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2009年02月22日
●岩田靖夫『ヨーロッパ思想入門』
またこの本。

「ギリシアの彫刻は、エジプト的な思い素朴さからしだいに軽やかな繊細さへと発展してゆくが、少なくとも紀元前四世紀にいたるまでは、個人を表現しようとはいささかかも試みていない。つねに運動選手とか英雄とか神々を表現しようとしているのである。なぜだろうか。
それは、ギリシアの芸術家たちがつねに理想を表現しようとしたからである。彼らはつねに普遍的なもの、形相的なもの、法則的なもの、理念的なものを追求している。芸術の課題は、可能なかぎり最高の美を表現することだ。・・・
ギリシアの彫像は美しいが、すべて同じ表情をしている。ここには、不完全なものはいわば存在の資格において劣っているちう感覚がある。・・
ヨーロッパの思想において、個体がほんとうに問題になるのは、キリスト教の成立以後である。」
「ギリシア人の神とは、私たちがそうありたいと願ってやまない、人間の理想化なのである。人間の生命への愛があまりにも昂揚して、神々の像へと結晶しているのである。ギリシアの詩人たちが、神々に人間のもつ苦楽や情熱と同種の、しかも強烈な感情を与えたのは、とうぜんであった。なぜなら、神々とは永遠化された人間であり、人間の本質への賛歌にほかならなかったからである。」
妙にギリシャ彫刻に惹かれる日々・・。
投稿者 esaka : 2009年02月22日 02:18
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