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2006年07月31日
「Cyworld」、アメリカに進出
「Business2.0」のサイトによると、韓国発のSNS「Cyworld」が、アメリカに進出するようだ。MyspaceやFacebookなど、アメリカで人気のSNSにどこまで対抗できるのか・・。
ポータルやニュースサイト、ショッピングサイトと違って、コミュニティ系サイトは、ネット上の行動に対する個人の細かな嗜好、感覚(ex.匿名のほうがいいのか、顔写真を出すのかどうか、イラストへの感覚…さらには、異性へのアプローチの仕方…)が大きく影響を与えるので、サイトの構成やインターフェイスに各国の特徴が出がちだ。昨年12月にCyworldが日本に進出した際も、日本向けにかなり修正を加えたらしい。
木村忠正著『ネットワーク・リアリティ』の中で、韓国と日本の学生では、コミュニティサイトの利用形態がかなり異なっていて、韓国では日本よりも実名利用が多く、オフ会が盛ん、という調査が紹介されていた。(ただ、Mixi以前以後で、日本の学生の利用形態も大きく変わっているはずだが・・)
韓国と日本のネットの利用形態や嗜好に微妙な違いがあるように、アメリカのそれとも違うはず。MyspaceとMixiも一見して雰囲気が違うし。そんな国民性や嗜好、感覚の違いを越えて、Cyworldは、アメリカで成功するだろうか? 今度の動向に注目したい。
それにしても、韓国のウェブサービスが果敢に英語圏に進出している。すでに英語版があるOhmynewsに関する記事もよく目にする。う〜む、日本は……。
投稿者 esaka : 15:19 | コメント (0) | トラックバック
2006年07月27日
青空文庫 vs Google+amazon
青空文庫は、おもに著作権が切れた文書をボランティアの手によって、入力、校正し、これまでにこつこつと5000冊以上が納められたインターネットの図書館。富田倫生氏によって活動が開始してから、今年でちょうど10年になるという。
ボランタリーな意思を持った多くの人が関わることで、大きな成果が得られる、いわゆる"バザール方式"として、Wikipediaが現れるまでは、ソフトウェア以外では、珍しい成功事例だったと思う。(ちなみに、エリック・レイモンド「伽藍とバザール」山形浩生氏訳も、ここに納められている。)その意味では、青空文庫はWeb2.0を先取りしていた、と言っていいかもしれない。
で、文書のデジタル化ということでは、ここ数年、amazonとgoogleが力技で、"全書籍電子化"を進めようとしている。自動ブックスキャナーマシンを使って、デジタル化を進めるamazonとgoogleに対して、丁寧に人力でこつこつを入力する青空文庫は太刀打ちできないだろうと想像していた。それはそれで、ひとつの時代の流れだろう・・と。
しかし、事情はそう簡単ではないらしい。先日行われた東京国際ブックフェアで行われた富田倫生氏の講演の映像が、ボイジャーのサイトにあがっている。熱い語りだ。富田氏も、基本的にamazonとgoogleの作業を認めつつも、スキャンしOCRで読み取る作業の限界を説く。アルファベットと違って、日本語の場合は特に難しいという。例えば、「ロ」という文字を、カタカナの「ろ」と読むのか、感じの「くち」と読むのかを区別するのは非常に困難だ。実際、アマゾンの「なか見!検索」で、「口シア(くち しあ)」で検索してみると、いくつもヒットするのだ・・。そんなわけで、質の高いデジタル化を行う青空文庫のような組織はしばらく必要だ、という。OCRの限界はよく耳にしているが、こんな問題が起きているとは・・。
大量に過去の書籍がデジタル化されることそのものを評価すべきで、自動スキャナーではこんな程度のものだ、それに、読み取り能力もいずれアップする、という割り切った見方もあるだろう。それにしても、書籍の文字組を忠実に再現しようという「本」への強い思い入れを持った青空文庫に関わるボランティアの方々の作業には、ほんと頭が下がる。
投稿者 esaka : 00:39 | コメント (3) | トラックバック
2006年07月25日
ジニオ社ソフトを使ったデジタル雑誌
小学館が10月から電子雑誌に参入、という日経の記事。定期購読契約をした電子版の読者だけを対象にして、紙版と同じ料金、同じ日程で配信するという。配信は、Fujisan.co.jpに委託して販売する。デジタル版雑誌を閲覧するには、米ジニオ社製ソフトを使用。
先日、Fujisan.co.jpで、このジニオ社製ソフトを見る機会があったのだが、これがなかなかよくできている。DTPで制作したデータをそのまま加工できるところは、追加コストを
抑えたい出版社の要求にあっているし、紙の雑誌と同じデザインで、紙をめくるように読めるのは、雑誌をめくる感覚に似て、読者にある種の"安心感"を与えることができる。また、テキストデータが検索できる利便性はデジタルならではで、さらに、広告ページのURLをクリックするとそのまま広告主のサイトへ飛ぶこともできる。
いくら雑誌市場が急激に縮小しているからといって、ただそのコンテンツをネットに移行すればいい、というわけではないだろう。ネットには無料で優れたコンテンツが溢れている。しかし、ウェブが、テキスト中心で構成されている現状を考えると、既存の雑誌で作り込まれる写真とデザインに限っては、まだ雑誌(すべての、とは言わないが)に力がある、と言えると思う。
情報の量や質や早さでなく、イメージやブランドといった感覚的なことが、これからネットに持ち込まれるようになると、よりビジュアルの力は重要になるに違いないのだ。ビジュアルの力は、広告の訴求力という意味でも重要だし、このフォーマットでは、サイトへのリンクが直結しているということでも、広告手法も変化してくる可能性もある。
というわけで、ジニオ社ソフトを使ったデジタル版の雑誌は、将来を憂いてネットにそろそろと足を踏み込み始めた雑誌社にとって、現段階でのひとつの解決策、となるのだろう。ただ、"紙をめくる"というようなインターフェイスが、デジタル版雑誌にほんとうに必要なのか、という根本的な疑問もあり、よりネットにあったインターフェイス、パッケージモデルが出るまでのあくまで暫定的解決策、という気もするが。
投稿者 esaka : 01:49 | コメント (0) | トラックバック
2006年07月24日
Hotwiredから書籍化
白田秀彰さんの『インターネットの法と慣習』が出版されたのを機に、Hotwiredの連載原稿などから書籍に納められたものをまとめてみた。
田口ランディ『ぐるぐる日記』(筑摩書房)
山本直樹『テレビを消しなさい』(平凡社)
山形浩生『山形道場』(イーストプレス)
川崎和哉『オープンソース・ワールド』(翔泳社)
駒沢敏器『地球を抱いて眠る』(NTT出版)
稲葉振一郎『経済学という教養』(東洋経済)
池田信夫『ネットワーク社会の神話と現実』(東洋経済)
いとうせいこう&みうらじゅん『見仏記 親孝行篇』(角川書店)
宮内勝典『裸の王様、アメリカ』(岩波書店)
土屋大洋『ネット・ポリティックス』(岩波書店)
小林雅一『隠すマスコミ、騙されるマスコミ』(文春新書)
星川淳『非戦という希望』(七つ森書館)
野口旭『エコノミストの歪んだ水晶玉』(東洋経済)
高橋靖子『表参道のヤッコさん』(アスペクト)
白田秀彰『インターネットの法と慣習』(ソフトバンク)
佐々木俊尚『ITジャーナル』(予定/宝島新書)
今でこそ、ブログから書籍化、といった流れは一般的になったが、少し前までウェブに掲載された原稿を書籍化することの可否について、出版社側もかなり迷いがあったように思う。ウェブでまだ読める原稿を書籍化する意味があるのか? ウェブを読む層と書籍を購入する層は別なのか? 初出がウェブであることを出そうとしなかったり・・そのあたりの反応は、出版社によってさまざま。
ウェブやブログが、売れるコンテンツの青田買いの場としてはっきり認知されたのは、『電車男』のヒット以来だろうか。また新書などの出版点数の増加も、手っ取り早くコンテンツを確保できる場としてウェブが再認識された、ということはあるだろう。
また、いっぽうで、書き手にとっても、ウェブ業界の原稿料の現状を考えると、書籍化を前提にせざるをえないところもあって、コンテンツ製造装置としてのウェブ、「出口」としての出版 、という関係はしばらく続きそう。
投稿者 esaka : 14:06 | コメント (0) | トラックバック
2006年07月23日
白田秀彰『インターネットの法と慣習』
Hotwiredでの連載の一部を新書化。いやぁ、めでたい。
"ネットワーク時代の法"をどう捉えればいいのか・・。
「法はすでに出来上がっているものではないし、誰かが決めるものでもなくて、自分たちが発見して発展させていくものでもあるんだ、ということを分かってもらいたい」
というわけで、英米法と大陸法の成り立ちやアメリカと日本の法の重みの違いを説明するところから始め、匿名の問題や政治的に活動することが忌避されている日本の現状を指摘した上で、"いかに法を成立させうる政治的回路をネットワークに実装するか"を考える。
ありがちな"インターネットと法律"に関する本とは大きく異なるわけだが、あとがきで書かれている白田氏のこの姿勢が、すべての根幹だと思う。
「何事も相対化し、原理的にかつ合理的に考えることが大事なのだろうと私自身は考えています」
こうした姿勢や思考法は、まさに"ハッカー的"だと感じる。コンピュータ技術者がプログラムを読み解き、改良していったりするのと同じように、法学者の白田氏は、現在の社会を、「国家だって政治だってシステムだ。もっと良い動かし方がありうるんじゃないだろうか」と考えた。
一般的には、"Life hacks"というと、仕事の生産性をあげるための時間管理術やデジタルツール利用術だが、文字どおり人生をハックする、と捉えると、白田氏のアプローチは、まさに"Life hacks"だ。
こうした"何事も相対化し、原理的にかつ合理的に考える"という思考展開は、ある世代以降に多くみられる。モリエモン氏は、"金儲け"をハックし、はてなの近藤さんは、"会社運営"や"サービス"をハックしているとはいえないか・・。
ちなみに、この連載の最終回のタイトルは、「現実2.0」。評論というよりも、啓蒙書、アジテーションともとれるこの本は、白田氏版「ハッカー党宣言」と言えるかも。
投稿者 esaka : 18:31 | コメント (0) | トラックバック
2006年07月14日
ROCKETBOOM 2.0 ベータ
先週、人気ビデオブログ「RocketBoom」の人気司会者 Amanda Congdonが降板するというニュースは、アメリカブログ界のみならず、NY TimesやBusiness Weekなどメジャーメディアにも取り上げられて、改めて「RocketBoom」の注目度の大きさを確認することになった。Amanda Congdonは、ビデオブログ発の初めてのスターとして、これからメジャーなメディアで活躍しそう。
で、「RocketBoom」の次の展開は?と思っていたところ、12日、司会進行役がJoanne Colan女史に変わって、再スタート。「イギリスなまり」とか、「声が男のようだ」とか、ご不満のユーザーも多いようだが、とりあげる題材や映像編集の処理のセンスがいいので、そうキャスターが変わってもそう大きな打撃にならないのでは、と思うが……やっぱり、違うかも。w
投稿者 esaka : 19:40 | コメント (0) | トラックバック
2006年07月11日
携帯電話ユーザー調査データ
『ケータイ大国のモバイルビジネス入門』の巻末に、ビデオリサーチインタラクティブ社による携帯電話ユーザー調査データ「ケータイ2006」と、インフォプラント社による「定例リサーチ」が、掲載されている。個人的には、調査の中心部分のケータイの利用状況よりも、調査の末端に10代、20代のライフスタイルの一部がうかがい知ることができて楽しめた。
・携帯電話、現金以外で、外出時に持ち歩いているものは?
手帳、ガム・タブレット・あめ、ペットボトル飲料、クレジットカード・・と、ふ〜ん、と読み飛ばしていると、最後に、目薬(男性20歳代 35.8%、女性 47.2%)。
・朝どうやって目を覚ましますか?
男性20歳代 79.6%、女性20歳代 87.5%が、携帯電話のアラーム。
いやぁ〜、知らないことは多い・・。
投稿者 esaka : 15:53 | コメント (0) | トラックバック
2006年07月10日
杉本博司「和風モダーン 十選」
現実時空と虚像の間に静かに鋭くナイフで切り込みを入れるような杉本博司の作品群は好きなのだが、その杉本が、日経新聞で、「和風モダーン 十選」という小文を連載中。
これまで選ばれているのは、榎本千花俊「千人針」、蒲原重雄「小菅刑務所」、佐野藤次郎「豊稔池ダム」、そして谷口吉郎「ホテルオークラ東京ロビー」。
建築マニアではないけれど、「ホテルオークラ東京ロビー」は、以前から気に入っていて、それから東京国立博物館東洋館などを設計した谷口吉郎の名を知ることになった。この連載での文章は、その素晴らしさを的確に説明してくれているので、ちょっと長いがメモ。
「私は仕事がら外国人の友人が訪ねてくる事が多い。最近は外資系豪華ホテルの新築ラッシュだが、脇目もふらず宿泊先としてホテルオークラ東京を薦める。海外のどんなホテルにも無い和と洋の渾然一体となった秀逸なる空間があるからだ。
設計者の谷口吉郎は戦前モダニスム運動の最後の世代に当たるが、戦後は新古典主義に逆行とも見える方向に向かう。しかしこれはモダニストすべてが抱えた、日本固有の歴史性とモダニズムはいかに調和するべきかという大問題なのだ。そしてホテルオークラはその一つの傑出した例となった。
施主でありまた当代一流の趣味人だった大倉喜七郎はホテル設計に関して谷口に平家納経模本を見せ、その藤原期の雅を建築によって再現せよと難題を出したという。器量では施主が一枚上だ。私もそうだが、このような挑発がアーティストを燃え立たせるのだ。そんな施主はもういない。
十年程前、新聞に小さな記事が載った。「ホテルオークラロビー 大改装が決定」。私は憤りを覚えた。私に出来る事といえばすべての外国の友人にチェックインの再に苦言を呈するよう指示する事だった。効果があったのかどうか、そのうち改装の話は立ち消えになった。やはり日本では外圧が一番功を奏するのだ。」
・関連エントリー
藤村記念館 by 谷口吉郎 in 小諸
投稿者 esaka : 18:31 | コメント (0) | トラックバック
2006年07月06日
Gawker Media、再編

ブログネットワークGawker Mediaが、運営する15ブログのうち、2つを売却し、主要ブログの編集者の配置換えを発表したことで、ブログブームも終わりか、とNew York Timesなどでちょっと話題に。
PVは右上がりで、市場全体のネット広告が拡大しているとはいっても、これだけ急激にブログネットワークが増えてくると、広告獲得競争は、ネームバリューのあるGawker Mediaといえども、ある程度の改良、改編は当たり前でもある。しかし、気を見るに敏。さすが、Nick Dentonというところか。
ちなみに、Business2.0のブログによると、Gawker Mediaは6000万PV/月、CPM5$で、月$30万ドルの広告収入。w で、Nick Dentonは、先日発表されたBusiness2.0の「The 50 people who matter now」にも選出された。
投稿者 esaka : 13:07 | コメント (0) | トラックバック
2006年07月05日
スティグリッツ「温暖化ガス削減 環境税で」
昨日の日経新聞「経済教室」欄。ジョセフ・スティグリッツによる、温暖化ガス排出量削減のためには、アメリカが批准していないうえに、発展途上国の不満が高い京都議定書方式よりも、排出量に応じて環境税を課税せよ、という提言。今秋にこの内容を含めた「Making Globalization Work」を出版するらしい。
「解決策はある。世界共通の環境税を排出量に課税すればよい。温暖化ガスを排出すれば社会的なコストが発生するから、それを全員で負担しようという発想である。これは、個人・企業を問わず限界生産費用は全額負担しなければならないという基本的な経済の原則とも一致する。もちろんそのためには排出に伴う社会的費用の評価が必要で、各国がこれに同意することが前提となる。…
そもそも温暖化ガスの排出をはじめとする公害などの「バッズ」に課税するほうが、労働や貯金などの「グッズ」に課税するより理にかなっている。こうすれば、全体的な経済効率の向上にもつながる。…
国民がかぶるコストは、環境税で発生する政府規制・税・補助金や独占などによる総余剰の減少と環境税の導入で軽減される税金との差額だけである。…
京都議定書の目標達成のために世界は多額の投資をし、かなりの世界を挙げてきた。だが現在の行き詰まりの打開策はどの国からも提案されていない。今こそ新たな取り組みを考えるべきときである。…
環境汚染で利益を得る石油企業などからの政治献金がモノを言うようないかがわしい政治制度とあれば、なおさらだ。すべきことはわかっているし、手段もある。あと必要なのは政治的決断だけだ。」
う〜ん、スティグリッツの言葉なので、ひじょうに重いわけだけれど、京都会議の段階で、発想としてはより明快なこの世界共通環境税とならず、京都方式になったという政治力学が問題。さらには、CO2排出と温暖化の関係性を強く疑う人々も多いわけで、そのあたりの科学的な見地が共通認識とならないと話は進まない。が、ノーベル経済学賞受賞の巨匠の発言、ということでメモ。
・関連エントリー
ジョセフ・E・スティグリッツ『人間が幸福になる経済とは何か』