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2004年10月01日
●永江朗 アトリエ・ワン『狭くて小さいたのしい家』
ライターの永江氏が自宅「ガエハウス」を建てるまでの経緯がレポートされている。最近、近しい世代のそれも似通った職業の方が何人か、この手の本を出している。それぞれが当然、個別の考えや趣味や経済状況から、「家」と向き合うわけだが、「小さくても、自分の好きな家」に住みたいという志向は共通するものだ。
永江氏の場合、‘住み慣れた街に住み続けたい’と考えて、家を建てる、という結論に至った。
「もともと家を建てるつもりはなかった。一生賃貸アパートに住みたいと思っていた。賃貸のほうが、なんだか身軽な感じがするからだ」しかし、東京の現実は、
「住み慣れた街に住み続けるのは大変なのだ。まず、適当な物件があまりない。・・ぼくもつい最近、似た体験をしたところなので、この動機はひじょうによくわかる。さらに、他にも相通ずる点が多くて、人ごとと思えない。妻と2人ぐらし。家で仕事をする。本の収納が問題。石山修武氏の考え方に大きな影響を受けている。土地の所有にこだわらない。住み慣れた場所に思い入れがある。以前、田舎暮らしをしようと、長野の不動産を見て回ったことがある。・・お金はあんまりない(^^;)。
もっと大変なのが賃貸契約だ。フリーランスの仕事というのは、不動産屋や家主から嫌われる。・・
保証人制度も困る。本人の所得証明だけでなく、保証人の納税証明書まで要求される。・・この不安は賃貸派にとってけっこう大きいはずだ。」
ここから土地探し、建築家(ここでは、アトリエ・ワン)へ依頼の手紙を出して‘物語’が始まる。
「建築家に設計を依頼するのは、既成の洋服やクルマを買うのとは根本的に違う。・・建築家の仕事はデザインすることではなく、考えることだ。建物を使う人との関係、周囲との関係など、さまざまなことを考えてアイデアを出すのが建築家だ。建築家とのやりとりも、もちろん面白いのだが、個人的には、家づくりに入る以前の段階が興味をひいた。土地の権利(所有権、借地権)や不動産屋とのやりとり。一般的に「住宅」というと、‘建築’ばかりに話が向かうが、その前段階の土地取得や資金の工面や税金のやりくり、といった部分は、まだまだ情報が十分でないように思う。この部分での選択肢を考え尽くされてない気がする。すべては、土地を含めた「住宅」があまりに高額なために、個人の人生そのものに大きな影響を与えてしまうから、なのだけれど・・。
だから、建築家を選ぶ(といういいかたは不遜だけど)ときにもっとも重視したのは、その建築家の作品のデザイン的価値よりも、ものの考え方だった。もちろん考え方はデザインに強く反映されるけれども」
投稿者 esaka : 2004年10月01日 19:55
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