« 今日のflickr | メイン | ●野村総研『2010年の日本』 »
2007年04月26日
●アレック・クライン『虚妄の帝国の終焉』
AOLとタイムワーナーの合併に関しては、一度、ちゃんと押さえておかないと、と思っていたので、手に取る。AOLのスティーブ・ケースを中心に、その突発的な栄光と凋落を追ったノンフィクション。昨日の『ビル・ゲイツ、北京に立つ』に比べれば、読み物としては面白いのだが・・。

ここでは、その事柄のほとんどが、スティーブ・ケースやタイムワーナーのジェリー・レビン、さらにはCNNのテッド・ターナーといった関係者たちの強烈な栄光と挫折の物語になっている。もしくは、合併後の内紛劇とでもいうか。その軋轢を生み出したのが、新旧の会社が持つ特質とも読めるが、ここでは個人の性格によるものといったトーンが強く、どこでも起こりえた確執、軋轢、に見えてしまうのはどうなんだろ・・。
新旧メディアの合併は、99、2000年を頂点にしたネットバブルを象徴する事件でもあったわけだが、2003年に書かれたものだから、当時としては内幕モノとして面白かったのだろうが、今となっては、もう少し冷静な分析が欲しいところ。邦訳は06年の4月に出されていて、出版側の意図は、ライブドアの熱狂が視野にあってのことだろう。
99年には、ピークを迎えていたAOLは、合併後、急激に株価が下がっていったとはいえ、メッセンジャーなどそれなりの技術力と世界一のインターネットプロバイダーでもあったわけで、合併後2年で、ほとんど消滅してしまったのは、これも異常な事態とも言える。合併後の社内での抗争ばかりにエネルギーを取られ、新たなウェブサービスの波に対応するというような外向けの対応ができなかった、ということか・・。そういう意味では、AOLの最大の敵としてここでも何度も登場するビル・ゲイツのマネージメント力は、やはり凄い、ということなんだろう。
投稿者 esaka : 2007年04月26日 12:00
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://editreal.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/1115