« Hotwiredから書籍化 | メイン | 青空文庫 vs Google+amazon »

2006年07月25日

ジニオ社ソフトを使ったデジタル雑誌

 小学館が10月から電子雑誌に参入、という日経の記事。定期購読契約をした電子版の読者だけを対象にして、紙版と同じ料金、同じ日程で配信するという。配信は、Fujisan.co.jpに委託して販売する。デジタル版雑誌を閲覧するには、米ジニオ社製ソフトを使用。

 先日、Fujisan.co.jpで、このジニオ社製ソフトを見る機会があったのだが、これがなかなかよくできている。DTPで制作したデータをそのまま加工できるところは、追加コストを
抑えたい出版社の要求にあっているし、紙の雑誌と同じデザインで、紙をめくるように読めるのは、雑誌をめくる感覚に似て、読者にある種の"安心感"を与えることができる。また、テキストデータが検索できる利便性はデジタルならではで、さらに、広告ページのURLをクリックするとそのまま広告主のサイトへ飛ぶこともできる。

 いくら雑誌市場が急激に縮小しているからといって、ただそのコンテンツをネットに移行すればいい、というわけではないだろう。ネットには無料で優れたコンテンツが溢れている。しかし、ウェブが、テキスト中心で構成されている現状を考えると、既存の雑誌で作り込まれる写真とデザインに限っては、まだ雑誌(すべての、とは言わないが)に力がある、と言えると思う。

 情報の量や質や早さでなく、イメージやブランドといった感覚的なことが、これからネットに持ち込まれるようになると、よりビジュアルの力は重要になるに違いないのだ。ビジュアルの力は、広告の訴求力という意味でも重要だし、このフォーマットでは、サイトへのリンクが直結しているということでも、広告手法も変化してくる可能性もある。
 
 というわけで、ジニオ社ソフトを使ったデジタル版の雑誌は、将来を憂いてネットにそろそろと足を踏み込み始めた雑誌社にとって、現段階でのひとつの解決策、となるのだろう。ただ、"紙をめくる"というようなインターフェイスが、デジタル版雑誌にほんとうに必要なのか、という根本的な疑問もあり、よりネットにあったインターフェイス、パッケージモデルが出るまでのあくまで暫定的解決策、という気もするが。

投稿者 esaka : 2006年07月25日 01:49

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://editreal.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/982

コメント

コメントしてください




保存しますか?