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2004年03月23日

藤原帰一「論壇の正体」

朝日新聞でこの2年続けられた藤原帰一氏の論壇時評最終回がなかなか面白い。以下、メモ。

・論壇の実態は、発行部数が多いとは言えない雑誌の一群。狭い世界だ。
・何が書いてあるのか、読まなくてもわかった気になることも多い。
・議論の中身にも、顔ぶれにも新味がない。
・10年前のものといっても通りそうな目次。題のつけかたが似ている。カッコが多いところ、大げさなな言葉遣い。
・雑誌も読者も棲み分けているだけに、異なる意見を持つ人々が議論することはない。
・よって、書き手も読者も論壇から離れていくのは当然だった。
・論壇の議論が停滞した第一の理由は、日本の政治の閉塞と連続性。政治を自分の手で変えることができるという手応えのあるとき、政治について議論する意味も生まれる。
・「サンデープロジェクト」のようなテレビ番組が雑誌に代わって、論壇の機能を持った。
・現実追随と現実無視が向かい合う限り、読者にとって意味のある議論が生まれるはずもない。
・論壇一般が停滞する中にも、現実をより丁寧にとらえようとする文章もあったのが、荒れ果てた論壇に残された希望。

『世界』やら『中央公論』やら『文藝春秋』やら『正論』の総合誌が、長いあいだ魅力のないものとなっているのは確かだ。藤原氏の担当したこの2年は、9.11と2つの戦争があったのだから、状況としては‘激動’と言っていいはずだが、この間を担当した論壇時評の結論が、「古い議論のくり返しばかり」ではあまりに情けない。藤原氏の指摘を見てみると、日本政治の閉塞性という問題と、雑誌の編集の問題に分けられる。政治の閉塞性は、いかんともしがたいけれど、この分野でも、今こそ、もっと面白い雑誌ができるはずと思うが・・。

投稿者 esaka : 2004年03月23日 02:31

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