« 核燃料サイクル費用 | メイン | IndyMediaのサーバー押収 »
2004年10月11日
●青木日照+湯川鶴章『ネットは新聞を殺すのか』
今頃、ようやく読む(出版は03年9月)。内容を見誤っていた。監修が国際社会経済研究所で、著者が報道機関に身を置く方、ということで、ネットでおきている事象を見下しつつ、表面的な分析を加えるぐらいのありがちな内容ではないかとかってに考えていたのだ。恥ずかしい。
ブログを代表とする草の根ジャーナリズムの勃興。紙の新聞はネットに置き換わるのか?次々と現れる新技術は新聞にどんな影響をもたらすのか。
大きくこの3つに主題は分かれるが、中心のテーマは、これからのジャーナリズムの形はどうなるのか、という点だ。
ブログ対ニューヨーク・タイムズや、日本の草の根ジャーナリズムとしての2ちゃんねる、といった具体例も面白いが、ここで際だつのは、今起きている急激なメディアの変化のただ中で、「報道機関は、生き残ることはできるでしょうか?」と訊ねる著者の真摯な姿勢だ。そこで、「参加型ジャーナリズムの確立」に可能性を見いだすという姿勢も素晴らしいと思う。また進化を続ける技術への対応も、
「人の作り出すコンテンツと、その時代の技術の作り出すコンテンツの、両方の最適なバランスを見つけだした企業が、その時代の情報産業の覇者になる。ただそのバランスは、技術の変化とともに変化し続ける、天下を取ったと思っても、すぐにその座は脅かされることになる」と、断定もせず煽ることもなく、派手ではないが冷静なもの言いにはとても好感を持った。
・湯川氏のblogでその後の情報が蓄積されている。「ネットは新聞を殺すのかblog」
参加型ジャーナリズムの可能性について、Hotwiredでも、03年1月に「独立系オンラインメディアの台頭」という特集した。この時は、Independent Media Centerを中心に紹介している。ほんとうは、03年の5月にまとめた「blogってどうよ?」特集と同時期に取材していて、最初は一つの特集としてまとめようとしていた。独立系参加型メディアの動向とblogムーブメントの接点を強調しようとしていたのだ・・。いろいろあって、結果として2つの特集となり、ブログのほうがなんだか大騒ぎになってしまって、前の特集との繋がりで見られることはなかったわけですが。
投稿者 esaka : 2004年10月11日 02:46
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://editreal.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/422
コメント
湯川です。取り上げていただいて恐縮です。しかも好意的に・・・。この本に関しては「当たり前のことを書き過ぎる」(主にネットユーザー)「過激なことを書き過ぎる」(主に新聞関係者)という両極端の批判ばかりいただき、好意的に取り上げていただくことがほとんどなかったものですから、非常にうれしく思います。いつもホットワイヤードを読ませていただいています。これからもよろしくお願いします。
投稿者 湯川 : 2004年10月15日 00:37
湯川さん、こんにちは。コメントいただき恐縮です。出版されてから1年もたってから拝読することになり、お恥ずかしい限りです。報道機関に身を置く方の真摯な声はとても貴重なもののように思いました。「ネットは新聞を殺すのかblog」も楽しみにしております。単行本も続編が出るといいですね。
投稿者 esaka : 2004年10月15日 22:15