« 2004年12月 | メイン | 2005年02月 »
2005年01月27日
●橘玲『雨の降る日曜は幸福について考えよう』
以前から伺われた「リバタリアニズム」的主張が、ここでは前面に押し出されている。良識とされているものからは逸脱しているのだが、極めて「正論」で、ある種爽快。
「自己責任は自由の原理である、私たちが国家から自らの権利を守るための大切な武器である。人は自由に生きる方が幸福だ。そう考えるならば、国家に必要以上の「義務」を負わせてはならない。橘氏の主張そのもの、というよりも、思考のパターンに共感する。書き下ろし執筆中と聞いたけれど、次の展開が楽しみ。
これまで日本人は、国家に対して母親のような役割を求めてきた。国家を批判する人ほど国家の「義務」を声高に語るが、その過激さは彼らの忌み嫌う「国家主義者」と瓜二つだ。
より多くの義務を負う国家は、国民の私生活へのより大きな介入を正当化できる。私たちが「自己責任」を生きなければならない理由はここにある。
「国民を保護するやさしい国家」ほど危険なものはない。自由な社会は、国民に対して均しく冷淡な国家からしか生まれない」
投稿者 esaka : 01:27 | コメント (0) | トラックバック
2005年01月25日
MIDEMにジャパン・パビリオン出展
カンヌで行われている世界最大の音楽見本市「MIDEM」に、ジェトロと国内音楽産業が共同で出展する、という22日の朝日新聞の記事(→asahi.com)。コンテンツ産業を先端的な新産業分野と位置づけた「新産業創造戦略」が策定されて以来の流れだ。
経済産業省商務情報制作局がまとめている2つの資料に「戦略」はまとめられている。
・コンテンツ産業の国際展開と波及効果.pdf
・これまでの我が国コンテンツ産業 国際展開に向けた取組.pdf
で、朝日の記事で気になったのはこの箇所。
「日本の01年の音楽市場は1兆6千億円程度とみられ、米国に次いで世界2位。しかし、輸出は、言葉の壁もあって約29億円と、約251億円の輸入額に対して、1割強にとどまっている」
日本の音楽産業は、世界の辺境にあるちっぽけな市場だと思っていたら、なんと世界2位だったのね。(1位のアメリカの市場規模やその他の国の市場規模は、検索したけれど、見あたらず)しかし、ここでの「音楽市場」が何を表しているのか、よくわからない。 先日のエントリーでは、04年の音楽ソフトの生産額推計値は4341億円。エライ違いだ・・。とりあえず、メモ。
ちなみに、政府の産業政策について、先週エントリーした岩田規久男『日本経済を学ぶ』では、こう言ってる。
「狭義の産業政策(旧通産省が行う産業政策)の根拠は薄弱で、むしろ、経済成長を阻害する可能性のほうが高いと思われます」
考えてみると、アメリカのカウンター・カルチャーや、イギリスのパンク、ニューウェーブ、それにエイズ全盛期のアメリカのアート....個人的に大きな影響を受けたカルチャー・ムーブメントは、その国が経済的に落ち込みんだ時代に生まれたものばかりだ。そんな「腐った」時代、場所からこそ、突出したカルチャーが生まれる。文化を創るのは若い世代で、鬱屈したエネルギーを溜めた若者が、そのエネルギーを表現に向けるのだろうから、当たり前といえば当たり前なのだ。そういう意味では、今の日本は、いい頃合いに腐っていると言えそうだ。そこから生まれるものは、役人が期待したものとは、まったく違うはずだけれど。
投稿者 esaka : 03:55 | コメント (0) | トラックバック
2005年01月23日
投稿者 esaka : 01:08 | コメント (0) | トラックバック
2005年01月22日
●佐伯啓思『新「帝国」アメリカを解剖する』
ブッシュ2期目の就任式での言葉。
「あらゆる国で、民主化運動と制度の発展を求め、支持することが米国の政策だ」
「民主化運動への支持は、米国の安全保障にとって切迫した要請であり、神のおぼしめしだ」
さて・・また佐伯氏。
「90年代の「アメリカニズム」という名の近代主義の世界への拡散こそが、原理主義の過激化と並行したもう一方の運動であることを理解しておかねばならない。市場競争のグローバリズム、「マクドナルド化」による生活様式の普遍化、自由と民主主義の世界的標準化、人権や人間の権利という観念の世界化、こうした「啓蒙のプロジェクト」の普遍性を主張することが「アメリカニズム」の意味であった。ひとたびこの「啓蒙のプロジェクト」の正当性が唱えられるや、次には、この「正義」の普遍化に向けた権力の行使さえも正当化されていく。・・このあたりの展開は、『20世紀とは何だったのか』と同じ。そして、新刊の『自由とは何か』に、この‘シニシズム’論は繋がっていく。展開がダイナミックで見取り図も明解で楽しめるが・・次作に、もう一声を期待。
20世紀の世紀末に、アメリカニズムによって西欧的な理念が世界に拡散するにつれ、西欧近代が生み出したニヒリズムもまた世界へと拡散していったのである。その意味では、「アメリカニズム」と「テロリズム」は全く対照的な姿を示しながら、現代にニヒリズムが生み出した二つの異形の同位物だとさえいえよう。」
投稿者 esaka : 02:30 | コメント (0) | トラックバック
2005年01月19日
●岩田規久男『日本経済を学ぶ』
経済‘入門’書は、もう何冊目だろ・・笑。これは、岩田氏の著作の中でも、飛び抜けてやさしく解説してくれていて助かる。新書ならではの「公開講義」スタイルも読みやすい。コンパクトだけれど、戦後の高度成長から「失われた10年」までを丁寧に振り返り、今、必要な経済政策にしっかりと落とし込んでいて、しっかりツボを突いている。書かれた時期が、ちょうどイギリスに滞在して研究中だったこともあって、サッチャーの改革の話題が所々出てくるのも、日本の経済政策が相対化されて、これもわかりやすい。
「04年は、デフレからの脱却が予想される中、今度は、国債残高の増大で、長期金利が急騰するのではないかと危惧されるようになりました。長期金利が急騰するかどうかは、市場がデフレ脱却後に、日銀が1〜3%程度の穏やかなインフレを維持できると予想するかどうかにかかっています。・・そのためにも、インフレ目標政策を採用して、デフレ脱却ではなく、穏やかなインフレを目指す金融政策に転換すべきだと考えます」
投稿者 esaka : 23:01 | コメント (0) | トラックバック
2005年01月17日
強まる「石油ピーク説」
以前、テレ東「ワールドビジネスサテライト」のコメンテーター、アランフェルドマン氏の「統計学的予測モデルによって、2003〜2009年に、石油生産のピークを迎える。」という発言についてエントリーしたけれど、今日の朝日新聞「さらば消費社会」というシリーズの冒頭で「強まる「石油ピーク説」」という記事。要点をメモすると・・
・世界の石油開発業界で、「地球全体の石油ピークが近い」という説が強まっている。環境破壊の危機よりも、この石油資源の限界のほうが、かなり切迫した問題。あらゆる面で、今の社会は石油に依存しすぎていて、ちょっとした方向転換すら容易ではないだろう・・。過度に心配するつもりもないけれど。
・原油生産量が横這い、減少している産油国が、00年以降11カ国。
・埋蔵量にまだ余裕があるのは、旧ソ連諸国、西アフリカ、南米だが、これらの国も10年以内にピークを迎えるという見方。
・このため、中東への石油依存が高まっている。
・「従来の採掘技術で生産するだけなら、15年後には需要の半分が賄い切れなくなる」と石油メジャー幹部も懸念。
・2030年の全需要を賄うには、新規油田発見や採掘技術の向上のために総額3兆ドルの投資が必要。
投稿者 esaka : 01:39 | コメント (0) | トラックバック
2005年01月16日
投稿者 esaka : 00:35 | コメント (0) | トラックバック
2005年01月15日
日経新聞「はやり白書」で「デジオ」紹介
そういえば、8日の日経新聞の土曜日版「NIKKEIプラス1」の「はやり白書」というコーナーで、音声ブログの「デジオ」が紹介されていて、そこにちょこっとコメントしている。取材していただいたのは、昨年末。今年、デジオは来る、と思っているけれど、日経早い〜! 驚いた。デジオの中心人物のタナカカツキさんや伊藤ガビン氏、それにデジオを開局しているユーザーの声、さらに既存のラジオ局の側としてニッポン放送の編成局長の声まで取っていて、内容もしっかりしている。日経侮れません・・。
投稿者 esaka : 00:58 | コメント (0) | トラックバック
2005年01月12日
振り込め詐欺、被害252億円
このブログでは、あまり時事的なことを書くつもりはないのだけれど、今回はあまりにとんでもない数字を記録するために(参考→ asahi.com)。
オレオレ詐欺の昨年1月〜11月までの被害額が252億円。約1万8000件発生。すでに528人が詐欺・恐喝容疑で逮捕。このところ増えているのが、架空請求詐欺。11月だけで約6億3000万。
正月から偽札が発見されてかなり騒がれているが、振り込め詐欺は252億というとんでもない金額の割に、メディアの報道があまりに少なくないっすか?
投稿者 esaka : 23:50 | コメント (2) | トラックバック
2005年01月10日
●西野哲朗『中国人郵便配達問題=コンピュータサイエンス最大の難関』
量子コンピュータをできるだけわかりやすく解説するために書かれた本、というジョージ・ジョンソン『量子コンピュータとは何か』を、正月休みに読んでいたのだが、ちゃんと理解できなかった(イメージできなかった)・・。で、焦って訳者のあとがきで勧められていたこの本を手にとってみる。が・・さらに闇に入った感じ。泣。
投稿者 esaka : 19:49 | コメント (0) | トラックバック
2005年01月09日
●ジェレミー・ハリス・リプシュルツ『インターネット時代の表現の自由』
2000年に出されたメディア論学者による本の翻訳だけれど、飛ばし読み。中心になっている事例は、リノ対米国市民自由連合と、クリントン・スキャンダルで、引用と資料が膨大(そのぶん、ちょっと読みにくい)。事例は参考になるが、肝心の分析のほうが、翻訳のせいか、ちょっと理解しにくい・・。
投稿者 esaka : 19:35 | コメント (0) | トラックバック
投稿者 esaka : 02:12 | コメント (0) | トラックバック
2005年01月07日
オーディオレコード、ピークの38%減
昨日のエントリーの「ポピュラー音楽の国内・外国の比率」の元になったデータは、98年。この98年は、日本の音楽ソフト生産のピークだった。昨年末に日本レコード協会から出された04年の音楽ソフトの生産額推計値によると6年連続の前年割れで4341億円(この内、音楽関連DVDは、前年比5%増の532億円)(参考→asahi.com、AVWatch)。特に、音楽ソフトからDVDなどを除いたCDシングル、アルバムの「オーディオレコード」は、前年比5%減の3788億円でピークの98年から38%減。
こうなると、昨日の「ポピュラー音楽の国内・外国の比率」も大きく変わっている可能性がある。
しかし、38%減とは・・去年も似たようなことをエントリーしているけれど、もう歯止めがかからない。音楽ソフト離れの理由はいろいろ言われているが、個人的な感覚では、ミリオンセラーを連発(48枚)していた98年頃、すでに今とは別の異常な状況が始まっていた気がする。周囲の誰も聴いていないのに‘大ヒット’、という状況が頻繁に起きていたのもこの頃だ。90年代後半から、市場に出回るCDの数と、実質的な購買数との間に解離があったのではないかな。
投稿者 esaka : 00:39 | コメント (0) | トラックバック
2005年01月05日
ポピュラー音楽、映画の自国シェア
さらに1/1日付け朝日新聞から。気になる数字をメモ。
●ポピュラー音楽の国内・外国の比率 (98年 UNESCOによる)
| 国内(%) | 外国(%) | |
| 日本 | 78 | 22 |
| 韓国 | 48 | 52 |
| フィリピン | 31 | 69 |
| インド | 97 | 3 |
| アメリカ | 95 | 5 |
| フランス | 49 | 51 |
| ロシア | 72 | 28 |
| エジプト | 81 | 19 |
| ニュージーランド | 7 | 93 |
| ブラジル | 75 | 25 |
●アメリカ映画と自国映画のシェア(01年。International Networks Archive)
| 米国映画(%) | 自国映画(%) | |
| アメリカ | 93 | |
| イギリス | 81 | 12 |
| オーストラリア | 81 | 8 |
| スペイン | 67 | 18 |
| イタリア | 60 | 19 |
| フランス | 51 | 39 |
| 日本 | 40 | 39 |
日本での国産ポップカルチャーのシェアは意外に高い。映画なども、アメリカ映画の輸入制限をしているフランスよりも、まだ日本のほうが輸入が少ない。ポピュラー音楽も、ロシアやブラジルと似かよった状況だ。言語の違いと、国内でそれなりに大きなマーケットが成り立ってきたからだろうけれど。それにしても、国内コンテンツ産業の危機をよく耳にするだけに、意外な数字だった。
投稿者 esaka : 14:08 | コメント (2) | トラックバック
2005年01月04日
レスター・ブラウン「環境と成長は調和できるか」
同じく朝日新聞1月2日版「未来を語る」の2回目からメモ。
・温暖化が一つの原因となって、数年もしないうちに世界中で穀物が不足する。これに続いて、温暖化を防ぐには省エネを進め、再生可能エネルギーを利用する技術と、それらを普及させるための各国政府の政策で危機は乗り越えられるだろう・・という。危機の内容に対して、提示された解決策が有効なのかはよくわからない。
・世界人口は増えていくのに、それに十分な麦、米、大豆を生産できなくなる。
・アメリカ、中国、インドの内陸の穀倉地帯で温暖化の影響を受けやすい。
・アジアでは、ヒマラヤ山脈の雪が溶け、インダス、ガンジス、メコン、黄河、揚子江などで洪水が起きやすくなり、農地が荒らされる。
・中国が、穀物の大輸入国になり、世界の穀物価格が上昇。貧しい国には死活問題。新たな南北問題、紛争の火種に。
投稿者 esaka : 18:56 | コメント (0) | トラックバック
ポール・クルーグマン「世界経済はどこへ」
朝日新聞1月1日版「未来を語る(1) ポール・クルーグマン」からメモ。
・現在の市場重視の政策は、大恐慌につながる1910年代と基本的に同じ。ここでのクルーグマンの予測は、アメリカの巨額の経常赤字がドル急落を招いて、世界経済に大打撃を与えるというものと、いっぽうで中国の急成長という2つ。他でさんざん目にしたことでも、この人に語られるとインパクト強い・・。
・歴史上経験したことのない不均衡のなかにある。その象徴がアメリカの経常赤字。
・やがて中国は世界最大の経済国家になる。
・ドル急落で、日中に巨額の為替差損。
・アジアはすでに実質的な経済統合が実現している。が、欧州型の統合をめざすには、アジア各国は経済の発展段階が違いすぎる。
・中国の人口はアメリカの5倍。一人当たりの生産性がアメリカの5分の1になれば、世界最大の経済規模になる。
・中国の成長の壁になるのは、大気汚染、水不足などの環境問題だ。
・日本は、バブル時代の過剰投資のツケはほぼ解消され、復活の芽はある。が、過去12年間何度も失敗しており、復活には成長を3年続ける必要がある。
・10年後にはアジア経済の中心は中国で、日本は格下のパートナーになる。
投稿者 esaka : 18:29 | コメント (0) | トラックバック
2005年01月03日
あけましておめでと
※写真の拡大版をクリックでポップアップするようにしました。