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2007年01月22日
●飯田泰之『ダメな議論』
飯田氏の前著『経済学思考の技術』は、"経済"に興味を持った人がまず手に取るべき教科書になりうる本だった(以前のエントリーはこちら)。今回の『ダメな議論』は、基本的な考え方はその延長にありながら、アプローチや表現を新書向けにかなり間口を広くしている。

「本書の基本的な方針は、さまざまな言説の中から、"ダメな議論"──「誤ったもの」「無用なもの」「有害なもの」を見抜く方法を考え、それを現実に応用していくというものです。"ダメな議論"を除外していけば、残されたものは「正しく、有用なもの」である可能性が高くなります。その意味で、本書の方法によって導かれる「正しく、有用なもの」とは100%正しいとか間違いないとかいったものではなく、他の考え方に比べ相対的に「正しそうだ」というものです。」「言うまでもないことですが、何ひとつ問題のない社会は存在しません。……さらに構造改革論は、「構造」というう言葉の多義性によって、大多数の日本国民に「自分が日ごろ問題だと考えていることを改革するのだ」というイメージを抱かせることができます。……「構造問題」とは「根本的問題」「重要で基礎的な問題」のことなのですから、「構造問題が重要だ」という主張は誰にも否定できません。…誰にも否定できない主張と、プラスイメージの単語を組み合わせた構造改革論はヒットする要素満載の言説だったのです。」
"ダメな議論"の例として、よくTVのコメンテーターや雑誌で語られる構造改革論、食料安保論、バブル悪玉説、創造的破壊論、国際競争力、アジア共通通貨圏構想、といった具体例を示しながら、その曖昧さとダメさを具体的に示してくれる。
あとがきに、参照した本としてロバート・J・グーラ『論理で人をだます法』、ハリー・G・フランクファート『ウンコな議論』、スティーブン・レヴィット『ヤバい経済学』が挙げられているが、新書ながらこれらの本に匹敵する役割は充分果たしていると思う。こういう新書が増えると嬉しいな〜。
投稿者 esaka : 2007年01月22日 01:57
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