« 「電子立国」日本の悲しい現実? | メイン | ●トーマス・フリードマン『フラット化する世界』 »
2007年01月18日
●野村総研『2010年日本の経営』
"2010年"シリーズをぞくぞくと出す野村総研。これからの日本の経営について、「最大のフォースである人材の変容(量的な不足感+質的な仕事感の変化)の問題を解決する中心的なソリューションは理念・ビジョンの再構築・再活用である」という提言を柱とするもの。

「NRIは企業経営者と議論を積み重ねる過程で、人材の変化に経営者が頭を悩ませていることを感じた。ネコ型は、おもしろいと思う仕事、自己形成に役立つ仕事・企業には強い興味を示す一方で、会社や組織への忠誠心は希薄。若い人に多い。……背景には、社会人になるまでの成長環境の影響がある。少子高齢化のなかで、一人の子供を・・多くの大人が取り囲み、その結果、幼少期から自尊感情を強く持ち、実態以上に有能感を持ってしまった。また幼少期から豊かな生活を送っているため、高度成長期のような「豊かになりたい」は目標ではなく、より高度な自己実現を追求する。
人材がネコ化すると、個々人が異なったベクトルに力強く走ってしまい、企業には「遠心力」が働く。新しい製品・サービスなどの新しい発想は異才から生まれやすいが、さらに新しい発想がより大きな力になるためには、異才を融合し、一定の求心力を持って組織化されていることが望ましい。そこで求心力をいかに生じさせるか。具体的な指示命令や計画・戦略というよりも、心の奥底に響かせることが重要である。
ネコの時代に求心力おtなる手段は「理念・ビジョン」だと考える。
日本企業の経営において理念・ビジョン(古くは社是・社訓)は古くから存在していた。しかしマネジメントの施策として効果的かつ本質的に機能してきた時期は、過去に二回存在し、2010年代は、理念・ビジョンが重視される3度目の時代となる。
一度目 江戸時代の商家時代
二度目 戦前戦後の起業時代
三度目 2010年代へ向けて{時代を越えた共通項}
・多様な人材のマネジメント基盤
・困難に立ち向かう局面で必要な拠り所
・経済的処遇を補完する求心力2010年代にあるべき理念・ビジョンを起点にした経営モデルを、NRIは「ビジョナリー・エクセレンス」と名付けた。ビジョナリー・エクセレンスとは、理念・ビジョンを従業員に響かせ、持続的に体現する好循環を生み、他のステークホルダーも響かせ、企業価値を高める経営モデルである。」
従業員に対しても、顧客に対しても、何を提供できるのか、という根本的なところで、混乱している今、改めて、"ビジョン"を再構築し、提言しようというのは、経営者のみならず、政治家を含めて、あらゆる個人が考え直す必要がある・・ように思う。それは、これからどう生きるのか、というような価値観の問題とも言えて、そんなことをシンクタンクに言われなくてはならないというのも・・なかなか難しい時代だということだろう。
投稿者 esaka : 2007年01月18日 01:40
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://editreal.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/1079