自動的に)行なうので、あとはジャーナリズム業は、"集める"部分だけ行なえばいい、というわけだ。
また、欧米で盛んになっているフリーニュースペーパーも、主に、通信社から記事を買っているようだから、ここでも"集める"と"編む"は、別組織化している。ニュースを安価に集めるポータルサイトのあり方も、ひとつの転換点だったのかもしれない。こうした流れに、NY Timesなどは、サイト内にパーソナルページを作るなどの手をうって、サイトの独自性とさらなるブランド化を図って、必死にあらがっているわけだが、この流れを押しとどめることはできないように思う。
そこで、心配されるのは、"サイバーカスケード"の問題、さらには、ビジネスから見た"ジャーナリズム業"の行方か・・。
投稿者 esaka : 16:22 | コメント (0) | トラックバック
鳥インフルエンザ マッシュアップ
前のエントリーでThe AOP Online Publishing Awards 2006について書いたが、その受賞サイトを見てみると、それほどイケてるサイトが多くない。・・といっても、アメリカと比べてだけれど。すでにLast.FMという画期的サービスを生んでいるし、BBCの取組みを見ても、日本の状況よりは進んでいると言えるだろうが、そのあたりの遅れ気味のところが日本と似ていて、イギリスの状況が気になる・・。

で、受賞サイトの中で気になったのは、nature.comのグーグルアース「鳥インフルエンザ」マッシュアップ。伝統的メディアが持つ情報を、ニューメディアに変換して、重要な情報の伝達効率を高めたいい例だろう。2003年に東南アジアを中心に猛威をふるった鳥インフルエンザが、その後、トルコや東欧に飛び火しているのがよくわかる。日本ではほとんど忘れ去られているわけだが、東南アジアでは、2004年以来、60人が死亡しているというし、世界的にはまだ緊急事態であることには変わりないわけだ。
投稿者 esaka : 15:17 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月10日
ティム・オライリー講演「Publishing 2.0」
イギリスのThe UK Association of Online Publishers (AOP) が主催するThe AOP Online Publishing Awards 2006が、4日発表された。授賞式で行なわれたカンファレンスでは、ティム・オライリーが
「Publishing 2.0」という講演をしている(ビデオもある)。まあ、いつもと同じですが・・。

・ウェブはパブリッシャー無しでも継続する。
・ユーザー・ジェネレイテッド・コンテンツとマッシュアップの世界でいかにプレイヤーとなるか?
・プラットフォームとしてインターネットを利用する。
・ユーザーの集合知を利用する。
・Yahooは従業員9000人だが、タイム・ワーナーは85000人。Craigslistは、18人。
・デジタル著作権管理(DRM)は緩やかにすべき。appleがsonyに勝ったのもそのため。
・Flickrも、デフォルトは、 "make this public"。
・パブリッシャーは、コンテンツをデータベースとプログラムの視点から考えるべき。
・シンジケートされたオライリーのコンテンツはあらゆるフォーマットで読める。
・だが、これは、伝統的な編集のスキルを必要なくなる、というわけではない。
・Web3.0は? 「未来はここにある。ただ、まだ平等に割り振られていないだけだ。」(ウィリアム・ギブソン)
投稿者 esaka : 17:02 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月09日
WindowsLiveジャーナル
先週から、「編集の行方」という別のブログをはじめている。WindowsLiveのパブリシティとしてはじまったWindowsLiveJournalの一環。僕のほかには、山形浩生さん、歌田明弘さん、船田戦闘機さん、渡辺保史さん、向山昌子さんで、計6人。それぞれ別のブログサービスでブログを書きつつ、WindowsLiveのパブリシティページでアグリゲーションする、というもの。プロデュースは、スタイルの竹田茂さん。僕も編集で参加してます。まだ、WindowsLiveのほうのアグリゲーションは11月スタートとのことです。
投稿者 esaka : 23:27 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月07日
村井純「アンワイアードとインターネット」
今どきのケータイを語るには、そろそろ『アンワイアード』のような視点が必要ではないか、とエントリーしたところで、気になって再び監訳者の村井純氏が書いた第5章「アンワイアードとインターネット」を読み直す。
「無線移動通信の普及には、2つの考え方がある。新たにアンワイアード用のバックボーンを構築する方法と、バックボーンにインターネットを採用する方法である。
4Gを前者のシナリオで考えると、現在これだけ高額な携帯電話の通話料金が突然安くなることは決してありえない。携帯電話の普及と技術開発の進歩に伴い、無線の音声およびデータ通信量は年々増えているが、それらを処理するためのインフラストラクチャーを新たに構築することは、コストからも設備からも非常に困難である。……
では、理想のモバイルインターエンッととはどちらのシナリオか。確かに前者のシナリオで定義すると、現在の携帯電話やiモードこそが「モバイルインターネット」である。しかし、携帯電話端末でインターネットの一部のアプリケーション(ウェブやメール)が使えるというだけで、現状のインターネットとはまだ異なっている。……それはインターネットではなく、あくまでもキャリアのパケット網にインターネットへの口を開いた段階で現状のところとどまっているのである。
やはり、それは現時点での携帯電話でもなくiモードでもなく、無線環境で移動しながら利用できる通信基盤として成長したインターネットこそが本当のモバイルインターネットなのである。」
村井氏の言葉は、煽る感じがないので派手さはないが、常に的確だ。4Gの動向をしっかり確認しないと・・。個人的には、ワイヤレスやネットとのインターフェイスの将来を語る時、いつも「攻殻機動隊」で描かれた世界を頭の片隅においてその可能性を考える。
投稿者 esaka : 23:03 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月06日
The State Of Web Development 2006/2007
Read/Write web経由。ektronとSitePointが、5000のウェブディベロッパーを調査し、そのレポートが発表された。25ページ分が、フリーでダウンロードできる。ひじょうに面白い。


この2つのグラフを比較すると、これからさらにAJAXの急激な拡大(FlashからAJAXヘといったほうがいいか)が予想される。う〜ん、ここまでとは。こうなると広告の扱い方も変わってこざるをえないのでは・・。
投稿者 esaka : 16:47 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月05日
Custom Google
Googleの新機能。ロゴがパーソナライズ化! ここから。NY times「Pogue's Posts」経由で知る。

なんてね・・www。
投稿者 esaka : 03:01 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月04日
「Second life」を使ったハーバードロースクールの講座スタート
ハーバードロースクールの講座「CyberOne: Law in the Court of Public Opinion」が、Second lifeを使って開かれている。ロースクールやエクスティンションスクールの学生の他にも、インターネット経由で誰でも参加できる。担当教授は、例のミッキーマウス保護法でレッシグとともに闘ったCharles Nesson。案内ビデオがYoutubeにあげられている。
シラバスにある参考資料は、イラクに派遣された兵士自身が兵士を撮影したドキュメンタリー映画「The War Tapes」や、ヨハイ・ベンクラーの「The Wealth of Networks」で、講義内容も期待されるところ。Second life内の指定のポイントに行ってみたが、馴れないせいもあって、そこでの講義がどんな形になるのかよくわからなかった・・w。

Second lifeの他にもwikiやpodcastなどできるだけ最先端のメディアを実際に使いつつ、そこで起きる問題を含めて最前線の情報法を論議しよう、ということだろう。アメリカでも、こうしたスタイルが、どういう受け入れられ方をされているのか、よくわからないところだけれど・・。
Second lifeも日本語化間近だというし、白田秀彰氏がSecond life内で講義してくれると面白いな〜。
投稿者 esaka : 16:50 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月02日
●石川温『ケータイ業界9800万人争奪戦』
去年出された『ケータイ業界30兆円の行方』の続き。番号ポータビリティ、ソフトバンク、おサイフケータイ、ワンセグ・・とキャリアと端末メーカーの最新動向を細かく取材し、しっかりまとめてある。来年も出るのだろうから、また読ませていただこうと思う。

だが・・個人的には、何かモノ足りない、と感じてしまうのはどうしてなのか・・。いや、これはあくまでこちらの問題で、この本に問題があるわけではないのだけれど。ケータイの行方、という時、キャリアや端末メーカーの最新動向とは別に、なにか必要な情報あるように感じてしまう。それは、アレックス・ライトマンの『アンワイアード』で描かれていたようなワイヤレス・インターネットの未来なのだが、そろそろそうしたやや長期的な視点と、短期的な情報が重なりあってもいいように感じている。
キャリアの競争は激しく、電波をめぐる国内権利関係も複雑だ。そして、日本のケータイは進んでいて、特殊な市場だ。だが、そう思って、国内の近視眼的な動向だけを追っているうちに、"アンワイアード"なインターネットが、世界的なスタンダードとして登場し、あっという間に海外生まれのサービスにうっちゃられる、という可能性もあるように思える。
投稿者 esaka : 22:18 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月01日
Business Week「Your Favorite Bloggers」
「Business Week」の特集。
TechCrunch(Michael Arrington, 36)
Paul Kedrosky's Infectious Greed (Paul Kedrosky, 40)
Gothamist(Jen Chung and Jake Dobkin, both 29)
Seth's Blog(Seth Godin, 46)
Chris Baggott's E-mail Marketing Best Practices (Chris Baggott, 46)
Scobleizer(Robert Scoble, 41)
Blog Maverick(Mark Cuban, 48)
Internet Outsider (Henry Blodget, 39)
Scripting News (Dave Winer, 51)
BoingBoing (Mark Frauenfelder, 45)
Engadget (Peter Rojas, 31)
Feld Thoughts (Brad Feld, 40)
General News
Google News/CNN.com/BBC.com/Yahoo! News/NYTimes.com/Digg.com*/Drudge Report*/Fox News*/MSNBC*/Wall Street Journal*
Health
SparkPeople*/WebMD/Mayo Clinic/Yahoo! Health/MedlinePlus/Healthline*/My Healthcare Advisor
Podcasts
Ask A Ninja/keithandthegirl*/Diggnation*/Free Talk Live*/Lx7.ca*/NPR/This Week in Tech*/Adam Curry's Daily Source Code/Ricky Gervais/Buzz Out Loud*/The Jimmy Doane Show*/Free Domain Radio*/Ted Talks
Sports
ESPN/CBS Sportsline/Fox Sports/MLB.com/NFL.com/ArmchairGM*/Yahoo! Sports*/CNN/SI*/BBC Sports*
Tech News
Digg/Slashdot/CNET News/GigaOM/Techmeme
Business News
Yahoo! Finance/MarketWatch/Bloomberg/WSJ*/footnoted.org/Digg*/BusinessWeek Online*/Minyanville
Buying & Selling
Become.com/eBay/Amazon/Craigslist/PriceGrabber/dealnews.com*/Oodle*/Yahoo! Shopping*
Finance
Yahoo! Finance/Google Finance/Prosper*/MSN Money/Investopedia/Motley Fool*/iTulip
JOBS
SimplyHired/Monster/LinkeIn/Hot Jobs/Jobster*/The Ladders*/craigslist*/mediabistro.com/Dice.com*/CareerBuilder.com*/Indeed*
Real Estate
Trulia/Craigslist/Curbed.com/MyNewPlace*/Zillow*/Ziprealty/Apartmentguid
Games
Shockwave/Yahoo! Games/Newgrounds/PartyPoker/Number Logic Sudoku*/AOL Games (tied)
Pogo* (tied)
Gossip
Gawker/Pink is the New Blog/Defamer/Jossip/Perez Hilton* (tied)/ValleyWag* (tied)/the Superficial*/We Smirch
Humor
The Onion/The Joy of Tech/Rocketboom/gapingvoid/bLaugh/Go Fug Yourself* (tied)/Ze Frank* (tied)
Music
iTunes/Pandora/Yahoo! Music/Rhapsody/Last.fm*/Allofmp3.com*/eMusic*/Mercora
Social Networking
Bebo/MySpace/LinkedIn/Facebook/openbc*/Friendster/judy's book*/Orkut*/ecademy* (tied)/LiveJournal* (tied)
Trip Planning
Kayak/Trip Advisor*/Sidestep/Farecast/Expedia/Travelocity/Orbitz (tied)/Real Travel* (tied)/Holiday truth*/Gusto*/Mobissimo*
Video
YouTube/Google Video/Sharkle*/Atom Films*/Grouper/Vimeo/Guba*/Jumpcut* (tied)/Veoh (tied)
Blogging Tools
WordPress/Blogger/Sixapart.com (TypePad, LiveJournal, MovableType and Vox )/Bloglines/Hipcast/FreeWebs*/PayPerPost*/LifeLogger*
Calling
Skype/Vonage/Apple iChat/Gizmo Project/TomatoVine/Jajah* (tied)/Sunrocket* (tied)/Yahoo Messenger* (tied)
Collaboration
Wikipedia/Central Desktop*/JotSpot/Basecamp/SourceForge/eJamming*/scanR/Zimbio*/SocialText
Photo Sharing
Flickr/Kodak Photogallery/Shutterfly/Snapfish/Webshots/Fotki*/Picasa* (tied)/Photobucket* (tied)
Webmail
Gmail/Yahoo! Mail/MSN Hotmail/AOL Web Mail/TempinBox*
う〜ん。Yahoo!は意外というかさすがというか・・。Craigslistの検討が目立つ。
投稿者 esaka : 18:58 | コメント (0) | トラックバック
2006年09月29日
ハイパーテキストからハイパービデオへ
ネットは一気に動画の時代に入ったが、動画を配信するシステムがこれだけ充実してくると、あとは、そこに広告をどう入れ込むか、ということが大きな課題になってくる。これまでどおり、映像の前後や途中にCMを流すか、別ウィンドウで表示するしかないのかな〜? そう考えていたところに「Economist.com」でハイパーテキストならぬハイパービデオと呼べる技術が紹介されていた。

記事中で紹介されていたeline TechnologiesのVideoClixでは、映画の画面中の物体(例えば自動車)をクリックすると、関連情報や広告が隣のウィンドウに表示される。Flashのデモで、この技術を見るできたなかなか面白い。まさに新しい映像体験。映画を見る、という完全受け身の態勢と、積極的にクリックするというアクションを同時に行うことが、なんとも忙しなく感じたりもするのだが、このあたりは、元の映像次第、というところもあるだろう。
また、広告やeコマースへの適応が、先ず利用されそうな技術ではあるけれど、そうした使い方以外にも、この"ハイパービデオ"は、映像の見方を大きく変える大きなインパクトを持つ気がする。
投稿者 esaka : 23:13 | コメント (0) | トラックバック
2006年09月28日
Robert Scobleのビデオブログ「Scoble Show」スタート
6月頃、"Microsoft geek blogger "として有名だったRobert Scobleが、Microsoftからポッドキャスト・ベンチャーのPodtech.netに転職して話題になったが、ついにビデオブログ「Scoble Show」を開始した。
ネット系企業のCEOへのインタビューを中心に、現在、8つのビデオがアップされている。個人的には、モンタナのネット印刷会社の社内を紹介する「Printing For Less in the middle of nowhere」やカメラマンに撮影の手法を聞く「Photowalking with Thomas Hawk」がよかった。カメラの視点も自然で、インタビューしながらの不自然さがまったくない。ふと、これが日本だったらどうだろう、と考える。もう少し固い雰囲気になってしまうんじゃないだろうか。インタビューや会社探訪モノが、明るく、楽しい雰囲気になるのもアメリカならではかもしれない。

それにしても驚くのは、映像のクオリティの高さだ。画質もきれいだし、カメラがへんにぶれることもない。それに編集もしっかりしている。撮影はかなり練習したんだろうか・・。ビデオブログもクオリティの時代に入った、というところか。Yahooが、オンラインビデオ編集サイトの「jumpcut」を買収したようだし、ビデオブログもますます一般的になりそうだ。
投稿者 esaka : 23:11 | コメント (0) | トラックバック
2006年09月27日
GreenpeaceがApple.comパロディーサイトを作る
Greenpeaceが、Apple.comのパロディーサイトを作った。'Why must Apple sell poison'キャンペーン。長年、Macにお世話になっているけれど、決してユーザーへの心配りが行き届いている、とは言えない企業であることは確か。頻繁なモデルチェンジ、パーツ入れ替えに向かない構造・・。PCもだが、携帯型音楽プレイヤーも、walkmanからipodになって、買い換えの期間がどれほど短くなったことか。オシャレはいいけど、短期間での買い換えを迫るこれまでの手法には、なんとか手をつけてほしいと常々思っていた。
そんなところに、グリンピースの対appleキャンペーン。販売台数からすると、どうしてDellでないの?という気もするが、"見栄え"や"イメージ"を売るappleを敵に回したほうが、キャンペーンとしても効果的、ということだろうか。

すでに、ガジェットよりもウェブサービス全盛の時代。同じ西海岸発でも、Googleのラリー・ペイジ、サーゲイ・ブリンは、代替燃料、遺伝子研究、貧困救済、さらに、この前エントリーした電気自動車「Telsa motors」にも、投資していて、このあたりの意識も先を行かれていると言えるかもしれない。
投稿者 esaka : 22:50 | コメント (1) | トラックバック
2006年09月26日
Techmeme の新しい広告モデル
昨日エントリーした"ミームトラッカー"の代表的サイト「Techmeme」が、新しい広告モデルを開始した。これまでビジネスモデルが明らかでなく、アドセンス入れず、ブログネットワークにも参加せずバナーもいなかった。また、あえてPVを稼ぐ形でサイトをデザインしていないので、これからどうするんだろうと心配?していた。
詳細は、TechCrunchやメディアパブでも紹介されている。新しい広告システムそのものは単純だけれど、これまでにはない形だ。今のところ、3つの広告枠に常にクライアントの最新ブログ記事が表示されるようにしている。広告料金は、1ヶ月、上段が4500ドル、中段が3500ドル、下段が3000ドル。CPMは5-8ドル。1年に換算すると132,000ドル。以前、Paidcontent.orgが年100万ドル以上の広告収入とBusiness2.0が推計していた。Alexaを見ると、Paidcontent.orgとTechmemeのアクセス数はほとんど同じなんだけど、かなりの差だ。う〜む。Techmemeには、memeorandumやBallbug、WeSmirchといったIT以外の政治、野球、芸能、といったサイトがあるので、徐々にそちらにもこのシステムを展開していくから、もっと増えることは間違いないのだけれど・・。

それにしても、こうして独自性の強いサービスを生み出し、さらに新たな広告モデルを作り出す、というのは凄い。やはり、アメリカのブログ界でもかなりの評判のようで、Buzzmachine.comの提案で、MTやword pressなどのプラグインを作って、他のブログでもこのシステム活用しようともしている。このスタイルの広告、徐々に広がりそうな予感。背景には、企業のブログの増加、という状況があるので、この点でもやや遅れている日本では、広まるにはもう少し時間が必要か?
投稿者 esaka : 23:22 | コメント (0) | トラックバック
2006年09月25日
ミームディガーとミームトラッカー
バズワードが氾濫するIT業界。web2.0以降、その傾向は加速しているけれど、これまで使っていた言葉ではなかなか表現しにくいサービスがこれだけ続々と出現してくると、そうしたバズワードを使うことで、ひとつの傾向の輪郭がはっきりするということもあって、まぁ、仕方ないところ。
で、このところ気になっているのは、ミームディガーとミームトラッカー。それぞれの定義は、p2pfoundationの辞典で紹介されている(Memediggers、Memetrackers)。(話しはそれるが、このp2pfoundationの辞典は、重要なキーワードが集められていて凄い!)
それぞれ、一種のニュースアグリゲーターで、ミームディガーは、ユーザーが参加してランキングするDigg型のサイトをいう。日本ではソーシャルニュース、と言われることが多いか。Diggの大成功で、netscapeをはじめとして大量にクローンサイトが出てきているが、日本でも、このタイプのサイトはいくつも作られているが、アメリカほど盛り上がらないのはなぜなのだろう・・。
ミームトラッカーは、自動的にブログを巡回して、話題が集まっているサイトをランク付けするもの。代表的なところで、Techmeme(Memeorandumから改名。去年のWIRED NEWS)がある。こちらも、Techmemeクローンがいくつか現れている。eHubによるTailRanKのインタビューが、Cnetに掲載されていて、ここで"ミームトラッカー"として紹介されている。
ミームディガーとミームトラッカー・・有名ブロガーたちが、今春に使い始めたようだが、これから日本でも広がる・・?
投稿者 esaka : 22:31 | コメント (0) | トラックバック
2006年09月22日
青山南「米国文化の原風景」
日経夕刊の木曜連載、青山南「米国文化の原風景」が面白い。いまさらアメリカン・カルチャーのお勉強、というわけではない。アメリカで起きるIT関連の事象を見ていると・・ベンチャー起業家の精神性、ハッカー的感覚、ネット・コミュニティーで起きた問題の処理の姿勢、著作権問題への法律家の意識・・結局、アメリカが建国以来培ってきた精神風土に行き当たることが多いのだ。
また、それは、日米の比較をする際に重要だということと同時に、自分の中にもある"アメリカ"的部分とそうでない部分の再認識になる。
連載は、今のところ3回。
●初回は、「自由の象徴 移動の精神」
ボブ・ディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」、ホイットマンの詩を紹介。
「若い国だったアメリカでは、移動すること自体が自由の象徴で、新しいなにかとの出会いを期待させるものだった。
しかし、移動は危険も伴う。自分ひとりで立つということは自分の身は自分で守るということでもある。・・かくして、移動という自由と、ホイットマン的な「制約を脱ぎ捨ててやるゾ」という強い意志から、銃をもった無法者も生まれることになった。
無法者は犯罪者とはちがう。あらゆる制約から逃げつづける者のことだ。アメリカの映画や小説には無法者がどっさりあらわれて人気を呼ぶが、それは無法者が移動の自由を体現しているからである。」
●第2回「若さに最高の価値を置く」
マーク・トウェイン「ハックルベリー・フィンの冒険」、サリンジャー「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を紹介。
「アメリカほど、「グローイング・アップ」に関心を払ってきた国はない。・・若い国アメリカには、若者の成長ほど大事なものはなく、それに期待することにしか未来はなかったのである。
そして、なにより注目すべきは、成長していくこの若者たちにはモデルがいなかったことだ。・・アメリカにおける「グローイング・アップ」は、つまり、すでにある大人の社会に溶け込むことではなかったのである。新しい大人になって新しい社会をつくることだったのだ。「フロンティア精神」とか「ベンチャー精神」とかいったものは、アメリカの若者にとっては、「グローイング・アップ」に当然くっついてくるものだった。」
●第3回「歴史に根ざした「DIY」精神」
ローラ・イルガンス・ワイルダー「大草原の小さな家」、ソロー「森の生活」を紹介。
「アメリカ人の多くは、できるものなら、自分の手で家も建てたいのだ。でっかい家なんかではなく小さな家でいいから自分で建てたい。生活環境はじぶんの手で整えたいというのが、「DIY」の根源にあるもので、アメリカでは愛されてきた考え方である。・・
ソローの本でもワイルダーの本でも自然を観察する眼差しがとても印象的だが、それも「DIY」の精神のおかげだろう。「DIY」とは生活環境の整備なのだから、おのずと生活をたえずチェックすることになり、周囲の環境も注意深く観察するからである。」
この連載はあと何回続くんだろう。ヘミングウェイと「正義」、ワイエスと「孤独」・・とか?
投稿者 esaka : 21:01 | コメント (0) | トラックバック
Business2.0「The Disruptors」
「Business2.0」の「The Disruptors : 11companies. 11big ideas that will change EVRYTHING」特集。インターネット、ソフトウェア、テレコム、メディア、ヘルスケア、ファイナンス、運輸、自動車技術..と、注目すべき企業、アイデアをバランスよくピックアップしている。個人的な注目は、EEStor。
1. Netvibes (The new personalized startpage)
2. EEStor
3. Coghead (DIY software)
4. NextMedium (Web marketplace for product placement)
5. Applied Location (Skymeter—fighting traffic with GPS)
6. Salesforce.com (The Oracle-killing, Web database)
7. BlueLithium (Google's new ad-versery)
8. Clearwire (Craig McCaw's WiMax play)
9. Zopa (Peer-to-peer banking)
10. Jajah (VoIP 2.0)
11. NanoLife Sciences (Cancer-blasting antiprotons)
投稿者 esaka : 00:48 | コメント (0) | トラックバック
2006年09月21日
WIRED NEWS「Web 2.0 Winners and Losers」
WIRED NEWS「Web 2.0 Winners and Losers」で、Web2.0系サイトの勝者と敗者を選定している。
・Winnerに
flickr
odeo
writely
del.icio.us
NetVibes
・Loserに
MySpace
Squidoo
Browzar
Fo.rtuito.us
Friendster
NetVibesのこれからはかなり楽しみ。まだ日本語未対応だけど・・。
投稿者 esaka : 23:47 | コメント (0) | トラックバック
2006年09月18日
●赤羽紀久生『進化する紙メディア』
情報のデジタル化と情報流通のネットへの移行は、多くのメディアに大きな変革を起こしているが、紙メディアにも、もっと進化した形があるはず、という広告グラフィックの専門家からの声だ。このところ、紙メディアでも、制作工程がデジタル化され、以前よりかなり効率化されたように思えるのだが、旧態依然とした非効率的な体質は相変わらずという。

確かに、制作フロー、ユーザーとの関係、広告の形・・あらゆる局面で、常に新しい可能性が模索され、試されているネット業界を眺めていると、紙メディアも、もっとさまざまな変革と実験が可能ではないか、と考えるのは自然だと思える。
ここでは、紙メディアのワークフローの再構築することで、マルチユース、パーソナライゼーション化、コストダウン・・などの改革が可能だという。具体的には、欲しい情報をまとめて届けるマイマガジン、クロスメディアの実験場としての交通広告、折り込みチラシをまとめたフリーペーパー、消費者が発信する紙メディア・・。IT業界を横目に眺めながらの、将来的な可能性が探られている。
状況のわりに危機感がなく、改革が進んでいない印刷、出版業界の現場に対してのいらだちのようなものが伝わってくる。また、だから、今こそ面白いと感じているのだろうが、紙とウェブを経験している者として、そのあたりの感覚は共感するところ。
投稿者 esaka : 23:51 | コメント (0) | トラックバック
2006年09月17日
●アルビン&ハイジ・トフラー『富の未来』
長い本のわりに、深みをもった印象がないが、気になったところをメモ。
「時間、空間、知識の使い方が革命的に変化している事実を背景に、もうひとつ予想されなかった歴史的な動きが起っている。「生産消費」が復活しているのだ。
太古の昔、われわれの祖先は食料、衣料、住宅をみずから生産していたのであり、通貨が発明されたのははるか後のことだ。その後、何万年もの間に徐々に、人類は生産消費を減らし、通貨と市場に依存するようになった。この点を考えた人の間でも、生産消費は減少しつづけるというのが常識になっていた。
だが、正反対の動きがいま起っている。生み出す経済的価値が増え、金銭経済に提供する「タダ飯」が増え、その経路も増えている。金銭経済の生産性を高めているのであり、WWWとリナックスの例が示すように、世界でもとくに強大な政府や企業の一部にすら挑戦している。……
生産消費による金銭経済への刺激の効率をもっと高めるにはどうすればいいのか。富の体制を構成する二つの部分の間で価値がもっとうまく流れるようにする方法はないのだろうか。リナックスとWWW以外にモデルはないのだろうか。報酬が支払われてこなかった貢献に報酬を支払う方法はないのだろうか。おそらくコンピュータを使った多角的なバーターか、ある種の「準通貨」が使えるのではなだろうか。」「第二の波から、経済中心の考え方が生まれた。文化、宗教、芸術はすべて副次的な重要性しかもっておらず、マルクスによれば、経済によって決定される。
だが、第三の波の革命的な富では、知識の重要性が高まっていく。その結果、経済は大きなシステムの一部という地位に戻り、良かれ悪しかれ、文化、宗教、倫理などが舞台の中央に戻ってくる。」

というわけで、「第三の波」理論に合わせて、最近の世界の事象がピックアップされている。著者の関心に沿ったニュースブックマーク集を紹介された、という感もある。インターネット登場以後、まさに"時間、空間、知識の使い方が革命的に変化し"、かつては一部の知識人しか集められなかった情報が、誰でも簡易に手に入れることができるわけだから、世界の出来事を広く薄く網羅的に紹介して何かを言わんとするタイプの識者にはやや辛い時代に入ったかもしれない、というのは言い過ぎか・・。
投稿者 esaka : 02:19 | コメント (0) | トラックバック
2006年09月15日
ネット広告収入を増加させるオールドメディア
インターネットの広告市場は急成長している中、既存マスメディアの広告市場は頭打ち状態が続いていて、これらの"オールドメディア"も、徐々にネットにシフトしてきている(参考:FT.com)。オンライン、モバイル広告市場、220億ドルのうち、オールドメディア・グループのシェアは、2000年の23%から37%に上昇している、という。
ルパート・マードック率いるNews Corp.は、昨年MySpace.comを買収した後にも、一気にネット路線を拡大していて今後の展開から目が離せないが、The New York Times やDow Jonesといった大手メディア企業も、ネットで力を注入していて、徐々にネット広告収益を拡大させている。

アメリカでは、既存メディアのビジネスモデルの限界は、すでに関係者の間で周知の事実となっていて、あとはいかにネットでのビジネスモデルを確立しつつ、これまでの体制からいちはやくシフトしていくか、という転換期に来ている、というところか。だが難しいのは、ネットの広告市場が拡大し、オールドメディアもネットでの展開に力を注いでいるといっても、既存のビジネスモデルのような効率で収益が見込めず、その具体的な展開も見いだせていない、というところだろう。とはいっても、今のまま立ちすくんでいても市場は縮小していくばかりで、前に進むしかないのだ。
いっぽう、ネットの状況を見てみると、ユーザージェネレイテッド型メディアは急成長しているが、既存のメディアが得意にしてきたコンテンツをパッケージ化することで、ブランドと信頼を高める手法は、ユーザージェネレイテッド型ネットは不得手にしている。そこで、ふたたびネット内で"ブランドと信頼"の需要が高まっても不思議ではない。そこに既存メディアがネットで生き残る道があるかもしれない・・。
投稿者 esaka : 01:27 | コメント (0) | トラックバック
2006年09月12日
Knight New Media Center
今年4月、ジャーナリストが、これからのメディア状況に適応するために教育・訓練するための学校「Knight New Media Center」が設立されている。プログラムは、取材、編集の仕方などとともに、ビデオ、音声、写真、ウェブデザインなど、マルチメディア形式の記事を手元のPCでの制作編集技術の習得を目的としたプラクティカルなもの。ちょうど今、案内しているセミナーの内容は「Decision-making for the Online Editor」。

どれほど実効性のあるものかわからないが、市民ジャーナリズムが盛んになり、市民記者とジャーナリストの境界がどんどん曖昧なものになっている(とされている)いっぽうで、こんな学校が作られることに驚く。欧米の大学のジャーナリスト・コースの充実度は、素晴らしいものがあるというが、こうした新しいメディア環境への対応もそうした幅広い"ジャーナリスト教育"の一環なのだろう。
投稿者 esaka : 00:53 | コメント (0) | トラックバック
2006年09月10日
Magnum Photos - In Motion
画像の力を見せるサイトを!とエントリーしたところなので、最近、Magnumはどうなっているんだろう、と思ってサイトを見てみると、なかなか面白いことになっていた。写真をスライドショーとエッセイの語りで見せる「Magnum Photos - In Motion」が出来ていた。ちょうど、「September11」がアップされている。このシリーズは、写真集も凄かったが、音声付きで、スライドショーで見るのもまた別のインパクトがある。さらに、ビデオ・ポッドキャストにも対応していて、毎週新しいシリーズがアップされるようだ。どの写真も、圧倒的に力が強いから、ビデオ・ポッドキャスト用の小さな画面でも意外に楽しめる。

以前から、写真を大胆に見せるサイトはあったのだが、ウェブではなかなか写真の力が伝わらないし、回線スピードの制限もあって、あまり興味をもてなかった。やっぱり写真は写真集や雑誌で、という感覚がどこかに強くあったんだろう。だが、これだけ情報収集がほとんどウェブと依存するようになると、テキスト中心のウェブの現状が不満に思えるし、モニターで見る写真も、それはそれで楽しめる。テキストとビジュアルのバランスをそろそろ考え直してもよさそうだ。
..Magnumでは、ジョセフ・クーデルカの写真が好きなんだが、最近どうしているんだろう・・。
投稿者 esaka : 15:22 | コメント (0) | トラックバック
2006年09月07日
動画もいいけど、画像は・・?
appleやamazonやMTVが、映画のオンデマンド配信を始める(参考:latimes)ということで、一気に動画配信が普及しそう。今年に入ってからのYouTubeの爆発は、ネットの世界を一気に"動画"にしたというところか。
インターネットが最初に話題になった95年頃、コンテンツのデジタル化で、一気に"マルチメディア"がやってくると騒がれたものだが、いざふたを開けてみると、ネットは"テキスト"が中心だった。マルチメディア気運が盛り上がった95年頃に比べても、画像などを排して、テキストだけでサイトを構成することが、逆に"シンプル"として、より受け入れられるという状況が続いていた。世界的にはGoogleが、日本では2ちゃんが、こうした流れを牽引したと言えるだろう。
ところが、今、こうした流れが一気に動画へ向かおうとしている。背景には世界的なブロードバンドの普及の高まりがあるが、やはり、YouTubeなどを通して、気軽に動画を楽しむという経験が日常化したことが大きいだろう。日本でも、もちろんGyaoを筆頭にこうした流れにあって、ネットの世界は、テキストから一気に動画に塗り替えられるのかもしれない。
これはこれで楽しみなのだが、個人的に気になっているのは"画像"だ。
動画が一般化するほどインフラ整備が整った今、動画よりも回線負担の少ない"画像やデザイン"で、ユーザーの注意を喚起するコンテンツがもっとあってしかるべきだと思うのだ。特に日本では、ネットで優れた画像を扱おうという意識が低い。日常的に報道で扱われる写真でも、NY Timesやguardianと日本の新聞サイトを見比べるとそのレベルの差に驚くし、また、Yahoo.comとYahoo.co.jpを比べても優れた写真を扱おうという意識の違いの差を感じる(Yahoo.co.jpのニュース・トップで、韓国、中国の写真が頻繁に表示される意図は、ほんと不明。余談だけど)。

確かに、小さく表示されるだけの写真に、手間をかけるのは無駄と考える理屈もわかるのだが、そろそろこうした流れとは一線を画して、ビジュアル重視のネットコンテンツが現れてもいい頃だろう。先日から、電子雑誌のフォーマットに注目しているのも、こうした理由からだ。とりあえずは、ファッションなどのビジュアル雑誌の電子版が一般化することで、徐々に変わっていくだろうか・・。
投稿者 esaka : 17:28 | コメント (0) | トラックバック
2006年09月05日
AjaxのPV
Business2.0のブログに、Ajaxを使っているサイトはPV数がどうしても低く計測されてしまう、という記事。AjaxとPVの兼ね合いは以前から気になっていて、そのあたりをWEB2.0系ベンチャー企業はどう捉えているのかと思っていた。
ここではTagWorldのCEOがこの状況に不満を言っていた、とある。確かに、アメリカのSNSの中でも、個人的には、MyspaceよりはTagWorldのほうが、よく出来ていると思うのだが、PV数などをAlexaで比較すると、もうとんでもない差がついている。SNSの場合は、特に機能面の出来不出来、というよりも、友人、知人が先に入っていた、といったことが入会の大きなきっかけになるので特殊な事情はあるとは思うのだが、Ajax使用によってPVが低く算出された、ということもあるかもしれない。PVの多さは、広告の評価だけでなく、メディアに露出する際などにも、サイトそのものの評価基準になっているわけで、これは確かに悩ましいところだろう。
いっぽうで、Myspaceのほうは、以前「メディア・パブ」で書かれていたように、PVが多すぎるんでは?という疑問もあったわけで、PVという評価基準そのものが、徐々に問題になってきそうだ。
そういえば・・某サイトのリニューアルを依頼された知人が、Ajax使用を提案したところ、担当者に「PVに反映しないのでやめてくれ」と言われた、という。Ajaxがただ表面的なブームとして扱われることには強く抗いたいが、ユーザーの利便性を考慮せず、ただPVだけ追い求める、というのもどうなんだろうね・・。
投稿者 esaka : 15:22 | コメント (0) | トラックバック
2006年08月29日
The Economist「Who killed the newspaper? 」
「The Economist」に「Who killed the newspaper? 」という記事。新聞販売の低迷は世界的な動向で、無料新聞、ネットへの移行、と新聞のビジネスモデルは急激な変化に直面している・・。これまでもよく言われている内容で、取り立てて面白いわけではないのだけれど、記事内にあったオープンソース・ジャーナリズムを志向する非営利の「NewAssignment.Net」が気になった。

NYUでジャーナリズムを教えるJay Rosenが「NewAssignment.Net」を立ち上げたもの。正式スタートは来年4月の予定。市民記者とプロの記者、編集者をネット上で結びつけて新たなジャーナリズムのスタイルを作り上げよう、ということなのだが、"オープンソース・ジャーナリズム"という概念が、まだ固定したものではないし、このプロジェクトもまだまだあやふやなところが多い。
『We the Media』のダン・ギルモアも、昨年秋に「Bayosphere」をスタートしてオープンソース・ジャーナリズムを試みたが、すでにサイトは閉鎖されている。「NewAssignment.Net」はどうなるだろう・・。
いっぽう、CNN exchange(以前のエントリー)は市民記者を取り込みはじめ、washingtonpost.comは、ブログ広告ネットワーク"BlogRoll"を始めるなど、既存メディアも、記者、読者、広告といった様々な方向から新しい手を打っている。
その意味では、6月に始まったInternational Herald TribuneとohmyNews Internationalの提携は、相互補完の形として、これからの一つの流れとなるかもしれない。日本では、「オーマイニュース日本版」がスタートしたところだが、こちらもどうなるんでしょう・・。
※International Herald Tribuneのサイトをチェックしたら、以前はあったohmyNews Internationalへのリンクが消えている・・。一時的なものなのか?
投稿者 esaka : 23:12 | コメント (0) | トラックバック
BRIAN ENO / DAVID BYRNE 『My Life in The Bush of Ghosts』
いやぁ、懐かしい〜。すでにご存知の方も多いのだろうけれど、イーノとデビッド・バーンの「My Life in The Bush of Ghosts」のサイトができていることをようやく知る。81年に発売された『The Bush of Ghosts』がリマスターされて再発売。そのうち2曲をCreative Commonsライセンスで公開し、ユーザーがremixした作品もウェブにアップされている。デビッド・バーンは、2004年、こちらもCreative Commonsライセンスの「The WIRED CD」に参加していたが、こうした考えに共感するところは大きいのだろう。彼の作品の中でも、「My Life in The Bush of Ghosts」が、CCで提供されるのは、作品の内容をふまえても、まさにぴったり。

未知の音体験に刺激され、興奮した思いが甦る・・。いまさらこの作品について、僕などがとやかく言うつもりはない。このところ、"音楽"をめぐっては、その"流通"や"産業"のレベルの話だけが、そこらじゅうで語られているわけだが、こと"音楽"の中身をめぐってはどうなのだろう、と考えてしまう。もう何年も商業音楽の前線から興味を失っている者にとっては、そのあたり、情報が入っていないだけかもしれませんが・・。
投稿者 esaka : 01:51 | コメント (0) | トラックバック
2006年08月25日
メインストリーム・ブロガーズ
アメリカでは、一部のブログが広告収入を急増させて、その存在を確固としたものにしている。なかでも、先週、サンフランシスコでパーティを開いた(その模様はこちら)TechCrunchは、24日、フランス版、日本語版に続いて、イギリス版もスタートさせて、まさに急成長を遂げている。

Business2.0によると、主なブログの広告収益予想は、以下のとおり。
TechCrunch:720万ドル/年、
Gawker Media:300万ドル/年、
Boing Boing:100万ドル/年、
Paidcontent.org100万ドル以上/年、
Fark:700万ドル
いやぁ、なかなかです。Business2.0のブログでは、これらをメインストリームメディアのような影響力を持つMainstream bloggers (MSB)と呼んでいる。それぞれが、個人の余暇で執筆されたブログの域を越えて、専門スタッフを擁しつつも、適度に効率化された新しいメディア業だ。先日も、そのBusiness2.0の編集者OM Malikが、ベンチャーキャピタルからの出資を得て、自身のブログGigaOMをより拡大させて、ブログ業に専念し始めたところ。こうして既存のメディア業内からも、"個人"が自身のメディアを専業にする流れもあれば、多くのブログをまとめがあげてメディアレップ業を行うジョン・バッテル(『ザ・サーチ』の著者で、『WIRED』や『Industry Standard』を立ち上げた)のようなパターンもあって、メディアビジネスとしてのブログも、ますます活性化している。
ただ、TechCrunchのパーティの様子を見ていても、何か2000年あたりのITバブルの風景を思い出させるところもあり、Web2.0界隈の過剰な盛り上がりが、こうしたところに反映されている気もする。そのあたりの反動が心配だが、それでも当面は、ブログへの広告費が拡大することは確実で、MSBと呼ばれるブログもますます増えていきそうだ。
投稿者 esaka : 01:48 | コメント (0) | トラックバック
2006年08月24日
雑誌の一部分が読めるサイト「magabon」
電通とタグボートが、雑誌の一部を閲覧できる「magabon」というサイトをスタートした。(参考:Cnet)このところ、何度か電子雑誌についてエントリーしていたところで、ついに日本でも電子雑誌ポータルがスタートしたか! とサイトを見に行ったのだが・・やや期待はずれか。
閲覧できるのは一部のみ、検索も見出しだけ、閲覧できる部分もスキャン画像?で、あまり綺麗に反映されていない。来年の1月には、雑誌毎のSNSも始まるというから、徐々にさまざまなサービスが改良はされていくのだろうけれど。現状では、出版社などからの広告料で運営されるというが、ただでさえ苦しい雑誌業界に広告料を期待する、というのはなかなか想像しにくいけれど、どうなんだろう。
雑誌販売、広告が停滞している中、「雑誌」というパッケージを壊さず、かつ余計な手間をかけず、ネットに進出を試みたいと考える出版社は多いと思う。かといって、何十年も安定してきた雑誌のビジネスモデルを壊してまで、ネットに進出するのは勇気が必要だ。しかし、雑誌を電子化して、ネットで販売するという形はこれから一般的なものになるはず。電子化した雑誌を印刷された雑誌のPRとして考えていては限界があるので、やはり、電子化し、ネット流通することの利点、利益が、出版社に還元されるモデルを作る必要がある。
読者が購入したいと思うような電子雑誌にするためには、全文検索やリッチメディア化といった工夫も必要だし、さらに電子雑誌ならではの広告を入れるて、ネット流通のメリットをクライアントに理解してもらう努力も必要になるだろう。フォーマット的には、制作の手間がわからないが、Olive software社のOlive ActiveMagazineなどはよくできているように思えるのだが・・。
○関連エントリー
ネコ・パブリッシング、電子版雑誌ネット販売
Olive software社の電子雑誌ビューワー
ジニオ社ソフトを使ったデジタル雑誌
投稿者 esaka : 00:49 | コメント (0) | トラックバック
2006年08月22日
グーグル創業者が出資する電気自動車
19日の日経「原油高とシリコンバレー」は、原油高のために、シリコンバレーにインターネット、バイオにつづきエネルギーをめぐり新ビジネスが起きている、という記事。ここで紹介されていたのが、2003年設立されたテスラ・モーターズ。二人乗りスポーツカーで、フェラーリ並みの加速性能、価格は8900ドルで、来年の発売を目指している。このシリコン・バレー発の自動車会社に出資しているのが、グーグルのセルゲイ・ブリンとラリー・ペイジ。……どこかで読んだな・・と思っていたら、今月のWIREDにレポートが載っていた。

このテスラ・モーターズのマーチン・エバーハードCEOの経歴はユニーク。これまでまったく自動車に関わったことがなく、以前は、ebookの「NuvoMedia」を開発していた。ここでバッテリーに関して知識を得たことで、NuvoMedia売却後、電気自動車の開発を決意した、という。凄いな。
日経の記事では、このところの原油高が、こうしたエネルギー関連ベンチャーが勃興する理由としているが、アメリカ西海岸のカウンターカルチャー以後の土壌としてエコロジー・マインドはかつてからあったもので、このところの原油高は、ひとつの短期的な理由だろう。テスラ・モーターズの場合は、グーグル創業者2人の出資を得たことでポストITとして取り上げやすいが、より本質的な動きのように思う。これまで、ITと代替エネルギーは、あまり同次元で語られることがなかったが、技術が社会をドラスティックに変えうる可能性という点ではとても近しい。ITサ−ビスが、一般市民のエンパワーメントに実質的に効果を持ってきているこのWeb2.0時代、さらに重要な課題の"エネルギー"に、一気に関心が向いても不思議はないのだ。選民意識にも似たエリート意識を感じるグーグルの2人がひとつのきっかけになっていることは気になるが…。
逆に振り返ってみると、これまでのWeb1.0時代のIT産業は、ITと社会との接点を"ビジネス"だけで捉えていたMS的、また東海岸的志向に覆われていたと言えるかもしれない。
……そんなこともあって、このブログでは、ITをエネルギーが柱となってます。
さて、同じくリチウムイオン電池の高速の電気自動車といえば、慶応大学の「ELIICA」が思い出されるところ。アメリカのITビジネス系雑誌で、テスラ・モーターズ以外にも、高速電気自動車が取り上げられることが多くなったが、このELIICAが取り上げられないのが残念。市販のプランなどはどうなっているんだろう・・。我が家は、ホンダのインサイト、トヨタのプリウスと、ハイブリッドカーを続けてきたが、次は電気自動車や燃料電池自動車の可能性はあるのか・・?
投稿者 esaka : 16:36 | コメント (0) | トラックバック
セス・ゴーディンの「 Web 2.0 Traffic Watch List」
『バイラル・マーケティング』で知られるセス・ゴーディンのブログから、「Seth Godin's Web 2.0 Traffic Watch List」。Web2.0系の937のサイトのトラフィックがまとめられている。
こうして並べると、いやぁ、凄い数。にわかにWeb 2.0ゴールドラッシュの様相だが、数年後、この中で残っているのは、どれほどだろう・・。 261位でオンライン・カレンダーサービスのKikoは、事業をオークションサイトで売却する、というニュースがあったばかり(Cnet)。ここ数年、サイト立ち上げのスピードも強烈に早まったが、見切りの早さも同様のようだ。
このリストの元になった「ALL THINGS WEB2.0」は、カテゴリー毎に分けられたオープン評価サイト。

投稿者 esaka : 00:43 | コメント (0) | トラックバック
2006年08月18日
YouTubeで人気者になった老人のその後
YouTubeのアクセスがこれだけ急増すると楽しい話がぞくぞくと出てくるが、イギリスの79歳の老人が、今、話題だ。(参考:Guardian)
8月5日、イギリスの老人が、YouTubeにビデオブログを投稿すると、10代ユーザーが多いYouTubeにあって物珍しさがあったのか、なんと140万回も視聴され、コメント数も8600!(8月18日現在)。これらのコメントに答える形で、老人も、ほとんど毎日1本のビデオを投稿している。
(・・ここまで書いて、ロイターの記事がITmediaで翻訳されているのに気づく。)
老人と若者のネット上の新しいメディア上のコミュニケーション……ここまでは楽しく美しい話なのだが、これをGuardianやYahoo.comで紹介され、さらにアクセスがさらに集中。なかには見るに耐えないビデオや荒んだコメントも投稿されるようになった。そして、テレビやラジオの取材攻勢や偽サイトも始まってちょっとした"炎上"状態。こうした状態に、ご本人が、昨日コメントを投稿(Telling it all 7)。テレビなどに出るつもりのないこと、偽サイトには自らがまったく関わっていないこと、その判断は視聴者に任せること・・。"祭り"状態にも関わらず、極めて冷静な対応で、ネットリテラシーの高さを感じる。凄い。
しかし、さらなる人気と混乱で、ネットから離脱、ということにならないといいけれど。
投稿者 esaka : 23:18 | コメント (0) | トラックバック
2006年08月17日
盛り上がる「草の根ビデオ広告」
先日、「メントス+コーク噴水 コンテスト」をエントリーしたところだが、"草の根ビデオ広告"の盛り上がりは、予想以上だ。(参考:New York Times)
New York Timesで紹介されているVonegeのパロディ広告は、YouTubeをのぞいてみると、大量にアップされている。MTVの「Jackass」のようなおバカなテイストが、いまどきのアメリカの10代のノリなんだろう。音楽は、最近、速水もこみち+伊東美咲のANAのCMでも使われていた日本のTHE 5.6.7.8'S。
こうした"バイラル・マーケティング"はますます増えそうだが、予定どおりムーブメントを起こせるか、また、万一"祭り"になったとしても、そのムーブメントの行方をどこまで管理できるのかはひじょうに難しい。コントロールしようという姿勢が少しでも見えると、一気に反感を買うことにもなりかねない。
それにしても、こうした"草の根広告パロディ"が大量に作られるには、背景に映像作品を気軽に作ってアップする土壌があるわけで、日本ではなかなかこうはいかないかもしれない。Macに iMovieやGarageBand といったクリエイティブ系のソフトがバンドルされているのもアメリカのこうした"誰でもお気軽クリエイター""Do it yourself"といったカルチャーの背景を感じるし、レッシグのクリエイティブ・コモンズも、この広く大きなクリエイター層の利便を守るためのアクションで、日本との文化的な背景の違いを感じていた。
こうした背景の違いがあるので、アメリカの広告手法のすべてが、そのまま日本で通用するようには思えないが、ドラスティックな変化を遂げつつある広告市場のありようにはしばらく注目しよう。ビジネス面から見ると、 新しいスタイルの広告の誕生は、新しいメディアの誕生と同じだと言えて、個人的な関心事はそちらにあるわけだが。
ここでは、Vonageではなく、NYTに紹介されていたVolkswagen PoloのフェイクCMを貼っておこう。この時期、シャレにならないけど。
投稿者 esaka : 15:51 | コメント (0) | トラックバック
2006年08月12日
メディアの業態を変える"ジェネレーションN"
Ofcomの調査によると、イギリスの若い世代(16〜24歳まで)のメディア環境が急激に変化している、という。(参考:BBC news)
・1週間に平均3時間ネットにアクセス
・70%が、SNSに登録するか、自分のブログを持つ
・半数が、ゲームやMP3プレイヤーを持つ
・他の世代よりも、テレビ視聴時間が7時間短い
・伝統的なメディアから離れ、ニューメディアに移行している

2005年、家庭へのブロードバンド普及率は、63%まで高まっていて、この世代は、直観的にネット環境に馴染むことができるのだ。これを、paid Content.orgは、「ジェネレーションN」(NetworkのN)と名付けている。
こうした事態は、世界各地で同様だろう。先週のマッキンゼーのレポートでは、テレビ広告は、2010年には1990年の3分の1になると予想。ここでも10代の既存マスメディアからの乖離が指摘されている。ブロードバンドの一般化がもたらした若者のライフスタイルの変化は、WEB2.0騒動を越えて、確実にマスメディアの業態を激変させそうだ。
投稿者 esaka : 00:13 | コメント (0) | トラックバック
2006年08月09日
ネコ・パブリッシング、電子版雑誌ネット販売
先日エントリーしたように、電子雑誌が、活性化しつつある。日経新聞によると、ネコ・パブリッシングが、11月から10誌の電子版を販売するという。紙の雑誌と体裁、内容、発売日は同じ。価格は8割程度に抑える。紙と同じ感覚でページをめくりながら読むことができる、ということだから、ビュワーはジニオ社かYAPPA ONLINE PAPERか? 価格は紙版の8割、というのはどうなんだろう。印刷費がかからないことを考えると、低下を半分ぐらいにして、ネット流通部数を増やし、より多くの広告収入を期待するほうが良いように思うが、このへんのバランスは難しいところだ。
だいたい雑誌は、"公称部数"といってもいい加減な数字の場合が多く、その数字をもとにした広告価格やその効果も、かなりあいまいなものとも言える。またいっぽうで、書店に置いてあるだけで、購読はされないけれど、立ち読みされたり、ふと目にしたりすることもあって、販売部数=読者の手元に届いた部数、というわけでもない。結局、そのあたりのあやふやな構造の全体をふまえて、なんとなくやりとりされていた広告料金や効果が、対効果が明確なネット広告の登場で、雑誌広告の根本が揺らいでいるのだろう。
さらに、予想された展開だが、ネコ・パブリッシングは、全国300のフリーマガジンをネット上で無料で読めるサービスも提供するという。企業のPR誌も、どんどん電子版がネットで流通するようになるだろう。あとは、それぞれの電子雑誌を一括管理、ダウンロードするサービスではどこが勝ち抜くか・・。
○関連エントリー
Olive software社の電子雑誌ビューワー
ジニオ社ソフトを使ったデジタル雑誌
投稿者 esaka : 11:49 | コメント (0) | トラックバック
2006年08月07日
メントス+コーク噴水 ビデオコンテスト
前のエントリーで紹介したダイエットコークにメントスを入れてコーク噴水を作る「Extream Diet Coke & Mentos Experiments」のマネをするビデオがYoutubeなどに投稿されていたが、このちょっとした"祭り"に気を良くしたメントスが、7月31日、自ら「Mentos Geyser Video Contest」をYoutubeで開催している。
優勝者にはiTunes1000曲ダウンロードとメントス1年分。今のところ本編に対抗できるような傑作はないけれど、おバカで軽いノリとこのフットワークの軽さが、なんとも今風のプロモーションだ。元になった「Extream Diet Coke & Mentos Experiments」を貼っておこう。
投稿者 esaka : 14:27 | コメント (0) | トラックバック
2006年08月04日
"ニューメディア"の主要人物
wall street journal で、ポッドキャスト、Flickr、Youtubeなどの新しいメディアによって、大きな影響力を持つようになった(かつては)名も無き個人を紹介している。"web2.0が生んだスター"と言ってもいいだろう。

元記事にリンクが貼ってなかったので、こちらにまとめてみる。
(ポッドキャスト)
it's jerry time
Keith and the Girl
Tiki bar TV
Amanda Congdon
Ask a Ninja
muggle cast
(アマチュアビデオ)
Evolution of Dance
Brook "Brookers" Brodack
Extream Diet Coke & Mentos Experiments
Matt Harding
(ソーシャルネットワーク)
Christian Dolce
Lustra
(音楽)
David Nevue
Scot Lapatine
(ブログ)
Boing Boing
(写真、TV、映画)
Rebekka Gudleifsdutir
Four eyed monsters
Rooster Teeth
Homestar Runner
日本でも以前から知られているもの、まったく知られていないものいろいろだが、さすがに、どれもとても魅力的なコンテンツだ。映像が凝っているもの、コメディタッチでひねりの効いたものも多い。中でも、印象に残る3つをあげておこう。
・「Extream Diet Coke & Mentos Experiments」
ダイエット・コークにメントスを入れて、コーラの噴水アートを作り出すこのユニークはビデオ
は日本でも話題になっていたが、すでに500万回視聴され、3万ドル収入があったという。ビデオの最後に広告を付けるRevver.comで、映像を流しているためだ。さらにYoutubeやgoogle videoで海賊版が流されているため、それを換算すると3万ドルは損失だという・・。Revver.comの手法は、注目に値すると思うが、それについてはまた別の機会に。(参考:business week/ Whose Video Is It, Anyway?)
・Christian Dolce
Myspaceで、100万人の友だちリストを持つもっとも有名な一人。モールのメークアップ・カウンターで働いていた彼女は、ネットでのネームバリューによって、今や、新しく始まったジーンズの会社を持ち、マネージャーもいるて、化粧品などのPRも担う。
・Rebekka Gudleifsdutir
2005年のFlicky awardを獲得したアイスランドの女性写真家。すんだ透明感のある美しい写真群。ここでの写真が目に留まり、トヨタの広告を撮影することになったという。
誰にも知られていなかった優れたクリエイター達が、こうして一気に大きな評価を獲得できる機会が生まれたことは素晴らしい。また、これまでクリエイティビティに目覚めていなかった多くの人たちを、気軽に作品を作り発表する場を作り出している。
ただ、やはりwebはあくまで作品の発表、流通の場で、そこから直接報酬を得られるケースは稀だ。今のところ、ネットで大きな評価、人気を獲得し、金銭的対価の"出口"として既存の産業がある。これは、あくまで現段階の状況ということで、これからさらに変化していくことになりそう。
投稿者 esaka : 23:41 | コメント (0) | トラックバック
2006年08月03日
SONY BRAVIAのCMブログ
Sony-Europeが、テレビシリーズBRAVIAのCMのためのブログを立ち上げている。BRAVIAそのものではなくて、そのCMがテーマというところがユニーク。映画などでは、公開前から公式ブログを立ち上げて、期待感を煽るという手法はよくあるが、CMのPRブログというのはあまり聞いたことがない。
この背景には、昨年放映されたCMが、ネットコミュニティで大きな話題になり、そのパロディ版までいくつも作られてYoutubeなどに投稿されたため、その流れを継続する形で、次に放映されるCMの制作過程をサイトで紹介しているのだ。今回も、新しいCMを公開された後には、パロディ版の制作をこのサイトで促すようだ。
とんでもなく美しい去年のCMを貼っておこう。
先日、新しいCMがグラスゴーで撮影されたようだが、さっそく、Youtubeには一般人が撮ったCM撮影風景が投稿されている。ちなみに、CMの監督は、ジャミロクワイなどのPVで知られるジョナサン・グレーザー。
HDDレコーダーによるCMスキップが問題になっているが、CMによっては、ネットコミュニティとの相乗効果で、CMそのものが大きな話題になり、多くの一般人の制作意欲と遊び心をくすぐる
ことがある、といういい例だろう。
投稿者 esaka : 16:29 | コメント (0) | トラックバック
Olive software社の電子雑誌ビューワー

先のエントリ−で、「Business2.0」の紙版が、http://digital.business2.comで読めることに驚いたわけだが、そのビューワーのフォ−マットを確認してみた。これは、Olive software社のOlive ActiveMagazine。インターフェイスデザインもスマート。音声、動画のリッチメディアも対応していて、雑誌の写真が動きだしたり、背景で音が鳴る。デモは、「Manchester United Review 」がいい。
以前からこうした雑誌をめくるインターフェイスをもったビューワーはあったが、ダウンロードに手間が掛かったりで、あまり実用性、必要性を感じなかった。先日も、ジニオ社ソフトを使ったデジタル雑誌についてエントリーしたけれど、ここへきて気運が変わってきているように感じる。
こうして、デジタルビューワーで雑誌をめくってみると、改めて感じるのは、誌面全体の面積に対しての、広告面積の広さ。ウェブ雑誌などでの記事とバナーの面積比率と比べると、その大きさに驚く。一つの広告スペースが巨大なことも大きな特徴だ。(当たり前なんだけれど、こうしてブラウザに載せると、改めてウェブとの違いを感覚として感じることができる。)
また、ビジュアルの大きさとデザインされた誌面構成は、やはり今のウェブにはない"力"がある。大きな広告スペース、ビジュアルインパクト・・ウェブであまり成功例のないファッション誌などは、このフォーマットにぴったりだろう。外部リンクもあり、ネット通販に直接つなげることも容易だ。
あとは、既存の紙の雑誌とのバランスをどう考えるか…共存させるのか? 販売価格はどうするか? 広告の価値をどう見積もるのか? 既存の雑誌のブランド力を活かしつつ、ネット流通を使って、より多くの部数を、紙よりも安価に販売。動画、音声、外部リンクに広告表現の新たな価値を見いだして、広告単価設定をする…というのはどうだろう。このあたり評価が一定のものになるまでしばらく、いろいろな組み合わせが試されるだろうが、徐々にデジタルフォーマットの雑誌流通が広がりそうだ。
他にも、日本ではイーブック・システムズのFlipBookや、(株)ヤッパの「YAPPA ONLINE PAPER」も、フラッシュベースで似た機能を持っている模様。Olive ActiveMagazineは、あらかじめビューワーをダウンロードしなくても、ブラウザで見れるのがいい。ジニオ社、Olive software社を含めて、ビューワーのほうもこれから競争が激しくなるのだろう。ユーザーが使う際のインターフェイスよりも、出版側にとっての扱いやすさ、コストで決まるんだろうな。
投稿者 esaka : 01:18 | コメント (0) | トラックバック
2006年08月02日
「WEB2.0 AROUND THE WORLD」

まだウェブ版には載っていないが、「Business2.0」の紙版に、「WEB2.0 AROUND THE WORLD」という記事(p105〜)がある。日本は?とアジア地域に目をやると、中国3つ、韓国1つ紹介されているにも関わらず、残念なことに日本発のサービスはまったく紹介されていない。先日、韓国のCyworldがアメリカに進出、というエントリーでも、日本発サービスの海外での存在感の薄さについて少し書いたところだが、こうしてあからさまになるのは、やはりなにか悔しいもの。中国が3つ紹介されているのを見ると、サービスのユニークさの優劣というよりも、その国そのものへの関心度も影響を及ぼしているのだろう。余計情けないが・・。
日本発のサイトで、海外でも評判になる可能性のあったのは、やはり2ちゃんねるだろうか。これからは、はてなやOKウェブに頑張っていただきたい。
昨日紹介した兼元謙任氏の本の中にもこんなことが書いてあった。
「ヤフーだ、オールアバウトだといっても、海外のブランドを持ってきて日本で公開して、それでビジネスがうまくいっていると思っているわけです。それっておかしくないですか? 最初はばかにされても、自分たちのオリジナルを作って海外で勝負したいですよね。勝ち残ってグローバルカンパニーになりたい。グーグルを越えたいと言っているのは、そのためでもあります。」
※ なんと、Business2.0」の紙版が、http://digital.business2.comで読める! 知らなかったよ〜。ウェブ版との関係を内部でどう考えているんだろうか・・?
投稿者 esaka : 12:13 | コメント (0) | トラックバック
●兼元謙任『グーグルを越える日』
先日出版された白田秀彰氏の『インターネットの法と慣習』を担当されたソフトバンクパブリッシングの上杉達也さんに、以前送っていただいていた本をようやく読む。OKweb社長の自伝だ。
またベンチャー起業家の自慢話かな・・と思いながらページをめくり始めると、兼元氏の波瀾万丈の人生にビックリ。会社設立前には、2年ほどホームレスだったという。その成り行きや、そこから脱出するバイタリティに引き込まれる。また、企業の拡大を目指すが、ただ利益至上主義ではない、という志向が大きな特徴。
OKwebのビジョンは、以下のようなものだという。
「世界知識資産(みなさんの知恵、経験を蓄積し、新しい価値を共有するデータベース)の創造。…
2006年にはアメリカ、中国、韓国の3カ国にオーケイウェブを広めます。…そして2010年までに100カ国を目指します。売上、利益もグーグルを越えるレベルにしたい。しっかり儲けます。そして社会に還元します。…
一番乗り越えなければならない壁は、「偏見」でしょう。それぞれが、それぞれに、自分たちの文化や生活に誇りを持ちながらも、相手のそれらに敬意を持って接することを、「偏見」は阻害しています。…
世界の相互誤解を解きながら、個人個人が相互に有用な知恵・経験を売り買いできる世界。そのインフラを築き上げていきたいのです。」
社会変革を、というような抽象的で大きな目標は、身近なところで、相反する事態を生み出すこともままあって・・事業の着実な成長を期待したい、という気分。
投稿者 esaka : 01:07 | コメント (0) | トラックバック
2006年08月01日
市民ジャーナリズムを導入する CNN exchange
昨年のハリケーン「カトリーナ」やロンドン爆弾テロ事件の際には、市民がケータイなどで撮影した写真、動画が、大手ニュースメディアなどに採用されて、市民が集める映像の力が改めて認識されていたけれど、CNNがCNN exchangeを立ち上げて、積極的にユーザーの参加を促そうとしている。
"I-Reports"と名付けられているが、"市民ジャーナリズム"といっても、ある程度の慣れと習熟が必要なテキスト原稿と違い、音声、映像を中心としたところがミソか。画質や映像処理の拙さを越えて、報道的価値がある(場合もある)、と見なされたのだろう。
基本的には、ひじょうに今後が楽しみな試みだと思うが、著作権はクリアされているのか(他サイトなどから転用したデータではないのか)、映像の改竄は行われていないかなどのチェックはどうするのだろう..と余計な心配をしてしまう。
大手ニュースサイトが、記事の最後に外部ブログ枠を設けるなど、ブログとの連動は当たり前になってきているが、映像を中心にした市民ジャーナリズムの活用も、さらに広がりそう。
投稿者 esaka : 14:20 | コメント (0) | トラックバック
2006年07月31日
「Cyworld」、アメリカに進出
「Business2.0」のサイトによると、韓国発のSNS「Cyworld」が、アメリカに進出するようだ。MyspaceやFacebookなど、アメリカで人気のSNSにどこまで対抗できるのか・・。
ポータルやニュースサイト、ショッピングサイトと違って、コミュニティ系サイトは、ネット上の行動に対する個人の細かな嗜好、感覚(ex.匿名のほうがいいのか、顔写真を出すのかどうか、イラストへの感覚…さらには、異性へのアプローチの仕方…)が大きく影響を与えるので、サイトの構成やインターフェイスに各国の特徴が出がちだ。昨年12月にCyworldが日本に進出した際も、日本向けにかなり修正を加えたらしい。
木村忠正著『ネットワーク・リアリティ』の中で、韓国と日本の学生では、コミュニティサイトの利用形態がかなり異なっていて、韓国では日本よりも実名利用が多く、オフ会が盛ん、という調査が紹介されていた。(ただ、Mixi以前以後で、日本の学生の利用形態も大きく変わっているはずだが・・)
韓国と日本のネットの利用形態や嗜好に微妙な違いがあるように、アメリカのそれとも違うはず。MyspaceとMixiも一見して雰囲気が違うし。そんな国民性や嗜好、感覚の違いを越えて、Cyworldは、アメリカで成功するだろうか? 今度の動向に注目したい。
それにしても、韓国のウェブサービスが果敢に英語圏に進出している。すでに英語版があるOhmynewsに関する記事もよく目にする。う〜む、日本は……。
投稿者 esaka : 15:19 | コメント (0) | トラックバック
2006年07月27日
青空文庫 vs Google+amazon
青空文庫は、おもに著作権が切れた文書をボランティアの手によって、入力、校正し、これまでにこつこつと5000冊以上が納められたインターネットの図書館。富田倫生氏によって活動が開始してから、今年でちょうど10年になるという。
ボランタリーな意思を持った多くの人が関わることで、大きな成果が得られる、いわゆる"バザール方式"として、Wikipediaが現れるまでは、ソフトウェア以外では、珍しい成功事例だったと思う。(ちなみに、エリック・レイモンド「伽藍とバザール」山形浩生氏訳も、ここに納められている。)その意味では、青空文庫はWeb2.0を先取りしていた、と言っていいかもしれない。
で、文書のデジタル化ということでは、ここ数年、amazonとgoogleが力技で、"全書籍電子化"を進めようとしている。自動ブックスキャナーマシンを使って、デジタル化を進めるamazonとgoogleに対して、丁寧に人力でこつこつを入力する青空文庫は太刀打ちできないだろうと想像していた。それはそれで、ひとつの時代の流れだろう・・と。
しかし、事情はそう簡単ではないらしい。先日行われた東京国際ブックフェアで行われた富田倫生氏の講演の映像が、ボイジャーのサイトにあがっている。熱い語りだ。富田氏も、基本的にamazonとgoogleの作業を認めつつも、スキャンしOCRで読み取る作業の限界を説く。アルファベットと違って、日本語の場合は特に難しいという。例えば、「ロ」という文字を、カタカナの「ろ」と読むのか、感じの「くち」と読むのかを区別するのは非常に困難だ。実際、アマゾンの「なか見!検索」で、「口シア(くち しあ)」で検索してみると、いくつもヒットするのだ・・。そんなわけで、質の高いデジタル化を行う青空文庫のような組織はしばらく必要だ、という。OCRの限界はよく耳にしているが、こんな問題が起きているとは・・。
大量に過去の書籍がデジタル化されることそのものを評価すべきで、自動スキャナーではこんな程度のものだ、それに、読み取り能力もいずれアップする、という割り切った見方もあるだろう。それにしても、書籍の文字組を忠実に再現しようという「本」への強い思い入れを持った青空文庫に関わるボランティアの方々の作業には、ほんと頭が下がる。
投稿者 esaka : 00:39 | コメント (3) | トラックバック
2006年07月25日
ジニオ社ソフトを使ったデジタル雑誌
小学館が10月から電子雑誌に参入、という日経の記事。定期購読契約をした電子版の読者だけを対象にして、紙版と同じ料金、同じ日程で配信するという。配信は、Fujisan.co.jpに委託して販売する。デジタル版雑誌を閲覧するには、米ジニオ社製ソフトを使用。
先日、Fujisan.co.jpで、このジニオ社製ソフトを見る機会があったのだが、これがなかなかよくできている。DTPで制作したデータをそのまま加工できるところは、追加コストを
抑えたい出版社の要求にあっているし、紙の雑誌と同じデザインで、紙をめくるように読めるのは、雑誌をめくる感覚に似て、読者にある種の"安心感"を与えることができる。また、テキストデータが検索できる利便性はデジタルならではで、さらに、広告ページのURLをクリックするとそのまま広告主のサイトへ飛ぶこともできる。
いくら雑誌市場が急激に縮小しているからといって、ただそのコンテンツをネットに移行すればいい、というわけではないだろう。ネットには無料で優れたコンテンツが溢れている。しかし、ウェブが、テキスト中心で構成されている現状を考えると、既存の雑誌で作り込まれる写真とデザインに限っては、まだ雑誌(すべての、とは言わないが)に力がある、と言えると思う。
情報の量や質や早さでなく、イメージやブランドといった感覚的なことが、これからネットに持ち込まれるようになると、よりビジュアルの力は重要になるに違いないのだ。ビジュアルの力は、広告の訴求力という意味でも重要だし、このフォーマットでは、サイトへのリンクが直結しているということでも、広告手法も変化してくる可能性もある。
というわけで、ジニオ社ソフトを使ったデジタル版の雑誌は、将来を憂いてネットにそろそろと足を踏み込み始めた雑誌社にとって、現段階でのひとつの解決策、となるのだろう。ただ、"紙をめくる"というようなインターフェイスが、デジタル版雑誌にほんとうに必要なのか、という根本的な疑問もあり、よりネットにあったインターフェイス、パッケージモデルが出るまでのあくまで暫定的解決策、という気もするが。
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2006年07月24日
Hotwiredから書籍化
白田秀彰さんの『インターネットの法と慣習』が出版されたのを機に、Hotwiredの連載原稿などから書籍に納められたものをまとめてみた。
田口ランディ『ぐるぐる日記』(筑摩書房)
山本直樹『テレビを消しなさい』(平凡社)
山形浩生『山形道場』(イーストプレス)
川崎和哉『オープンソース・ワールド』(翔泳社)
駒沢敏器『地球を抱いて眠る』(NTT出版)
稲葉振一郎『経済学という教養』(東洋経済)
池田信夫『ネットワーク社会の神話と現実』(東洋経済)
いとうせいこう&みうらじゅん『見仏記 親孝行篇』(角川書店)
宮内勝典『裸の王様、アメリカ』(岩波書店)
土屋大洋『ネット・ポリティックス』(岩波書店)
小林雅一『隠すマスコミ、騙されるマスコミ』(文春新書)
星川淳『非戦という希望』(七つ森書館)
野口旭『エコノミストの歪んだ水晶玉』(東洋経済)
高橋靖子『表参道のヤッコさん』(アスペクト)
白田秀彰『インターネットの法と慣習』(ソフトバンク)
佐々木俊尚『ITジャーナル』(予定/宝島新書)
今でこそ、ブログから書籍化、といった流れは一般的になったが、少し前までウェブに掲載された原稿を書籍化することの可否について、出版社側もかなり迷いがあったように思う。ウェブでまだ読める原稿を書籍化する意味があるのか? ウェブを読む層と書籍を購入する層は別なのか? 初出がウェブであることを出そうとしなかったり・・そのあたりの反応は、出版社によってさまざま。
ウェブやブログが、売れるコンテンツの青田買いの場としてはっきり認知されたのは、『電車男』のヒット以来だろうか。また新書などの出版点数の増加も、手っ取り早くコンテンツを確保できる場としてウェブが再認識された、ということはあるだろう。
また、いっぽうで、書き手にとっても、ウェブ業界の原稿料の現状を考えると、書籍化を前提にせざるをえないところもあって、コンテンツ製造装置としてのウェブ、「出口」としての出版 、という関係はしばらく続きそう。
投稿者 esaka : 14:06 | コメント (0) | トラックバック
2006年07月23日
白田秀彰『インターネットの法と慣習』
Hotwiredでの連載の一部を新書化。いやぁ、めでたい。
"ネットワーク時代の法"をどう捉えればいいのか・・。
「法はすでに出来上がっているものではないし、誰かが決めるものでもなくて、自分たちが発見して発展させていくものでもあるんだ、ということを分かってもらいたい」
というわけで、英米法と大陸法の成り立ちやアメリカと日本の法の重みの違いを説明するところから始め、匿名の問題や政治的に活動することが忌避されている日本の現状を指摘した上で、"いかに法を成立させうる政治的回路をネットワークに実装するか"を考える。
ありがちな"インターネットと法律"に関する本とは大きく異なるわけだが、あとがきで書かれている白田氏のこの姿勢が、すべての根幹だと思う。
「何事も相対化し、原理的にかつ合理的に考えることが大事なのだろうと私自身は考えています」
こうした姿勢や思考法は、まさに"ハッカー的"だと感じる。コンピュータ技術者がプログラムを読み解き、改良していったりするのと同じように、法学者の白田氏は、現在の社会を、「国家だって政治だってシステムだ。もっと良い動かし方がありうるんじゃないだろうか」と考えた。
一般的には、"Life hacks"というと、仕事の生産性をあげるための時間管理術やデジタルツール利用術だが、文字どおり人生をハックする、と捉えると、白田氏のアプローチは、まさに"Life hacks"だ。
こうした"何事も相対化し、原理的にかつ合理的に考える"という思考展開は、ある世代以降に多くみられる。モリエモン氏は、"金儲け"をハックし、はてなの近藤さんは、"会社運営"や"サービス"をハックしているとはいえないか・・。
ちなみに、この連載の最終回のタイトルは、「現実2.0」。評論というよりも、啓蒙書、アジテーションともとれるこの本は、白田氏版「ハッカー党宣言」と言えるかも。
投稿者 esaka : 18:31 | コメント (0) | トラックバック
2006年07月14日
ROCKETBOOM 2.0 ベータ
先週、人気ビデオブログ「RocketBoom」の人気司会者 Amanda Congdonが降板するというニュースは、アメリカブログ界のみならず、NY TimesやBusiness Weekなどメジャーメディアにも取り上げられて、改めて「RocketBoom」の注目度の大きさを確認することになった。Amanda Congdonは、ビデオブログ発の初めてのスターとして、これからメジャーなメディアで活躍しそう。
で、「RocketBoom」の次の展開は?と思っていたところ、12日、司会進行役がJoanne Colan女史に変わって、再スタート。「イギリスなまり」とか、「声が男のようだ」とか、ご不満のユーザーも多いようだが、とりあげる題材や映像編集の処理のセンスがいいので、そうキャスターが変わってもそう大きな打撃にならないのでは、と思うが……やっぱり、違うかも。w
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2006年07月11日
携帯電話ユーザー調査データ
『ケータイ大国のモバイルビジネス入門』の巻末に、ビデオリサーチインタラクティブ社による携帯電話ユーザー調査データ「ケータイ2006」と、インフォプラント社による「定例リサーチ」が、掲載されている。個人的には、調査の中心部分のケータイの利用状況よりも、調査の末端に10代、20代のライフスタイルの一部がうかがい知ることができて楽しめた。
・携帯電話、現金以外で、外出時に持ち歩いているものは?
手帳、ガム・タブレット・あめ、ペットボトル飲料、クレジットカード・・と、ふ〜ん、と読み飛ばしていると、最後に、目薬(男性20歳代 35.8%、女性 47.2%)。
・朝どうやって目を覚ましますか?
男性20歳代 79.6%、女性20歳代 87.5%が、携帯電話のアラーム。
いやぁ〜、知らないことは多い・・。
投稿者 esaka : 15:53 | コメント (0) | トラックバック
2006年07月06日
Gawker Media、再編

ブログネットワークGawker Mediaが、運営する15ブログのうち、2つを売却し、主要ブログの編集者の配置換えを発表したことで、ブログブームも終わりか、とNew York Timesなどでちょっと話題に。
PVは右上がりで、市場全体のネット広告が拡大しているとはいっても、これだけ急激にブログネットワークが増えてくると、広告獲得競争は、ネームバリューのあるGawker Mediaといえども、ある程度の改良、改編は当たり前でもある。しかし、気を見るに敏。さすが、Nick Dentonというところか。
ちなみに、Business2.0のブログによると、Gawker Mediaは6000万PV/月、CPM5$で、月$30万ドルの広告収入。w で、Nick Dentonは、先日発表されたBusiness2.0の「The 50 people who matter now」にも選出された。
投稿者 esaka : 13:07 | コメント (0) | トラックバック
2006年06月30日
「The best product designs of 2006」
「BusinessWeek」で「The best product designs of 2006」が発表されていた。Business&Industrial products や Computer Equipment、Consumer Productsなど、13の分野から合計108の製品が受賞。
ざっと見て驚くのは、Panasonicの多さ。6つも選ばれている。先鋭的な他社製品をめざとく大衆化させるだけで、何の面白みもないデザインというイメージもあった松下電器だけれど、それも過去の話になりつつあるようだ。そんな松下の変化に「BusinessWeek」も驚いたのか、2002年に設立されたパナソニックデザイン社の社長、植松豊行氏のインタビューも掲載されている。
またサムスンやレノボなどのアジア勢が健闘を見せる中、寂しいのがソニー。かつて、先鋭的なプロダクトデザイン、といえばソニーだったと思うのだが。ここ数年の低迷が、こんなところにも現れている。
投稿者 esaka : 19:12 | コメント (0) | トラックバック
2006年06月05日
岩田昭男『ドコモが銀行を追い抜く日』
携帯業界の動向分析ではなく、クレジットカード業界の専門家によるカード業界の最新動向分析。ドコモのおサイフケータイ登場で、この2つの分野が急速に結びついた。メガバンクの合従連衡ぐらいは知っていても、カード業界の動向には、まったく関心がなかったのだが、ここ数年の金融再編の大きなうねりの中、クレジットカード業界も激変の最中にあることをようやく知る。
「それにしても、なぜ、いまになって急に電子マネーなのだろうか、なぜ、6つの電子マネー(ビットワレットノEdy、JR東日本のSuica、ドコモと三井住友カードのiD、UFJニコのノスマートプラス、JCBのクイックペイ、セブン&アイ・ホールディングス)がデファクトスタンダードを巡って争うようになったのだろうか。それはいままで手付かずだった小額決済市場を取り込もうとしているからだ。
…カード会社は小額市場は儲からないとタカをくくってきた。…ところが、小額決済のボリュームがどんどん大きくなっている。…コンビニでの買い物に代表される小額決済は60兆円ともいわれるが、それがいまや社会の主流を占めるようになっており、そのボリュームはひじょうに大きなものがある。クレジット事業者はそこを見逃していたわけだ。もはや百貨店の時代ではないのだ。…
そんな中に、フェリカ仕様の電子マネーが登場して、かざすだけで支払うことができる簡便さから、急速に勢力を伸ばしている。」
構成がうねっていて読みにくい感もあったが、携帯にクレジット機能が付加されることの業界内の衝撃はわかった。
投稿者 esaka : 15:06 | コメント (0) | トラックバック
2006年05月09日
●アレックス・ライトマン『アンワイアード』
はぁ…。また間隔空いてしまった・・。ブログを書く、という習慣をいったん失うと、なかなか手を付けられなくなる。
さて、ネット環境は、ワイアード時代から隔日にアンワイアード時代に突入している。電波の問題は、有限であるが故に、先の池田氏『電波利権』のように既得権、政治と密接に結びつき、ただ技術の先行きを語って済む問題ではないのが、虚しいところがあるのだが、この大きな転機に、ビジョンを語るのは、やはり必要だろう。
というわけで『アンワイアード』。サブタイトルは、「果てしなきインターネットの未来──4gへのシナリオ」。
「4Gは第4世代の略語だけでなく、自由(Liberty)、友愛(Fraternity)、平等(Equality)に続く4番目の善である自由(Freedom)も意味している。4G装置は、どのような種類の情報にも安全にアクセスでき、巨大なエーテル空間にフィードバックすることを可能にする。この巨大な空間は、現在、インターネットと呼ばれているが、やがてこれよりはるかに大きなものに変身すると思われる。」ここで描かれるのは、「ウェエアラブルコンピュータと無線ユビキタスコンピュータ」「GUIに代わるインターフェイス」「拡張現実」……と、3Gから4Gへという、ケータイ端末の技術革新ということではなく、すぐ先に、「攻殻機動隊」をイメージさせるほど、その視線ははるか先を向いている。
投稿者 esaka : 12:48 | コメント (0) | トラックバック
2006年03月29日
●池田信夫『電波利権』
また、間隔が空いてしまった・・。
時代は、確実にワイアードからアンワイアードへ、そして放送と通信の融合へ、そのコアには電波がある。ただ、この電波は既得権と政治が絡む複雑な利権構造のただ中にある。技術やビジネスの最前線だけ追っていると、この"政治"の部分はなかなかわからないが、この構造を描き出していることに、この本の大きな意義がある。
「無線通信の発展をさまたげるボトルネックは、技術ではなく周波数を政府が割り当てる社会主義的な制度にある。このため電波が政治と密接にむすびつき、既得権が強く守られる一方、新しい技術には実用性の低い帯域しか割り当てられない。・・
こうした非効率性は世界共通の問題だが、日本の場合はとくに政府と業界の「談合」的な体質が強く、携帯電話やデジタル放送への参入なども既存企業に偏っている。・・さらにテレビ局も新聞社もこの談合の輪に入っているため、アナアナ変換への国費投入のような疑問の多い政策についても、ほとんど報道すらしない。」
投稿者 esaka : 20:51 | コメント (0) | トラックバック
2006年03月07日
●日経コミュニケーション編『風雲児たちが巻き起こす携帯電話崩壊の序曲』
いやぁ、久しぶりのエントリーになってしまった・・。
さて・・ソフトバンクによるボーダフォン日本法人買収にはびっくり。ちょうど日経コミュニケーション編『風雲児たちが巻き起こす携帯電話崩壊の序曲』を読んでいたところ。ソフトバンク、ライブドア、イー・アクセスなどの携帯電話新興事業者の動向、そしてドコモ、au 、ウィルコムの既存事業者の対応の動向を追って、携帯電話業界の今をレポートしたものだ。
昨年12月に出された本で、その段階の"今"はひじょうによくわかるのだが・・ここ3ヶ月で状況は大きく変わった。ひとつの焦点は、ソフトバンクの携帯参入のための格闘だ。ここ数年だけでも、次々と方針を変えてきたソフトバンクだが、まさかボーダフォン買うとは。また、ライブドアの行った事業の中で、もっとも面白いと思われた無線LANの面的展開も、今や・・。というわけで、この本の賞味期限も2006年いっぱいぐらいかな、とは思っていたが、半年もたないとは。「モバイルの番号ポータビリティ」に向けて、ドラスティックは動きはまだ続きそうだ。
投稿者 esaka : 00:47 | コメント (0) | トラックバック
2006年02月03日
●小林雅一『コンテンツ消滅』
音楽用CDを再販制度から除外(→yomiuri online)、インターネットを使った番組配信を「有線放送」扱いにして、著作権手続きを簡素化する(→東京新聞)・・と、ここ数日、知的財産戦略本部が続々と、"コンテンツ大国"に向けた提言を続けている。その目的が、名目どおりになるかどうかはさておき、これらの提言は評価できる。
さて、この本は、iTMS日本開始前の04年11月に書かれたもの。ファイル交換によって衰退する音楽産業、劣悪な労働環境によって空洞化するアニメ産業・・その行方は、"コンテンツ消滅"する、と憂う。
個人的には、現状の音楽産業が、規模を縮小することになっても、"音楽を愛する者"の絶対数は、世界的に、ますます拡大していくはずで、音楽産業のあり方が変化だけではないか、と思っているが・・出版は・・。
「サーバー型にせよP2P型にせよ、従来メディアよりも格段に低コストで情報やコンテンツを配信できる。これによってプレイヤーの数が飛躍的に増える。・・
そうした変化になかにあって、紙の印刷物や光学ディスクなど物的メディアは全体に占める割合が低下する。しかし、だからこそ、今まで以上に特権的なポジションを占めるようになるだろう。
すなわちクリエーターへのチャンスとコンテンツの多様化が拡大する一方で、より貴重な、あるいは影響力のあるメディアに載るための選別も厳しくなる。さらに批判的ニューメディアと伝統的巨大メディアの健全な均衡関係が生まれ、全社が後者に変革を促す。そして人々の文化的選択肢が広がる。
以上は理想的な一例にすぎないが、要は自由度と秩序のバランスが確立される必要がある」
投稿者 esaka : 21:10 | コメント (0) | トラックバック
2006年01月23日
「サイボーグ革命 ロボットと人間の融合」
WIRED NEWSの記事をもとにしたと思われるNHKスペシャル「サイボーグ技術が人類を変える」は、昨年11月に放映されて(前のエントリー)、かなり話題になっていたが、その番組内では紹介しきれなかった取材映像が、教育テレビ、ハイビジョンで関連番組として紹介されている。先週は、ハイビジョン特集 「サイボーグ革命 ロボットと人間の融合」として、3日連続放映。立花隆氏とともに、山海嘉之氏(筑波大学教授)、川人光男氏(ATR脳情報研究所所長)も登場。
なかでも、脳とコンピュータをダイレクトに接続するブレイン・ネットワーク・インターフェイスの映像は、衝撃的だったが、アメリカでは、脳に直接、電極を埋め込むのに対し、川人光男氏が、直接脳に電極を埋め込まないで脳情報を得るシステムが、日本では発達している、と紹介。ウ〜む、これは、凄い。脳科学と通信技術の融合は、とんでもなく刺激的なことになっている。
先週、「バイオコミュニケーション国際シンポジウム2006」でも、講演があったらしいが、行きたかった〜。
投稿者 esaka : 21:19 | コメント (0) | トラックバック
2006年01月20日
「Link Club NewsLetter」2006 1/2
これも忘れていたのだが、Macユーザのためのコミュニティでプロバイダでもある「リンククラブ」のニュースレターに取材していただいていた。テーマは、1月ということで、2005年を振り返りつつ、2006年を展望する、というもの。blog、web2.0、Lifehacks、Euro-styleというテーマで話しをさせていただいたが、ウ〜ん、ちょっと、表層的すぎたか・・。2005年の本としてダン・ギルモア『ブログ 世界を変えるメディア』、北田暁大『嗤う日本のナショナリズム』、ジェフ・ホーキンス『考える脳 考えるコンピューター』を紹介。
投稿者 esaka : 21:19 | コメント (0) | トラックバック
2005年12月12日
●ジョン・バッテル『ザ・サーチ』
「Googleとそのライバルたちは、ビジネスのルールを、メディアを、我々の文化を、どのように書き換えてしまったのか?」と帯にあるとおりまさにタイムリーな内容。
「検索の分野に関わる技術者は口をそろえて、検索はまだせいぜい5パーセントしか解明されていないという。その可能性の二桁も利用できていないと強調する。しかも検索エンジン自体が驚くべきスピードで変化している。・・グーグル以前以後のネットビジネスの変遷、「検索」の枠を越えつつある「検索サービス」・・さまざまな読み方ができるが、個人的には、「検索」と「編集」の関わりを考えながら読む。爆発的に増大するデータの中から、選択(加工)して、提出することは、検索エンジンの役割でもあるけれど、編集業が担ってきた役割でもある。検索エンジンがつきすすでいる「パーソナライゼーション」は、これからますます洗練されていくだろうが、それが「完全な姿」でないかぎり、そこに人が介在する余地があって、先のエントリーのようなネットコンシェルジュもそうした需要をみたすものだろう。
ここでは、完全なる検索の世界というものを想像してみよう。それはどのようなものだろうか。
なにかを質問して客観的な回答を得るのではなく、完全な検索をして「あなたの」完全な回答を得る、あなたの質問の文脈と意図に適した回答、不気味になるほどの正確さで、あなたがだれであり、なぜ質問したかを知り尽くした上での回答を得る・・。これが完全なる検索の世界である。」
いっぽう「編集」には、情報の生産を補助し効率化する役目もあるわけだが、こちらは、いまや誰もがコンテンツを生み出し、共有できる環境を得たことで、CMSのアーキテクチャがその役割を担おうとしている。特に、CMSでの「権威」と「インセンティブ」の設計が、その要点。
投稿者 esaka : 01:01 | コメント (3) | トラックバック
2005年12月06日
ネットコンシェルジュ登場
昨日の日経新聞「シグナル発見」欄から概要メモ。
「ネット上で、個人の好みに応じて情報を整理する「コンシェルジュ」サービスが登場している。
医療情報サイトを運営するソネット・エムスリーは9月から、医師向けのコンシェルジュサービス「QOL君」を始めた。この会社はもともと会員となった医師に対して、製薬会社の医薬情報担当者(MR)が情報を提供するサイト。QOL君は付加サービス。「開業調査請け負います」「お買い得ツアー」など選別された情報が表示され、問い合わせや申し込みにも対応する。
NTTデータも、10月、定年退職者を対象に「コミュニティにおけるコンシェルジュサービス」の実験を始めた。健康や資産運用など、メールで依頼すればNTTデータ担当者が、法律・金融などの企業に直接問い合わせて、結果を教えてくれる。プレスリリース」
コンシェルジュ、というネーミングはちょっと恥ずかしい気がするが、AI「エージェント」とも違うし、ということか。しかし、これだけネット上に大量の情報が流通していると、そこで何を選択するのか、というのはますます困難な作業になってくるので、こうした需要は以前から大きいものではあった。googleのような機械検索から はてな のような人力検索までの「検索」と、はてなブックマークやDiggのような情報DJ型やこのネットコンシェルジュと、情報収集・整理サービスは、技術的な進化とともにこれからますます改善されていく分野だろう。また、編集者の役割のある部分というのは、この「情報DJ」的役割にあったわけで、デジタルコンテンツの編集者の姿は、ますます変化していくことになりそう・・。
投稿者 esaka : 23:46 | コメント (0) | トラックバック
2005年12月05日
民放+電通の団結
先のエントリーに関連して、土曜日の日経「メディア奔流」から概要をメモ。
「TBSとフジが、電通の株を追加取得し、電通がフジ株を取得、TBSの増資を引き受けていることで、結果的に株式持ち合いになる。
在京5社と電通が共同でテレビ番組のインターネット配信事業を推進。ほぼ同時期に、インデックスとTBSは携帯電話・ネット向けコンンテンツ配信会社への参加を在京民放全社に打診し、各社は覚え書きにサイン。
こうした動きの背景には、ライブドアや楽天の攻勢の他にも、USENのGyaoがある。視聴登録者460万を突破し、11月に視聴者の属性に応じたCM配信を開始。CM枠の販売でも、電通などの大手代理店、USEN本体、サイバーエージェントなどのネット専業代理店の3ルート。テレビや新聞に比べて、電通のシェアは低い。」
旧マスメディア+代理店 vs googlezon的パーソナルマーケティング 本格化。
投稿者 esaka : 21:31 | コメント (2) | トラックバック
2005年12月02日
TBSとフジテレビ、電通株取得
TBSとフジテレビが、電通の株式3万株を取得(→Yahoo news)。取得価格は100億円程度。電通は、7月にフジテレビ株を追加取得、9月にTBSの第三者割当増資・自己株放出を引き受けていて、いっそう関係が強化されている。ライブドアや楽天からの攻勢、というところが直接的な原因なのだろうけれど、時代の流れからすると、例の「EPIC2014」が示したようなgooglezon的パーソナルマーケティング時代の到来を前にした、既存メディア+代理店の焦りにも見える。
投稿者 esaka : 00:23 | コメント (0) | トラックバック
2005年11月09日
知的財産戦略本部 コンテンツ専門調査会 意見募集中
8月に横浜で行われたGLOCOMのフォーラムで、内閣府知財産戦略事務局、総務省、経産省、文科省、それに外務省!から担当者が集って、「日本コンテンツ立国」をテーマに議論が行われていたが、その中で、この手の問題に役所が関わることの逆効果や限界を推し量りつつ、もっともバランスのとれたコメントをしていたのは知財産戦略事務局の担当者だった。
で、その知的財産戦略本部のコンテンツ専門調査会が、「デジタルコンテンツの振興」について意見を募集している。先に国領二郎氏が提出した資料では、クリエイティブ・コモンズやP2P利用の促進を言及しながら、「技術規格等に 内包された事実上の利用規制の存在を認識し、実効ある総合的な対策をうつべき」
と、著作権法外の「規制」にも注目を促している。この調査会の議論に行方は追う必要ありか。
投稿者 esaka : 01:49 | コメント (0) | トラックバック
2005年11月08日
戦略的先端ロボット要素技術開発
ちょうど昨日の日経新聞に出ていた記事「経産・文科省の研究資金助成 10年先にらみ重点配分」をメモ。
経産省は5年ほど前から、景気低迷から脱却するために、5年ほどで実用化できて、新規市場を生み出せる研究に科学技術予算を重点配分してきたのだが、来年度から方針を転換して、長期的な研究開発計画を重点支援する。
で、その新規プロジェクトは、
・新機能抗体創製基盤技術開発
・植物機能を活用した高度ものづくり基盤技術開発
遺伝子組み換え植物の効率的な栽培技術
・スピントロニクス不揮発性機能技術開発
電子の自転を制御し、超高速で情報処理や処理を行う新素子
・水素先端科学基礎技術
燃料電池電極などの金属と水素との接触で起きる劣化現象の解明
・戦略的先端ロボット要素技術開発
日常会話がこなせる高度なロボットの実現を目指して、音声技術や制御技術の研究
というわけで、「日常会話がこなせる高度なロボット」目指して、研究開発は重点的な支援をうけて続けられるもよう・・。
投稿者 esaka : 09:56 | コメント (0) | トラックバック
2005年11月07日
アトムと8マン(ロボット技術とサイボーグ技術)
先日のエントリーの追加。アメリカではサイボーグ技術の開発が進み、日本ではロボット技術が注目を集めているわけだが、この違いはどこから生まれるのか。日本のロボット技術の進展は、開発者へのアトムやマジンガーZ、ガンダムの影響、といったことがよく言われるわけだが、人気アニメには、8マン、サイボーグ009、人造人間キカイダー・・といった人体改造、サイボーグの系譜もあるわけで、"アトムの夢"ばかり語られるのも不思議。
欧米で人型ロボットがあまり開発されないのは、実効的利用分野が少ないということとは別に、キリスト教の影響がある、とも言われていたはず。(F・ラングの「メトロポリス」などを引き合いに出して欧米のロボット観について書いていたのは・・誰だったっけ? 伊藤俊治氏?)
欧米のロボット物語は、最終的に人への反乱がテーマになることが多いが、日本のロボットは、常によき"しもべ"だ。いっぽう人体改造物語の系譜は、8マンや人造人間キカイダーのように、機械パーツと人間パーツの不完全な融合の苦悩が描かれることが多い。日本では、人体改造については、なにか大きな抵抗感が描かれる傾向がある。社会に属しながら、特殊な能力を獲得することへの、社会の締め付けの大きさか・・?
日本でまだ美容整形に抵抗感が強いのもこのあたりとも関係がありそう。だが、同じ儒教国でも、韓国では大統領も整形するくらいで、その感覚には大きな違いがあって、これまたよくわからない。その韓国では、世界が躊躇する中、ヒトのクローン胚を作成して、幹細胞を抽出したり、ES細胞を作成しているが、この分野も、日本は超保守的だ。
さらに追加
経済産業省 「ロボット政策研究会中間報告書(案)〜ロボットで拓くビジネスフロンティア〜」について
1月に始まり、5月に中間報告だから、そろそろ最終報告書、出るのかな・・。しかし、担当、製造産業局 産業機械課というのも、わかりやすい。
投稿者 esaka : 12:14 | コメント (4) | トラックバック
2005年11月05日
NHKスペシャル「サイボーグ技術が人類を変える」
身体の一部をマシンに置き換えたり、脳とコンピュータを直結するシステムの最前線を立花隆がレポート。この手のサイボーグ技術については、WIRED NEWSで数年前から盛んに流していて、番組制作にあたっても参照されたかもしれない。ex→「進化する「脳−コンピューター直結インターフェース」。今回の取材にあたって、立花氏が、リンク集や基礎情報をネットにアップした、とNHKのHPには書いてあったのだが、なぜかリンク先が消えている。
先のニュースでは、写真も限られていて、なかなかリアリティが感じにくかったのだが、今回のテレビ番組の映像は衝撃的だった。──考えただけで動く「人工の腕」、脳に直接画像を送り込む「人工の眼」、日本でも利用が進む人工内耳、脳に直接電気的な刺激を与えておこなわれるパーキンソン病やうつ病の治療・・。
まさに「マトリックス」や「攻殻機動隊」を思わせる脳に埋め込まれたプラグの映像も衝撃的だったが、これらのマシンによって人の心まで調製可能な段階に至っていることに驚く。こうしたサイボーグ化技術は、今のところ医療・福祉の分野で進められているとはいえ、これからは軍事に、さらにコストが下がれば性風俗、エンターテイメント分野にも拡大していくだろうことは眼に見えているわけで、倫理問題も後追いで考察されていくことになるのだろう。
日本では、実効的な利用分野の少ない?人型ロボットがもてはやされているわけだが、この医療・福祉分野でのサイボーグ化技術のほうが、当面の大きな可能性を感じる。
※追記
立花氏の解説などを収めた番組の関連サイト、こちらにあった。
リンク集を見ると、やはりWIRED NEWSがかなり参照されたようだ。
投稿者 esaka : 19:54 | コメント (0) | トラックバック
2005年10月22日
大航海NO.56 「インターネットの光と闇」
(ブログとかじゃなく)あえて「インターネットと社会」を論じようとする雑誌企画は、目にすることがほとんどなくなっているが、今回の企画はひじょうに面白い論文が多い。ビジネス面での喧噪に巻き込まれた混乱を越えて、ネットをどう捉えるのかということが、日本の学術界でもようやく充実し始めているのかもしれない。対談:斎藤環×鈴木謙介、佐藤俊樹、北田暁大、荷宮和子、浅野智彦・・。
ネット利用が人々にもたらす影響を語ろうとすると、世代的な感覚の違い、理解度の差も大きいので、(大学入学時から充実したネット環境が備えられていた第一世代)20代の感覚を十分、感覚的に理解しつつ、言葉で伝えることのできる鈴木謙介氏などの活動は、これから重要になってくるんだろう。
斎藤環氏×鈴木謙介氏の対談での 若者論は、へぇ〜と驚くことしばし。
荷宮和子「ネットの持つ力の限界」からメモ。
「つまるところ、ネットでアクティブな層に人気のある「M2的なるもの」=「自身の既得権益を守らんがために、あるべき理想に唾棄し、自己の浅ましさを黙視し、現実を肯定せんとする態度」がまきちらすものとは、洗濯機の中でかきまわされ、やがては下水道に流されていくべき「汚水」でしかないのである。
「だって、いろんなところから汚水はいっぱい出てくるんだもん、仕方ないじゃん!」
そう言って、次から次へとあふれ出してくる汚水をそのまま放置していれば、やがてそこは、人が住める場所ではなくなるだろう。
汚水は処理して浄化されるべきである。」
語り口は過激だが、「現実主義」の台頭と「理想論」の衰退の流れは、ネットの興隆とタイミングが重なっていて、気になっているところ。
投稿者 esaka : 19:54 | コメント (0) | トラックバック
2005年10月19日
●森健『インターネットは「僕ら」を幸せにしたか?』
レッシグ『コード』、ダンカン・ワッツ『スモール・ワールド』、キャス・サンスティーン「サイバーカスケード」、デイヴィッド・ライアン『監視社会』と、近年の最重要論文を引用しながら、環境管理型社会、プライバシーの危機、民主主義の衰退の危険性について、豊富な取材で現場の声をすくい上げながら考察。テーマも、視点もとてもいいし、労作だと思うのだが、少し物足りなさを感じてしまうのは・・どうしてだろう。読者対象がよく見えないからだろうか。情報社会を論じる時は、ある程度知識のある者とそうでない者の理解度の差が激しいので、誰を読者対象にするかで、書き方も変わってくる。「Web現代」で連載されていたようだが・・う〜ん、難しいところ。
投稿者 esaka : 00:41 | コメント (0) | トラックバック
2005年10月13日
●石川温『ケータイ業界30兆円の行方』
来年から始まる「番号ポータビリティ」と、ソフトバンク、イー・アクセス、ライブドアの新規参入の動向と、これからのケータイ業界の行方をよくまとめてある。
しかし、個人的には、京ぽんでメールとネットチェックにしか使っておらず、「着うた」がヒットしている"状況"が、情けないことに理解できない。わざわざ音楽をダウンロードして、ケータイで聞きたい、という心情や、シチュエーションがまったくイメージできないのだ。そんなありさまなので、「おサイフケータイ」と言われても、へ?って感じ。定額低料金、フルブラウザ、番号ポータビリティ、IPモバイル、の利便性と必然性はわかるんだけど・・ああ、ヤバい&めんどう。
投稿者 esaka : 20:47 | コメント (2) | トラックバック
2005年10月05日
●嶋田 淑之、中村 元一『Google なぜグーグルは創業6年で世界企業になったのか』
ほぼ1年前に出されたもの、まえがきに「グーグルのマネジメントについて書かれた「世界初」の書籍なのである。」とあるが……読後の印象は……。あまり悪口は言いたくないが、不思議な本ではあります。特にグーグルの日本法人社員多数に取材して、それぞれの人物を描いて"グーグル文化"を語ろうとする2章は、かなり笑えます。はぁ。
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2005年10月04日
●山下清美/川浦康至/川上善郎/三浦麻子『ウェブログの心理学』
個人的に面白く読めたのは川上氏担当の第一章「インターネット時代のコミュニケーション」。
「携帯電話にしろ、電子メールにしろ、コミュニケーションしている状況を社会関係のなかから切り離すことができるようになって、会話内容も同時に大きく変化した。コミュニケーションの場を支配していた社会的な制約から離れ、その人のもつ社会関係からコミュニケーションを隠すことで、それまでは交わしにくかった内容が自由に交わせるようになった。これらのメディアの登場以前には交されることのなかったおしゃべりが、出会うことのなかった人と人と間で大量に生まれている。それに伴って、私たちの日常の生活行動も大きく変容していくのである。」ネットやケータイ出現以降、徐々にだが、ふと気づくと圧倒的に変化している人々のコミュニケーション様式や、その背後にある知覚の変化を、しっかりを把握する必要があると常々思っているのだが、そのただ中にいると日々の変化を総括することは難しい。この本でも、その全体を捉えきっているわけではないけれど、その試みが行われているだけで、後々貴重だと思う。「ホームページを自己開示・自己表出の観点からとらえた国際比較研究がある、これによると、自己表出情報は、日本、米国、中国で大きな差が見られる。たとえば、ホームページで性別が明らかな割合は、日本18%、米国24%、中国44%である。さらに、ホームページに日記があるページは日本では、全体の24%(
米国8%、中国4%)。・・これらの結果が示すように、ホームページをもつということは、わが国では、特に自己開示、自己表出の手段として存在しているといえるのである。」「世界中で存在する無数のウェブ日記やウェブログは、日付という時間軸で相互にシンクロしあっていて、読み手がその時間軸にそってテキストを再構成することが容易にできる。だから、そのようにして再構成されたものは「読み手」が作り上げる独自なウェブ日記ともウェブログともいえるのかもしれない。」
投稿者 esaka : 20:24 | コメント (0) | トラックバック
2005年09月27日
●横田増生『アマゾン・ドット・コムの光と影』
アマゾンジャパンの物流センターへの潜入ルポ。アマゾンは、既得権と古い体質で硬直化している出版+出版流通+書店業界に、黒船として乗り込んできた 一見華やかなIT企業だが、外に出す情報を極力管理する"秘密主義"でもある。そのアマゾンの "物流"の現場に "潜入"という、企画の勝利。
絶賛するには、アマゾン全体が描かれていないように思うが、かといって、企画はすばらしく貶すつもりもない。アマゾンのビジネスモデルの取材分析と、千葉の物流センターのルポ、と内容は大きく二つに別れるが、後者の様は、アマゾン的、というよりも、まさに "現在の日本"の風景がつきつけられる。
「何人ものアルバイトに、「これまでアマゾンで買い物をしたことがあるか」と事あるごとに尋ねてみたが、「買ったことがある」と答えたアルバイトは1人もいなかった。"物流"で思い出すのは、以前エントリーしたNHKスペシャル「トラック・列島3万キロ」。あのドキュメンタリーで目の当たりにした、トラック運転手の過酷な現実が思い出される・・。
つまりセンターを這いずり回るようにして本を探す人と、自宅のコンピュータから本を注文する人とは違う人たちなのだ。アマゾンの安くて迅速なサービスを享受するする人と、それを可能にするために労働力を提供している人たちとは、ある意味別の階層に属している」
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2005年09月22日
●マイケル A. クスマノ『ソフトウェア企業の競争戦略』
ITの歴史については、スティーブン・レヴィーの『ハッカーズ』やラインゴールドの『思考のための道具』のような、社会との接点や、個人の偉業、文化という視点から見がち(個人的には)。いっぽう現在の話になると、ビジネス的な視点は、当たり前のように意識せざるをえない。そういう意味で、ソフトウェア産業の歴史 (MS以前)、という視点は、すっぽり抜け落ちていたのだ(個人的に)。
日米欧、各国のソフトウェア企業の開発プロセスや経営戦略を分析し、ソフトウェアビジネスの競争戦略を語るために、歴史、が語られるのだが、その部分がいちばん面白かった。かなり偏った読み方だけど・・。
投稿者 esaka : 20:56 | コメント (0) | トラックバック
2005年09月12日
無線ICタグがやってきた
先日、奥さんが香港に出張したのだが、帰宅して数日後、スーツケースに小さな黒ゴマ状の粒が真ん中に取り付けられた見慣れないテープが貼られているのに気づく。
こ、これは! RFID、いつの間にか、我が家に侵入。大げさに騒ぐほどのことではないのだけれど・・ちょっと調べる。ありました。(→デジタルガバメント)
今年の1月から手荷物管理にバーコードの代わりにRFIDを使っているようだ。納入しているのは、丸紅・マトリックス連合。適用のための実験を方々でやっていることは知っていたけれど、ジワジワと来ますね・・って何が?
日本では、これ。「 e−エアポート構想」。成田の場合、 IT化の前に、もっと改善されるべきサービスがとんでもなくあると思うけど。道路公団並みに難しいんだろうな。・・と思ったら、お恥ずかしい、 04年4月に民営化されて「成田国際空港株式会社」になってたよ。
投稿者 esaka : 10:40 | コメント (0) | トラックバック
2005年09月10日
●佐々木俊尚『ライブドア資本論』
佐々木さんが新聞社を辞めて、 ITを専門とするフリージャーナリストとなった理由の一つが、この本の「あとがき」に書いてある。
「私は1999年に十数年間務めた新聞社を退職し、新聞記者から足を洗った。というわけで、この本も今年のライブドア騒動が表立ってのテーマであるけれども、日本社会がどう変化しようとしているのか、変化を起こそうとする人々の心性とはどんなものなのか、そして、その変化の背景に ITはどう関わっているのか、という視点がどっしりと背景にあって、とても面白い。
社会部記者時代は、ひたすら犯罪者やテロリストを追いかけ回す日々だった。・・それが一転してIT業界の取材に転じようと思ったのは、日本の社会のしくみを根底から変えようとしているインターネットの世界を、どうしても知りたいと思ったからである。」
2ちゃんねるのひろゆきを論じる箇所から。
「高度なスキルや知識を持っておきながら、その「知」をひたすら浪費し、遊びに明け暮れる──そんな団塊ジュニア的な刹那さが、2ちゃんねるを覆っている。
そして西村自身の立ち位置にも、そうした考え方は色濃く反映されている。それは西村が作り出したスタンスなのか、それとも2ちゃんねるの中から自然に発生したものかはわからない。だがそれは、ポスト産業資本主義の肺入りの日々を生き延びていくために、彼ら団塊ジュニア世代が生み出した生存術のようにも見える。
堀江と西村は、見た目も性格も年齢も目指すものはまったく異なっている。
しかしその「身も蓋もなさ」においては、どこか共通点を持っているような気がするのである。
堀江や西村のような団塊ジュニア世代が、社会の中心へと躍り出るきっかけになったのは、1990年代のインターネットの登場だった。」
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2005年09月03日
●ジェフ・ルート+佐々木俊尚『検索エンジン戦争』
「さまざまな紆余曲折を経て、インターネットの巨大な玄関となった検索エンジン。その成長は、今も二つの方向で続いている。一つは、デスクトップ検索、商品検索、ニュース検索、社内ナレッジの検索などに見られる検索領域の拡大。メディアとしての新たな性質の獲得である。今われわれは、検索エンジンの定義を見直す時期にさしかかっているのかもしれない。」グーグル出現以後の検索エンジン業界で、ヤフー、MSN、アマゾンが覇権をめぐって ITメジャー企業が繰り広げる技術とビジネスの闘い。検索エンジンサービスの拡張は、他業種もどんどん巻き込む形で進んでおり、まさにスリリング。こうして過去と現在をまとめてくれるのは、日々のニュースに流されがちな身には助かる。
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2005年09月01日
●小檜山賢二『ケータイ進化論』
ケータイが日本社会の中(特に若者の間)で引き起こしている変化は、絶大なものがあると思うが、その詳細については、意外とあまり調査分析されていない気がする。ケータイが及ぼしている変化の範囲が広く深すぎ、そのスピードの速すぎるため、社会学者の考察が追いつかないのか・・とも思う。ちょうど、 WIRED NEWSでも紹介されたが、アメリカで南カリフォルニア大学(USC)の研究者である伊藤瑞子氏、慶応義塾大学講師の岡部大介氏、中央大学の松田美佐氏の共同編集で「Personal, Portable, Pedestrian Mobile Phones in Japanese Life」が出されたところ。伊藤瑞子さんは、たしか伊藤穣一氏の妹さんで、ハワード・ラインゴールドの「スマートモブズ」に大きな影響を与えている。日本語でもはやいとこ読みたいもの・・。
で、伊藤瑞子さんは、慶応大学の「ケータイラボ」に属しているようなのだが、今回はその同僚の小檜山賢二氏『ケータイ進化論』から。
「ケータイの普及によって、外部とのコミュニケーションのハブとしての家のポジショニングが失われることは確かのようです。ケータイがない時代は、連絡を取る最後の手段として家が用意されていました。コードレス電話が、茶の間(電話の置き場所)というコミュニケーションのハブを破壊し、ケータイが家を破壊したのです。・・
・・これまで、家という空間の大きな比重があった家族との結びつきが、ケータイによって家の外に飛び出したのです。その結果、ケータイによって強化された家族の情緒的結びつきが、他の社会関係を浸食する「家族の時代」がやってくる可能性もあるというのです。・・
いつの時代も、強い家族関係と弱い家族関係の家庭は存在したわけですが、ケータイの普及は、この二分化を促進し、強い家族は社会にまで影響を与え、弱い家族は家という最後のよりどころまで失い、ますます弱くなるのです」
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2005年08月31日
西垣通「責任・信頼の新体系を礎に」
先週日経新聞で連載されていた「ネットと文明 1」から。
「これからの IT文明時代には、「一つの肉体をもち、理性的かつ自律的に思考し行動するという個人」という大前提がゆらいでいくのである。・・この指摘はかなり重い。
リアル空間では明確なものに見えた主体的個人という概念がネット空間では解体されてしまい、これと連動して、個人の責任や信頼もいつしかボヤけていく。
確かにこれは恐ろしいことではある。だが、だからこそ、「ネット空間において責任や信頼をどう構築していけばよいか」という問いかけが、理論的にも実践的にも真剣になされなくてはならない。これは21世紀最大の問題の一つになるだろう。」
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坂村健「「知」の創造にシステム革命」
先週日経新聞で連載されていた「ネットと文明 3」から。
「閉鎖的でパッケージ化された静的なコンテンツから、開放的な場による動的なコンテンツへ。知がストック型からフロー型へ移行するという流れが、インターネットのなかで見えてきた。・・ブログやウィキを引き合いに出しての展開で、ひじょうに面白い。先月、東大で行われた「百科全書解体——ユビキタス社会における民主主義の構想」というシンポジウムで話された内容とほぼ一緒か。
知には完成形はない。
間違いもあるし、何が正しいかわからないことも多い。信用できるのは結果としての「知」ではなく、それを生み出すプロセス、つまり十分な時間があればより「正しい」ものに近づくことを統計的に期待できるシステムである。それをよりよく設計することしかできない。・・
いままでの、あいまいだった「権威」に明示的に裏付けを与え、そういう制度設計をすぐにシステムに反映させて試せるのがCMSだ。新たに有効な「権威」や「インセンティブ」をどう設計し、CMSのプログラムに反映させるのか。その終わりのないカイゼンこそが、インターネット時代の「情報資本主義」の本質なのである。」
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2005年08月29日
●ダン・ギルモア『ブログ 世界を変える個人メディア』
原題「 We the Media Grassroots Journalism by the People for the People」。 "ブログ"云々というよりも、ネットによってジャーナリズムがどう変化しつつあるのかを、さまざまな事例を紹介しながら考察している。
「「講義としてのジャーナリズムから、会話やセミナ−としてのジャーナリズムへ。この進化は、ジャーナリズムにかかわる様々な他のコミュニティーにも変化を強いるだろう。ジャーナリスト、取材対象者、情報源、そしてかつての読者。すべての人々が、自分たちのやり方を変えなければならない。でなければ、今まで通りでいるのか。その中心にあるのは "オープン"という考え方。「双方向性」「対等性」というネットならではの特徴もあるのだが、背景には、 オープンソースの考え方も大きいようだ。
私たちは、そんなことはしていられないはずだ。巨大企業がコントロールするがまま、ニュースを単なる消耗品のように扱い続けていくことはできない。私たちの選択肢が限定されてしまうような社会になるのを、指をくわえて見ているわけにもいかない。」
「「オープンソースの考え方は、まずはジャーナリズムをもっと良質なものへと変えていくかもしれない。ジャーナリズムが会話形式になった時、第一報とはあくまで会話の糸口なのかもしれない。それに続く会話の中で、私たちは互いに啓発していく。誤った情報を訂正することもできるし、新たな事実や文脈を付け加えることも可能だ」この本も、第一章の草稿をまずブログにアップし、読者に「事実関係に誤りがあったら、知らせてほしい」を問いかけることからはじめ、本が出来上がると、著作権の保護期間を14年(最初に著作権法で最初に定められた保護期間。現在は、作者の死後70年)にし、さらにウェブでもフリーで提供。
また、ただ楽観的に草の根ジャーナリズム万歳、と謳い上げているわけでもないのもいい。
近頃、出版界も数年前の ITブームが影を潜めて、IT系の翻訳書籍が急激に少なくなっている気がする。そんな中にあって、貴重かな。
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2005年07月27日
●渋井哲也『出会い系サイトと若者たち』
『ネット心中』が 2004年2月刊、こちらは 03年の8月刊。多くの当事者たちへの取材は、後々貴重な資料になってくるだろう。ただ、多くの声から、彼らの心象は、ぼんやりとわかるが、なかなかそれを言語化するのは難しい。
「広告会社・国連社の調査では、インターネットを使うとき、5人に1人が通常の自分と違う「ネット人格」があると答えている。・・こうしたテクノロジーが及ぼす特性と、あとは、時代の移り変わりの関連。90年代以降の時代の変化については、さまざまな言われているわけだが・・。う〜ん、どうしようかな。(独り言モードですみません)
自分も相手も理想化していけば、思い込みによる関係性ができあがる。・・
また、携帯電話は常に持っていることに意味がある。・・そのために、自分も相手もつねに返事を返せる状況にあると思いがちだ。・・
そのような特徴を前提にすれば、ネット恋愛は、普通の恋愛に比べれば進展も速い。・・メールのやり取りは、「理想化された関係性」を作り上げる物語の要素なのだ。」
「メールという通信手段は、期せずして、自分が願っていなくても、相手の期待に過剰に添ってしまうこともある。あたなもそうした相手に出会ってしまうかもしれない。ただそれは、人と人を結びつける「出会い系サイト」が典型なだけで、メールでの出会いや、出会ってからのメールのやり取りは他の場面にいくらでもあることを忘れないでおこう。」
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2005年07月22日
●渋井哲也『ネット心中』
柳田邦男氏の『壊れる日本人』は、ネットやデジタルメディアが若年層へ与える影響の一面しか捉えていない、という思いを強くした。が、それでも、ここ数年、起きている事件や出来事の因果関係や、社会の流れを理解できないでいることも確かなのだ。そして、その変化にデジタルメディアやネットがどのくらいどんな影響を及ぼしているのか、ということをしっかりと把握できないでいる。
というわけで、ある種の"現在の縮図"、ネット心中について追った本を読む。
「ネット心中を考えるとき、インターネットという道具を「悪者」として当事者から取り上げがちだが、ときにインターネットは、生きづらさを言語化でき、感情を整理して生きる方向へ導く道具であることも忘れてほしくない」ただ、問題は、こっちだ。
「一口にネット心中といっても、当事者の心理的背景はさまざまだということは、志願者たちのインタビューを通してわかる。幼少期から持ち続けている「消えたい願望」や「死にたい願望」を実現させる場であったり。がんじがらめの日常からの脱出の場合もある。柳田氏の言う "壊れる日本人"は、渋谷氏の言う"生きづらさ系"という状況とも同列のものだろう。
それらは、私自身が数年前より取材してきた生きづらさを抱えた人たちの、代償行為によく似ている。そんな人たちを私は"生きづらさ系"と読んでいる・・
"生きづらさ系"の人たちは、ときには不登校、援助交際、家出、摂食障害、自傷行為、自殺未遂などの行動を取ることがある。それらの行動は、家族や友人関係、職場や学校での関係などに行き詰まり、言葉で表現できずにいる代償行為である」
「彼ら(彼女ら)の多くは、経済的にはそれほど切迫したものは少ない。むしろ恵まれた環境に置かれているくらいだ。しかしながら、自分の存在理由について疑問を抱き、絶えず他者から承認されていないと感じているのだ。
そのような感情を抱いてしまう背景として、家族関係を挙げることができる。眼に見える虐待を受けている人もなかにはいるが、ほとんどの場合は、表面化するほどの虐待は受けていない。その場面場面をとってみれば、思春期によくある親子のすれ違いである場合も少なくない。
しかし、それらが積み重なってくると、あるときふとした親の一言によって、子どもは「自分は親に承認されていないのではないか」という不信感を持つようになる。しかもそれはよき家族を求める社会的風潮が強まれば、逆にそのギャップに苦しむことでもある。
また、学校や地域の環境も影響してくる、村社会的な均質化を求めるのは、郊外化や団地化しても変わりなく、逆に一層、均質化を求めるプレッシャーは強まっている。つまり今、子どもたちが置かれている社会は、人と違うことが許されない窮屈な社会になのだ。」
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2005年07月19日
●柳田邦男『壊れる日本人』
サブタイトルは、「ケータイ・ネット依存症への告別」。著者の考えはわかりやすい。
「コンピュータ化時代に社会のさまざまな場面で生じているコンピュータ装置への依存症の諸相を見渡すと、ケータイ・ネット依存症は効率主義に支配された現代社会の根深い病理の、最も日常で象徴的な現象であることがわかってくる。ところが、みんなが異常になっているので、誰も自分が依存症の罠にとらわれていることに気づかない」で、
「「ノーテレビデー」の実践、それから「ノーゲームデー」「ノーインターネットデー」「ノー電子メディアデー」へと発展させることを提唱したい」とのこと。
何か展開があまりに粗雑に思える。
ここ数年、かっての常識では理解しがたい若年層の凶悪犯罪が起き、かってのモラル観では理解できない行動を公衆の場で目にすることもしばしば。また、個人的には、メディアやネット、特に没入感の強いゲームは、若年層に何らかの大きな影響を与えているに違いないと考える。それがしばしば言われるように暴力的行動を促すのかどうかはわからないけれど。
だが、今、目の前に、理解しがたい事態が起きているからといって、その原因をただケータイ・ネットのせい、というのは安易すぎないだろうか。例えば、社会的変化といえば、ここ7、8年、中年の自殺も増えている。親の世代が自殺を考えなければいけない状況が子供世代に何らかの影響を与えないわけはないだろう。
また、ネットの利用形態も、日本と韓国の間でさえ違いがある。
「韓国では(少なくともソウルの大学生)では社会的日常生活における自己とネットワークでの自己は地続きでつながっている。・・韓国では、インターネットが社会的ネットワークを拡大したり、既存の社会的関係を強化する空間として昨日する方向を持っているが、日本社会ではそれが欠如していることを意味している。」 (木村忠正『ネットワーク・リアリティ』)
また、ソフトやネット上のアクションの内容によっても引き起こされる影響は、当然違ってくるはず。それらさまざまな要因をしっかり検討する必要があるはず。
何か大きな変化の兆しが見えるからこそ、その因果関係をしっかりを把握する必要がある。ただ、すべてを「負の遺産」と言っているだけでは、何の解決にもならない気がする。
投稿者 esaka : 22:33 | コメント (0) | トラックバック
2005年07月07日
書籍の自動電子化装置
去年の 12月にグーグルは、米英の図書館の蔵書 をスキャンして、本文を検索できるようにすると発表したけれど、その作業をどうするのか気になっていた。人力でやるのは、なかなかたいへんではないかと思っていたのだ。
6日の日経新聞で、米キルタス・テクノロジーズ社の書籍自動電子化装置というのが紹介されていた。日本で販売権を得た会社もあるという。さっそく検索する。名古屋の有限会社プロダクトテクノロジーズ。そこでリンクされているこのマシン=自動ブックスキャナAPT1200の映像が凄い。台の上のおかれた書物のページを1ページずつ自動でめくり、デジタルカメラで撮影するわけだが、アナログとハイテクが混在したなんとも不思議でおかしなインパクトがある。
ちょうど明日から始まるデジタルパブリッシングフェアでもデモがあるようだ。
日本ではグーグルやアマゾンが同様のサービスをするには、著作権の問題がかなり困難だと予想されるので、とりあえずの需要としては、自社で管理する過去のデータをデジタル化しようとする出版社か?
投稿者 esaka : 00:54 | コメント (0) | トラックバック
2005年06月07日
●村田潔編『情報倫理』
恥ずかしながら知らなかったのだけれど、今、中・高等学校の科目「情報」の教員免許を取得するために、大学で情報社会、情報倫理に関する科目の単位を取得しなければいけないらしい。 2002年のe-japan戦略の重点政策分野の一つとして「人材育成の強化」が掲げられて、その一環。大学で使われている教科書見てみないと。この本も大学の講義、企業研修のテキストを目的として編集されていて、全体わかりやすく面白い。村田氏担当の序章からメモ。
「技術決定論のように技術そのものが社会のあり方を決めると考えることは、人間が技術を道具化するという意味で技術が解釈の対象であり、したがって技術の導入、利用に当たってその影響が組織や社会に及ぶとき、判断主体あるいは行為主体としての人間の責任が問題とされなけらばならなくなるという点を見失わせるばかりか、倫理問題の解決に向けての努力を無用なものとして評価する傾向を生み出す。今もっとも面白いトピックは、 "情報倫理"だと思う。
逆に、技術それ自体は中立であり、倫理問題を引き起こすのはそれを利用する人間であると主張することは、技術にはその開発者の価値が埋め込まれていることを無視し、また、人間の思考が目の前に存在している具体的なものに即して行われる傾向があることから目をそむけることにつながる。このことは、 ICTや情報システムの開発におけるエンジニアの倫理責任を過小評価する結果をまねくであろう。」
投稿者 esaka : 00:34 | コメント (0) | トラックバック
2005年06月03日
●井熊均『「徹底検証」電子自治体』
2003年に出された本だが、ここで指摘された問題は基本的にそのまま継続されていて、そのほとんどは解決されないままと考えていいのだろうな。問題といっても、セキュリティとかプライバシーではなく、ここでは IT投資の効果をいかに高め、電子自治体として改革につなげるか、という視点。現状があまりに非効率、ということだけれども、当然、こうした視点もあるべきだ。アメリカの軍事産業や日本の建設業のように、いったん政府との関連がしっかりと結びついてしまうと、細かな費用対効果の精査のなしに巨大な列車が突っ走ることはよくあること。後になって、その路線を変更するのは容易な事ではない。住基ネットの今後も含めて、 IT業界と政府との関係は、ここ数年で決まるだろう。
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2005年06月02日
●佐々木俊尚『個人情報流出事件』
キーロガー銀行口座クラック、ヤフー BB顧客情報漏洩、宇治市住民データ漏洩事件、ウイニー。ネットとプライバシーや個人情報に関わる、ここ数年の重要な事件のレポート。他のネット関連情報と同様、この手の事件に関しては、圧倒的に詳しい者と事件の存在すら知らない者という2極化が激しい。社会学的見地や法的視点からの論評も価値はあるのだが、まず、今、何を起きているのか、ということを冷静にレポートすることは大きな価値があると思う。古い世代のジャーナリストは、自らが社会に成り代わって‘断罪する’というような姿勢になりがちだが、佐々木氏の作業は、特に事件の重大さを煽ったり、大上段に構えて社会を語ったりせず好感が持てる。引き続き続編が出てほしい。が、イラストや本のデザインやコピーは、文体の冷静さとは対照的に煽り一辺倒なのが残念。
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2005年05月21日
●エリ・ノーム「テレコム・メルトダウン」
『テレコム・メルトダウン』から。本のタイトルになったエリ・ノームの文からメモ。
「通信産業における本当の問題は、バブルの拡大と崩壊という現象がもはや異常事態ではなく、むしろありふれたできごととして慢性的にくり返されるような不安定時代に突入したことにあるのだ。自由化、規制撤廃、競争から整理統合、提携へ・・。
問題は低需要ではなく、過剰供給に基づく低価格にあるのだ。」
「だとすると、通信企業は当面、何をすべきなのか。教科書的な回答をするならば、コストと価格をともに下げるということになる。しかし、こうした戦略はすぐに競争相手に追いつかれ、どの企業もさらに悪い状態に陥ってしまうに違いない。
したがって、主要な戦略は価格を競争レベルよりも引き上げることになるはずだ。収益性も将来の投資も下げてしまうような競争と低価格の商品化は今後減らしていかなければならない。そうするためには市場支配力が必要だ。また少なくとも、通信事業者間や、ケーブル事業者、無線キャリアなどの関連プラットフォームとの間で、協力的カルテルまたは特定市場における少数独占も必要となる」
日本でも、これから(すでに?)度々引用されたりするんだろう。
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2005年05月18日
●町田徹『巨大独占』
藤井耕一郎『通信崩壊』とは、まったく逆の視点。まず、‘競争’ありき。しかし、そこには、技術の趨勢を判断したり経済学的正当性を探る視点はない。ひたすら個人間の根回しと政治の描写だ。たしかに、こうした一面があることは事実で、結果として影響も絶大なのも確かだろうが・・疲れる。まぁ、個人的嗜好だけど。『テレコム・メルトダウン』読み直さないと・・。
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2005年05月07日
●竹内繁樹『量子コンピュータ』
量子コンピュータについて‘できるだけわかりやすく解説した本’というのを2冊読んだが・・よくわからない。で、今度はブルーバックス。
「これまでのコンピュータでは数百億年やそれ以上といった莫大な計算時間を必要とするようなある種の問題を、量子コンピュータを用いると、わずか数時間で解ける可能性のあることが、1994年にショア博士によって理論的に示された」これまでの本よりはわかりやすかったが、量子力学の基本的な考え方がしっかり把握できていないので、結局その部分はブラックボックスにしたまま・・泣笑。
「量子コンピュータは、「ビット」を0と1の量子力学的な重ね合わせ状態をとることができる「量子ビット」に置き換えることで、超並列計算を可能にするというアイデアだった。
近年、「ビット」を「量子ビット」に置き換えることは、単に計算だけにととまらず、通信など、もっとさまざまな分野に展開できることがわかってきた。量子コンピュータの周辺に広がる、その広大な分野を総称して「量子情報」という言葉が使われている。
中でも重要な応用が「量子暗号」だ。これは、量子力学の不確定性原理を応用することで、絶対に盗聴不可能な秘密通信を実現するアイデアである。」
投稿者 esaka : 21:59 | コメント (0) | トラックバック
2005年05月06日
●藤井耕一郎『通信崩壊』
休みなので、日本の通信分野の規制緩和についておさらい。
「日本の通信分野に競争政策が導入された理由は、「公式な答え」としてはWTOの加盟国の話し合いで、音声電話サービスなどの「基本電気通信分野」における自由化の合意に達したからだということになっている。合意の成立は1997年だが、自由化の話はWTOが設立された95年より古く、86年にGATTのウルグアイ・ラウンドがはじまったときから継続されている。」アメリカの『テレコム・メルトダウン』ではないけれど、「独占は本当に悪なのか?」という視点。当然、独占による非効率を問う逆の視点もあるだろう。その判断を下す前に、とりあえず、アメリカからの圧力、NTT分割、IT戦略会議、規制緩和の流れは再確認の必要ありだ。
「・・通信自由化は、ネットワークをアンバンドルして開放することと、独占的事業者に対する「ドミナント規制」を二つの柱に位置づけている。後者のドミナント規制は、「独占的事業者に対しては厳しい規制、非独占的競争事業者(新規参入者)に対しては大幅な規制緩和」のかたちがとられる。両者に対する規制はアンバランスだから、「非対称規制」と呼ばれる。
ところが、この「非対称規制」の概念の使われ方が、日本とアメリカで一緒かというと、これが同じではないのだ。・・
・・日本では、「非対称規制」の概念がほとんど「ドミナント規制」の実施だけに限定されてしまっており、その結果、NTTのシェアを下げることが自体が目的となっている。なぜ、そんな解釈になってきたかを考えていくと、その裏にはNTTと競争関係にある企業による「ロビー活動」があったからだとの結論しか引き出せない」
投稿者 esaka : 02:38 | コメント (0) | トラックバック
2005年05月01日
●原田泉・山内康英編著『ネット社会の自由と安全保障』
中国では、メーデーで予想されていた反日デモも厳戒態勢で抑え込まれたようだ。今回の反日デモは、ネットで呼びかけられ、ケータイで広がったというのが大きな特徴だが、その沈静化にあたっても、政府からケータイに直メールが送られたという。中国政府がどのくらいネットを管理しているのか興味があるところ。
この本は、911以降大きく注目されることになったサイバーテロへの対応とプライバシーや言論の自由について、アメリカ、中国、日本の状況を総覧。中国編は、表面的な情報に終始していて期待したほどではなかったが、原田氏の序文が問題点がコンパクトにまとめられていて面白い。中国関連の箇所をメモ。
「現在中国では、ヤフー社など多くのインターネット・コンテンツ・プロバイダーは、同国で事業を進めるにあたり、・・中国政府の行動規範に同意させられている。中国政府が禁止しているコンテンツは、政府や社会主義システムを脅かしかねないあらゆる情報、デマの拡散、少数特権階級中心の俗説の奨励・・などである。このほか、中国ではさまざまなブロック技術を使ってインターネット検閲を行っているといわれている。欧米ではそれを総称して「万里のファイアウォール」と呼んでいるが、米国のランド研究所の調査報告書によると、中国政府はウェブサイトだけではなく、検閲回避に使用できるプロキシサーバーまでブロックしているという。中国対アメリカの駆け引き凄いな。
こうした状況に対し、米国の国営放送VOAのニュース・宣伝部門が、中国にいるウェブ利用者に向け、中国政府が定めたネット上の「万里のファイアウォール」を乗り越えるためのソフトを開発した。また、米国では、新しい政府機関「Office of Global Internet Freedom」を創設し、今後2年間で1600万ドルの予算を拠出するという内容の法案を2003年7月16日、米下院で可決して、中国やミャンマーなど他国の政府が行っているとされるインターネット検閲の阻止を目的とした技術開発に使われるという」
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2005年04月20日
●ジェフ・ホーキンス『考える脳 考えるコンピュータ』
パームとハンドスプリングを設立したジェフ・ホーキンスが、こんなこと考えていたとは!
「・・知能を備えた機械はどんな姿になるのだろうか? 生物の進化からわかるように、階層的な記憶システムが感覚とつながると、現実世界のモデルがつくられ、未来が予測される。大自然の知恵を借りるなら、知能を備えた機械は同じ方針で実現するべきだ。まず、現実世界からパターンを抽出するために、何種類かのセンサーを用意する。知能を備えた機械は人間と異なる感覚を持っていてもよいし、そもそも、・・人間と異なる世界に「存在」することも可能だ。したがって、両目と両耳が必要などと決めてかかってはいけない。つぎに、新皮質と同じ原理で動作する階層的な記憶システムを、これらのセンサーにつなげる。さらに、子供を教育するときと同じくらい、この記憶システムを訓練してやらなければならない。訓練が何度も繰り返されるうちに、知能を持った機械は「自分のセンサー」をとおして理解した「自分の世界」のモデルを構築していく。」くぅ〜、面白い。知能とは何なのか? 脳はどのように働くのか? 知能を備えた機械をつくることは可能なのか? その用途は?と話を進める。多くを脳の働き、特に大脳新皮質の働きに注目して考察するところから展開する。この分野の知識が少ないので、ここで展開された理論が、どのくらい斬新なのか、またまっとうなのか、判断できないのだけれど、論理としても簡易でスマートなところが可能性を感じる。人と機械との関わりという点でも、「人型ロボット」が、走った、踊った、という話よりも将来性を感じる。
「知能を備えた機械が人間と同じ姿、振る舞い、感覚を持つ必要はない。知能とは、階層的な記憶のモデルをとおして世界を理解し、それに働きかける能力だ。・・思考と人間がまったく違っていても、なおかつ知能は備えられる。知能を判定する基準は、階層的な記憶の予測をたてる能力であり、人間的な振る舞いではないのだ。」
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2005年04月09日
●『テレコム・メルトダウン』
FT.comに掲載されたエリ・ノーム、リチャード・エプスタイン、トーマス・ヘイズレット、ローレンス・レッシグによる情報通信関連のコラムを集めたもの。翻訳された土屋大洋氏に送っていただく。
「なぜ通信産業はメルトダウンしたのか」「独占は本当に悪なのか」「電波は誰のものか」「情報を支配するのは誰か」「インターネットは社会のルールを変えるのか」と大きく5つの内容にグループ分けされているが、どれもひじょ〜に刺激的なテーマ。それぞれのコラムも主張が明確でキレがある。アメリカならではの時事的問題も多いわけだけれど、そこで展開される論理は、日本でも必要とされるものだ。こうしたコラムを日本でも・・と思うと、焦るなぁ・・。
投稿者 esaka : 02:32 | コメント (0) | トラックバック
2005年04月02日
●公文俊平『情報社会学序説』
ハワード・ラインゴールド、ジェイン・ジェイコブズ、ケビン・ケリー、レッシグ、東浩紀、アルバート=ラズロ・バラバシ・・。スマート・モブズ、創発、自己組織化、コモンソース、共働行為、共貨、ラストモダン・・。と、新旧の刺激的な思想家と、そのユニークなテクニカルタームを、しばしば借用改編・編集しながら、コンパクトに情報社会の現在、これからを考察する・・。今日はメモはなし、ということで。
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2005年03月21日
●遠藤薫編著『インターネットと<世論>形成』
日々新しい事象が起き続ける‘ネットの今’を捉えることと、‘普遍’を追い求めるアカデミズムのタイムスパンを重ね合わせるのはなかなか大変な作業だと思うが、この本はその点でかなり成功していると思う。
「インターネット社会における<世論>とは何か」「コミュニケーション・メディアとしてのインターネット」「インターネットと<公共圏>」「インターネット社会における<群衆>」といった視点で、2ちゃんやブログ、具体的には電車男やwinny、嫌韓、湘南ゴミ拾いオフ・・などを取り上げながら分析。‘ネットの今’をこういう形で記録に残し、分析しただけでも貴重な資料だろう。参考になった指摘は多かったが、一箇所だけメモ。
「・・アメリカでは、ネットコミュニケーションは当初からマスメディアとは対抗的な、ネットユーザーたちのオルタナティブ・メディアとして意識されており、したがって、そこはまさにあらゆる領域にわたって自分たちの意見、社会への意義申し立てを自由に表明するための実験場であった。・・他方、アジア諸国においては、民主化運動の高まりとインターネット・コミュニケーションの導入が時期的に重なり合ったため、市民側に立った言論、文化の場として、新興マスメディアとネット空間は相互に親和的な関係を構築してきた。」
「・・しかし、潜在的に社会的マイノリティ意識を秘めた日本のネットカルチャーは、強い自負とアイデンティティ不安を同時に抱え込みながら、しかも自ら社会内に正統的に位置づける意志表明を自ら禁じているというトリプルバインドの中で、社会的無力感に侵されている。そのため、せっかくネット空間と現実とをつなぐ回路を模索しつつも、「これは何の意志表面でもない」というネガティブな形式での意思表明しかできず、同時に既存マスメディアの承認(による正当性の獲得)を暗に期待するというねじれた態度しかとれない。・・「ネタオフ」の日本的様相の背後にこのような社会心理が介在しているとすれば、「自作自演」説の跳梁は、マクロな社会の動向を個人の企みへと読み替えることもより自らの不安をなだめようとする、集団的自己防衛の機制によるとも考えられる。」
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2005年02月03日
デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'04
AMD Awardの授賞式。「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー」ももう10周年とのこと。早いね。Hotwiredで、この賞もらったのは3年目だったろうか・・。今年の大賞は、『イノセンス』。審査員として参加させていただいたのだが、アニメが豊作だった2004年を象徴するという意味でもよかったんじゃないかな。大賞の他にも、音楽の川井憲次氏がベストミュージックコンポーザー賞。これまで多くの映画やゲームの音楽を作ってきた割に一般的ネームバリューがなかった川井氏にこれからもっと注目が集まれば、と思う。審査会では、去年は「はてな」、今年はMixi を押したのだけれど、京ぽんを推薦するのを忘れたのは、ちょっと後悔。
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2005年01月15日
日経新聞「はやり白書」で「デジオ」紹介
そういえば、8日の日経新聞の土曜日版「NIKKEIプラス1」の「はやり白書」というコーナーで、音声ブログの「デジオ」が紹介されていて、そこにちょこっとコメントしている。取材していただいたのは、昨年末。今年、デジオは来る、と思っているけれど、日経早い〜! 驚いた。デジオの中心人物のタナカカツキさんや伊藤ガビン氏、それにデジオを開局しているユーザーの声、さらに既存のラジオ局の側としてニッポン放送の編成局長の声まで取っていて、内容もしっかりしている。日経侮れません・・。
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2005年01月10日
●西野哲朗『中国人郵便配達問題=コンピュータサイエンス最大の難関』
量子コンピュータをできるだけわかりやすく解説するために書かれた本、というジョージ・ジョンソン『量子コンピュータとは何か』を、正月休みに読んでいたのだが、ちゃんと理解できなかった(イメージできなかった)・・。で、焦って訳者のあとがきで勧められていたこの本を手にとってみる。が・・さらに闇に入った感じ。泣。
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2004年12月08日
「ブログ巡り」を楽しんだら・・
朝日新聞のBe誌面「てくの生活入門 ブログ巡りを楽しもう」というコーナーで、このブログを紹介していただいたので、asahi.com経由でいらっしゃる方が増えている。多くは、ブログに関心を持ったり、これからブログを始めよう、と思っていらっしゃる方たちだろう。そんな方のために・・。
以前から、「ブログで何を書けばいいんですか」と訊ねられることがあるけれど、そんな時には、「ネットに上げた情報は、誰が見ていて、誰が欲しているかわからない。だから、どんな些細なこことでも、とりあえずネットに上げてみてはどうですか」と言っている。あなたのちょっとしたエントリーからどんなコミュニケーションが生まれるかわからないのだ。
その例として、家人のブログのこのエントリーを紹介したい。メキシコで有名な日本人は誰? ということで、40年前のテレビドラマ「コメットさん」を「Senorita Cometa」と言うらしいと書いたところ、メキシコやベネズエラから、スペイン語、英語入り混じった数百のコメントが寄せられている。そして、メキシコで、「コメットさん」のビデオを発売するためのメーリングリストが創られるまでに発展。最初は、ただ「Senorita Cometa」と、それも日本語でエントリーしただけなのに・・(^^;)。
こちらのエントリーもそうだ。映画「ラスト・サムライ」に出演していた俳優、小山田シンさんのことを「Shin Koyamada」とエントリーしたところ、世界中の小山田ファンの女性がアクセス。さらには、小山田シンさんの知り合い、という方からコメントや写真が送られて、他のファンに転送されている。
まさにインターネットならではの現象だ。あなたの一言を、誰が求めているかはわからない・・。
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2004年11月16日
音声・動画ブログ
メモするのを忘れていたのだが、今年の9月に日本印刷技術協会(JAGAT)主催の「10年後の「読者」像」というシンポジウムにパネラーとして参加。モデレーターが『本とコンピュータ』の仲俣さんで、パネラーは、「はてな」の近藤さん、深水英一郎さん、東浩紀さん、松岡裕典さん。
すでにぼんやりとしか覚えていないのだが(レジメのファイルも捨ててしまった・・)、「テキストの時代?」と題して、こんなことをこんなことを話したはず。
・かつてインターネットは、動画や音声が主役となる、と言われていたけれど、今、ますますテキスト(文章)が読まれている。2ちゃん以降、また、ブログ・ブームでその傾向に一層拍車がかかった。
・テキストだけがいつまでも主役でいるわけはなく、これからグラフィックを使ったインターフェイスや音声、動画がさらに重要な時代が来るはず。
で、今さら、どうしてこのシンポジウムの話題を思い出したかというと、この時には、音声や画像を身近に編集加工し、誰もが気楽にネットにアップするようになるにはしばらくかかる、と思っていたのだ。だが、その兆しはすでに現れていた。タナカカツキ氏が始め、伊藤ガビン氏が参加している「デジオ」は、まさに音声ブログ的に盛り上がっているし、アメリカの大統領選前にレッシグ教授が始めたp2p-politics.orgなどは、気ままな政治ネタ動画で溢れている。来年は、音声・動画ブログブームがやってきそうな予感。
先日、「デジオ」は取材して、その時の様子は・・そのままガビンさんの番組として流してもらう予定。
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2004年10月12日
IndyMediaのサーバー押収
昨日のエントリーで触れたIndyMedia(→indymedia Japan)だが、先週イギリスのIndyMediaのサーバーがFBIに差し押さえられた(→記事)。近くロンドンで、世界社会フォーラムが開かれるためらしい。アメリカ政府がどうしてロンドンのサーバーを差し押さえる権限があるのかなど、わからないところが多い。2000年のシアトルのWTO会議以来、IndyMediaは、アメリカ政府に目を付けられていただろうが、ついにきたか、という感じだ。
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2004年10月11日
●青木日照+湯川鶴章『ネットは新聞を殺すのか』
今頃、ようやく読む(出版は03年9月)。内容を見誤っていた。監修が国際社会経済研究所で、著者が報道機関に身を置く方、ということで、ネットでおきている事象を見下しつつ、表面的な分析を加えるぐらいのありがちな内容ではないかとかってに考えていたのだ。恥ずかしい。
ブログを代表とする草の根ジャーナリズムの勃興。紙の新聞はネットに置き換わるのか?次々と現れる新技術は新聞にどんな影響をもたらすのか。
大きくこの3つに主題は分かれるが、中心のテーマは、これからのジャーナリズムの形はどうなるのか、という点だ。
ブログ対ニューヨーク・タイムズや、日本の草の根ジャーナリズムとしての2ちゃんねる、といった具体例も面白いが、ここで際だつのは、今起きている急激なメディアの変化のただ中で、「報道機関は、生き残ることはできるでしょうか?」と訊ねる著者の真摯な姿勢だ。そこで、「参加型ジャーナリズムの確立」に可能性を見いだすという姿勢も素晴らしいと思う。また進化を続ける技術への対応も、
「人の作り出すコンテンツと、その時代の技術の作り出すコンテンツの、両方の最適なバランスを見つけだした企業が、その時代の情報産業の覇者になる。ただそのバランスは、技術の変化とともに変化し続ける、天下を取ったと思っても、すぐにその座は脅かされることになる」と、断定もせず煽ることもなく、派手ではないが冷静なもの言いにはとても好感を持った。
・湯川氏のblogでその後の情報が蓄積されている。「ネットは新聞を殺すのかblog」
参加型ジャーナリズムの可能性について、Hotwiredでも、03年1月に「独立系オンラインメディアの台頭」という特集した。この時は、Independent Media Centerを中心に紹介している。ほんとうは、03年の5月にまとめた「blogってどうよ?」特集と同時期に取材していて、最初は一つの特集としてまとめようとしていた。独立系参加型メディアの動向とblogムーブメントの接点を強調しようとしていたのだ・・。いろいろあって、結果として2つの特集となり、ブログのほうがなんだか大騒ぎになってしまって、前の特集との繋がりで見られることはなかったわけですが。
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2004年10月05日
可視光通信
ワールドビジネスサテライトでLEDを用いた可視光通信が紹介されていた。小耳に挟んだことはあったのだが、予想以上でびっくり。LEDの信号機から情報を発信するというITSへの応用も可能性は大きいが、個人的に楽しかったのは、赤・青・緑の3色のLEDからそれぞれ別の音楽を送り、色が重なる白では、音楽も重なるという装置。数年後には、楽しい製品が絶対登場しそう。研究者の名前を聞き逃したのだが、検索したところでは、こちらか?
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2004年09月25日
●前川徹『ソフトウェア最前線』
この前読んだ、西村清彦・峰滝和典『情報技術革新と日本経済』で「1990年代日本経済の問題のひとつは、広義のサービス業でITの生産性上昇をもたらしていない点で、その典型が、ソフトウェア産業である。」という指摘が、気になっていたのだが、前川氏の新刊は、その点を詳しく説明している。
「おそらく、このままでは日本のソフトウェア産業は、徐々に、しかし着実に衰退していくことになるだろう。」という危機感から生まれた本だ。
「不適切なソフトウェア開発モデルが使われ続けている背景には日本特有のソフトウェア産業の構造があるし、生産性の悪化がソフトウェア開発の悪化を招き、それが周り回って生産性をさらに悪化させるという悪循環も根が深い。・・関係者は日本のソフトウェア産業が衰退の危機にあることを強く認識し、早急に行動を起こす必要がある。」具体的な問題としては、プログラマへの報酬のあり方の見直しや、大手やブランド信仰の強いユーザーや政府機関・・とさまざまあるわけだが、これを好循環の流れにもっていくのはなかなかたいへんだ。しかし、まずは、問題点を指摘することが大切。この本も、専門的な領域を読みやすく一般向けに書かれていて、問題点のアピールという意味で重要、という気がする。
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2004年09月13日
●藤井耕一郎『NTTを殺したのは誰だ!』
日本の通信分野での規制緩和(=NTTの再編ですね)は、アメリカの通信覇権に踊らされ続けている結果である、という主張。規制緩和を国際政治に結びつける展開は、刺激的で興味をひく・・が、その分、細かい記述の展開も煽らず、論理的に攻めてもらったほうが、説得力は増した気がする。
内容よりも(すみません)気になったのは、この「光文社ペーパーバックス」という体裁。4つの特徴がある、という。
・ジャケットと帯がない
・再生紙を使っている
・本文はヨコ組
・英語混じりの「4重表記」
4重表記の説明にこうある。
「これまでの日本語は世界でも類を見ない「3重表記」(ひらがな、カタカナ、漢字)の言葉でした。この特性を生かして、本書は、英語(あるいは他の外国語)をそのまま取り入れた「4重表記」で書かれています。これはいわば日本語表記の未来型です。」う〜ん。例えば、こういう感じだ。
「日本の通信政策は、アメリカをモデルに「自由化・規制緩和」free competition and deregulation の路線で推進されてきた。ところが、NTT接続料 access charge(※フリガナ アクセス・チャージ )の計算方式に「長期増分費用モデル」が導入されたように、実際はアメリカよりも、“一歩先”a head before America を行っている面がある。」はっきり言って、滅茶苦茶読みにくい(^^;)。英語を勉強中のビジネスマン向けを意識しているのだろうか。英訳がついている基準がわからないし、さらに英単語にカタカナのフリガナまでついてる基準は、さっぱりわからない。文字を追う目と思考の流れがズタズタ。しかし、果敢な企画ではあるな〜。
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2004年08月27日
●西村清彦・峰滝和典『情報技術革新と日本経済』
ITは経済にどんな影響を与えるのか。以前から多くのことが言われてきたわけだが、欧米の分析を参考にしつつ、日本の状況を詳細に検証していて、これは決定的、という感じ。経済の専門的分析の箇所も多くて、けっこう読み飛ばしたけど。
「情報通信技術による広範囲にわたる生産性の上昇、いわゆる「ニュー・エコノミーの光」は、日本では今のところ幻にすぎないということである。それどころか、情報通信技術革新が、従来日本が優位にあったノウハウや人的資源の価値を低めることで、逆に生産性の上昇に好ましくない影響を与える「ニュー・エコノミーの影」が1990年代日本経済の多くの分野を覆っていた、ということである。・・ITに付随するモジュール化、コピーの容易さが、第二次大戦後の急速な日本経済の発展を支えてきた「ものづくり」、そしてそのもととなる長期関係のもとでの「ものづくり」の優位性を脅かしてきたのである。
このことを頭に入れると、現在の「e-Japanで日本を変える」という構想は、残念ながら単純で貧困な発想ととられかねないことも明らかであろう。」
「1990年代日本経済の問題は、第一に従来国際競争力の強かった産業、とくに製造業の、その競争力の根幹をなしてきた「ものづくり」、「ひとづくり」の優位性がITの進展とともに低下したことがある。この優位性を再構築するか、あるいはITの進展により適合した「ものづくり」、「ひとづくり」「の体制を作り直す必要があり、政策もまたそれを後押しするものでなければならない。」
「・・第二の問題は、非製造業、とくに広義のサービス業においてITの生産性上昇をもたらしていない点であった。その典型が、・・ソフトウェア産業である。
広義のサービス産業は、さまざまな形で中央・地方政府、そして政府関連組織を顧客としている。そして業務と組織もモジュール化がもっとも遅れているのが、政府および関連組織なのである。」
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2004年08月24日
●國領二郎『オープン・ソリューション社会の構想』
eジャパン戦略II の国領バージョン、という感じか。
「コンピュータネットワークによって散在している人間の知を結集させ、そこから生み出されるエネルギーを使って、日本に新しい未来への展望を開く道筋を論じたい」その具体的なテーマとして、
1. 安全でありながら個人の創造性が活きる社会その範囲が広範なだけに、細部を詰めるというよりも、広い対象に向けての提案、という形。
2. 高付加価値産業育成による日本経済の活性化
3. バリアフリーで能力が活用される社会を作る
4. 環境と成長が両立する経済システムの構築
個人的に面白く読んだのは9章の「知的協働の誘因設計」。情報財の収益モデルを考える上で「希少性」について考えるのだが、人間の認知限界を希少な資源とする話は面白い。この点を活用したビジネスがこれから活性化する気がする。
「情報量が増えれば増えるほど、人間の認知能力が希少な資源となってくる。収益モデルを構築する上で機械がボトルネックであった時代から、人間がボトルネックとなる時代への転換期を迎えていると表現していいだろう。
認知限界に依拠する代表的な収益モデルとして、広告がある。・・
残念ながら、過去数年の経験によって単なる既存の広告費用をネットに誘導する試みには限界があることが分かってきた。・・
広告モデルではない、認知限界に依拠するモデルを構想することもできる。たとえば認知能力を大量に必要とするものに信頼がある。」
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2004年08月05日
●前川徹+中野潔『サイバージャーナリズム論』
去年の10月出版。気になりつつ・・ようやく。
「個人がウェブで情報発信することまでを含めて「ジャーナリズム」と呼ぶのは、やや定義が拡張すぎるという意見もあるだろうが、どこまでが個人による「報道」なのかを区別することは困難である。情報を発信している本人にそのような意図がなくても、インターネット上のウェブは不特定多数が閲覧できるものであることを考えると、既存マスメディア企業による情報発信と基本的に同じ行為であるとみなさざるを得ないのではないだろうか」ネット上の‘ジャーナリズム’を語る時、まさにこの点がもっとも重要な点だと思う。それが進化・変化の途上にあるのでさらに面白いわけだが、変化の途上にあるものを論文などとしてまとめのは難しい。この本では匿名性の問題、著作権侵害の問題など、ここ数年の事件・事例を押さえつつ、広い視野で‘ジャーナリズムの現在’を網羅しようとしていていい。カメラ付きケータイの普及がもたらす影響なども、大仰に煽ることもないのもいいと思う。数年後に、また新たな事例をもとにした続編が読みたい。
「インターネットがジャーナリズムの世界でどのような位置を占めることになるのかは、情報の送り手側だけによって決まるものではなく、受け手側の姿勢によっても変わりうるだろう。いや、送り手側よりもむしろ受け手側がより大きな影響力をもっているのかもしれない。あるいは、インターネットの場合には、情報の発信者と受信者を区別できない部分があるので、インターネットがどのようなメディアに育っていくかは、すべてのインターネット利用者のメディア・リテラシーに委ねられているといってよいのかもしれない。」
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2004年07月22日
安藤和宏「ネットワーク時代の音楽著作権ビジネスの現状とその課題」
青弓社編集部編『情報は誰のものか』はいい原稿が揃っているが、この章は特によかった。要点メモ。
・パッケージ商品としてのオーディオレコードの売上不振は深刻だが、着うたの拡大、音楽DVDの著しい伸び、インディーズの躍進などでレコードビジネス全体は悲観するものではない。
・2003年度JASRACの使用料徴収額は160億60万円で前年比100.7%。
・日本のレコード会社は、異業種事業者(IT系事業者)に主導権を渡すことを極端に嫌う傾向があり、いまのところiTunes Music Storeのようなサービスが行われる可能性はまずない。
・アンケートによると、プロダクションは、レコード会社が採用するコピープロテクションや音楽配信施策に賛同しているわけではない。
・着うたの印税率など
KDDIに売上の12%、レーベルモバイルに23%支払い、残りの65%が収入。
レコード会社が主張する従来の印税率と計算式を採用した場合、1曲100円、アーティスト印税2%、ダウンロード数を10万件とすると、アーティストには、100円×2%×10万件×80%=16万円(80%は、システム開発費やサーバーメンテ代などの経費として、売上の20%を控除し、配信控除と言われるが、数字の根拠が不透明で批判されている)。
レコード会社の収入は100円×65%×10万件=650万円!!
「日本では、レコード会社主導で音楽配信ビジネスがおこなわれようとしているが、現状を分析すると成功する可能性は決して高くないと思われる。なぜなら、レコード会社は明らかに権利者を重視・偏重しすぎていて、ユーザーのニーズに合ったビジネス展開が十分にできないと予想されるからである。」
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2004年06月01日
●岩谷宏『ラジカルなプログラミング入門』
週末に少しずつプログラミングのお勉強を始めている。まず、情報処理試験用に考えられたアセンブラ言語CASLIIをやり、最近は、C言語を学習中。しかし、ここへ来て、何かピンと来る感じがない。もちろん、使いこなすまでにはまだほど遠いし、まだ入り口を覗いただけなのだが・・。というわけで、‘IT原理主義者’岩谷氏の91年に書かれた本を手に取る。
個人が持つコンピュータ・・と、それらの社会的な結びつきであるオンラインネットワークは、・・重要な、新しい社会基盤だ、と私は日頃から考えています。そういう社会的な情報&コミュニケーションシステムの形成に向けても、諸個人がプログラミング能力を持って、参画していくことが理想的です。・・ここで想定されている‘万人’の一般教養のようなものとして、プログラミングの必要性を僕も感じたのだが・・現段階では、まだ漠然としている。もう少し頑張りますか・・。
言い換えるなら、未来のコンピュータソフトウェアは、私たちの言語が進化してきたのとちょうど同じように、プログラミングをめぐる私たちの公開的なコミュニケーションの中で、共同的に進化していくことが可能です。・・
そういったことが、・・次世代の人々のためにも、すでに今から‘プログラミングのデモクラシー’といった社会的フンイキを醸成していくことが、重要と考えます。コンピュータプログラミングを徐々に、公開的な、万人の日常的技術にしていきたいものです。
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2004年05月28日
●木村忠正『ネットワーク・リアリティ』
豊富な調査データを基に、中国、韓国、アメリカと日本のネット利用の実態を浮かび上がらせる。特に、4章の韓国との比較はめちゃ面白い。去年、橋元良明氏の講演についてエントリーしたけれど、そこで紹介されていた調査のデータが、この本でも紹介されている。
日韓の学生ともに、コミュニティサイトによくアクセスするのだが、その利用形態がかなり異なるのだ。日本では、ネットを匿名空間と認識し、個人情報をあまり出さず、オフ会に参加するということもないが、韓国では実名利用とオフ会が盛んのようだ。
「韓国では(少なくともソウルの大学生)では社会的日常生活における自己とネットワークでの自己は地続きでつながっている。・・韓国では、インターネットが社会的ネットワークを拡大したり、既存の社会的関係を強化する空間として昨日する方向を持っているが、日本社会ではそれが欠如していることを意味している。」また、自身のホームページを持って情報発信するかどうか、という積極性も(「日記」以外!!)韓国の学生のほうが高い。それでいて、自宅音声電話、携帯音声、携帯文字通信、の1日の利用量を比較したとき、日本は携帯文字通信が突出して高い。そこから、
「日本社会において、コミュニケーション主体が「カプセル化」していくなかで、対人関係の心理的距離が携帯文字通信による距離感覚を基準値にしつつあるからではないだろうか。あるいは、文字通信がもつ心理的距離感覚が、日本社会における対人関係の社会心理空間にもっともよく適合しているからではないか。」またウェブ日記についても、こう分析。
「他者に強い影響を及ぼすこと、他者から強い影響を与えられることを回避しようとするデジタルカプセル人間にとって、まさに適切な社会心理的距離感なのではないだろうか。」その他、ひじょうに面白い指摘は多い。が・・最後の5章で「高度消費社会としての成熟と少子高齢化の進展から、日本経済はパイ=付加価値を膨らませる力を失いつつある」という前提のもとに、ITが何ができるのかが考察されるのだが、この前提そのものがどうもしっくりこない。少子高齢化問題については、原田泰のこういう指摘もあるし。その前提はさておき、指摘される日本での情報リテラシーの現状は確かに大きな問題だろう。スウェーデンでは、小中高の教員の半数近くに無償でPCを配布するなど、各国で巨額の社会的投資を行っているが、日本ではこの点が圧倒的に劣っている。また、日本では、「インターネット利用率」にケータイからの利用を混ぜて上げ底している状態。著者は「産業セクターとしてのIT」ではなく「社会増強力としてのIT」にもっと力を入れるべき、と唱える。その方向には賛成なのだけれど・・。
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2004年05月13日
●野村総研『これから情報・通信市場で何が起こるのか』
2000年から出されてきた「IT市場ナビゲーター」の3冊目。この手の白書的なものの中ではコンパクトなサイズだが、情報ぎっちり。ブロードバンド市場、通信サービス市場、放送市場、プラットフォーム市場、eビジネス市場、デジタルコンテンツ市場、ハード市場、情報通信利用者動向の調査、ユビキタスネットワークと産業変革、の現状分析と2008年までの成長予測が行われている。よく出来てる。各項目の内容が薄くなるのは仕方ないし、斬新な分析という感じでもないが、これだけ多分野の動向が網羅されているだけ十分。
2008年までのIT市場動向予測 をメモしておく。
・放送市場、eビジネス市場、デジタルコンテンツ市場が年30%成長。
・デジタルコンテンツを牽引するのは、携帯電話による有料コンテンツ市場。
・成功のカギ1:アクセスインフラの保有
2:顧客にとっての主契約主となる
3:汎用から専用へ
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2004年05月12日
●Mike Gancarz『UNIXという考え方』
UNIXの設計思想と哲学を紹介した小冊子。背景と経験を共有できる部分が少ないのか、個人的にあまりフィットする感じがなかったが・・最後の部分をメモ。格好良すぎる(^^;)。
「UNIXの考え方とは、常に将来を見据えながらオペレーティングシステムとソフトウェアの開発にアプローチすることだ。そこでは、常に変化し続ける世界が想定されている。将来は予測できない。現在についてあらゆることを知っていても、その知識はまだまだ不完全なことは認めざるをえない。
ソフトウェアを開発するにせよ、子供たちのためにより良い世界を築くにせよ、将来はガラス越しにしか見えない。いつか、すべての答えが分かる日が来るのかも知れないが、それまでは前進し続けなければならない。いつか、すべての答えを知る時がやって来るのかもしれないが、それまでは、一日ごとに「今日」が「昨日」になっていく日々を過ごしながら、将来に適応し、前進しつづけなけらばならない。
UNIXの理念は、そういう将来に向かうアプローチの一つだ。その本質は柔軟であり続けることだ。嵐が何度やって来ても、風に揺れる木は折れることがない。」
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2004年05月11日
Winny開発者逮捕
「著作権法侵害への意図的で挑発的態度」が逮捕の根拠(→asahi.com)ということで、その正当性を含めて問題が多い。ネットでも刻々とさまざまなアクションが生まれつつあるようだ。
・・投げかけた問題が大きいだけに、具体的な議論を越えて、‘日本人にとっての法’のあり方を考えさせられる。そのあたりは、白田秀彰氏の、ここやここでも書かれているが、‘下々の者と法’との関わりが問われている・・。
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2004年05月08日
●日経コミュニケーション『知られざる通信戦争の真実』
ソフトバンクがヤフーBBを発表した2001年6月19日は、日本の通信の大転換点だ。85年に民営化されたとはいえ、戦後から日本の通信の中心で巨大な存在であり続けたNTTに新興のソフトバンクがいかに挑んできたのか。そして結果として、日本の通信料は、大幅に引き下げられ「ブロードバンド大国」になったわけだが、その間にどんな経緯があったのか。この本では、多くの関係者のインタビューを含め、その内実をレポートしてくれている。
さらに、日本の通信の行方という点では、99年に再編されたNTTグループ各社と総務省の規制の動向が重要だが、こちらもしっかり押さえている。日本の通信をめぐってここ数年の間に起きた激変をしっかり書籍の形に残した意義は大きいかも。
で、これからの行方ということでは・・銅線から光ファイバー&IP電話にどうやってNTTが移行していくのか、ということと、ソフトバンクが進めるTD-CDMA方式の第三世代携帯電話の動向が気がかり。
投稿者 esaka : 16:15 | コメント (2) | トラックバック
2004年05月03日
●炭田寛祈『電波開放で情報通信ビジネスはこう変わる』
これからの情報通信ビジネスの行方を考えるとき、「電波政策」は決定的に重要な役割を担うことになる。総務省総合通信基盤局の電波政策課企画官である著者が、電波の仕組みから、電波政策のビジョン、情報産業の行方を語る。というわけで、ひじょうに面白いものになるはずなのだが・・当事者となる企業名をぼかしたり、曖昧な表現を使ったりで、ややお役所文章が多いのが残念。構想の中心となる‘電波大国’をブチ上げるにはもうひとつ迫力不足か。しかし、資料としては貴重、かな。
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2004年04月29日
DSK 'GarageBandとLogic Pro 6'
アップル・ストア銀座で、GarageBandとLogic Pro 6を使った楽曲作りとライブを観る。出演者は、CRUE-L RecordsのギタリストDSK。この前アルバムを聴いて気に入っていたのだ。
予想以上にGarageBandがよくできていてビックリ。DSKは、GarageBandを使って、あっというまに‘それなり’の曲をつくりあげていた。GarageBandは、楽器をまったく演奏できない者でも、まるでブロックを組み合わせるようにして、‘それなり’の楽曲をつくることを可能にしている。このソフトは、多くの人に音楽を創る楽しみを圧倒的に身近なものにしそうだ。ここから、センスだけ突出したとんでもない楽曲が生まれても不思議じゃない。
その後、DSKはLogic Proを使って、ギターとMacを触りながら、手慣れた感じでDurutti Columnを思わせるリリカルなギターインストルメンタル曲を作った。この前聴いたアルバムに入っていた曲にそっくり。Logic Proは多くのミュージシャンが使っているらしいが、‘いまどき’の音楽創造の現場を覗いた気分だ。このあたりのソフトの進化を押さえていなかっただけに驚く。
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2004年04月26日
●秋本芳伸+岡田泰子『オープンソースを理解する』
オープンソースについて、思想的背景だけでなく、実利面から丁寧にわかりやすく解説。それでいて、「誰でもわかる」的シリーズにありがちな、薄っぺらさもなく、よく出来ていて驚く。そして、オープンソース・ブームを煽ることもなく、冷静に現状と課題も分析している。
「オープンソースプロジェクトを成功させるには、まずそのプロジェクトの提案者が努力しなければなりません。・・」当たり前なのだが、この点は、ひじょうに重要だ。
「オープンソースプロジェクトで、参加者をまとめ、やる気を持続させ、リードしていくには、プロジェクトリーダーに人を惹きつけるカリスマ的魅力、いわば人間力が必要とされるのです。」
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2004年04月11日
●黒崎政男『デジタルを哲学する』
98年から2000年まで朝日新聞の夕刊で連載されていたコラムをまとめたもの。
「カラオケというテクノロジーが、実に上手く歌を歌えるシロウトを大量に生み出しプロ歌手とシロウトの垣根を崩し、結局は、テレビやラジオの多くの番組を担ってきた歌謡曲番組が、ほとんど変容・消滅し、栄光のスター歌手たちは消えていった。
今日のインターネットというテクノロジーによって、文章を発表・公表する、という局面でも、同様の事態が起こっていると言っていい。」
「書物メディアに立脚した従来の学問は、<独占>と<タイムラグ>を特質として成立してきたが、今後ますます強力になるインターネット情報は、それとはまったく正反対の<解放>と<同時性>という特質を持っている。・・
印刷書物テクノロジーが、固定的で標準的な同一テキストの大量生産を可能にし、<一対多>の啓蒙的教育システムを成立させたのであれば、インターネット・テクノロジーは、権威の終焉や規範的テキストの解体を成し遂げながら、集団的著者性や新たなネットワークをもたらすとも言える・・・
こんな状況で、大学とはいったい何か。
「情報の量や速さをいたずらに追い求めるのではなく、情報を見極める判断力や、断片的知識の寄せ集めから統一的意味を見いだす洞察力を身につける」
まっとうではあるが、歯切れの悪いこのような言説しか、今日の大学人には残されていないのかもしれない。」
掲載媒体の性質もあってか、とても読みやすいし、投げかけられた議論も面白い。さらに突っ込んだ展開は、次の著作に期待、というところか。
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2004年04月03日
●黒川利明『ソフトウェア入門』
う〜ん、期待したものとちょっと違ったけれど・・。
ユビキタス計算が普及し、インフラやその上のアプリケーションなどのためさまざまなソフトウェアが使われるようになるなら、ソフトウェア開発の需要は、今後さらに増えるにちがいないと予想される。ところが、ソフトウェア開発を行うプログラマー全体の人口は、むしろ減少するのではないかと見られている。・・
第一の理由は、ソフトウェア開発の生産性の向上である。・・
第二の理由は、さまざまなソフトウェア部品(コンポーネント)の充実である。・・
第三の理由は、ビジネスツールの標準化とパッケージの普及である。・・
第四の理由は、ソフトウェアのサービス化である。・・一般的ソフトウェア開発が既存の機能やパッケージの組み合わせでできるということは、ソフトウェアの開発のかなりの部分が、事実上ユーザー側でできるようになっているということにすぎない。・・
そうすると、ソフトウェアの「開発」が意識されるのは、企業なり政府なりで新たに大規模なシステムを実現し利用する場合だろうが、この場合でも、まずは、そのソフトウェアやシステムがどのような働きを持つのか、どのように利用されるのかという、ビジネスルールや要求仕様を規定することが、ソフトウェア開発の大きな部分を占めるようになるだろう。
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2004年03月24日
●國領二郎他編著『デジタルID革命』
ICタグをめぐる可能性と問題が、よくまとめられている。
特に國領氏が担当した3章1が視野が広くていい。そこで気になった箇所をメモ。
・ICタグは、生産や物流の効率化用途が注目されているが、「化ける」のはエンターテイメントかもしれない。
・消費者のプライバシー不安の根源は、企業側のみが情報を握ってコントロールすることにある。逆にコンシューマー・エンパワーメント戦略では、企業側の情報を徹底的に開示することで利益の出るビジネスモデルがあれば、顧客側への情報提供や選択権の提供を積極的に打ち出そうという提案だ。
・日本人は、住基ネットなどの強制にはアレルギー反応を示すが、ナビゲーションサービスなどの任意のモバイルサービスには、寛容。
・個体識別技術はロジスティクス面の効率化、販売での新価値創造によって、顧客に価値を提供する力のある技術である。・・が、収益・費用どちらについてもまだ明確なビジョンがない。
・個体識別技術は、多くの業界で、業界内の分業構造をも変革していく存在になるだろう。
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2004年03月15日
●歌田明弘『「ネットの未来」探検ガイド』
ここ1,2年のウェブ最新動向の中で、文系ユーザーの視点からみて、便利&ビックリのサイトやツールが、コンパクトにまとめられている。最近は、ますますネット業界の情報が専門化して、一般的情報と分断してきていると感じていたところなので、こうした情報が新書で出るのは価値があるように思う。
紹介されているのは・・検索(googleの動向とgoogle web API、kartoo.com・・)、XML(RSSリーダー、セマンティック・ウェブ・・)、アーカイブ(alexa.com、archive.org・・)、翻訳、P2P(grid.org、climateprediction.net)。個人的に気になったのは、グリッドコンピューティングで気候変動予測を行おうという「climateprediction.net」。ただ、SETI@HOMEのようなスクリーン・セーバーではなく、バックグランドで常時動き続ける、というからちょっと抵抗あるけれど。
ただ、本のタイトルとサブタイトル「時間と言葉の壁を越える」で、かえって手に取りにくくしている気がするのが残念。
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2004年02月23日
●キャス・サンスティーン『インターネットは民主主義の敵か』
インターネットと民主主義をめぐっては、すでにインターネット第一世代による闇雲なネット礼賛の時期はすでに終えて、より具体的な功罪を問う段階に入ってきた。原題「Republic.com」。インターネットが民主主義にとって、何がプラスで、何がマイナスかを考える。特に情報を個人の嗜好に合わせてカスタマイズ化する傾向が強まるネット経由の情報伝達の在り方を問う。
「共和制、少なくとも混在型の共和制が頼りにしているのは、体験、将来の展望、善悪の価値観等の違う人々たちが出会って話し合える場なのである。
ここでは新テクノロジーは敵ではない。それは、リスクではなく、明るい未来をわれわれに約束している。共和制の観点からすれば、それがとりわけ普通の人に無数の話題への認識を深めさせ、無限に多様な意見を発見させる点において、現に大いなる希望をわれわれに抱かせる。だが新テクノロジーは、人々に自分の避けたい話題や意見から自分を隔離させる点において、深刻な問題も引き起こす。自由言論のシステムは各消費者による無制限の選択を要求するとわれわれが信じ込むならば、そのような危険があることに気づくことさえできなくなる。この危険が現実のものになるかどうかは、最終的には、自由と民主主義・・に対する、われわれの情熱次第である。」
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ちょうど、クルーグマンも、アメリカの政治が分極化している、と書いていたけれど、ネット社会が分断化の傾向を強めているのも事実。サンスティーンは、思いがけない出会いや議論が可能な‘公園’のようなネット空間が必要だと言っているわけだが、その具体案となるとなかなか難しいところ。それと、ここでの問題意識と、日本のそれとの違いはあまりに大きく、言論の自由や民主主義への意識の差がそのまま現れているようで、なかなか難しい・・。2ch分析あたりからしっかりやってくれる政治学者?の登場に期待かな・・。
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2004年02月21日
●岡村久道『迷宮のインターネット事件』
ネットと法との関係はますます重要になってきているが、日本における‘インターネットと法の現在’を知るには格好の書だ。多くは毎日新聞での連載から集められたもの、ということもあってセキュリティ、プライバシー、知的財産権・・と重要な問題が、具体的な「事件」を導入にして、その背景や専門用語がスムーズに解説されている。この分野は、海外と日本との違いを知ることも重要なのだが、その点もひじょうにわかりやすい。技術からのアプローチとともに、こうした法律家による事例の積み重ねの大切さを改めて感じる。この続編、続々編・・が期待される。
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2004年02月06日
The 9th AMD award
AMD awardの授賞式に参加させていただく。この「AMD award」は、「2003年の1年間に発売または、発表されたデジタルコンテンツやデジタルメディアのサービスを対象として、制作者を中心とした業界の視点で評価し、優れた技術・表現を持つ作品、そしてマーケットの発展に大きく寄与した作品の各制作者・開発者を表彰する」というもの。 97年にHotwired も受賞したことがある。未開拓の分野で試行錯誤しながら制作作業していたところ、何か認知を得た気がして少しほっとしたことを思い出す。
今回は、審査員として参加。事前の審査会で、「はてな」を大プッシュしたところ、近藤さんが、ベストプログラマー賞に決まった。そんな縁で今日は講評を述べさせてもらう。ちなみに、グランプリは、「着うた」。授賞式の後、近藤さんとお話できてよかった・・。
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2004年02月02日
田畑暁生「監視社会論とその射程」
フランク・ウェブスター『「情報社会」を読む』やウィリアム・ボガード『監視ゲーム』の訳者による論文「監視社会論とその射程」がネットに上げられていた(いつ書かれたものなのかはわからないが)。欧米と日本の監視社会論の流れをコンパクトにわかりやすく整理してくれている。もうひとつ「管理社会論と情報社会論」もある。今年は、‘情報社会’と‘監視社会’の関わりが問題になることが多いと思うが、ここでこれまでの流れを整理し、困った時は、紹介されている文献をあたるとよさそうだ。
投稿者 esaka : 23:25 | コメント (0) | トラックバック
2004年02月01日
間取り計画
無印良品好き、ということはまったくない(どっちかというと嫌いだ)のだけれど、先日に続いての「無印」ネタ(^^;)。たまたま行った近所のmuji.cafeで、「間取り計画」というCD-ROMを配っていたのでもらってくる。部屋のサイズ、間取りに合わせて家具配置のシミュレーションが出来るソフト。立体図も確認でき、よく出来ている。引っ越しの時などに、紙を切り抜いて同じようなシミュレーションしていたことがあったけれど、実際便利そうでもある。ネットでもできるようだ。
データベース以外のCD-ROMを使ったのは久しぶりだ。このCD-ROMの場合、シミュレーション結果をプリントアウトして店舗に持っていくと、購入金額合計の5%オフになる、というサービスが付く。アイデア次第でまだCD-ROMも使えるということだろう。
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2004年01月30日
●阿部潔『公共圏とコミュニケーション』
ハーバーマスによって再構築されたフランクフルト学派とカルチュラル・スタディーズという知的プロジェクトを、メディア/コミュニケーションを対象とした「批判的研究」の事例として選び出し、その思想の可能性と課題を「公共圏」との関連で論じるもの。ここでの「批判的」とは、「価値コミットメントを伴った「思想」をバックボーンとして、現実社会に切り込んでいこうとする知的営為が指し示すもの」とのこと。全体の構成がクリアでわかりやすい。最終章からメモ。
「今日のインターネットやマルチメディアを巡る研究を動機づけている「要求」の多くは、「経済・産業的なもの」と「政治・行政的なもの」であるとの印象を拭いがたい。・・そうした動向に対抗すべく批判的研究は、技術、産業、制度・政策とは異なる「文化の論理」のもとで独自の議論を展開していかねばならない。
「情報化」は、技術的に問題を解決するのみならず、社会的矛盾や対立を結晶化し、より鮮明なものとして浮かびあがらせることもありうる。・・情報化社会=現代社会が高度化していく過程で益々深刻な問題として顕在化しつつあるものの一つが、広い意味での「民主主義の危機」である・・
批判的メディア/コミュニケーション研究に求められていることは、「近代的啓蒙」という教条を無反省・無自覚に掲げるのでも、状況追認的に相対主義に陥るのでもなく、現実から突きつけられる諸矛盾に真摯に耳を傾ける「醒めた理想主義」のものとで、社会関係における「規範」の問題に取り組むことであると思われる。・・
今後一層の進展が予想される情報化社会を対象とする批判的研究には、未来をいたずらにバラ色に描くのでも現状をただ悲観的に嘆くのでもなく、「現実」を冷徹に見つめながら「より良い社会」を目指すことが切に求められているのである。」
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最終章で書かれている方向性は、とても納得がいくものだし、まず研究の対象としてフランクフルト学派とカルチュラル・スタディーズが選ばれているのもとて面白いと思う。だからいっそう次のステップを読みたいもの。
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2004年01月28日
●水谷雅彦『情報の倫理学』
『情報倫理学』編者の水谷氏の論文をまとめたもの。プライバシー、知的所有権、技術倫理、フィルタリング、電子討論と匿名性・・とひじょうに刺激的なトピックが並んでいるし、紹介される事例も面白い。が、やや網羅的でそれぞれにもう少し突っ込みがあってもよかったかな・・これからの論文に期待。
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2004年01月24日
●矢沢久雄『プログラムはなぜ動くのか』
どこの本屋にもたくさん置いてあるこの本を、今さら恥ずかしいのだが、基本が大切、と感じ始めて手に取る。やさしい語り口で、プログラムとCPU、メモリの動きがなんとなくすんなり理解できた気がしたのはよかった・・かな。1月だし‘基礎シリーズ’を続けてみよう・・。
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2004年01月20日
●泉谷渉『日本半導体起死回生の逆転』
半導体産業新聞編集長によるニッポン半導体産業の現状レポート。基本的なトーンは、日韓逆転の象徴DRAM市場は、半導体市場の10%にすぎず、日本の半導体産業の構造改革は着々と進んでいる、と鼻息がかな〜り荒い(^^;)。
すでに半導体産業の構造改革の成果が出ている分野として、デジタル家電向けシステムLSI、自動車、ロボット向け、ICタグ、バイオチップ、化学物半導体、ナノテクノロジー・・をあげ、大手企業の大型事業再編、大型国家プロジェクト(あすか、MIRAI、HALCA、ASPLA・・)、九州シリコンクラスター計画、ファブレスベンチャー、大幅に増える半導体設備投資、知的財産権戦略・・と続々と改革の手が打たれている・・というレポート。あまり‘日本’‘日本’と言われると、シラケるが、現状を理解するには格好。動きが早い分野だけに、情報の日々のバージョンアップが必要だ。
投稿者 esaka : 23:38 | コメント (0) | トラックバック
2004年01月19日
「Webの現在・過去・未来」
『Web Designing』2月号で、Netscape1.0が生まれてからのこの10年を振り返る「Webデザインの変遷」という特集でアンケートに答える。質問は、「10年前、Webについてどう考えていたか」「これまでに決定的に影響を受けたWeb作品はあるか」・・など。
影響を受けた作品として今はなき「WORD.COM」を挙げる。ちょうど、誌面で隣に並んでいるのが、「WORD.COM」のアートディレクター、Yoshi Sodeoka氏だったのも、何か感慨深い。「WORD.COM」は、ウェブ雑誌のきちんとしたフォーマットが出来上がっていない1995年頃、テキストとデザインを刺激的な形で融合させるwebならではの新しい雑誌の形を模索し続けていた。こんな楽しいものができるなら、web雑誌をやってみたいとはじめて感じさせてくれたサイト。Hotwiredの初期もインターフェイスデザインなどの影響を受けているけれど、「WORD.COM」のようなウェブ雑誌を、と95年に作ったのが「NODE246」(去年、サーバー