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2006年05月30日
山岸俊男「利他性のルーツ」
5月第一週あたりに日経新聞「やさしい経済学」欄に掲載されていた小さな連載をメモ。山岸氏の本は読んだことがまだ読んだことがないのだけれど、以前話題になっていた『信頼と構造』は読まないと、と思っていたところ。
「従来の社会科学では、利他行動は理性と文化に由来すると考えられてきた。…これに対して、現在、人間の利他行動を進化の観点からとらえなおそうとする動きが生物学だけでなく、経済学を含めた社会科学のなかでも生まれている。すなわち、人類には利他行動を促進する「人間性」が種として備わっているのだ、人間は「協力種」なのだという考え方である。
…違いは、社会の制度設計にあたり大きな意味を持つはずである。」
「互恵的な行動を超えた利他行動は進化可能か、もしそうだとすれば、いかにして可能なのか。この問いに対しては現在、3つの筋道からの解答が試されている。
第一は、評判による説明である。…我々の祖先たちにとって、集団から追放されることは極めて重大な意味を持っていた。…追放など致命的なエラーを回避するためには、常に利他的にふるまうほうが長い目で見て有利な戦略となる。
第二の説明は、共感性による説明である。共感性とは、他人の痛みを自分の痛みとして感じ、他人の喜びを自分の喜びとして感じることをいう。…共感性が自己利益を生み出す可能性はいくつか考えられる。…他者がどう感じるかを自分で感じることができれば、他者の行動をうまく予測できるという説明である。この場合に得られる利益がどれほど大きいかは、他者の感情を感じられないある種の人たちが、普通の知能を持ちながら、社会適応のためにどれほど苦労するかを考えればよくわかる。
第三の説明は、集団淘汰による説明である。
人間社会での利他行動・協力行動の謎の解明は、人類の未来を明るいものとするために不可欠な研究である。…現在、米サンタフェ研究所を中心に経済学者、人類学者、生態学者、ゲーム理論家などからなる大型研究プロジェクトが進みつつある。」
これは、面白い。ネット上での行動原理を考える上でも、こうした研究は重要だと思う。先行きをチェックだな。
投稿者 esaka : 2006年05月30日 16:05
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