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2009年12月30日

●三橋貴明『経済ニュースの裏を読め!』

中小企業診断士の資格を持ち"企業の財務分析で培った解析力をマクロ分析に応用する"という著者のよるデータと図解豊富な日本経済分析。経済学者による経済学ベースの分析でも、証券業界のエコノミストによる"市場の常識"的発想でもないところがユニーク。日本銀行や財務省、IMFのウェブから誰でも手に入れることができるデータをもとに図表を制作し、そこから結論を導きだす方法は明快。そして、導きだされた結論のいくつかもメディアで伝えられる「常識」とは異なっていて目を引く。

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・メディアが騒いでる日本の公的債務は、他国と比べて特に著しく増加しているわけではない。それに対し、公的債務対GDP比率は、ここ15年、G7諸国の中で唯一悪化している。
・日本の貿易黒字は、対GDP比で0.8%。数値的に見れば日本は内需立国。
・日本の就業者の過半数は、円高によりむしろ恩恵を受ける可能性が高い。
・人口減少が必ずしも、経済の低迷を引き起こすとは限らない。95年以降、ロシアは毎年80万人以上の自然減が続いているが、年平均6.75%の成長。
・02年から07年までの"好景気"時、給与所得者数が微増し、給与総額は減少。
・日本の公共投資は「絶対額」でも「対GDP比率」でも減り続けている。しかし、まだやるべき事業はたくさんある。
・大切なのは「変化に俊敏に対応すること」で、政府の大小ではない。
・フロー(GDP)に財源を求める景気対策は有害。
・日本の金融資産の6割は60歳以上が保有している。が、高齢者世代の世帯内でも、大きな隔たりがある。同世代相互扶助の考え方が、最も適切な解決策の可能性が高い。
・バランスシート不況下での緊縮財政は傷口を拡げるだけ。
・日本の個人消費は5年連続で増加を続けている。
・「所得格差は広がっている」はウソ。IMFが主要国のジニ係数を発表。世界的にも大きくはない。
・国債の94%が「国内」で発売され、さらに国外に販売した分も100%「日本円建て」の日本政府が破綻する可能性はゼロ。

う〜む。「バランスシート不況下」あたりに飛躍と断定は、意見の異なる経済学者の方も多いと思うが、プレゼン手法のわかりやすさは貴重かも。

投稿者 esaka : 2009年12月30日 01:26

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