2008年05月20日
●兼元謙任+佐々木俊尚『「みんなの知識」をビジネスにする』
はぁ〜。いろいろあって、途絶えてしまった・・。久しぶりに、また本などの備忘録を再開。
あとがきに、この本の目的と内容がよくまとめられている。
「本書に収録した6つの対話でわれわれが考えようと思ったのは、集合知という漠然とした概念と、実際の「ものづくり」がどこでつながるかということだ。
もし集合知とモノがつながるのであれば、そのつながりの部分はどんな接着面になるのか。接着させるのはアーキテクチャーなのか、それとも人なのか。企業なのか、それともブロゴスフィアのような個人の集合体なのか。」
「今後期待される大きな流れとして、集合知ビジネスがコンテンツからプロダクトへと進むという、そういう方向性があるのではないかと考えているからである。そのあたりは2007年に日本語版が刊行された書籍『ウィキノミクス』にも詳しく書かれている。
われわれが考えているのは、こうしたビジネスを日本で実現していくためには、どのようなハードルが存在し、どのような可能性があるかということを浮き彫りにすることだ。」
「集合知はボランタリーな世界ではあるけれども、しかしそれをビジネス化することは決して否定されるべきではない。
……Web2.0の登場によってインターネットには巨大なデータベースが出現しつつある。このデータベースをどのようにして上手く有効利用できるような仕組みを作っていくのかということが、大げさに言えば今後の人類にとっての大きなテーマだろう。」

近年出された書籍の中では、ドン・タプスコットの『ウィキノミクス』は、ネット界の今後に、かなり重要な示唆を含んでいると思っている(以前のエントリー)。社会全体として進んでいる、オープン性、情報共有、という方向が、ビジネスにどう影響をもたらすかを描いたものだ。それはひじょうに面白いのだが、まだ、あやふやなところも多い。
今回の本も、まだ、はっきりとした結論を出すまでには至っていないが、『ウィキノミクス』から一歩踏み出し、日本ならではの『ウィキノミクス』を考えようということだろう。佐々木さんのブログの今後の展開に期待したいな。
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2008年01月08日
●鈴木謙介『ウェブ社会の思想』
ひじょうに楽しませてもらった。特に、個人的には、第二部へ入ってからの、展開のうねりは、心地いい。最後のまとめ部分は、背景として意識されているだろう知的バックグラウンドを共有できていないためか、やや唐突に感じられたけれど、それは、僕の個人的なことなのだろう。
今、日本の若者にの内面に何が起きているのか。その内面と、情報社会とはどう関わっているのか。そしてこれからどうなるのか、どうすべきなのか。
この点を語らせたら、当代随一だろう。そして、それが単なる批評に終わらず、人生論にも読めるのは、鈴木氏が、時代と並走しているからなのだろう。
「今回は、……、その未来像にいくばくかの「希望」を見出すことをひとつの目標に据えて執筆された。」
去年始めたウェブ雑誌のテーマを「アカルイ未来の創造力」としたけれど、マスメディアで流れる情報に右往左往したり、将来を過剰に絶望したりすることなく、現実の構造を見据えて、確実に一歩先に足を踏み出そう、というようなことを考えている人たちが、徐々に増えてきている気がする・・。

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2007年07月22日
●西垣通『ウェブ社会をどう生きるか』
「ウェブ2.0は確かに一般ユーザーがウェブ上での活動に参加する道をひらきました。生産消費活動への一般人の参加がIT革命の眼目とすれば、大きな一歩といえるかもしれません。しかし、これがただちに皆でつくりあげる集合知を可能にし、民主的で平等な社会のベースとなる、というウェブ礼賛論には首をかしげる点が多々見られます。むしろウェブ情報検索が人々の思考能力を衰退させ、一過性的な主張に人々を同調させてしまう恐れもあることはすでに述べたとおりです。
それだけではありません。声高に語られるウェブ礼賛論のなかには、善意や平等主義というキャッチフレーズとはうらはらに、実は多様な次元での社会的格差をひろげる危険がひそんでいると考えられるのです。
まず言えるのは、中高年を押しのけようという排除意識・年齢差別意識です。……
これは元気のない日本の若者へのエールととることもできるかもしれません。……
しかし、率直に言って、この呼びかけは欺瞞です。……
日本のウェブ礼賛論者たちの本音は、巨利を得ている彼らのお仲間に入れてもらうこと、できればお裾分けにあずかることではないのでしょうか。
つまり、ウェブ礼賛論者たちは、中高年を排除するだけでなく、普通の若者たちを煽りたてながらも、裏ではひそかに、新たなアメリカ流の格差を日本社会に持ち込もうとしているわけです。その議論からは純粋な幼稚さも感じられますが、隠された意図は、中高年のかわりに自分たちが権力を握ることだという気がしてなりません。」

タイトルは、「ウェブ社会をどう生きるか」だが、一冊まるごとウェブ礼賛論批判。まぁ、普通に考えて、梅田望夫氏への強烈な批判と捉えていいだろう。確かに、梅田氏の一連の発言には、あまりのアメリカ テクノロジー礼賛ぶりと、若者への煽りに違和感を感じることもあった(『フューチャリスト宣言』については、こっちに書いています。)が、ここまで言うか〜、と。笑 確かに、こういう意見がしっかり表面されてこそ、バランスはとれる、という意味ではよかった。こういうことばかり言っているからこそ、日本のITは大した者を生み出さないんだ、というような反論があるのは、普通に予想されるところだけれど。
投稿者 esaka : 18:09 | コメント (0) | トラックバック
2007年07月21日
●ロバート・スコーブル+シェル・イスラエル『ブログスフィア』
ロバート・スコーブルの本の存在をすっかり忘れていた。表紙とタイトルで、また柔なブログライフ礼賛かとしっかり手にしなかったのもいけなかった。実際にブログを執筆した当事者への豊富な取材を元に、企業とブログの関わりがしっかり書かれている。表紙の印象と違って、ビジネスブログのあり方を考えた本だ。

「結局、文化こそビジネス・ブログにまつわる判断の核だ。制限の多い文化を持つ企業は、ブログをすべきではない。抑圧的な体制下ではブログは難しい。……
例えばアップルやグーグルはもともと評判の高い企業だが、良き社員ブログに向いていない社風を持っているようだ。一方、マイクロソフトやサンのように非難を浴びながら企業で社員ブログが盛んであるために、社員への信用や彼らのやる気がうかがえるところもある。これまでの数年に、私たちはある潮目の変化を感じてきた。グーグルやアップルの企業文化に首を傾け、彼らのカリスマ的な経営者は同時に抑圧的でもあるもではないかとの疑問の声が、IT業界で高まっているように思うのだ。」
「本書の原タイトル『ネイキッド・カンバセーションズ(裸の会話)』としたのは、正当性こそがブログの本質であり、それが企業にとってこれまでにないコニュニケーションを実現すると信じているからだ。正当性がブログの決定的な特徴なら、信頼性はそのメリットだ。」
アップルやグーグルには、まったく同様のことを感じているのだが、スコーブルが元MSの社員だったことを考えると、その評価を鵜呑みにする受け取るわけにいかないのが残念。あと、共著となっているが、スコーブルともう一人のシェル・イスラエルの役割分担がどうなっているのかわかりにくくて、「ネイキッド・カンバセーションズ」という割に、筆者の顔をイメージしにくい。
しかし、去年の7月に出されたこの本も、表紙のデザインと打ち出し方が違えば、別の評価を受けていたんじゃないかな。
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2007年07月16日
●ドン・タプスコット『ウィキノミクス』
「ビジネスの世界に、新しい力が台頭しつつある。我々は、これをマスコラボレーションと呼ぶ。リナックス、マイスペース、ウィキペディアなどが頭に浮かぶだろうが、マスコラボレーションとはもっと遠くまで続く道である。人々が社会的なつき合いやエンターテイメント、革新、取引などをする新しい方法、自分が選んだピアツーピアのコミュニティ、自発的参加によるコミュニティで行う新しい方法なのだ。企業にとっては、顧客と協力して製品を設計し、組み立てる方法でもあり、また、ユーザー自身が価値創造の大半をしてしまえる場合もある方法である。……
経営者にとって最大の教訓となるのは、一体型で閉鎖的、社内にばかり目を向ける企業は死にゆく運命にあるということだ。どのような業界であれ、また、大企業であれ小企業であれ、社内の能力と小規模なビジネスウェブ・パートナーシップだけでは、もう、成長と革新に対する市場の要求に応えることは不可能な時代となった。……
企業経営者は、成功を手にするためには、ウィキノミクスを手本とし、その原理原則を自分のものとしなければならない。マスコラボレーションという新しい時代は複雑で不確実に見えるはずだし、コラボレーションやオープン性とは、科学技術というよりも芸術の世界に近い。リーダーは、コラボレーションの精神を培う必要がある。企業は、コラボレーション環境で生きていくために、いままでにない能力を身につけなければならない。……この能力が、今後、富の形成や成功の前提条件となる。」

IT業界のムーブメントに限られていた"web2.0"や"オープンソース"の前提、オープン性や情報共有が、ビジネス全体にどんな影響をもたらしているのかを、巨額をかけた調査によって、具体的事例とともに明らかにする。一部は以前から、モジュール化などで、現実化していたことではあるけれど、P&G、ボーイング、BMW、レゴ、IBMなど具体的な事例は面白い。まだまだ抽象的で、わかりにくい言葉も多いが、IT業界の枠を超えた視点、というところが重要だろう。これから数年間は、話題になりそう。
投稿者 esaka : 14:44 | コメント (0) | トラックバック
2007年07月08日
●岡嶋裕史『iPhone 衝撃のビジネスモデル』
先週、こっちに「iPhone は、鎖国状態で、繁栄を謳歌していた日本のケータイ業界にとって、通信事業者の縛りを最小限にするオープン化へ向けた”黒船”となる予感。」と書いたところだったけれど、この本の中にも同じ表現があってビックリ。

「最初に市場に投入される第一世代のiPhone は、GSM方式をサポートするので、すぐに国内で使えるわけではない。・・しかし、これが投入されたときの国内市場への影響は計り知れない。
iPhone のインターフェイスがあれば、そこで展開できるサービスの種類は飛躍的に増大し、キャリア間の機能差異も端末側で吸収できるようになる。……
iPhone のタッチパネルはどんなキー配列も模倣することができる。ハードウェア的な問題さえ解決してしまえば、各キャリアが要求するソフトウェアを組み込んで切り替えるのは、楽ではないにしろ、ハードルの低い作業である。
つまり高度な機能を持つハイエンド機でありながら、キャリア依存性が低い製品にできるのだ。携帯電話がキャリアに従属するのではなく、より個人に帰属せしめる嚆矢となる。……
iPhone は、世界と隔絶した通信方式という鎖国状態で、各キャリア、各メーカーが比較的仲良くやってきた日本の携帯電話市場にとっての黒船である。もはや鎖国はありえないし、ユーザもそれを望んでいない。」
「携帯電話網にもオープン化の波は押し寄せている。MVNOに代表される新規通信事業者の参入障壁に低減と、オフィシャルでない携帯サイトの爆発的な増大などがそれだ。
キャリアの世界に競争原理が導入されるのはいいことだと思う。そうであればこそ、販売奨励金などのビジネスモデルも変わるし、利用者はより低価格なサービスを享受することができる。」
iPhone 発売前に出された本、ということもあって、インターフェイスとweb2.0的な話が多いが、携帯電話の今後に関する限り、木暮祐一『電話代、払いすぎていませんか?』と視点は重なるところが多い、と言っていいだろう。MVNOも増えてくる気配だし、日本でiPhoneが発売されるこの1年の間で、キャリアがどう動くかみもの。
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2007年05月28日
WIRED VISION

そんなこんなで24日から始まってます。
投稿者 esaka : 01:40 | コメント (0) | トラックバック
2007年05月02日
●松田美佐、岡部大介、伊藤瑞子編『ケータイのある風景』
2005年に英語版「Personal,portable,pedestrian ──Mobile phones in Japanese Life」がMIT pressから出され、WIRED NEWSで紹介されていて、翻訳が読みたいと思っていた。小檜山賢二『ケータイ進化論』のエントリーでも少し書いたことがあったのだが、昨年10月に出されていたのを見つけて手に取る。

が・・う〜む、調査されたのが2001年あたりということもあって、やはりすでに視点が古いという感じもあり、あまり楽しめなかった。
最近目にしたケータイと社会事象にまつわる面白い話では、4月17日の日経「ネットと文明」特集。ほぼケータイだけでネットを使いこなす「ケータイ族」が増えていて、携帯だけで済ます人の比率は、2002年末の15%から05年には22%に上昇。特に若い世代ではその傾向が強い。ある学生は、「千文字程度のリポートなら携帯メールで提出する」という。砂原秀樹教授が講師を務める女子大でも1割ぐらいは携帯でリポートを出す。ヤフーのオークションユーザーの反応では、パソコン族はケータイ族の礼儀のなさに憤り、ケータイ族はパソコン族に問い合わせしても「一時間たっても返事がこない」と怒る、という。
いやぁ、ケータイの先端状況は、感覚的にわからなくなっているだけに面白い。
投稿者 esaka : 15:46 | コメント (0) | トラックバック
2007年04月26日
●アレック・クライン『虚妄の帝国の終焉』
AOLとタイムワーナーの合併に関しては、一度、ちゃんと押さえておかないと、と思っていたので、手に取る。AOLのスティーブ・ケースを中心に、その突発的な栄光と凋落を追ったノンフィクション。昨日の『ビル・ゲイツ、北京に立つ』に比べれば、読み物としては面白いのだが・・。

ここでは、その事柄のほとんどが、スティーブ・ケースやタイムワーナーのジェリー・レビン、さらにはCNNのテッド・ターナーといった関係者たちの強烈な栄光と挫折の物語になっている。もしくは、合併後の内紛劇とでもいうか。その軋轢を生み出したのが、新旧の会社が持つ特質とも読めるが、ここでは個人の性格によるものといったトーンが強く、どこでも起こりえた確執、軋轢、に見えてしまうのはどうなんだろ・・。
新旧メディアの合併は、99、2000年を頂点にしたネットバブルを象徴する事件でもあったわけだが、2003年に書かれたものだから、当時としては内幕モノとして面白かったのだろうが、今となっては、もう少し冷静な分析が欲しいところ。邦訳は06年の4月に出されていて、出版側の意図は、ライブドアの熱狂が視野にあってのことだろう。
99年には、ピークを迎えていたAOLは、合併後、急激に株価が下がっていったとはいえ、メッセンジャーなどそれなりの技術力と世界一のインターネットプロバイダーでもあったわけで、合併後2年で、ほとんど消滅してしまったのは、これも異常な事態とも言える。合併後の社内での抗争ばかりにエネルギーを取られ、新たなウェブサービスの波に対応するというような外向けの対応ができなかった、ということか・・。そういう意味では、AOLの最大の敵としてここでも何度も登場するビル・ゲイツのマネージメント力は、やはり凄い、ということなんだろう。
投稿者 esaka : 12:00 | コメント (0) | トラックバック
2007年04月24日
●ロバート・デーブリ『ビル・ゲイツ、北京に立つ』
MSと中国というマッチングは、何かを期待させる組み合わせなのだが、もうひとつ楽しめなかったのはどうしてだろう。MSについても、中国についても、そしてIT業界の動向についてもこちらが期待したほどの深みのある情報が得られなかった・・ということかな。

「ビル・ゲイツは、中国人を地球上でもっとも賢い民族のひとつにあげたと言われる。しかしそれは、彼らがほかの誰よりも賢いということではない。中国はどこより必死なのだ。すでに三億人を越え、早いペースで教育、資本、機会を手にしている中産階級の台頭とともに、この国の成長欲はとどまるところを知らない。……だからマイクロソフトのような一見無敵の企業であろうと、アメリカのような経済大国であろうと、たんに一個人であろうと、今やイノベーションの中心となった中国を受け入れるしかないし、願わくば中国にも自分たちを受け容れてもらいたい。」
MS中国研究所所長、後にグーグルに引き抜かれた李開復の『中国で成功するために』からメモ。
・難題1 独特の儀礼と人間関係
解決策1 儀礼を学び、信頼関係を築け
・難題2 まず貢献、報酬はそのあとで
解決策2 長期的な関係を作る戦略を立てよ
・難題3 経験豊富な管理者を雇い、中国内の人材を育てること
解決策3 中国内の人材とリーダーシップを育てよ
・難題4 中国式の市場原理にしたがうこと
解決策4 中国のニーズと慣例に柔軟かつオープンに対応する
・難題5 中国経済が最優先事項
解決策5 中国の経済エコシステム構築を助けよ
・難題6 イメージ戦略のむずかしさ
解決策6 一貫した、慎ましい組織としての信頼を築け
いろいろテーマの絞り方はあっただろうMSと中国のマッチングという素材を、ここでは"人材"と"研究"にフォーカスしている。参考資料として挙げられている『フラット化する世界』の影響が強かったのだろう。
アメリカ、中国、人材、研究、IT、ビジネスというテーマで書かれているわけだが、ほとんどまったく日本のことは出てこない。経産省は、近頃、アニメやゲームのコンテンツビジネス、クリエイター育成に力を入れ始めているが、大丈夫なんでしょうか・・。
投稿者 esaka : 16:04 | コメント (0) | トラックバック
2007年03月20日
●木暮祐一『電話代、払いすぎていませんか?』
去年、これからのケータイビジネスについてまとめた『Mobile2.0』が出されたが、その中で、唯一? 閉鎖的な日本のケータイ通信業界の現状を憂いていた携帯電話研究家・木暮氏が、同様の主張を新書にまとめている。

「垂直統合型の業界構造は、サービス普及期には申し分ないスタイルだ。だが成熟期の市場になると、必ずしも良いことばかりではなくなってくるのである。……電話料金が高いというデメリットもさることながら、成熟したマーケットでコンテンツサービスなどの周辺サービスが広がりを見せるためには、いずれ「オープン化」が必要になってくると思われるのだ。」
「端末メーカーの顧客は一般ユーザーではなく通信事業者なのであるから、差別化は「いかに安く納入できるか」に重きが置かれてしまうのである。結論として、ご承知のとおりケータイ販売店を賑わす端末は、プラスチック製のオモチャ化してしまった。海外で見かけるケータイ端末と明らかに質感が異なるのはこういった理由によるのである」
これまで、日本のみならず世界各地で、自ら大量のケータイを購入してきた木暮氏の立場は、ユーザー本位に貫かれている。日本のケータイは、香港や韓国とどう違って、いつまで同じだったか、どういう施策が誤っていたのか・・。まさに"島国"であったがために、独自のサービス開発に邁進できた日本のケータイだが、この"孤立"は、端末メーカーにとっても、キャリアにとっても、すでに手遅れの感。ここではあまり触れられていない4Gの時代には、日本のモバイル界も様相一変している可能性が高い。
それにしても、アスキーも新書出すとは・・。新書といっても、近頃の新書は、以前のようにバックナンバーを長期間、在庫に抱えるということはしないようだし、ほとんど雑誌のような扱いだ。新書にも、広告スペースを入れてもいいのかも・・。もちろん取次の規制はありますが。
投稿者 esaka : 11:33 | コメント (0) | トラックバック
2007年03月15日
活性化するバイラルCMのビジネス環境
「編集の行方」のほうに、「活性化するバイラルCMのビジネス環境」をアップしました。バイラルCMまわりは活性化しているけれど、日本で生まれる新しいサービスは、アフィリエイトのような"新しい広告スタイル"的なものが多い。バイアウトするモデルが現実的でない以上、当面の収益が確保できる"広告"絡みにならざるをえないのだろうけれど。
投稿者 esaka : 02:05 | コメント (0) | トラックバック
2007年02月26日
ついに日本に登場したブログネットワーク
もうひとつのブログ「編集の行方」のほう、ちょっと更新ペースが落ちてますが・・、昨日「ついに日本に登場したブログネットワーク」をアップしました。アメブロのブログシステムが少しずつバージョンアップしてて、マカーにはかなり使いにくくなっていてメゲます。僕のsafari1.3の問題なんでしょうが・・。
投稿者 esaka : 01:03 | コメント (0) | トラックバック
2007年02月14日
●日経コミュニケーション『2010年NTT解体』
日本のネット産業の未来を考える時、その大きな部分は、"NTTの今後のあり方"に行き着く。さらに、ここ数年は、ソフトバンクの孫氏という、話題に事欠かないキャラクターも参入して、日本の通信業界レポートは、ネタとしてはひじょうに面白く、これまでもたびたび書かれてきている。規制緩和をめぐっても、藤井耕一郎『通信崩壊』、町田徹『巨大独占』など立場もさまざまだ。

この本は、ソフトバンクのヤフーBB発表までの激動を追った『知られざる通信戦争の真実』の続編にあたる。激動はその後も続いていて、怒ったり、拳をにぎったりする関係者の多いこと・・(笑)。
今回は、2006年に竹中平蔵総務大臣が指揮を執った「竹中懇談会」が出した、「2010年に、NTTのあり方を再度考える」という方針案発表に至る混乱とNTTの抵抗、「次世代ネットワーク構想」の思惑と混乱、が中心。
「今後インターネット上に新しいビジネスが誕生しても、通信インフラが「土管」として使われるだけでは、通信事業者は何も得られない。だからこそ通信事業者は、光ファイバーの敷設と次世代ネットワークに構築に躍起になっている、高速なアクセス回線の上に従来のインターネットにはない機能を提供することで、利益の分配を受けようというものだ。」
政治家が暗躍したり、関係者が怒りまくったりで、演劇としては楽しめるのだが、ブロードバンド大国と言われて数年経つにも関わらず、ほとんど世界的なネットサービスを生み出せていない現状を考えると、なにか暗くなる。道路ばかり太く新しくなっても仕方ないという気がするが・・。次世代ネットワーク構想の危うさは、ふと第二東名を思い起こさせる。
投稿者 esaka : 00:36 | コメント (0) | トラックバック
2007年02月06日
●古川健介『ドロップシッピング成功術』
ソフトバンクパブリッシングの上杉さんに送っていただく。「在庫リスクがなく、発送を自分でする必要がない、新しい形のインターネット上のショップ」=ドロップシッピング。近頃、よく聞くが、ちゃんと理解していなかったので読む。

ドロップシッピングのメリットは、
・在庫のリスクがない
・発送の手間がいらない
デメリットは、
・ASPによっては、商品が手元にないので問い合わせ対応がたいへん
・大量に仕入れるより粗利率が低くなる(大量販売には向いていない)
・ASPによっては、顧客の個人情報がもらえない
・発送時の工夫(手紙を入れたり)できないアフィリエイトに比べてのリスク
・ASPによっては、問い合わせ対応をしなくてはならない
・ASPによっては、決済をしなくてはならない
・ASPによっては、自分の名前を明かす必要がある
・ASPによっては、返品されたものを買い取る義務があるおすすめASPは、
・卸売り型「もしもドロップシッピング」
・オリジナル商品型「ClubT」
(単価がやすく、デザインがしやすいマグカップかTシャツがおすすめ)
売れるかどうかはともかく、Tシャツをデザインして、試してみるのも楽しいかなと思ったり・・。
投稿者 esaka : 12:23 | コメント (0) | トラックバック
2007年01月31日
●加藤智明・中谷有紀『CGMマーケティング』

備忘メモ。
・WOMMA(Word of Mouth Marketing Association クチコミマーケティング協会)
・NIKE iD のバイラルCM youtube
・米ニコン「Stunning Nikon」
flickrユーザーで、NikonD100の利用者を探し、彼らにNikonD80を無償提供。D80で撮影した写真を送ってもらって公開。
・アメリカでは、MS、IBM、HPなどで、ガイドラインを定めた上で、自社ビジネスの価値向上につなげるために、従業員によるブログでの対話を奨励。
・ソフトバンクテレコム「ワーク/ライフバランス Blog」
投稿者 esaka : 22:36 | コメント (0) | トラックバック
2007年01月30日
●早稲田大学IT戦略研究所『mixiと第二世代ネット革命』
2005年10月にmixiユーザーを対象にしておこなわれたアンケートをもとに、さまざまな分析が行なわれている。個人的には、その分析よりも、付録としてつけられたアンケートのまとめそのもののほうが楽しめた。

ググってみたら、早稲田大学IT戦略研究所のウェブにアップされていた。(『mixi参加者の属性と行動』pdf)
・女性47.8% 男性52.2%
・mixi公式資料では、学生26.7%。アンケート回答者では、学生46%。
・実名公開 55.6%
・100人以上のネットワークを持つ人は全体の4%。50人未満は全体の8割。
・4〜7月の参加が多く、新年度、新学期の参加が多くなる傾向?
・マイミクシィ登録招待行動は、どちらかと言えば「受け身」が多い。
・回答者のほとんどは、mixi日記機能を利用。外部ブログは1割強。
・マイミクシィ登録とそれ以前の友だちへの信頼度は、登録後に上がることはあっても、下がることはない。mixiには、信頼増幅効果がある。
投稿者 esaka : 14:45 | コメント (0) | トラックバック
2007年01月26日
●佐々木俊尚『ネット vs. リアルの衝突』
前半は、裁判傍聴などの取材を重ねて書かれた「Winny事件」、後半は、日本IT企業の敗北、中国とインターネットガバナンス、国産検索エンジンと続き、本のタイトルのように"インターネット世界とリアル社会の対立"をテーマに構成されている。中国の世界戦略とインターネットなど、後半にも面白いテーマが確かにあるのだが、前半の"Winny問題"は、取材の手間もかけられた力作だし、こちらだけに絞ってもよかったのではないかな〜、という気がする。「だれがウェブ2.0を制するか」というサブタイトルを含めて、このあたりは、新書化にあたっての版元の判断も入ったのかも。

近頃、日本のソフトウェアやウェブサービスに創造性がやや欠けるのではないか、と憂いているわけだが、技術者のちょっとした遊び心や実験精神から独自の画期的なソフトやサービスが生まれることままある。近頃の日本に、そうした"やってしまえ"的遊び心や、チャレンジ精神が欠けているとすれば、このWinny開発者の金子勇さん逮捕が、大きな影を落としているような気がするのだけれど、杞憂だろうか・・。そうしたWinny事件の影響の大きさをあらためて感じさせられる。
投稿者 esaka : 02:21 | コメント (0) | トラックバック
2007年01月25日
日本産のユニークなウェブサービスに出会いたい
「編集の行方」のほうに「日本産のユニークなウェブサービスに出会いたい」をアップしました。
投稿者 esaka : 02:34 | コメント (0) | トラックバック
2007年01月18日
●森健『グーグル・アマゾン化する社会』
以前、著者の『インターネットは「僕ら」を幸せにしたか?』についてエントリーしたが、今回も、近年の最重要論文を引用しながらのweb2.0社会の危険性を問うもの。

主に、参照されるのはフリードマン『フラット化する世界』、ダンカン・ワッツ『スモール・ワールド』、ダン・ギルモア『ブログ 世界を変える個人メディア』、バラバシ『ネットワーク思考』、レッシグ『コード』、キャス・サンスティーン「サイバーカスケード」・・。
ここで特に問題にしているのは、"情報化が広がる中でおきた一極集中という現象"。
「ウェブページが増え、リンクが増え、情報が多様化していくごとに、ハブはハブとしての力を増していく。だが、ハブでないページはますます埋もれていく──。
とりわけ膨大な量的スケールのタギング(タグ化)が進むWeb2.0下では、タグに採り入れられる、キャッチーで直観的に理解可能な最大公約数的概念だけが共感を厚め、多様性を象徴する少数意見は、ますます小さく分散化される可能性がある。」
個人的には、オプティミスティックなシリコンバレー礼讃、Web2.0礼讃にはとても違和感を感じるところもあり、特にキャス・サンスティーンが言う"サイバーカスケード"の動向はひじょうに憂いていて、著者の問題意識には共感するところが多い。ただ、一極集中の事例と情報化の趨勢との兼ね合いの分析がややラフに感じられる気もするのだけれど、どうでしょうか・・。
投稿者 esaka : 20:43 | コメント (0) | トラックバック
2006年12月27日
2006年のネット・メディア界を振り返る
「編集の行方」のほうに「2006年のネット・メディア界を振り返る」をアップしています。
投稿者 esaka : 14:16 | コメント (0) | トラックバック
2006年12月13日
増大するコンテンツとニュースアグリゲーター
もうひとつのブログ「編集の行方」のほうに「『フラット化する世界』時代のクリエイティビティ」と「増大するコンテンツとニュースアグリゲーター」をアップしました。
投稿者 esaka : 21:49 | コメント (0) | トラックバック
2006年11月28日
ネットユーザーによって作られる写真雑誌「JPG Magazine」
もうひとつのブログ「編集の行方」のほうに「ネットユーザーによって作られる写真雑誌「JPG Magazine」」をアップしました。
投稿者 esaka : 23:00 | コメント (0) | トラックバック
2006年11月21日
オンラインコミュニティと国民性
もうひとつのブログ「編集の行方」のほうに「オンラインコミュニティと国民性」をアップしました。
投稿者 esaka : 15:51 | コメント (0) | トラックバック
2006年11月20日
FedEX ネットワーク
データをWebならではの方法でビジュアル化することで、エンターテイメントしても楽しめる表現、をときどき考えているのだが・・そんなところで見つけたもの。FedEXの飛行機運行データをビジュアル化したものだが・・。アリですね。
投稿者 esaka : 21:10 | コメント (0) | トラックバック
2006年11月16日
Metacafeとアドウェイズ
economist.comで、動画共有サイトの「Metacafe」の記事がアップされていた。
YouTubeフォロワーの動画共有サイトは大量に生まれているが、ビジター数のシェアは、YouTube/Google Videoで圧倒的(調査資料もいろいろあって、微妙に違うけれど)で、動画共有サイトにまつわる話題は、シェアよりも、ビデオ投稿者への報酬や広告配信のシステムに移っている。
イスラエルで生まれたMetacafeの特徴は、フィルタリング(同じものを自動的に除去し、ユーザーが動画を最後まで見たかをチェック)と10万人のボランティアによる格付けシステム(IT pro にインタビューがあった)。これにより、大量の投稿動画の中から、面白いものをピックアップする。
さらに、先日、Metacafeが始めたのが、Producer rewardsと呼ばれる動画投稿者への報酬システム。閲覧数1,000毎に5ドルで、閲覧数2万を超えたところから支払われる。ただし、動画に対するレイティングが3.0以上である必要がある。Metacafeは、これを広告モデルではなく、こうして集めたユニークな動画をパッケージ化して、放送局などに販売しようとしている。
今、24000ドルを得ている投稿者がいるが、気に入ったビデオはそれとは別のこれ。
Trick Airplane Indoor Competition - video powered by Metacafe
広告収入を動画投稿者をシェアするというモデルは、Revver.comが先駆けているが、メントス+ダイエットコーク(以前のエントリー)以来、意外にアクセスを集めていないようだ。このあたり、サイトの微妙なインターフェイスなどがユーザー動向に反映していると思われ、難しいところ。
また、日本でもアドウェイズが、来年1月から動画共有サイト向けの広告映像を配信するという(参考:プレスリリース)。フリップ・クリップなど8つの動画共有サイトを広告媒体として利用して、総計7万程度の動画に広告を挿入できる。料金は1回の配信で、0.1円程度。動画サイトが6割、アドウェイズが4割を得る。広告は動画サイト別、動画の分野別に配信でき、さらに将来は閲覧時間別に配信できるようにする。
ここでも、アメリカと日本の広告料金→報酬の差に驚く・・。Metacafeは、1000view=5ドルに対し、アドウェイズ、1000view=100円(内、動画サイトが60円、アドウェイズ40円)。仮に、日本のサイトで投稿者に報酬が支払われることになったとしても、60円の半分、30円ぐらいか? Metacafeの1/20。この違いをどう考えればいいんだろう・・。
日米の広告料金の差の問題はあるけれど、この動画サイトによる投稿者への報酬と広告システムは、Google+YouTubeの動向(以前のエントリー)を中心にしばらく活性化しそう。
投稿者 esaka : 15:19 | コメント (0) | トラックバック
2006年11月14日
サンダンス映画祭、携帯向け映画を制作
もうひとつのブログ「編集の行方」に「サンダンス映画祭、携帯向け映画を制作」をアップしました。
投稿者 esaka : 11:56 | コメント (0) | トラックバック
2006年11月09日
小説のPRもYouTubeで
クリント・イーストウッドが映画化した「Blood Work」や「ラスト・コヨーテ」で知られるミステリー作家マイクル・コナリーの新作プロモーションが、YouTubeで行なわれている。(参考:LA Times)
これまでCDや映画などのRPとしてYouTubeは利用されてきたが、ついに小説も、というところ。ビデオへのアクセスは、9日現在1万ほど。LA Timesによると、発売後の結果は良好らしい。目新しい試みということで新聞にも紹介され、いいPRとなっているんだろうけれど、これからもこうした手法が続くんだろうか? 結局、「メントス+ダイエットコーク」のような映像そのものの面白さが勝負になってくるんだろうな。当たり前だけど。
投稿者 esaka : 01:57 | コメント (0) | トラックバック
2006年11月08日
ジャーナリスト向けニューメディアスクール
スペイン滞在については、またおって書こうと思う。
「編集の行方」のほうに、「ジャーナリスト向けニューメディアスクール」をエントリー。
投稿者 esaka : 15:31 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月31日
バルセロナ のイベントなど
更新が止まっていてすみません。ただいまバルセロナ滞在中。もうひとつのブログ「編集の行方」に、バルセロナで行なわれていたイベント「ArtFutura2006」と「SALON DEL MANGA」について少し書いてます。

※YouTubeに「SALON DEL MANGA」の様子がアップされていた。凄いですw。
投稿者 esaka : 10:01 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月23日
ビデオブログに転身した有名ブロガーの悩み
「編集の行方」に、「ビデオブログに転身した有名ブロガーの悩み」をアップしました。Robert Scobleが、自分のブログで、ビデオブログの採算性について語ってます。
投稿者 esaka : 11:15 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月21日
GoogleがYouTubeを買った本当の理由
GoogleによるYouTube買収に関して、これまで多くの人が様々語っているが、なにかあまりピンと来るものがなかったんだけれど、FORTUNEの「The real reason that Google bought YouTube?」という記事は面白かった。おおよそ、こんなところ。
「Googleは、YouTubeのビデオストリーミングの隣にビデオ広告を載せて、収益を上げるかもしれないが、買収のために16.5億ドルもの資金を投入したのは、他に理由がある。Googleは、以前から、オークションによる広告売上高モデルをネット以外の"古いメディア"=印刷媒体、ラジオ、テレビ に拡大したいと言っている。Googleにとって、YouTubeの買収金額は最大で、2番目に大きいのは、ラジオに自動的に広告を載せるシステムを作った dMarc Broadcasting Servicesだ。テレビの広告は、ネットに比べるとまだとてつもなく大きい。去年のアメリカでネット80億ドルに対し、テレビの広告は610億ドル。Googleは、従来のテレビ広告を売るビジネスを始めるために、よりよいポジションを獲得するためにYouTubeを買った。
CEOのエリック・シュミットは、これまでも、そうした野心を公言していた。今のテレビ広告はしっかりターゲッティングがされておらず、見ていても時間の無駄。しっかりとターゲット化された広告システムを作ると。
YouTubeを買うことは、広告主が、テレビ広告とは違った形の広告を経験するプラットフォームを与える。もしGoogleが、オフライン広告の効果をテストするツールを広告主に提供することができたら、テレビ、ラジオ、印刷媒体、すべての広告を取り仕切るためのいいポジションを得られる。
ウェブが他のすべてのメディアをしっかりリンクした時、 Googleははるか先にいる。」
テレビ視聴者の対象を絞り込み、効果の計測可能にする・・その手始めにYouTubeを使う、というのはわかったのだが問題はその具体的な方法だ。このあたり、エリック・シュミットの以前の発言としてリンクされていた、ZDnetのブログ「Google CEO wants $74 billion TV ad market」をたどっていくと資料があった。ZDnet japanでは翻訳されていなかったが、CNETの坂和敏さんのコラム「グーグル「740億ドルテレビ広告市場征服」の野望」でまとめている。
う〜む、技術的には、まだ曖昧なところが多いが、YouTubeの買収の真意は、このあたりにありそう。
投稿者 esaka : 23:17 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月20日
YouTubeの次は……?
nypostの記事。やはり注目は、Diggだが、Gawker Maidiaのようなブログネットワークの動向は、これからのメディアの行方に大きな影響を及ぼしそう。それにしても、この価格はどうなんだろう。……バブルに間に合った者の勝ち?

投稿者 esaka : 22:50 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月19日
Google+YouTube → 韓国ブロードバンド
先週は、googleのYouTube買収で大騒ぎになったが、googleがもうひとつ発表したのが、韓国にR&Dセンターを設立する、というもの。なぜ、韓国だったのか? MYCOMジャーナルやCNETでは、韓国政府の積極的な誘致活動、韓国ネット市場の切り崩し、モバイル検索、モバイル広告などの研究、がその理由として上げられている。
GigaOMでは、韓国の進んだブロードバンド環境に注目している。韓国では、何年も前から、iTunesやGoogle Videoなしで、無料でテレビ映像がダウンロードできストリーミングされてきた。ブロードバンドがユビキタス化した時、アメリカのユーザーの行動がどうなるのか。そのブロードバンド・カルチャーを知るための投資ではないか、という・・。YouTubeを買収し、韓国に目を向けるのもうなずける、というわけだ。
う〜む、日本は・・。韓国ほどでなないにせよ、日本のブロードバンド環境はかなり進んでいたはずだが、ブロードバンド以後=web2.0的ウェブサービスという点では、圧倒的に遅れをとってしまった。大きな理由のひとつは、著作権に対する意識だろう。韓国のテレビ番組ストリーミングも、YouTubeも日本発では成功できなかっただろう。各国の国柄なりの一長一短あるわけだが・・コンテンツ共有が、大きなムーブメントになるなか、著作権に対するあまりにかっちりした意識が、国内でのサービス拡大を邪魔している。
さらに気になるのはワイヤレス・ブロードバンド。日本のキャリアと端末メーカーが国内市場で激しい争いをしている間に、4Gに向けたオープンな規格とサービスが、海の向こうから押し寄せそうだ。
投稿者 esaka : 21:26 | コメント (0) | トラックバック
積極的にオンラインに進出するBusinessWeek編集長インタビュー
もうひとつのブログ「編集の行方」に、「積極的にオンラインに進出するBusinessWeek編集長インタビュー」をアップしました。いろいろあって・・これから、メディア関連のエントリーは、あちらにアップしていこうと思います。
投稿者 esaka : 16:11 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月18日
クリティカルマスを越える「Second Life」
昨日、「ロイターが「Second Life」の中に、ニュース支局を設立」とエントリーしたのだが、「Second Life」内にブースを作るのは、今、ちょっとしたブームになっているようだ。WIREDも「Second Life Travel Guide」の記事を作る(バーチャル・セックスや危ないのばっかです・・ww)一方で、ブースを設立。9月にはCNETもすでに作っていて、このあたりの動向をBusinessWeekが記事にしている。

WIREDオフィスの向こうに、Cnetビルが見える。が、時間帯が悪かったのか、そのエリアに人影なし・・。
企業のプロモーションとしての利用例が紹介されているのは、 Adidas、Sun Microsystems、Toyota。Toyotaは、SIONのギャラリーをしていて、「Scion indeoendent film series」を流しているようだ。
Suzanne Vegaも、こんなことやってた。
メールマガジン、RSS配信、ブログ、podcast、動画配信……ときて、ついにヴァーチャルワールドでのパブリシティが、当たり前になってきそう。使えるメディアはすべて使う。一時のattentionを引きつける力はエッジのメディアほど強い、ということか。
先日も、ハーバード・ロースクールの講座がスタートしたとエントリーしたが、登録ユーザー数も、ここ2ヶ月で倍増しているらしい(:Techcrunch)。「Second Life」そのものは、ずいぶん前からあったのに、こうしたムーブメントの波は不思議なものだ。一時的なブームをも越えた存在になりうるのか・・?
WIREDのクリス・ベイカーがこう言っている。
「Second lifeは ほとんどYouTubeのような現象だ。クリティカル・マスに到った。」
投稿者 esaka : 20:38 | コメント (0) | トラックバック
ロイターが「Second Life」の中に、ニュース支局を設立
コンテンツの制作者と配信者(社)が、これからますます分離してくることになると、通信社の存在が大きくなっていくだろうと思っていたところに、15日の日経で、ロイターCEOのトーマス・グローサーがインタビューを受けていた。まとめると、こんなところ。
「このところ、ニュース配信受注ではなく、無料のニュースサイト事業での広告収入が、5千ドルに拡大。テキスト、写真、動画も豊富で、マルチメディアに対応できる。また、ブログジャーナリストが集まれる場所も作っている。無料サイトによって、コンテンツの認知度が高まり、新興国で急増しているメディアからのニュース配信受注が増えている。グーグル経由で来る利用者が非常に多いので、サイトの広告媒体としての競争力につながっている。メディア業界全体を眺めていると、一つのビジネスモデルに集中して成功してきた企業は、新しいモデルへの移行に伴う苦痛が大きい。」
さらに、このインタビューにはなかったが、ちょうど、ロイターが「Second Life」の中に、ニュース支局を作ったという記事が出されていたCnet、NY times)。「Second Life」内のReuters Atriumを覗いてみたが、担当記者アバターのAdam Reutersが、チャットをしていた。見たところでは、ニュース映像は配信されていなかったが、こちらの設定も問題かもしれない・・。

新しいユーザーを取り込むための試み、ということだが、どれほどの効果があるだろう・・。ただ、老舗通信社が、新しい試みをしている、ということは評価できる。なにか若い記者が、自分の趣味を延長して会社のプロジェクトにしたというような勢いを感じる。それだけ今、ロイターも好調だということだろう。
「Second Life」内には、TOYOTAやSun、Sony BMGも、スペースを設けているというが、これから日本語化が進んだら、日本からの利用も爆発的に増えそうな気がする。
投稿者 esaka : 01:40 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月17日
『Business2.0』、スタッフ全員ブログ開始
先週、もうひとつのブログ「編集の行方」のほうで、「『Business2.0』とブログの行方」というエントリーをした。『Business2.0』の編集長が、所属するジャーナリストすべてにブログ執筆を義務づける、とあるカンファレンスで口を滑らせ、それが、マスコミ関係者で話題になっていたのだ。そのブログが、今週、徐々に始まっている。まだ全員ではないが、ジャーナリスト、編集者から、アートディレクターや写真担当編集者までも、ブログを始めている。このあたりの経過は、「Business2.0」ウェブ内スタッフブログや、I Want Mediaでの編集長へのインタビューで語られた。
今、始まっているのは、7つ。
Dawn Patrol (Michael Copeland on venture capital, startups, and surfing)
Green Wombat (Todd Woody on green tech and business)
The Key (Paul Sloan on Internet media, music, and advertising)
The Real Estate Economy (Paul Kaihla on real estate and the economy)
Waterlog (Jeff Davis on ocean and sailing tech).
Seen and Not Seen (Art Director Eric Siry on design)
128 Hours (assistant photo editor Ben Smith on overclocked cars, cameras, and other toys).
ここで特徴的なのは、このブログの報酬システムだ。それぞれのブログのページビューに応じて、担当ブロガーに報酬が支払われる、という。このあたりは、Nick Denton の Gawker Media などで行なわれているスタイルを踏襲したものだろう。このPVに応じて報酬が支払われるというシステムが、ジャーナリストにふさわしいものなのか、個人のブログ執筆の強要が、雑誌の質の低下を招かないか、また、ブログ内の記事が、雑誌のブランドを低下させることにならないか、というあたりが懸念されている。
CNNMoneyから、直リンクも貼られ、多くのアクセス(=多くのボーナス)が期待されることもあって、スタッフは大喜びだというが、反応を見ていると、意外に周囲のマスコミ関係者が、ジャーナリストのブログについて、懐疑的な意見が強いことに驚かされる。また、親会社のTime社としても、かつてない冒険的な方針転換だとして、かなりの大事扱いだ。
Om Malik が 『Business2.0』から独立し、自身のブログ「GigaOm」を商用ブログとして成功させたことから始まる騒動。かつての同僚が、商用ブロガーとして大きな成功を納めていることに、心穏やかではいられなかったのかもしれない。先月は、大きな収入を得られるようになった商用ブログ事情について「Blogging for Dollars」という特集を組んだところ。このスタッフブログから、第二のOm Malikが生まれる、彼らがまた独立していくことにでもなれば、なにか、ブログを利用しての、積極的な改革というよりも、これを機に『Business2.0』が、月刊誌というビジネスモデル的にも、内部の求心力からも、徐々に崩壊し始める気もするが・・杞憂だろうか.

最終的には、それぞれのブログが成功するかどうかは、枠を作ったかどうかでなく、ブログの内容による。ジャーナリストは、所属する組織のブランドや信頼と共存する形から、「個」の存在が、強調される時代にますます突入しそうだ。
投稿者 esaka : 17:03 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月16日
「編集の行方」3回目
もうひとつのブログ「編集の行方」のほうで、「マスメディアと"市民ジャーナリズム"」、アップしました。
投稿者 esaka : 21:29 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月12日
マイケル・アーリントン(TechCrunch) vs NY times
The Online News Association conferenceで、TechCrunchのMichael Arringtonが「Diggのようなユーザー参加型のニュースサイトは、ジャーナリストの仕事を変化させるだろう」と講演した、と昨日エントリーしたが、これには後日談があった。

Michael Arringtonの自身のブログ Crunchnotesで、そのカンファレンスに参加した模様を書いているのだが、これがかなり荒れたものになったようだ。そこでの Arringtonの発言は、Digg的フィルターによって、ジャーナリストの役割が変わる、というものだけでなく、こんな感じ。
・ニュースが遅く、ほとんどのメインストリーム・ジャーナリズムは面白くない。NY Timesを見ても、ブログより1日遅れている。
・ブログで行なわれているような議論がないし、競合の引用もしない。
・NY Timesが、最近発表したオフライン・リーダーは、読者が望んでいることに対応できないことを示している。
・NY Timesのテクノロジー・セクションは、製品へのゴマスリ記事に違いない、さもなければ製品のことがわかってない。
この最後の発言にNY Times関係者が噛み付いて、証拠を出せ、そうでなければ謝罪せよ、と反論し、Arringtonは集中砲火を浴びることに。結局、Arringtonは、先の発言について謝罪させられることになった。
今回のカンファレンス主催者が、「Online News Association」というメインストリーム・ジャーナリストによる組織だったとはいえ、アメリカでさえ、ブロガーとメインストリームのジャーナリストとの間に、これほどの大きな溝、カルチャーの違いが横たわっていることに驚く。それでも、こうしたカンファレンスでプロ・ブロガーを招待し、話しを聞こうというだけでも、日本の状況とは大違いとは言えるが。
このカンファレンスが行なわれたのは、先週土曜日7日。ちょうどGoogleによるYouTube買収報道騒ぎの最中だ。メディアパブで書かれているように、この報道は、Michael ArringtonによるTechCrunchでの記事に端を発して、マスメディアが追随する形で、この話題を取り上げ、ブログをマスメディアが補完し協調しあう関係が生まれたところだった。
Michael Arringtonも、ここまで言うとは・・これからが楽しみw。
投稿者 esaka : 21:33 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月11日
Digg型フィルターは、ジャーナリズムを変える
「The Online News Association conference」で、TechCrunchのMichael Arringtonが講演し、Diggのようなユーザー参加型のニュースサイトは、ジャーナリストの仕事を変化させるだろう、述べたという。「人々は最も重要なニュースをセレクトするために、編集者は必要ないとますます感じている」。そして、NY Timesやロイターのような実情報を集める取材記者と、Diggのようなフィルター的役割と別れて行くだろうと予測。その結果、ジャーナリストの仕事は、取材に特化していくだろう、という。
ディープリンクが一般的になって以降、こうした流れはすでにはじまっていたわけだが、ここへきて、様々なニュースアグリゲーターが生まれ、さらにパーソナライズ化が進んだことで、ニュースサイトの「編集」的役割の必要性がますます弱くなっている。"編集"というと、文字どおり"集めて" "編む" わけだが、"編む"部分は、個々人が自分の嗜好にあわせて(また自動的に)行なうので、あとはジャーナリズム業は、"集める"部分だけ行なえばいい、というわけだ。
また、欧米で盛んになっているフリーニュースペーパーも、主に、通信社から記事を買っているようだから、ここでも"集める"と"編む"は、別組織化している。ニュースを安価に集めるポータルサイトのあり方も、ひとつの転換点だったのかもしれない。こうした流れに、NY Timesなどは、サイト内にパーソナルページを作るなどの手をうって、サイトの独自性とさらなるブランド化を図って、必死にあらがっているわけだが、この流れを押しとどめることはできないように思う。
そこで、心配されるのは、"サイバーカスケード"の問題、さらには、ビジネスから見た"ジャーナリズム業"の行方か・・。
投稿者 esaka : 16:22 | コメント (0) | トラックバック
鳥インフルエンザ マッシュアップ
前のエントリーでThe AOP Online Publishing Awards 2006について書いたが、その受賞サイトを見てみると、それほどイケてるサイトが多くない。・・といっても、アメリカと比べてだけれど。すでにLast.FMという画期的サービスを生んでいるし、BBCの取組みを見ても、日本の状況よりは進んでいると言えるだろうが、そのあたりの遅れ気味のところが日本と似ていて、イギリスの状況が気になる・・。

で、受賞サイトの中で気になったのは、nature.comのグーグルアース「鳥インフルエンザ」マッシュアップ。伝統的メディアが持つ情報を、ニューメディアに変換して、重要な情報の伝達効率を高めたいい例だろう。2003年に東南アジアを中心に猛威をふるった鳥インフルエンザが、その後、トルコや東欧に飛び火しているのがよくわかる。日本ではほとんど忘れ去られているわけだが、東南アジアでは、2004年以来、60人が死亡しているというし、世界的にはまだ緊急事態であることには変わりないわけだ。
投稿者 esaka : 15:17 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月10日
ティム・オライリー講演「Publishing 2.0」
イギリスのThe UK Association of Online Publishers (AOP) が主催するThe AOP Online Publishing Awards 2006が、4日発表された。授賞式で行なわれたカンファレンスでは、ティム・オライリーが
「Publishing 2.0」という講演をしている(ビデオもある)。まあ、いつもと同じですが・・。

・ウェブはパブリッシャー無しでも継続する。
・ユーザー・ジェネレイテッド・コンテンツとマッシュアップの世界でいかにプレイヤーとなるか?
・プラットフォームとしてインターネットを利用する。
・ユーザーの集合知を利用する。
・Yahooは従業員9000人だが、タイム・ワーナーは85000人。Craigslistは、18人。
・デジタル著作権管理(DRM)は緩やかにすべき。appleがsonyに勝ったのもそのため。
・Flickrも、デフォルトは、 "make this public"。
・パブリッシャーは、コンテンツをデータベースとプログラムの視点から考えるべき。
・シンジケートされたオライリーのコンテンツはあらゆるフォーマットで読める。
・だが、これは、伝統的な編集のスキルを必要なくなる、というわけではない。
・Web3.0は? 「未来はここにある。ただ、まだ平等に割り振られていないだけだ。」(ウィリアム・ギブソン)
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2006年10月09日
WindowsLiveジャーナル
先週から、「編集の行方」という別のブログをはじめている。WindowsLiveのパブリシティとしてはじまったWindowsLiveJournalの一環。僕のほかには、山形浩生さん、歌田明弘さん、船田戦闘機さん、渡辺保史さん、向山昌子さんで、計6人。それぞれ別のブログサービスでブログを書きつつ、WindowsLiveのパブリシティページでアグリゲーションする、というもの。プロデュースは、スタイルの竹田茂さん。僕も編集で参加してます。まだ、WindowsLiveのほうのアグリゲーションは11月スタートとのことです。
投稿者 esaka : 23:27 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月07日
村井純「アンワイアードとインターネット」
今どきのケータイを語るには、そろそろ『アンワイアード』のような視点が必要ではないか、とエントリーしたところで、気になって再び監訳者の村井純氏が書いた第5章「アンワイアードとインターネット」を読み直す。
「無線移動通信の普及には、2つの考え方がある。新たにアンワイアード用のバックボーンを構築する方法と、バックボーンにインターネットを採用する方法である。
4Gを前者のシナリオで考えると、現在これだけ高額な携帯電話の通話料金が突然安くなることは決してありえない。携帯電話の普及と技術開発の進歩に伴い、無線の音声およびデータ通信量は年々増えているが、それらを処理するためのインフラストラクチャーを新たに構築することは、コストからも設備からも非常に困難である。……
では、理想のモバイルインターエンッととはどちらのシナリオか。確かに前者のシナリオで定義すると、現在の携帯電話やiモードこそが「モバイルインターネット」である。しかし、携帯電話端末でインターネットの一部のアプリケーション(ウェブやメール)が使えるというだけで、現状のインターネットとはまだ異なっている。……それはインターネットではなく、あくまでもキャリアのパケット網にインターネットへの口を開いた段階で現状のところとどまっているのである。
やはり、それは現時点での携帯電話でもなくiモードでもなく、無線環境で移動しながら利用できる通信基盤として成長したインターネットこそが本当のモバイルインターネットなのである。」
村井氏の言葉は、煽る感じがないので派手さはないが、常に的確だ。4Gの動向をしっかり確認しないと・・。個人的には、ワイヤレスやネットとのインターフェイスの将来を語る時、いつも「攻殻機動隊」で描かれた世界を頭の片隅においてその可能性を考える。
投稿者 esaka : 23:03 | コメント (0) | トラックバック
2006年10月06日
The State Of Web Development 2006/2007
Read/Write web経由。ektronとSitePointが、5000のウェブディベロッパーを調査し、そのレポートが発表された。25ページ分が、フリーでダウンロードできる。ひじょうに面白い。


この2つのグラフを比較すると、これからさらにAJAXの急激な拡大(FlashからAJAXヘといったほうがいいか)が予想される。う〜ん、ここまでとは。こうなると広告の扱い方も変わってこざるをえないのでは・・。
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