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2005年06月28日
●原田泰『世相でたどる日本経済』
江戸時代から第二次世界大戦後までの日本経済を、様々な資料を駆使して、その実情をわかりやすく説明する。江戸末期や明治の生活というのは、歴史の出来事としてはなんとなくわかったつもりなのだが、実際、どんな生活が営まれていて、現代とどう違っていたのか、ということはなかなか理解しにくい。たとえば、エコロジーを強く指向する人に多いのだが、現代社会の過ちを正したいがために、過去を美化することもある。そこで「江戸時代のほうがよかった」「縄文時代は、美しかった」というような発言になりがちだ。では、実際、過去のその時代の社会というのはどういったものだったのか。これを理解するのはなかなか難しかったのだ。
「利用可能なデータは多くないが、維新前の 1846年〜55年に平均と比べて、東京の実質賃金は、1871~79年平均で、 67%上昇したという。居住移動が自由であり、この間に労働力人口が減少したこともない以上、この傾向は全国的であり、かつ全産業におよんだと考えても、それほど大きく誤ってはいないだろう。つまり、1850年前後から 1875年前後にかけて、日本経済は実質で3分の2ほど増大した(年率2%の増加)と考えることができるだろう。こんな具合で、経済学的視点に則った解釈で、切れ味抜群。こういった読みやすい本をベースに、経済学の門を叩く、というのはなかなかいいかも。
・・ 1800年以降に、人口増加が見られたことから、徳川時代にも経済発展があったと言われているが、その成長率は 1%にすぎない。2%以上の成長は、幕末にとられた開国と、その後の明治維新の経済改革のゆえであると言ってもよいだろう。」
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2005年06月22日
●牧野洋『最強の投資家 バフェット』
投資家の人生や投資ノウハウにはほとんど興味ないのだけれど、たまたま手に取ったこの本は意外に面白かった。ここで描かれるのは、アメリカ第二位の富豪、バフェットの投資経歴、企業買収遍歴を通して垣間見えるバフェット流「企業経営哲学」だ。
ビル・ゲイツとの関係を描いた部分からメモ。
「経営者としてのゲイツを観察すれば、バフェット的な部分が浮かびあがる。まず、個人資産の大半をマイクロソフト株で保有し、バフェットが好む「マネージャー(経営者)はオーナー(株主)のように振る舞え」を実践している。バフェット同様の富の大半を株式保有で築き上げ、自社株の大量保有を続けることで株主とリスクを共有しているわけだ。」“企業は誰のものか”を考える上でも、面白い。
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2005年06月19日
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2005年06月17日
NHK-BS「ワイシャツに熱い心をこめて」
NHK-BSで「ワイシャツに熱い心をこめて〜ウガンダ・柏田雄一」を観る。「遠くにありて にっぽん人 」というシリーズ。ウガンダで、 40年前にワイシャツ工場を作った日本人の話。その丁寧に仕立てられたワイシャツは、ウガンダ国内で有名で、大統領も着るほど。その日本人の老人は、300人近い従業員を雇い、ワイシャツ作りの基本を丁寧に、厳しく従業員に教え込む。目標は、工場そのものをウガンダ人に任せ、その製品を輸出することでウガンダ経済を潤すことだ。
その土地に根付き、孤軍奮闘する老人の姿も感動的だったのだが、面白かったのは、大らかな気質のウガンダ人従業員の初歩的ミスに怒る社長への従業員の対応。一言で言えば、すべてが純真なのだが、ウガンダでは、人前で相手を怒鳴ることはほとんどなく、 相手を怒鳴るのは、殴るのと同じだという。その老人曰く「ウガンダは、昔から豊かな土地だったから、あくせくしたり、争ったりということがなかったんでしょう」という。
ただ、昔はよかったとか言うつもりはないけれど、日本の近代化が、何を失い、何を得たのか、日本にいるとなかなかわかりにくくなる、と改めて認識。
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2005年06月12日
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2005年06月11日
虹
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2005年06月10日
「ジャニーという名の「神」の国」
先週の NEWSWEEKに、インディペンデント紙東京特派員デビッド・マクニールによる「ジャニーという名の「神」の国」という記事があった。日本のショービズ界を支配するジャニーズ事務所の裏の姿と、社長ジャニー喜多川の小児性愛スキャンダルを追ったもの。
「喜多川という人物には、小児性愛スキャンダルの影がつきまとう。あのマイケル・ジャクソンが、純真無垢なピーターラビットに見えるほどだ。この件に関しては、 99年の文春の記事と裁判結果に触れただけで、特に新しい情報はないのだが、ここでのインパクトは、それが NEWSWEEKという媒体に、外国人記者によって書かれた記事が載ったというところか。
喜多川の中には、子供を誘うハーメルンの笛吹男とエルビス・プレスリーの敏腕マネージャーだったトム・パーカー、大金持ちの世捨て人ハワード・ヒューズが奇妙に共存している。この 70代の老人は、嫌悪と尊敬の両方を一身に集める存在だ。」
個人的に気になっているのは、小児性愛スキャンダルよりも、ジャニーズ事務所が、日本の芸能界を支配することで、ジャニー氏個人の嗜好が、芸能界全体、また日本全体の「カッコいい男」の基準に大きな影響を与えているということ。まぁ大げさに言うほどのことじゃないけど。所属タレントには、歌って踊れる?という特徴に他に、身長が低く童顔、中性的という似通った傾向がある。マッチョなタイプなどは稀だ。
韓国の俳優が突発的にウケているのも、ジャニーズ系とは別の「かっこよさ」というのを持っていたから、とも言えるんじゃないかな。さらに悲しいのは、ジャニーズ的カッコ良さは、欧米ではほとんど理解されない、ということ。閉じたまま少数の者に、権力が過剰に集中している日本の芸能界、テレビ界は、そろそろ曲がり角、という感じがする。
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2005年06月09日
カーデザイナー/奥山清行
NHKデジタルハイビジョンで「デザインルームの6ヶ月/イタリア・スーパーカー誕生」 (再放送)という番組を途中から見る。フェラーリなどのカーデザインを引き受けるピニンファリーナ社で、フェラーリの「未来の車」をコンセプトとした車をデザインする6ヶ月を追った番組。カーデザインの制作の過程を追う、というのも珍しいが、なんといってもその道の最高峰、フェラーリのコンセプトカーだ。その責任者が日本人だったということにまず驚く。寡聞にして奥山氏の存在をこれまで知らなかった。
番組内では、4人の部下のデザイナーが出す案をピックアップし、ブラッシュアップしていく様が描かれる。年齢も出身も様々なデザイナー達が火花を散らして、自らの案を出す。それに対して、奥山氏から何度も厳しい要求がつきつけられる。
クリエイティブな場でのリーダーから部下への指示というのは、なかなか難しいものだと思う。この製作現場では、グループ作業ではなく、それぞれのデザイナーが自分のデザイン、自分の感性に自信を持って者の集まりだ。そうした場で、部下を納得させるには、「それは、あなたの好き嫌いの問題でしょ」と言われても、相手を説得させるだけでの "力"がなくてはいけない。奥山氏の場合は、これまで彼がデザインしてきた数々の車がそうした説得力を持たせていたようだ。それでも、「毎朝、音楽かけて気合いをいれてます。これから肉食動物に中に入っていくんだ、みたいな感じで。ほんと虚勢張りまくってますから」と言う。ひさしぶりにとんでもなくカッコいい日本人を見た。
・奥山清行(グッドデザインアワード)
二足歩行ロボット「 nuvo」のデザインも、奥山氏だった・・。
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2005年06月07日
●村田潔編『情報倫理』
恥ずかしながら知らなかったのだけれど、今、中・高等学校の科目「情報」の教員免許を取得するために、大学で情報社会、情報倫理に関する科目の単位を取得しなければいけないらしい。 2002年のe-japan戦略の重点政策分野の一つとして「人材育成の強化」が掲げられて、その一環。大学で使われている教科書見てみないと。この本も大学の講義、企業研修のテキストを目的として編集されていて、全体わかりやすく面白い。村田氏担当の序章からメモ。
「技術決定論のように技術そのものが社会のあり方を決めると考えることは、人間が技術を道具化するという意味で技術が解釈の対象であり、したがって技術の導入、利用に当たってその影響が組織や社会に及ぶとき、判断主体あるいは行為主体としての人間の責任が問題とされなけらばならなくなるという点を見失わせるばかりか、倫理問題の解決に向けての努力を無用なものとして評価する傾向を生み出す。今もっとも面白いトピックは、 "情報倫理"だと思う。
逆に、技術それ自体は中立であり、倫理問題を引き起こすのはそれを利用する人間であると主張することは、技術にはその開発者の価値が埋め込まれていることを無視し、また、人間の思考が目の前に存在している具体的なものに即して行われる傾向があることから目をそむけることにつながる。このことは、 ICTや情報システムの開発におけるエンジニアの倫理責任を過小評価する結果をまねくであろう。」
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2005年06月05日
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2005年06月03日
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●井熊均『「徹底検証」電子自治体』
2003年に出された本だが、ここで指摘された問題は基本的にそのまま継続されていて、そのほとんどは解決されないままと考えていいのだろうな。問題といっても、セキュリティとかプライバシーではなく、ここでは IT投資の効果をいかに高め、電子自治体として改革につなげるか、という視点。現状があまりに非効率、ということだけれども、当然、こうした視点もあるべきだ。アメリカの軍事産業や日本の建設業のように、いったん政府との関連がしっかりと結びついてしまうと、細かな費用対効果の精査のなしに巨大な列車が突っ走ることはよくあること。後になって、その路線を変更するのは容易な事ではない。住基ネットの今後も含めて、 IT業界と政府との関係は、ここ数年で決まるだろう。
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2005年06月02日
●佐々木俊尚『個人情報流出事件』
キーロガー銀行口座クラック、ヤフー BB顧客情報漏洩、宇治市住民データ漏洩事件、ウイニー。ネットとプライバシーや個人情報に関わる、ここ数年の重要な事件のレポート。他のネット関連情報と同様、この手の事件に関しては、圧倒的に詳しい者と事件の存在すら知らない者という2極化が激しい。社会学的見地や法的視点からの論評も価値はあるのだが、まず、今、何を起きているのか、ということを冷静にレポートすることは大きな価値があると思う。古い世代のジャーナリストは、自らが社会に成り代わって‘断罪する’というような姿勢になりがちだが、佐々木氏の作業は、特に事件の重大さを煽ったり、大上段に構えて社会を語ったりせず好感が持てる。引き続き続編が出てほしい。が、イラストや本のデザインやコピーは、文体の冷静さとは対照的に煽り一辺倒なのが残念。